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三姉妹が守る窯 庵地焼旗野窯 旗野麗子さん・聖子さん・佳子さん

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0510036 更新日:2022年8月18日更新

今も愛される庵地の民藝

大正時代に柳宗悦を中心に行われた『民藝運動』。
これは、私たちの日々の生活の中で使われる手作りの日用品にも、観賞用の美術品に劣らない美しさがあるという考え方です。
ここ阿賀野市には、民藝好きが全国から足を運ぶ窯があります。

旗野窯

地域の通称から取った『庵地焼』を作り続けるのは、旗野窯の旗野麗子さん、聖子さん、佳子さん。4姉妹の内の長女・三女・四女の3人で、今も伝統を守っていることから『三姉妹の窯』とも呼ばれています。

旗野さん姉妹
左から長女・麗子さん、三女・聖子さん、四女・佳子さん

「県伝統工芸品の指定を受けて、どうやってこの伝統を下の世代に伝えていくかを改めて考えさせられました。」(麗子さん)

そのように話す長女の麗子さんは10代から家業に携わるようになり、以来50年近く工芸品の担い手の一人として従事されています。

大学で工芸について学んだ四女 佳子さんの娘さん達も、現在、窯での仕事に協力してくれているそうです。

作業場
作業場の様子

登り窯
土レンガを使って作った登り窯

全て地元産にこだわる

女性が中心となって働く窯ですが、作品作りに使う粘土作りは大変な重労働。庵地の土を使い、全て地元産にこだわっています。

粘土作りを行う作業場

作業場
屋外の作業場。ここで粘土作りを行います

「採取した土は干してから、ごみや砂などの不純物を取り除く『泥濾し』などの作業をして、夏から秋にかけて次の年に使う粘土を作ります。粘土作りも自分たちで行う窯は、今そこまで多くないと思いますよ。」

時間をかけて作った粘土はとてもなめらかで、焼き上げると製品に温かみや味を加えます。

庵地焼
不純物を取り除いた土は、焼きあがるまでに25%収縮します​

作る側の視点と使う側の視点

旗野さん達には、工芸品を作る上で大切にしていることがあるそうです。

作業風景
ここではろくろを蹴って回します

「私たちが作るのは、お茶碗やカップなどの毎日使う生活用品。これらは使ったら片付ける物ですよね。だから例えば5個のお茶碗を重ねた時に『美しいか?収納しやすいか?』という点にも気を配って作っています。もちろん手作りなので全く同じ物を作るのは難しいことですが、絶妙な調整や仕上げは手作りだからこそ出来るものだと思います。」

庵地焼
釉薬の色が美しい食器類

日々の生活に密接な物だからこそ生まれる観点ですよね。新しい見方で工芸品を楽しむことが出来そうです。

「これまでに積み重ねてきた伝統をそのままに、文字通り全身を使って作る庵地の粘土で出来た本物の陶器を、ぜひ多くの方に知って頂き手に取ってもらいたいと思います。」

花器と湯呑
旗野さんのご自宅にあった庵地焼の花器と湯呑茶碗

そう話す旗野さん達の周りには、至る所に使い込まれて生活になじむ庵地焼の陶器がありました。こだわりの詰まった庵地焼を日常に取り入れたら、毎日の生活がより素敵になりそうですよね。

製品を購入するには

工房や公式サイト<外部リンク>にて購入可能。また、予算に応じたオーダーメイドも可。

インフォメーション

庵地焼旗野窯
新潟県阿賀野市保田148-3
TEL 0250-68-2272
HP<外部リンク> Facebook​<外部リンク>

取材日:2022年6月16日

ライン

庵地焼旗野窯について

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