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新潟市にある新津駅から新発田駅などを経由して、日本海に沿って秋田駅までを結ぶ羽越本線。7月31日に全線開通100周年を迎えます。路線距離は上越新幹線とほぼ同じ約270km。沿線の見どころなどを旅してみてはいかがですか。
【羽越本線の駅】新津⇒(途中略)⇒村上⇒(途中略)⇒勝木⇒府屋⇒
(太字は最寄りの駅)
紺碧の日本海と巨岩・奇岩を眺めながら国道345号を北上すると、目の前に、緑に覆われた大きな岩山が現れます。岩山の森の中には筥堅八幡宮が建立されており、ケヤキ、カヤ、スギ、ツバキなど多くの種類の樹木が生い茂っています。
鳥居をくぐって参道を登ってみましょう。しばらく行くとしめ縄が張られた大きな杉が目の前に現れます。「龍燈(りゅうとう)杉」と案内板に記されています。秋の夜、龍神の住まいである海から燈明が現れて、巨木の梢にその光が輝くと言い伝えられてきました。
また、この岩山は「マグマの噴出によってできた岩がベースになっているため、大地の地磁気のパワーをも秘めており、巨木と相まって山全体がパワースポットになっています。」(村上市筥堅八幡宮社叢(しゃそう)散策のご案内<外部リンク>)
坂道を登りきった先には造船所があった
海沿いを走る国道から府屋駅前に通じる道路に入っていきます。
府屋駅を左手に見て街並みが切れるあたりで、踏切が見えてきました。踏切を渡って海沿いの国道に出ようとすると、「造船所踏切」の表示が。付近を探しても地図にも造船所は見当たりません。
近くの方に伺ってみました。以前、踏切の坂道の先には造船所があったのだそうです。造船所では北洋に出漁する比較的大きな漁船を造っていたとのこと。新造船の進水式には、お祝いのもちまきがあるなどとても賑やかだったそうです。
詳しい地元の方に伺うと、造船所は40数年前まで操業しており、昭和初期には活況を呈していたと言います。主に、北海道、青森県、秋田県の船主向けに14トンから20トンほどの漁船を手掛けていたそうです。その他、官公庁からの受注もあったと言います。
船が完成すると、木のレールに船を載せて人力で引いて海に出したそうです。
村上市府屋 森山さん提供
村上市府屋 森山さん提供
船の材料は、北洋の流氷に耐えられるよう、クリやヒノキなど硬い木を使用しており、地元の山から伐採されたということです。船は、豊かな森林資源と匠の技を持つ造船職人が造りだした産物です。
府屋から北上し、県境付近までやってきました。集落の中に入ると、県境標が立っています。ここはひとつの集落のようですが、新潟県側は伊呉野(いぐれの)、山形県側は鼠ヶ関(ねずがせき)という集落になります。
昨年(令和5年)には県境を反復横跳びする大会が開かれ、「新潟!まんなか!山形!」と叫びながら、30秒間でとんだ回数と叫んだ回数を競ったとのことです。
また、県境標の向かいには記念スタンプが設置されています。スタンプには、新潟県側にはサケ、山形県側にはイカがあしらわれています。
県境付近にて
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