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イネの研究で重要なテーマのひとつに、高温への対応が挙げられます。高温でも1等級品質が確保できる品種の開発や、高温がイネの生長に与える影響の解析には、高温条件を作り出す必要があります。
その一手段として、本研究所ではオープントップチャンバーを利用しています。
オープントップチャンバーは、環境研究でよく利用される装置で、大気や温度を制御するためのものです。側面は透明な素材で囲われ、上部は開いているため、自然条件に近い環境にしつつ、内部の温度を周囲よりも高めることができます。
設置は7月中旬、梅雨の晴れ間をねらって行いました。
まずはオープントップチャンバーを組み立てます。
骨組みとなる鉄骨を組んで、設置場所の近くまで運びます。
そこに周囲を囲い込むようにビニルシートを括り付けて固定します。
組み立てたものがこちらです。なお、一面だけ黒色になっているのは、内部への日射量に対する影響が小さい北向きの方角に黒マルチを張っており、温度上昇効果を高めるねらいがあります。
いよいよ試験ほ場内へ設置します。持ち上げて設置場所まで運んだら、囲い込む対象の稲株にぴったり合わせて位置を決め、田んぼに埋め込んで設置完了です。
オープントップチャンバーを設置したのは、前回の記事「指定席だらけの田植え」で紹介した指定席だらけの田んぼです。この中に様々な種類の稲株を効率よく収めて高温の影響を見る試験を実施するため、田植えの段階から準備してきたものです。
穂が出始める頃になると、オープントップチャンバー内外で本格的な調査が始まります。