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平成16年7月新潟・福島豪雨

ページ番号:0727577 更新日:2025年2月28日更新
7月14日の三条市嵐南地域上空写真

2004年7月12日​~18日

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災害救助法適用市町村
三条市 長岡市 見附市
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7月14日の三条市嵐南地域の上空写真

令和16(2004)年7月14日の三条市嵐南地域上空/写真提供:三条市


災害と被害の概要

災害発生時間 2004年(平成16年)7月12日~18日 累計雨量 489mm(三条市笠堀ダム観測所)
人的被害
(県内)

死者:15人

重軽傷者:82人
建物被害
(県内住家被害)

全壊:71棟

半壊:5,657棟

一部損壊:82棟

床上浸水:1,882棟

床下浸水:6,197棟

 

 2004(平成16)年7月12日夜から、日本海から本県、福島県に停滞していた梅雨前線が活性化し、中越地方と福島県会津地方を豪雨が襲った。特に13日朝から昼頃にかけては、中越地方で激しい雨が降ったため「7.13水害」とも呼ばれる。13日の1日当たりの降水量は栃尾市(現長岡市)で421mmに達し、三条市、長岡市、津川町などでそれまでの最大日降水量の記録を上回った。梅雨前線の活動は14、15日にかけてやや穏やかになったが、16日から再び活発化。18日朝にかけて断続的に強い雨が降った。豪雨の影響で五十嵐川、刈谷田川などの水位が急激に上昇。13日午前には信濃川下流域の6箇所の推移観測所全てで警戒水位を超え、そのうち4箇所で史上最高の水位を記録。刈谷田川ではわずか1時間のうちに2m近い水位上昇を観測した地点もあった。五十嵐川など6河川、11箇所が破堤。泥流が市街地や農地、工場地帯に流れ込み、三条市、中之島町(現長岡市)、見附市などで約6,000㏊以上が浸水した。避難者はピーク時で約18,700人に達した。孤立した住民がボートやヘリコプターで救出されたが、高齢者が逃げ遅れて死亡するケースが多く、県内犠牲者15人のうち12人が70歳以上だった。

平成16年7月13日三条市東新保地内

平成16(2004)年7月13日の三条市東新保地内/写真提供:三条市

 

被害の特徴

1日で約2か月分の雨量

 中越地方から福島県会津地方にかけて停滞した梅雨前線に西日本から東日本を覆った太平洋高気圧の縁を回り込むように暖かく湿った空気が流れ込み、東西方向の幅約30kmの狭い地域に大量の雨が降った。7月13日の1日あたりの降水量は栃尾市(現長岡市)で421mmを記録。気象庁の栃尾雨量観測所では1961(昭和36)年に記録した342mmが最大だったが、その約1.2倍にあたった。さらに7月の平均月降水量の243mmの約2倍にあたり、1日で2か月分相当の雨が降り注いだこととなる。

河川の決壊

 局所的な豪雨で放流量を調節していた刈谷田ダム、笠堀ダム、大谷ダムの流水量がピークに達し、満水状態になった。刈谷田川、五十嵐川などの水位が急激に上昇し、13日午後1時前後で、中之島町(現長岡市)の刈谷田川左岸、三条市の五十嵐川左岸がそれぞれ決壊。濁流が市街地に流れ込んだ。いずれも決壊した箇所は河川がカーブした内側だった。洪水により、見附市の稚児清水川、主に長岡市を流れる猿橋川など計6河川、11箇所で破堤。その他多くの河川で堤防が欠けるなど越水が発生し、河川の被害は1,094箇所に及んだ。三条市、中之島町(現長岡市)、見附市で市街地、農地など約6,000㏊以上が浸水。加えて梅雨前線が7月23日まで本県に停滞して降雨が続いたため、浸水地域では被害が拡大した。

五十嵐川の上空から撮影した写真

五十嵐川破堤場所(三条市諏訪地内)/写真提供:三条市

避難・救助

 豪雨被害が広がって、各地で住民は避難を開始したが、河川の決壊による浸水スピードが速く、家屋の2階や屋根に取り残される避難者が多く出た。中之島町(現長岡市)では保育所が孤立し、ヘリコプターによって救助された。13日~15日の3日間で、約7,500人以上が救助され、そのうち500人以上がヘリコプターによる救助だった。避難所に避難した人は14日に14市町村で約18,700人に上った。

被害状況

人的被害

 死者15人。そのうち70代が9人、80代が3人と高齢者が8割を占めた。原因は洪水によるものが13人、土砂崩れによるものが2人。重軽傷者は3人だった。

平成16年7月14日の三条市南四日町三丁目地内

平成16(2004)年7月14日の三条市南四日町地内/写真提供:三条市

建物・そのほか被害

 全壊71棟、半壊5,657棟、一部損壊82棟。床上浸水1,882棟、床下浸水6,197棟。合計13,889棟。農作物被害は13,662㏊で被害総額は48億7,800万円。そのうち水田は10,824㏊、同32億700万円と甚大だった。土石流は12箇所、地すべりは83箇所、崖崩れは246箇所で発生した。

平成16年7月13日の国道289号線(荒沢地内)

平成16(2004)年7月13日の国道289号線(三条市荒沢地内)/写真提供:三条市

平成16年7月13日の三条市島田地内

平成16(2004)年7月13日の三条市島田地内/写真提供:三条市

復興・学び

 県は五十嵐川、刈谷田川で発生した水害について、洪水の検証、破堤のメカニズムを技術的に検討し、今後の堤防整備や管理のあり方を提言する調査委員会を設置して計3回開催した。五十嵐川では信濃川に合流する前の3.9kmで、両岸の護岸工事を実施。河川の断面を広げて、同規模の洪水が来たとしても安全に流せるようにした。刈谷田川は流域の稚児清水川も含めて計約47kmにわたって、護岸工事、遊水池の設置工事などを行った。同時に国は信濃川下流域で34.2kmに及ぶ堤防かさ上げを実施し、2011(平成23)年に起きた豪雨による洪水での氾濫を防いだ。

 翌年の2005(平成17)年6月15日より、雨量・水位・ダム放流情報等の防災情報をインターネットで提供開始し、雨量や水位等を確認できるようになった。また同年には市町村が出す避難勧告の目安となり、住民が自主的に避難する際に参考となる「特別警戒水位」を主な河川で設定。この水位に達した時には県民に知らせる仕組みを構築した。加えて洪水などが発生した際に速やかに避難できるよう、浸水想定区域や避難場所など避難に必要な情報を示した「洪水ハザードマップ」の整備が各市町村で進められた。

三条市が作成したハザードマップを掲載したガイドブック

洪水ハザードマップが掲載されている三条市豪雨災害対応ガイドブック/写真提供:三条市

 

参考文献・出典

データマッピング(上記画像撮影地ほか)

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