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糸魚川市大規模火災

ページ番号:0727670 更新日:2025年2月28日更新
本町通り0702

2016年12月22日​

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災害救助法適用市町村
糸魚川市
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鎮火全景0701

鎮火後の様子1/写真提供:糸魚川市


災害と被害の概要

災害発生時刻 2016年(平成28年)12月22日午前10時20分頃 火災発生源 糸魚川市大町1丁目2番7号飲食店
人的被害 負傷者:17人 焼失面積

約40,000平方メートル

建物被害

全焼:120棟

半焼:5棟

部分焼:22棟

被害総額

1,077,246千円

(「糸魚川市駅北大火~1年の記録~」11頁)

 2016(平成28)年12月22日午前10時20分頃、新潟県糸魚川市大町のラーメン店で、大型コンロの消し忘れにより出火した。フェーン現象に伴う強い南風の影響で飛び火し、風下の建築物に延焼して同時多発的に燃え広がった。建物被害は全焼120棟、焼失面積は約40,000平方メートルに及び、糸魚川市消防本部のほか、県内外の19の消防本部の応援を受けて約11時間後に鎮圧、約30時間後に鎮火した。負傷者は17人だったが、死者は出なかった。国内の市街地における大規模火災は1976(昭和51)年の山形県酒田市の大火以来(地震を原因とするものは除く)、40年ぶりだった。 

被害の特徴

地域性

 現場はJR糸魚川駅日本海口に立地する木造の住宅や店舗が密集する地域。火元となったラーメン店の区画は、昭和初期に建てられた防火構造(通常の火災による延焼を抑制するために必要な性能を有する建築物の外壁、軒裏の構造)に該当しない裸木造と呼ばれる建築物が密集していて、比較的火災に対する性能が低い区画だったことが、延焼した一つの要因となった。さらに、出火当日は日本海に発達した低気圧があり、温暖前線に向かって南風が吹き、新潟気象地方台が強風注意報を発表していた。当日の糸魚川市の最大瞬間風速は27.2m/s(午前11時40分)。強風により、火元や延焼先から大量の火の粉や燃えさしが広く飛散して、木造建築物への飛び火で糸魚川市消防本部が把握しているところでは10箇所で同時多発的に延焼した。地元では「蓮華おろし」と呼ばれている、この強い南風は、長野県大町市から姫川沿いの谷地形を通って糸魚川市へ吹き下ろす風となる。この蓮華おろしの影響からか、糸魚川市では100棟以上の建物が被災した大火がこの火災を含めて過去13回を数えている。

糸魚川市大規模火災03

本町通り火災の様子/写真提供:糸魚川市

被害状況

人的被害

 負傷者は17人。内訳は消防団員が15人、一般が2人。

糸魚川市大規模火災04

鎮火後の様子2/写真提供:糸魚川市

建物・そのほか被害

 全焼は120棟、半焼は5棟、部分焼は22棟。被災者は145世帯、260人、56事業所。焼損床面積は30,213平方メートル。国道8号の通行止め、近隣の停電(約500戸)、ガス保安閉栓(約420件)が発生した。

糸魚川市大規模火災05

鎮火後の様子3/写真提供:糸魚川市

復興・学び

 糸魚川消防本部と消防団が県内17、長野県1、富山県1の計19消防本部からの応援を受けて消防活動にあたった。民間事業者等からコンクリートミキサー車、排水ポンプ車等の支援も受けながら、出火から約11時間後に鎮圧し、約30時間後に鎮火した。消防庁では大火を受け、対策を検討。合わせて超高齢化社会の火災予防対策を念頭に入れて「糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会」を2017(平成29)年1月から3月まで実施した。各消防本部で市街地構造と気象条件および消防力の分析の必要性、木造建築物が密集した地域における火災防御計画の策定、応援態勢の構築、消防水利の確保や民間資源の活用、消防団の充実強化、火災覚知後の周辺住民への状況提供や避難訓練の重要性などが確認された。

 糸魚川市は「カタイ絆でよみがえる笑顔の街道糸魚川」を復興まちづくり計画の目標像に掲げ、街道沿いのまちの歴史や文化を生かしつつ、災害に強い町づくりを行っている。建物を準耐火建築物としたり、無電柱化にしたりと防災力の向上を図りつつ、受け継がれてきた雁木のある町並みづくりに着手。2020(令和2)年4月に大火の記憶を伝承する展示スペースなどを設けた復興まちづくりの拠点の駅北広場「キターレ」がオープン。地下には国内最大級の耐震性防火水槽を設置された。周辺には8箇所の市民公園が整備され、防火樹としても役立つシラカシやケヤキが植えられた。

糸魚川市大規模火災06

糸魚川市大規模火災から1年後/写真提供:糸魚川市

駅北広場キターレ全景(©Shigeo Ogawa)

糸魚川市駅北広場キターレ/©Shigeo Ogawa

参考文献・出典

データマッピング(上記画像撮影地ほか)

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