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新発田地域振興局では、地域をもっと面白くしようとする様々な方と局長とによる座談会を行っています。
第10回は、加治川一帯をこよなく愛する方々をお迎えして懇談した模様をお届けします。
加治川では、大正天皇即位や加治川分水路竣工を記念して桜の植樹が始まり、植えられた6千本の桜は「長堤十里世界一」として、当時多くの花見客で賑わいました。
長堤十里加治川さくら物語
また、大正初期に治水対策として建設された分水路の水門は、当時の技術による美しい石造りと加治川の治水史を今に伝える貴重な遺産として、2012年、土木遺産に選奨されました。
土木学会選奨土木遺産<外部リンク>
参加者(写真左より)
●間藤 秀一さん(株式会社マトー)
●関川 健さん(株式会社聖籠第一設備)
●新井田 慎さん(株式会社新井田塗装店)
●五月女 奈緒美さん(道の駅加治川)
●カサハラ ケントさん(俳優・クリエイター)
●阿部 久紀(新発田地域振興局長)
・株式会社三福運輸代表取締役。
・本業の運送業では、通常3%程度の女性ドライバーを3割雇用しており、道の駅事業部ではさらに女性雇用を増やせることや、将来的には障がい者雇用にもつなげられると考えている。
・本社の目の前にある道の駅加治川が、大動脈である国道7号沿いにあるにも関わらず寂しいイメージがあり、これを払拭しようと新発田市から指定管理を受託した。
・加治川では、明治時代から「花見休み」と称し、近隣の大峰山で花見を楽しむことや、河川敷でフォークダンスをする習慣があったことから、道の駅のコンセプトを「ピクニック」とした。
・現在は、「桜」「いちご」「いちじく」の3本柱で商品展開を図っている。
道の駅加治川<外部リンク>
三福運輸株式会社<外部リンク>
・父の個人事業を承継し、塗装による安心安全な健康住宅の提供をモットーに事業を行っている。塗装で世界をカラフルにしたいと思っている。
・過疎化が進む中、地域の行事も少なくなり、コロナ禍で行事の中止が加速した。
・子どもの頃、加治川ではいかだ下りレースが開催されるなど、大人が楽しそうにしていた。
・昨年9月に、商工業者だけでなく、女性社員や農家など有志で集まり、紫雲寺地区の活性化について打合せを行った際、県内シェア22.5%を占める越後姫(いちご)を軸に盛り上げようと一致団結し、今年4月に初めて「越後の姫まつり<外部リンク>」を開催し盛況のうちに終了した。
株式会社新井田塗装店<外部リンク>
・聖籠町を中心に上下水道、ガス、さく井、消雪パイプなどライフライン事業に取り組んでいる。
・4年前、衣料、アクセサリーの小売り等行う会社を立ち上げ、東京の三軒茶屋と新潟市にオフィスを構えた。飲食を楽しみながら洋服を見てもらうスタイルを提供している。
・東京(三軒茶屋)で音楽イベントを開催する予定であり、こういった取組をいずれ新潟でも行いたい。
・今回の座談会を機に、聖籠町と新発田市が一緒になって盛り上がっていければと思っている。
株式会社聖籠第一設備<外部リンク>
株式会社ヘルベンダーズデザイン<外部リンク>
・父の会社を承継し、瓦屋根・金属屋根工事や外壁の張り替えから雨どいの付け替えや庭木の伐採まで、住まいのトータルリフォームを行っている。
・幼少時代、両親が会社経営等で忙しく、一緒に遊んだ記憶がないが、その代わり地域とのつながりが強く、地域の人から育ててもらった。加治川のいかだ下りレースや獅子舞が踊るお祭りなど、楽しい思い出があり、これからは育ててもらった地域への恩返しをしていきたい。
・ISEZI<外部リンク>、敬和学園大学、新潟食料農業大学、新潟職業能力開発短期大学校、新発田ロータリークラブ、地域おこし協力隊など様々な団体と連携し地域活動を行っている。
・加治川は、治水記念公園を中心に桜の季節だけ来訪がある。地元の商工会議所が桜まつりを開催していたときは、水門に鯉のぼりを吊るし、桜とのコラボレーションを楽しんでいた。また、冬でも桜の雰囲気を出そうと、水門までの道中をピンク色にライトアップしたこともあった。
株式会社マトー<外部リンク>
・新発田市紫雲寺地区出身、大学進学を機に関東へ。現在横浜市在住。
・首都圏での新発田市出身者の交流の場「首都圏サポーターズクラブ」で再開した知り合いと一緒に新発田市のPR動画「もう、しんはったって、呼ばないで<外部リンク>」を制作。
・更に、民放に掲載しているコラム<外部リンク>の縁から、オリジナルのご当地カードゲームを制作した。新発田市内全小学校に寄贈するなど、現在普及活動に取り組んでいる。
・関東と新発田市の2拠点生活や、関東に住みながら新発田市と関係を持つことができるモデルを創りたい。
カサハラケント公式HP<外部リンク>
幼少期、地域に育ててもらった恩返しや、次世代の子ども達が楽しめる地域づくりなど、この地域への熱い想いとともに活発な意見交換が行われました。
その一部をご紹介します。
■課題は通年の来訪策。町を桜色のピンク一色にするくらい大胆な発想があってもよいのではないか。
■水門に水を張り、フォトスポットにしてみてはどうか。また、紫雲寺地区はまつりごとに花火を上げていた習慣があるので、桜の時期に合わせた花火も映えると思う。
■水門や園路のライトアップ、イルミネーション、水門をバックにした音楽フェスなどでこの地域を盛り上げられないか。
(局長)今年盛況に終了した「越後の姫まつり」をフックに、それと関連付けしながらの展開により、今後の盛り上げを検討していくのがよいのではないか。
■単発のイベントだけではなく、エリアのブランディングを進めるため、キーワードを決めてPRしたほうがよいと思う。
■水門の役割や、水害を防ぐための派川加治川の開削など、地域や生活を守るための施設の歴史を次世代に伝えていければ。今年は、当地域の干拓から290年。10年後に控えた区切りの年(300年)は、この地域を考える良いきっかけになるのではないか。
(局長)今日の加治川の姿や周囲の現況に至る経緯等を面白おかしく語るのは関心を引くかもしれない。
■加治川の桜の長さ18.7kmを体感するリレーや、植えた桜2,300本を維持管理していくことの大変さ、大切さなどを、切り口を変えて話題性のあるPRを考えていければ。健康増進の切り口から企業対抗健康ウォーキングなども面白い。
■桜の手入れなど維持管理について、SDGsを意識した持続可能な取組として打ち出すことで、関東圏からお手伝いに来ていただける仕組みが作れないか。
(局長)実体験させる機会の提供は首都圏との交流促進にもつなげられると考える。
■地域を活用し、若者が気軽に起業できれば地域の活性化につながっていくのではないか。子どもの頃からクラウドファインディングを体験できる授業などできれば、ものづくりの大変さ、努力、楽しさを伝えることができるのではないか。
(局長)勉強して学歴積んで有名な企業等に就職という、子どもの将来に対する親の既成概念が世の中に浸透し、地元での中小企業入社や起業の壁になっているように思われる。独自スキルや地域とのつながりによる楽しさを全面に打ち出したPRで既成概念を打破できないか。
【座談会を終えて局長つぶやき】
新潟県新発田地域を清く流れる美しき「加治川」で、堤防14km余りに2千本近く並ぶ桜の開花時期以外にも誘客して地域活性化できないかと、意欲ある地元企業経営者や転出後も地元に貢献し続ける若者と意見交換した。河川公園の記念碑的な木橋の県による改修が誘客増進に寄与できるように知恵出しを続けたい。