体色異常のホウボウ(スズキ目ホウボウ科)


体色異常のホウボウ(上:左体側、下:背面と胸鰭内面)
水産海洋研究所撮影・測定〔解凍した状態〕
全長:34.6cm 標準体長28.0cm 体重:401.1g
特徴
学名:Chelidonichthys spinosus
- 第2背鰭基底には小棘のある骨質板がある。
- 体背側面の鱗は小さな円鱗である。
- 体長は頭長の3倍以上。
採捕の状況
漁獲日時:令和8(2026)年4月30日
漁獲場所:村上市岩船港西方沖 水深約50m
漁業種類:板びき網(新潟漁業協同組合岩船港支所所属)
分布
水深5~615mの泥,砂まじり泥,貝殻・泥まじり砂底.北海道日本海・太平洋沿岸,津軽海峡~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸,津軽海峡~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸の太平洋沿岸,八丈島(稀),瀬戸内海,東シナ海大陸棚域;渤海,黄海,朝鮮半島全沿岸,済州島,台湾,中国東シナ海・南シナ海沿岸,ピーター大帝湾(稀)(日本産魚類検索第三版).
その他
- 本標本は、体表鱗が小さな円鱗で、体長が頭長の3.2倍であるなど、ホウボウの特徴(座間ほか2025)を持つことが確認されたことから、ホウボウと同定しました。
- ホウボウは、稚魚期は体と鰭が黒色を帯びていますが、成長に伴って青、緑および赤の各色が発現し、赤色は体長10cm前後で発現することが知られています(座間ほか2025)。体長28cmの本標本は、胸鰭内面に青や緑色の発現が確認できるものの、頭部と体背側が褐色、背鰭と尾鰭が淡黄色を呈しており、正常個体であれば見られる鮮やかな赤色(下図)を欠失した個体です。成長の過程で何らかの生理的要因により赤色色素が正常に発現しなかったものと考えられます(手良村ほか2021)。
- このような赤色を欠失したホウボウについては、これまでに台湾南部(Yato 2019)、千葉県銚子沖(手良村ほか2021)、仙台湾周辺(座間ほか2025)からの3例の報告があり、本標本は4例目の報告となります。

赤色をもつ正常個体のホウボウ(体長26.1cm,水深40mで2024年11月12日採集)
(池田 怜)
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