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酪農の仕事に対する理解を深めていただくことを目的に、搾乳ロボットなど最新技術を導入している農場で作業体験や酪農家との交流を行う「酪農体験会」を開催しました。
【開催概要】
・ 第1回:令和7年11月1日(土曜日) 参加者1名
・ 第2回:令和7年11月8日(土曜日) 参加者2名
少人数ながら、参加者は酪農の現場をじっくり体験し、牛とのふれあいを楽しみました。
【スケジュール】
14時00分~ 酪農・農業に関するお話
15時00分~ 農場見学(牛舎、搾乳ロボット、人工授精など)
16時00分~ 作業体験(エサやり、搾乳、子牛の哺乳、除糞掃除)
18時00分~ 終了
※ 第1回、第2回ともに内容は同じです。
はじめにMoimoiファーム社長の堤 富士人さんから農業の役割やこれまでの歩みについてお話をお聞きしました。
・ 「農業の使命は、みんなが安心して食べられるものを、適正な価格で安定して供給すること。」
・ 昭和54年、国の補助金で牛舎を建設したものの、当時の国の政策として、全国的に乳牛増頭が進められたため、牛乳が余る事態となり、思うように生産することができなかったこともあったそうです。
・ 「需給と供給の政策がうまくいかない背景には、国民の関心の低さもある。みんなが声をあげれば国もしっかりと対策をしてくれる。農業に関心を持つことが大切」とのメッセージがありました。
酪農の喜び
堤さんは「自分の農場で生まれた子牛を、乳を搾るまでずっと面倒をみることが楽しみ」と語ってくれました。
Moimoiファームでは、飼養している牛の約8割が自分の農場で生まれた牛です。
Moimoiファームの牛舎は、育成牛舎・乾乳牛舎・フリーストール牛舎・つなぎ牛舎に分かれています。
このうち、搾乳ロボットを備えているのは、フリーストール牛舎。牛は牛舎内を自由に歩き回り、好きな時間に搾乳ロボットへ入り、自動で搾乳が行われます。これまで酪農家が朝と夕方に行っていた搾乳作業の時間が大幅に短縮され、酪農家は他の重要な業務に集中することができます。
さらに、搾乳ロボットは24時間稼働しているため、人手による朝夕2回の搾乳に比べて1日3~4回の搾乳が可能となり、乳量の増加に大きく寄与しています。
ただし、牛によっては、乳頭位置の関係でロボットでの搾乳が難しい場合や、自由に歩き回れるフリーストール牛舎に向かない牛もいます。そのような牛は、つなぎ牛舎で飼養しています。
育成牛舎 搾乳ロボット
子牛を成牛まで育てる場所 乳量を確認
フリーストール牛舎 つなぎ牛舎
牛をつながないため、自由に歩き回れる 1頭ずつつなぐため、個々の牛に目が届く
今回は夕方の作業を約2時間、みっちり体験していただきました。
朝・昼・夕の3回、牧草や配合飼料などを給与します。
牧草(チモシー)を1頭分ずつ規定量を量り、与えました。
牛は食べながらエサを前方に押し出してしまうため、ほうきを使って寄せ直し、食べやすいように整えます。
エサやり エサ寄せ
チモシーは嗜好性もよく栄養価も高い 残さず食べてね
牛床の糞を集め、排出溝へ移します。
除糞後には、もみ殻を敷き直し、牛が快適に休める清潔な寝床を作ります。

除糞掃除 敷料交換
牛がびっくりしないように声をかけながら もみ殻を敷いて、牛の寝床の完成です
バケツに哺乳口(乳首)を取り付けた器具でミルクを与えます。
力強く飲む姿が、とても可愛らしいです。
哺乳 生まれたばかりのかわいい子牛
いっぱい飲んでね 寒い日はベストを着ます
つなぎ牛舎では、朝夕2回搾乳しています。
搾乳前には「前搾り」を行い、異常乳の確認や乳頭を刺激し、お乳を出しやすくします。
その後、乳頭を消毒してミルカーを装着し、真空の力で搾乳します。
搾乳後は、再度、乳頭を消毒し、乳頭口からの病原菌の侵入を防ぎます。
前搾り ミルカーを装着
牛に蹴られないようにやさしく すばやく付けるのは難しい
・ 乳牛の飼養管理はやったことがなかったが、しっかりと教えてもらえたし、やりがいがあって楽しかった。
・ 1頭1頭に名前を付けたり、性格を覚えたりしていてすごいなと思った。流れ作業なのかと思っていたため、体験会に参加して印象が変わった。
・ 作業は大変だったけど、学校では体験できないようなことを経験できてとても楽しかった。スーパーなどに行けばすぐ牛乳が購入できる現状に改めて感謝した。
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熱心に作業体験に取り組んでいただき、ありがとうございました。
今回の体験を通じて、酪農の仕事に関心を持っていただけたことを嬉しく思います。
今後もこのような体験会を実施し、酪農の魅力を広く伝えていきたいと考えています。