ページの先頭です。

本文

平成23年7月新潟・福島豪雨

ページ番号:0727622 更新日:2025年2月28日更新
平成23年7月新潟・福島豪雨03

2011年7月27日~30日​

風水害アイコン72×72

災害救助法適用市町村
三条市 長岡市 南魚沼市 魚沼市 十日町市 新潟市 十日町市 柏崎市 小千谷市 加茂市 見附市 五泉市 上越市 阿賀野市 田上町 阿賀町
関連キーワード

十日町市内(0603)

十日町市内(写真撮影:新潟県)


災害と被害の概要

災害発生時間 2011年(平成23年)7月27日~30日 累計雨量 985mm(三条市笠堀ダム観測所)
人的被害
(県内)

死者:4人

行方不明者:1人

重軽傷者:13人

建物被害
(県内住家被害)

全壊:41棟

半壊:805棟

一部損壊:32棟

床上浸水:1,004棟

床下浸水:7,624棟

 

 2011(平成23)年7月27日から本県と福島県会津地方を中心に大雨となった。特に28日から30日にかけては、日本列島が南と北の高気圧に挟まれ、前線が朝鮮半島から本県付近を通って関東の東にかけて停滞。日本海から前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となって、平成16年7月新潟・福島豪雨(7.13水害)を上回る記録的な大雨となった。27日から31日までの総降水量が、加茂市宮寄上で626.5mmとなり、7月の月降水量平均の2倍以上を記録。十日町市十日町では29日20時51分までの1時間に121.0mmの猛烈な雨が降り、1時間降水量の観測史上1位を更新した。中越地方が中心だった2004年の新潟・福島豪雨よりも広範囲で激しい雨が降り、三条市の五十嵐川、南魚沼市の登川など6河川、9箇所で破堤したほか、多くの河川ではん濫危険水位を超過し、16市町で約15万世帯、約45万人に避難勧告・指示が発令された。

平成23年7月新潟・福島豪雨01

出典:信濃川下流河川事務所ホームページ(https://www.hrr.mlit.go.jp/shinage/oshirase/H23.7_shinpo/shinpo.html)(参照2025年03月12日)

被害の特徴

広範囲かつ4日間に渡る記録的な大雨

 県土の約半分に渡る広範囲で、4日間といった長期間大雨が降り続き、各地で河川の氾濫や土砂崩れ等が発生した。7年前の平成16年7月新潟・福島豪雨(7.13水害)では一つの線状降水帯が9時間ほど停滞したことが大雨をもたらした一方、この豪雨では複数の降水システムが発生したことで大雨が長期化した。29日午前9時頃から停滞した線状降水帯は、積乱雲が繰り返し風上側に発生するバックビルディング型形成によって作り出された。15~20分間隔で新しい積乱雲を連続的に形成し、大きな線状降水帯がつくり出され、県内では27日12時から30日午前0時までの総雨量が広範囲で400mmを超えた。三条市では累計雨量が1,000mmを超え、降雨量は7.13水害を上回った。上空の気温が-6℃前後とかなり低く、この低温が豪雨をもたらした大きな要因と考えられる。

平成23年7月新潟・福島豪雨02

十日町市内(写真撮影:新潟県)

二重の被害

 2011年1月には、魚沼市入広瀬地区で積雪深が4mを超えるなど魚沼地域などで記録的な豪雪に見舞われ、雪崩や交通障害が起きた。同年3月には長野県北部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生。十日町市、津南町などで震度6弱を観測し、大規模な地すべりが起きた。当該地域には連続して自然災害に襲われ、二重、三重の被害を受けた。

被害状況

人的被害

 死者4人、行方不明者1人、重軽傷者13人。7.13水害よりも広範囲で激しい雨が降り、避難指示・勧告が発令された世帯は約5倍だったが、人的被害は少なかった。

平成23年7月新潟・福島豪雨05

十日町市内(写真撮影:新潟県)

建物・そのほか被害

 全壊41棟、半壊805棟、一部損壊32棟。床上浸水1,004棟、床下浸水7,624棟。合計9,506棟。農作物被害は14,625㏊で被害総額は54億7,300万円。そのうち水田は12,390㏊、同27億6,400万円。河川・道路・橋梁の合計被害箇所数は2,577箇所で、2004年の新潟・福島豪雨の1.3倍だった。三条市の五十嵐川は7.13水害に続いて破堤したが、それ以外の河川整備区間では外水氾濫は発生しなかった。

平成23年7月新潟・福島豪雨04

十日町市内(写真撮影:新潟県)

平成23年7月新潟・福島豪雨07

阿賀町内(写真撮影:新潟県)

復興・学び

 農地・農業用施設に大きな被害が出たことから、県は大規模な災害時に農業農村整備関係者が連係して市町村の対応を支援する体制を検討。「農地等大規模災害支援マニュアル」としてとりまとめ、被害規模の早期把握や災害対応事務の円滑化・迅速化を主な目的として、2013(平成25)年7月に市町村や土地改良区などに示した。

 県は「平成23年7月新潟・福島豪雨対策検討委員会」を設置。7.13水害で破堤し、大きな被害を出した五十嵐川では、上流の笠堀・大谷ダムの洪水調節と河川改修、刈谷田川では遊水池や河道改修の効果で市街地を河川の氾濫から守ったと指摘した。ただ、河川整備計画が及んでいない上流部や支川では浸水被害が発生したことから、本支川・上下流の治水バランスを考慮したハード対策が課題とした。ソフト面でも県防災情報システムへの大量アクセスがあり、地域防災力の向上に成果を確認。一方で、河川防災情報システムの接続障害や水位計の被災があり、増水した堤防で見物する住民もいた。情報基盤の充実や避難方法のあり方、住民の防災意識の向上などが課題に挙げられた。

復旧後の五十嵐川(写真撮影:新潟県)

復旧後の五十嵐川(写真撮影:新潟県)

参考文献・出典

データマッピング(上記画像撮影地ほか)

同種の災害

令和4年8月豪雨210×200

風水害アイコン64×64

2022年8月3日~4日

令和4年8月3日からの大雨

平成16年7月14日の三条市嵐南地域

風水害アイコン64×64

2004年7月12日~18日

平成16年7月新潟・福島豪雨

糸魚川市大規模火災210×200

風水害アイコン64×64

2016年12月22日

糸魚川市大規模火災

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)


関連リンク