ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > しごと・産業 > 商工業・産業立地 > 伝統工芸品の裏側をのぞく > 新しい形も模索し提案する 長場鬼瓦工場 長場龍也さん・彩香さん

本文

新しい形も模索し提案する 長場鬼瓦工場 長場龍也さん・彩香さん

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0507450 更新日:2022年8月11日更新

新潟の風土に合った特徴

独特の銀鼠色が美しい安田瓦の事業者が軒を連ねる保田地域に、工芸品の鬼瓦を作る担い手さんがいます。

長場龍也さん・彩香さん

長場鬼瓦工場三代目の長場龍也さんと彩香さんは、ご夫婦で鬼瓦の製造を行っています。

「安田瓦は新潟県だけでなく全国で使用されていて知名度もありますが、鬼瓦はまだまだPRしていく必要があると考えています。今回、県伝統工芸品に指定されたことをきっかけに、安田瓦の鬼瓦の独自性などを県内外に発信していきたいですね。」

鬼瓦
銀鼠色の鬼瓦

他県で作られているものと比較して、この地域で作られる瓦は1,200度の高温(※一般的ないぶし瓦は1,100度程度)で焼かれるためとても丈夫で、吸水率も低く出来上がります。また、表面が滑りにくく、「雪下ろしする時は安田瓦じゃないと怖い」という方もいるのだとか。瓦と同じ材料や技法で作られた鬼瓦も、凍害や潮風などによる塩害に強くできています。海に囲まれ雪の多い新潟の風土に合った特徴があるのですね。

型紙
デザインの型紙

やり直しのきかない緊張感

鬼瓦は、金型をプレスすることで作る方法と石膏型を使いながら手で成形していく方法があり、長場さん達は主に後者の方法で鬼瓦を作っています。

長場さんの作業場
長場さんの作業場

石膏型
石膏型

作業風景
石膏型で大体の形を作った後、手作業で仕上げていきます

「まっさらな粘土の状態から作るので、技術がないと良い鬼瓦はできません。今年で仕事を始めて11年目ですが、先代(父)や他の工場の職人さんに技術を教えてもらう等、たくさんの周りからの協力があって今があります。」

プレス機
プレス機で形成する際に使う金型

鬼瓦を作る工程の中でも、焼く前の乾燥作業は特に気を使います。

乾燥中
乾燥中の製品

「少しずつ乾燥して縮んでいく過程で表面にひび割れが起こることがあり、こうなってしまうともうやり直しがききません。その時の気温や湿度によっても乾燥の度合いや所要時間も変わるので、状況に合わせて臨機応変に調整していかないといけないのが大変ですね。」

思いのこもった鬼瓦

お二人は大学で彫刻を学んだことを活かし、既存の形にとらわれない新しい形の鬼瓦も模索しているそうです。

ガグー
オリジナルキャラクター「ガグー」

「日常の中にもっと鬼瓦を取り入れてもらえるよう、置物などの製作にも力を入れています。これらをきっかけに鬼瓦を知ってもらって、実際にご自宅の屋根に乗せたいと思ってくださる方が増えると良いなと思っています。」

元来魔除けや火事除けなどの願い事がこめられた鬼瓦ですが、工場併設のギャラリーでは「もっと鬼瓦が広まって欲しい」という長場さん達の想いがこもった、格好良く可愛らしい鬼瓦が並んでいるのを見ることが出来ました。

鬼瓦
鬼の周りにある丸い装飾は、鬼を封じ込める意味を持つ数珠を表しています

ガグー
この他にも様々な商品がありました

また7月には、工場のすぐ近くにある瓦ロード内にて、長場さんご夫婦が製作した鬼瓦のモニュメントも公開されました。新しいお出かけスポットも増え、これからますます鬼瓦に注目が集まりそうですね。

モニュメント
新しくできたモニュメントと長場さん

製品を購入するには

​工場併設のギャラリーやECサイト<外部リンク>にて購入可能。

インフォメーション

長場鬼瓦工場

新潟県阿賀野市保田6185-1
TEL 0250-68-2085
HP<外部リンク> Facebook<外部リンク> Twitter<外部リンク> Instagram<外部リンク>

取材日:2022年6月16日

ライン

安田瓦鬼瓦について

『新潟県伝統工芸品のになひて』へ戻る

 

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ