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羽越本線100周年、沿線を旅してみる【新発田】~北前船の面影を訪ねる(胎内市)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0680338 更新日:2024年8月30日更新

クラレを背景に貨物列車
胎内川橋を渡る現代の北前船(日本海縦貫貨物列車)

新潟市にある新津駅から新発田駅などを経由して、日本海に沿って秋田駅までを結ぶ羽越本線。7月31日に全線開通100周年を迎えました。路線距離は上越新幹線とほぼ同じ約270km。沿線の見どころなどを旅してみてはいかがですか。
【羽越本線の駅】新津⇒(途中略)⇒中条⇒平木田坂町
(太字は最寄りの駅)

(第8回)北前船の繁栄と活気を今に伝える神社【胎内市】

作家、司馬遼太郎は「昆布以前と昆布以降とでは、味覚の歴史は大いにかわったかと思われる」と「菜の花の沖」で記しています。
北前船が北海道(蝦夷)から運んだ昆布は日本の食文化を一変させたと言われています。関西の昆布だしやおぼろ昆布、北陸の鮭の昆布巻など、地域の食文化に昆布は深く関わっています。
北前船は江戸時代中期から明治30年代にかけて、日本海回りで北海道と大阪(大坂)の間を、各地に寄港して荷物を売買しながら往来した船です。

航路図
北前船航路図(胎内市教育委員会作成・提供)

天気予報やGPSがない時代の航海は命がけで、船主や船頭たちは航海の安全を神仏のご加護に求めました。北前船の寄港地には、航海の安全を祈願した神社が残っています。
今回は胎内市にある北前船ゆかりの桃崎浜・荒川神社と荒井浜・塩竃(しおがま)神社を訪ねます。

目と鼻が付いたような独特な意匠の屋根~桃崎浜・荒川神社

荒川神社全景

国道345号を北上、日本海を望む展望台「はまなすの丘」に到着します。ここから内陸側に入ると集落が現れます。北前船で栄えた胎内市桃崎浜です。
集落の高台には、目と鼻が付いたような独特の意匠の屋根を持つ神社が鎮座し、海を見据えています。
なぜこのような意匠になったのか、正確なところは地元の方もよくわからないそうです。
船の安全航行を願い、しけにならないよう、海ににらみを利かしているのではないかという方もいます。

荒川神社側面
屋根のたおやかな曲線が美しい

屋根の意匠だけではなく、造作も宮大工の腕が発揮された素晴らしいものになっています。
拝殿正面から見える、木鼻(きばな)と呼ばれる柱から飛び出た部位は、象と獅子※でしょうか。
また、虹梁(こうりょう)と呼ばれる弓形になった梁(はり)は龍の胴体のようにも見えます。
そして社殿の至るところに波文様が描かれ、海に由来する神社であることを示しています。
※口を閉じているのは狛犬、開けているのは獅子と区別することがありますが、神社の登録有形文化財の案内板には「獅子」と表記があることから、ここでは獅子とします。

獅子と獏

龍のような梁

※荒川神社を訪れる際、桃崎浜集落開発センターの駐車場を利用できます。センターの事務所に人がいる場合は声をかけてから神社へ。

難破船絵馬が奉納された神社~荒井浜・塩竃(しおがま)神社

難破船絵馬
「難破船絵馬」(胎内市教育委員会提供)

桃崎浜から南西に位置する近隣の荒井浜には、塩竃神社が閑静な松林の中にたたずんでいます。
神社には難破寸前の船を描いた絵馬が奉納されています。嵐に遭遇しながらも無事帰還できたことを感謝して、船主が奉納したものです。
荒波に大きく揺れる船に、左上空から雲に乗って現れた神様が加護(かご)の光を差しのべている様子が描かれています。
北前船の寄港地には数多くの絵馬が残されていますが、このような構図の絵馬は珍しいものです。西洋絵画のような雰囲気がある貴重な一枚です。

剣を飲み込む龍

塩竃神社の造作も装飾性豊かなものがあります。
拝殿正面に見える頭貫(かしらぬき)と呼ばれるところには、剣をくわえているかのような躍動的な龍の彫刻が施されています。荒れ狂う嵐と波を剣で鎮める龍神でしょうか。

昔の神社

現在の塩竃神社の屋根は瓦ぶきでシャープな感じですが、以前はかやぶきで丸みを帯びたシルエットでした。昔の写真をよく見ると、荒川神社と同様、目のようなものが見えます。
塩竃神社と荒川神社は造りが似ていますが、細部は異なるところがあります。例えば、拝殿正面に見える木鼻の獅子は、阿吽(あうん:口を開けているものと口を閉じているもの)の左右の配置が異なります。両神社で違いを探してみるのも一興でしょう。

参道
青松が美しい境内

時は流れて~現代の北前船など

繁栄を誇った北前船ですが、明治期に入り鉄道が敷設されると、遭難等のリスクが大きく所要時間がかかる北前船は衰退していきました。
今、北海道と大阪・福岡の間を羽越本線などを経由して、日本海縦貫の貨物列車が日夜走っています。北海道からは、野菜、牛乳、お菓子などのほか、引越の荷物もコンテナで運ぶそうです。​

貨物列車
白い四角のコンテナは冷蔵用、白く丸いコンテナは牛乳用

札幌貨物ターミナル駅と福岡貨物ターミナル駅の間は距離約2,100キロメートルで日本で最長距離、それを37時間30分かけて運びます。運転士は15人が交代で、そして牽引する機関車は5台※が入れ替わって荷物を送り届けています。
※【鉄知識】
・羽越本線では村上駅付近で交流と直流が入れ替わることから、交流と直流の区間をまたがって走行できる機関車
・青函トンネルでは急こう配を登ることができるパワフルな機関車
など、電源方式や走行条件によって機関車が入れ替わっています。

調査船

北前船が白帆に風をはらませて航行していた日本海、今日は風力発電の調査船が穏やかな海原をゆっくり進んでいました。

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