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「小さい頃から作業場が遊び場みたいなもので、私の生活の中には当たり前にバテンレースがありました。」
懐かしそうに当時のことを話す吉田バテンレースの代表 吉田節子さんは、小学校高学年の頃にはすでに仕事のお手伝いもしていたとか。一時は進学で県外へ出たものの、卒業後は上越へ戻り、家業に入ります。
「昔から自分は、『父のようにバテンレースを仕事にするんだ』と思っていたので、ここで働くことは本当に自然なことでした。小さい頃から慣れ親しんだ従業員さんたちからは『せっちゃん、せっちゃん』と歓迎されてね。」
曲線がかわいらしいレースの型紙
上越バテンレースは、ブレード織機(おりき)で糸から織られたブレードを型紙に合わせて縫うことで、柄や形を作っていきます。少しの違いで同じはずの柄も別物になってしまうため、丁寧な手仕事が求められます。
ブレード織機を操作する吉田さん
糸が織られてひも状の「ブレード」ができあがります
「時間をかけて自分が納得できる良いものができると、『手放すのが惜しいわねえ』なんて周りと冗談言ったりして。」
商品は大きさに関わらず、柄の複雑さによって作業にかかる時間も変わります。複雑なものだと数か月または1年以上かかるものも。時間をかけて丁寧に大切に作った分、お客様だけでなく作り手の方も出来上がった商品に愛着がわきますよね。
ブレードを型紙に仮縫いして、形をつくっていきます
型紙と完成品
県伝統工芸品の指定を受けて、吉田さんの中で『上越バテンレースの技術を継承していかなければ』という気持ちが改めて強くなったそうです。
販売中の教本
「柄のデザインは今も新しいものを考案し続けていますが、30年前と同じものでも今の若い人達が可愛いと言ってくれる。世代を問わずに愛される魅力があるものを、絶やしてしまうのはもったいないと思っています。」
昨年の春には、店舗の近くにある旧今井染物屋の中に、予約不要でバテンレースの体験ができる常設の体験工房が開設されました。また、今年6月からは上越市の支援を受け、市内に住む若い方5名(※応募制)に本格的な講座を週に2回行っているそうです。
旧今井染物屋に入ると、すぐ目に入るバテンレースのスペース
「若い方の新しい発想が逆にこちらもアイデアに繋がり良い刺激になっています。これからもできる限り多くの方にバテンレースの良さや技術を伝えていきたいですね。」
この日も講習会が行われていました
技術の伝承にも力を入れる吉田さん。レースの模様が繋がっていくように、これからもバテンレースの伝統が続いていって欲しいですよね。
店舗やオンラインショップ<外部リンク>のほか、上越妙高駅内売店や上越観光物産センターにて購入可能。
また、直接連絡でオーダーメイドも対応できます。
吉田バテンレース
新潟県上越市東本町2-2-2
TEL 025(523)3553
HP<外部リンク> Twitter<外部リンク> Instagram<外部リンク>
近隣の旧今井染物屋にて常設の体験工房あり。(※予約不要)詳しくは事業者へお問い合わせください。
HP<外部リンク>
取材日:2022年6月29日