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水稲の有機栽培の成否は、水田内の雑草対策で決まるといっても過言ではありません。
農業総合研究所では、省力的かつ効果的な雑草対策技術として表層撹拌型除草機を開発しました。
〔詳しくは、令和4年度研究成果情報『水稲有機栽培用の新しい除草機「表層撹拌型除草機」』参照〕
農業総合研究所が開発した表層拡販型除草機です。
除草機にはナイロン製の細棒をブラシ状に差してあります。
このブラシが、土壌表面を撹拌することで、雑草を抜いていきます。
稲は、ブラシが届かないところに根を張っているので、抜けることはほとんどありません。
通常は、この除草機を水田の畦畔の両側から交互に引っ張り除草します。
これまで3年間この除草機で除草していますが、安定した除草効果が得られています。
また、水田の中に入る必要がないので、肉体的な負担は従来のチェーン除草や竹ぼうき除草等より軽くなりますが、引っ張る距離が20m以上になってくるとそれなりの重労働になってきます。
より省力的に、かつ楽しく除草機を引っ張る方法はないかということで、現在海釣り用の電動リールで除草機を引っ張る実証を行っています。
魚釣りと同様に、体を持っていかれないように踏ん張る必要はありますが、作業強度は自分で引っ張るより軽くなります。
また、水田脇の狭い畦畔ではなく、離れている広い農道から引っ張ることも可能なので、勢い余って水田に落ちるリスクも少なくなりました。
ただし、電動リールが故障しても保証が適用されない可能性があるので、実際に行う場合はご注意ください。
隣の水田では、「有機米デザイン株式会社<外部リンク>」が開発した水稲有機栽培用除草ロボット『アイガモロボ』の受託実証試験も行っています。
農林水産省が令和3年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」において、2050年までに目指す姿として「耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%に拡大する」ことが示されており、有機農業の拡大は農業政策の重要な課題になっています。
慣行農業に比べて、有機栽培、特に除草作業はかなり重労働になりますが、少しでも負担が少なく、かつ楽しく除草ができるような技術開発に取り組んでいきます。
このほか、基盤研究部の研究概要はこちらからご覧ください。
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