新発田地域の酒蔵（阿賀野市編）

　古来からの長い歴史と伝統の中に培われてきた日本酒。麹菌を使って醸造する日本独特の酒は、日本の食文化として海外でも人気が高まっています。
　新潟県は、日本酒生産量では、兵庫、京都に次いで全国3位ですが、蔵元数や県民1人当たりの日本酒消費量は全国1位で、まさに地酒ブームを牽引する日本酒王国です。
　新潟で主流なのは、新潟県農業試験場で誕生した酒造好適米「五百万石（ごひゃくまんごく）」を用いた淡麗辛口の日本酒です。「五百万石」は、兵庫生まれの「山田錦」と並び「二大酒米」とされています。
　また、近年、多様な酒米を使ったり独自の製法を用いたりすることで、新たな日本酒が生み出され、日本酒の可能性が広がっていることにも注目が集まっています。

　新発田地域には、阿賀野市3、新発田市4、合計7つの蔵元があります。それぞれ地域に根ざし、飲み継がれ、愛されてきた地域文化の象徴でもあります。
　冷酒で良し、冷やで良し、ぬる燗で良し、熱燗で良し。お好みにより、おいしく楽しく地元の酒を味わってみてください。

  今回は、阿賀野市の3つの蔵を紹介します。（掲載は五十音順です。）

　　・越後桜酒造
　　・越つかの酒造
　　・白龍(はくりゅう)酒造

　新発田市編はこちら

越後桜酒造　　　　阿賀野市山口町

　越後桜酒造は、水原駅近くの国道49号沿いにあります。
　創業は1890年(明治23年）、五頭の山々や阿賀野川など自然豊かな土地で稲作が盛んに行われてきたことから、地元の米を使っての酒造りが始まりました。
　2009年(平成21年)には100年以上の歴史がある酒蔵を全面改装。吟醸酒を効率よく醸造できる最新式の設備を導入することで、一般的には高級酒とされる大吟醸を手頃な価格で提供できるようになったそうです。華やかな香りが立ち、旨みがありながらすっきりとした後口のお酒をお手軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
　また、バーチャルリアリティ・ゴーグルを使っての臨場感のある酒蔵見学を開催しており、酒蔵の中を360度見渡すことができます。普段は蔵人しか入ることのできない仕込みの場面も体感できます。
　ショップでは蔵限定で楽しめる生しぼり酒の試飲や販売（甘酒もあります。）、地元の発酵食品や染め物などの物販も行っていて、阿賀野市を訪れる観光客の立ち寄りスポットとしても人気があります。
　「大吟醸越後桜」と「白鳥蔵（新潟県限定）」などが代表銘柄となっています。

越後桜酒造ホームページ　＜外部リンク＞
新潟県酒造組合掲載ページ＜外部リンク＞

越つかの酒造　　　阿賀野市分田

　「越つかの酒造」は、旧水原町の「越酒造」と旧豊栄市の「塚野酒造」の二つの酒蔵が1996年に合併してできました。
　「塚野酒造」は、1781年頃に、塚野家の初代丈左衛門義照が酒造りを始めたとされています。また、「越酒造」は、1987年に、大吟醸酒、吟醸酒、純米酒という高級酒のみを製造する蔵として設立されました。この伝統と技の2つの会社が合併し「越つかの酒造」となりました。現在は、塚野酒造の建物と設備を使って酒の製造を行っています。生産量も伸びており、取材をした5月下旬も仕込みを行っていました。
　新潟県産米を使い、手造りにこだわった仕込みで独自の味わいを醸しています。こだわりの淡麗辛口のすっきりとした飲み口を、お試しください。
　「越乃あじわい」と「代々泉」などが代表銘柄となっています。

新潟県酒造組合掲載ページ＜外部リンク＞

白龍(はくりゅう)酒造　　　　阿賀野市岡山町

　創業は1839年(天保10年)、北前船でにぎわう湊町新潟で回船問屋から分家し、新潟の主要物産である酒を北海道に送るために酒造業を始めました。以来160年以上続いている酒蔵です。「白龍酒造」という名は回船問屋の家系であることから、海の神をあらわす「龍」の文字を入れ、この地での繁栄を祈って名付けられました。
　白龍酒造では、地元農家と契約栽培した酒造好適米「五百万石」や「越淡麗」という新潟の酒のために開発された酒米などを使用して酒造りを行っています。水・米・気候に恵まれ、地域の特色を生かした伝統の技によって、香り高い淡麗辛口の新潟清酒を造っています。
　また、白龍酒造は、酒の品質において国内だけでなく国際的にも高い評価を得ています。世界的に権威のあるモンドセレクションでも特に品質が優れていると認められた製品だけに授与される最高の賞「最高金賞」を長年連続受賞。国内外で広く愛飲されているブランドです。
　代表銘柄は「白龍」です。

白龍酒造ホームページ＜外部リンク＞
新潟県酒造組合掲載ページ＜外部リンク＞

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