ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

平成19年2月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002155 更新日:2019年1月17日更新

平成19年2月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

2月19日説明要旨

 平成19年2月定例県議会の開会に当たり、私の所信の表明と提案いたしております議案の概要を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 「住んでみたい新潟、行ってみたい新潟」の実現。それは、新潟県が優れた社会経済環境を有する安住の地として選ばれ、また、訪れる人々が何度でも訪れたいと思う地として選ばれることによって、将来への不安を解消し、活力ある新たな新潟県を創出することであります。
 私がこの目標を掲げ、その実現に邁進するのは、地域間の大競争が激化しているという基本認識に立つからです。戦後60年が経過し、これまで日本の発展を支えてきた中央集権型の諸制度は、様々な制度疲労を起こしております。そのため、20世紀末から、分権一括法制定による機関委任事務の廃止や公的介護保険制度の導入など地方の役割を重視する動きが始まりましたが、21世紀に入ってからの構造改革は、「地方にできることは地方に」を基本理念の一つに位置づけ、地方の役割を重視する方向で展開されたところです。その評価はともかく、この理念は、少子化や団塊世代大量退職といった日本全体の人口動態の構造変化とも相まって、分権型行政の展開を模索していた各自治体の動きを加速させ、地域間競争の激化をもたらしたことは否めません。そして今はまさに、競争のまっただ中にあると思うのです。
 私は、新年を迎えるに当たり、このような認識のもと、本県の課題を見つめ直し、それを克服して競争に勝ち抜く決意を新たにしたところです。以下、本年の県政の主要課題について、私の考えを述べさせて頂きます。

 まず、第一の課題は、災害からの復興であります。
 本年は、7.13水害、そして10.23中越大震災からの復旧を一段落させ、復興という新たな段階に立つ年であると認識しております。
 そのため、まず、三度目の冬を震災被災地の仮設住宅で迎えられた約550世帯の方々の心のケアに気を配りつつ、全世帯の住宅再建が一日も早く達成できるよう、必要な対策を講じてまいります。また、生活基盤の復旧については、幼い命が奇跡的に救出された妙見の土砂崩壊現場において県道小千谷長岡線が来月24日に開通するなど、道路や農地等の復旧工事の大半が完了しますが、なお残る若干の工事も早期に完了させてまいります。
 そして、ようやくスタートラインに立つことができた被災地の「復興」に向け全力を尽くします。大きな被害を受けた被災地、とりわけ中山間地域においては、人口が震災前に比べて減少し、過疎化・高齢化が進展した集落も少なくありません。県としましては、復興基金とも連携し、こうした集落の持続的発展に向けた取組みに対して、一層身近できめ細やかな支援を充実するとともに、県経済の動向に配慮した公共投資の確保等を通じ、地域の基幹産業である建設業の振興等を図り、地域コミュニティの維持・再生につなげてまいる所存です。そして、被災地が発災前よりも元気に、安心して暮らせる地域になるよう、復興の「新潟モデル」実現に努めてまいりたいと考えております。

 第二に、地域医療体制の整備等についてであります。
 県民の皆様の生命・健康を守り、生涯を通じて健康でいきいきと暮らせるような医療体制を築くことは重要な課題です。
 しかし、地域医療が直面する諸課題は、いずれも深刻です。中でも、地域医療を支える医師の確保については、県全体としての絶対的な医師不足に加え、へき地や離島といった特定の地域や、小児医療・産科医療などの特定の分野における勤務医等の著しい不足など、緊急的な対応が必要な課題であると認識しております。
 こうした課題については、後ほど申し述べます県の新年度予算においても、医師確保対策や勤務医に対する支援などに鋭意取り組むこととしております。加えて、へき地勤務の義務化などについて、国への制度提言を行いながら、県としてあらゆる努力を傾注してまいる所存です。
 なお、医療問題に関連して、進行する少子化に対応するため、子育て世代の医療等に関する負担を軽減し、安心して子育てができるような医療環境を確保することも重要であります。県としましては、来年度拡充する子どもの医療費助成をはじめ、今後とも必要な対策を実施し、将来に希望の持てる新潟県づくりを進めてまいりたいと考えております。

 第三に、少子高齢化問題と将来に希望の持てる新潟県づくりについてです。
 今、日本では、「2007年問題」という言葉に称されるように、少子化や団塊世代大量退職といった人口動態の構造変化が生じています。加えて、本県では、学業等を理由とする人口の社会減等もあり、人口減少社会への対応は喫緊の課題となっております。
 この現状を克服し、究極の住民投票とも言える人口の社会動態の方向感をプラスに転換するためには、健康長寿で生涯現役という社会づくりにより、社会自らの活力を維持しながら、

  • 安心して子どもを生み育てる環境整備
  • 住みやすい故郷づくりと暮らしやすさの発信
  • 個を伸ばす人づくりの推進
  • 安定した雇用の場の創出・確保と、経済を上昇気流に乗せるための牽引的なプロジェクトの着実な展開

などを進めていきたいと考えております。
 さらに、トキめき新潟国体等の開催や、2008年開港都市サミットの誘致実現、佐渡金銀山遺跡の世界遺産登録など、新潟のイメージを高める努力も欠かさず実施してまいる所存です。

 最後に、地方分権の動きなどについてであります。
 全国知事会では、本年春に調査・審議を開始する政府の「地方分権改革推進委員会」の発足に備え、福祉、環境等の各行政分野について、国と地方の役割分担・財政負担の課題とあるべき姿の検討などに着手いたしました。
 私は、第二期改革においては、地方行政の背景にある、国の定める夥しい数のルールを是正していくべきと考えております。現在、内政の大半は地方が担っています。しかし、内政の遂行ルールが国の立法に集中し、地方の自治立法権が制約される現状は、住民から見れば、内政に関する政策決定の場が遠く、首長等に対する選挙での審判が及びにくい状態と言えます。今回の改革は、自らの権限と責任で自らを決するという民主主義の理念を貫徹すべく、政策決定の場と住民との距離を縮める改革とすべきです。
 これは「道州制」論議についても同じです。単なる都道府県合併では、政策決定の場と住民との距離がかえって遠くなります。現在の都道府県から市町村へ、そして国から道州への権限移譲がなされてこそ、道州制導入は住民本位の改革となり得るのです。
 私は、このような考えのもと、地方分権改革を進めるため、全国知事会等の場に積極的に参画していくとともに、県民の皆さんの立場に立った道州制論議が展開されるよう努めてまいります。

 以上のように、私は就任当初に皆様にお約束した、将来に希望の持てる魅力ある新潟県を実現するため、県政の諸課題に全身全霊で対処してまいる所存であります。本年も議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 次に、前議会以降の県政の主な動きについて、ご説明します。

 まず、佐渡金銀山遺跡の世界遺産登録に向けた取組みについてであります。
 昨年11月、本県は佐渡市とともに、佐渡金銀山遺跡の世界遺産暫定一覧表記載候補への提案書を国に提出しておりましたが、先月23日、国の世界文化遺産特別委員会の検討の結果「継続審議」となりました。審議結果をお聞きし、大変惜しかったとの印象を受けましたが、県としては、新年度、世界遺産登録推進室を新設し、文化財の保存等を支援するとともに、遺跡の世界史的位置付けを明確化するなどして提案書を練り直し、再チャレンジを図ってまいります。
 世界遺産登録のための取組みは、地域づくりと一体の作業です。遺跡等の調査・研究を進める一方、地域の宝の価値を多くの市民・県民と分かち合い、守っていくことにより、近い将来に世界遺産として評価される日が来るよう、今後も精一杯取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、東京電力のデータ改ざん問題等についてであります。
 先月31日、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所などにおいて、検査における偽装やデータの改ざんなどが行われていたことが明らかになりました。
 今回の報告の中には、緊急時に炉心を冷やすための補助ポンプの故障を偽装するなど、法定検査に合格するために行った大変悪質な事例があり、立地地域住民の信頼を踏みにじる言語道断の行為であります。まさに、東京電力の企業体質自体に問題があったと再認識せざるを得ません。
 また、これらの不正を見抜けなかった国の検査体制についても疑問が生じていることから、事業者に対する検査の強化は当然のことですが、トラブルの原因究明を優先させつつ、事業者が安全対策を積極的に推進するための仕組みを構築することが重要であると考えております。
 県としましては、今月2日に柏崎市・刈羽村と共に安全協定に基づく状況確認を実施したほか、先週2月14日に開催した技術委員会において、一連の改ざん問題に対する東京電力の総点検計画と調査結果報告について、専門家である委員から検討を頂き、現場の声を安全に結びつけるような取組みや第三者による監視制度の必要性についてご意見を頂いたところです。
 今回の問題は、平成14年の不正問題発覚以前に行われたもので、過去に遡って調査を実施し公表したことは、企業体質の改善に一定の前進があったと受け止めたいと思いますが、地域の信頼が著しく損なわれており、東京電力に対して今回の総点検により全ての「うみ」を出し切るよう、徹底した調査と企業倫理の確立など企業体質改善への取組みを求めているところです。それに加え、規制・監督する立場の国に対しては、明日、私が甘利経済産業大臣にお会いし、原子力発電所立地地域の住民の安全・安心の確保を第一に考えた取組みを要請したいと考えております。

 次に、新潟水俣病問題に係る懇談会の開催についてであります。
 新潟水俣病を公式に発表してから42年が経過しましたが、発生地域では水俣病に対する不十分な理解や、それに基づく偏見が未だ残っており、地域社会がこの問題の本質を正しく理解することが課題となっております。
 今日の社会は、高度経済成長期に比べて格段に安心して生活できる安全な環境を手に入れることができました。これは、被害者の皆様の尊い犠牲のうえに成り立ったものであり、また、水俣病が公害病の先駆けとして社会に警告を発したことにより達成されたものであると考えております。長い間、現場で偏見等に苦しんでこられた皆様のお気持ちを思うとき、これを地域社会全体で受け止め、また、多くの方々に知って頂くことが必要なのではないかと思うに至りました。そこで、この問題を単なる被害者に対する損害賠償事案として取り扱うのではなく、「新潟水俣病とは何だったのか」という歴史的な位置づけを追求し、それをもとに政策的な対応を考えていくため、各方面の有識者による懇談会を立ち上げたところです。
 今後、この懇談会において、これまでの様々な経緯や、被害者への制度的救済の経緯などを検証し、地域の再生・融和を図る上での県の果たすべき役割等について助言を得て、水俣病被害者に対する救済と「もやい直し」の促進に活かしてまいる所存です。

 次に、近年にない暖冬とその影響についてです。
 昨年、一昨年と、本県は連年で豪雪災害に見舞われましたが、今冬は近年にない暖冬となり、その影響が県内の各業界に様々な形で現れています。
 まず、スキーについては、降雪の遅れから主要なスキー場の観光客入り込み状況が全体として昨年比で減少しております。ただ、標高が低く営業開始が遅れたスキー場は伸び悩む一方、標高が高く積雪と雪質に恵まれた一部のスキー場にはスキー客が集中するなど、二極化の傾向も見られるところです。
 その他の業種への影響としては、百貨店で冬物の売れ行きが減少、金属製品製造業で暖房器具の出荷減少などの動きがある一方、外食産業は好天により売上げが増加するなど、各業界によって様々です。
 ただ、中でも特に懸念されるのは、除雪事業を担う地域の建設業への影響であります。除雪事業は、出来高払いであることから降雪状況に影響されるので、収支は極めて不安定となっております。
 このため、臨時雇用の割合の多い除雪従事者の確保や、除雪計画の約46%を占める民間保有機械の保持も極めて厳しくなり、安定的で持続可能な除雪体制の維持が困難となってきております。
 これを受け、県では、除雪従事者の確保に対する最低保障制度の創設や除雪機械の県保有率を高めるための事業採択を国に要望することとしております。屈指の豪雪県である本県において、安定的で持続可能な除雪体制を維持することは、県民の皆様の生命の安全確保に直結することから、引き続き最大限の努力を傾注してまいります。

 最後に、新井郷川排水機場不正経理問題に関する調査結果についてであります。
 この問題については、昨年12月以降、出納局において調査を進めてきましたが、去る2月9日にその結果を公表しました。調査において、豊栄土地改良区に対する委託料のうち約4,400万円が賃金等の名目で不正に支出、費消されていた事実が判明したことは大変遺憾でありますが、これを受け、先週末に関係した職員に対する処分を行ったところであります。しかしながら、本件不正行為の実施者を含む多くの関係者が既に退職しており、これらの者の処分ができないことから、結果責任をとりたいと考え、私自身についても報酬の減額を行うべく、今議会に関係する条例案を追加提案させて頂きたいと考えております。
 県としましては、委託契約の見直しはもちろんのこと、法令遵守の徹底を図り、不正を引き継がない組織風土づくりに努めてまいります。

 次に、平成19年度当初予算編成の考え方と今後の財政運営の方向性についてご説明申し上げます。
 平成19年度当初予算案は、歳入面において、税源移譲や景気の穏やかな回復基調により、対前年度比約19%の県税収入の伸びを見込むことができる一方、地方交付税等は国の地方財政対策などを踏まえて減少する見通しとなったなかで編成することとなりました。
 歳出面では、被災地の復興に全力を注ぐことを第一としたうえで、県民生活に直結する福祉・医療・教育の分野に配慮しつつ、政策プランの実現に向けた重点事業を積極的に推進することとしました。
 なお、今回の予算編成においては、ネーミングライツなど県有財産を活用した歳入確保に努める一方、定員適正化の着実な実施に加え、事務の効率化等による内部管理経費等間接経費の圧縮により歳出の一層のスリム化を図りました。その結果、財源対策的基金の18年度末残高を17年度並みに維持しつつ、19年度当初予算編成における取り崩し額を、昨年お示しした財政運営計画の162億円以下にとどめ、県債残高については、18年度でピークアウトさせる可能性を高めることができたところです。
 今後とも、歳入歳出両面による不断の努力により、県民の皆様に不安を持たれない的確な財政運営を行ってまいりたいと考えております。

 続いて、平成19年度当初予算案の概要について、ご説明申し上げます。

 まず第一に、「被災地の復旧から復興への取組の展開」についてであります。
 県では、7.13水害、中越大震災からの復旧・復興のための関連経費を計上したところです。
 具体的には、市町村が被災者に対して行う生活再建補助に対する支援をはじめ、被災者の生活・住宅の再建に要する経費を計上したほか、農業・商工業など被災者の生業の再建を支援する経費や、基盤施設・学校施設等の復旧・耐震補強等に要する経費を計上いたしました。

 第二に、「将来に希望の持てる新潟県づくりの推進と、人口の自然減・社会減への対応」についてです。
 少子化対策については、昨年立ち上げた検討チームにおける原因分析と洗い出した課題を踏まえ、各テーマ毎に新規事業等を立案いたしました。
 具体的には、まず「安心して子どもを生み育てる環境整備」として、子どもを持つ親を経済的に支援するため、子どもの医療費の助成対象を拡大するとともに、時間のゆとり対策として、保育ママによる延長保育・一時保育サービスの拡大、放課後の児童の居場所づくりなどを進めるほか、いじめ根絶に向けた取組みなどを実施してまいります。
 また、「住みやすいふるさとづくりと暮らしやすさの発信」として、人口の社会減を側面的に抑制するため、若者の地域活動への参加促進を図る取組みを実施するほか、団塊世代を対象としたグリーン・ツーリズムや定年就農支援、若者向けポータルサイト等の制作のための経費を計上いたしました。
 さらに、「個を伸ばす人づくりの推進」として、個性や、将来の希望に応じて選べる特色ある教育を推進するとともに、教育機関集積地区に着目した学園都市構想を検討するほか、県内大学の魅力アップを支援し、その「教育機能」や「研究機能」を積極的に活用する取組みも進めてまいります。
 加えて、「安定した雇用の場の創出・確保」として、外部人材を活用した中小企業支援等による雇用の場の創出・確保や、若者の職業能力開発等を進めるための経費を計上しております。

 第三に、「誰もが健康でいきいきと暮らせる福祉・医療サービスの充実」についてであります。
 まず、「健康長寿の推進と医療の確保」として生活習慣病予防対策や自殺予防対策、小児救急医療体制の整備等を進めるとともに、病院勤務医等を支援する経費を計上したほか、魚沼地域の医療高度化に向けた検討を継続してまいります。
 次に、「介護予防と高齢者の自立・地域生活に対する支援」として、小規模多機能型居宅介護事業の普及促進や住宅のバリアフリー化に対する補助などに要する経費を計上しております。
 さらに、「障害者の自立と社会参加を支える環境整備」として、就労や生活に関する相談支援を行うほか、障害関係施設における魅力ある商品開発の支援等に取り組むこととしたところです。

 第四に、「安全・安心で魅力ある新潟県づくり」についてであります。
 まず「防災立県の推進」として、危機管理防災センター建設に着手し、併せて防災情報機能の設計等を行うほか、市町村におけるハザードマップ作成を支援するなどの取組みを実施します。
 次に、「安全・安心で快適な県民生活の確保」として、日本海沿岸東北自動車道の整備、治山・治水などの着実な「ハード整備」と防災情報の提供などの「ソフト対策」の両面から、効果的な安全・安心対策を推進します。また、地域間の情報通信格差を是正するため携帯電話不感地域の解消などを図るほか、厳しさを増す治安情勢等を受け、警察官や交番相談員を増員し、警察力の強化等を図ります。
 また、「食の安全・安心の推進」として、適正な食品表示の推進や食品等の安全確認体制の強化等に取り組むとともに、地域ぐるみで化学肥料・化学合成農薬を大幅に減らした農産物生産に対する支援などを進める経費を計上しております。
 さらに、「安全で恵み豊かな環境の確保・承継」として、県民・企業・地域等が一丸となった地球温暖化対策を展開するほか、新潟水俣病発生地域のもやい直しを推進してまいります。加えて、大気・水等の環境保全活動を推進するとともに、優れた環境のブランド化等に取り組んでまいります。
 最後に、「地域の魅力を高める文化・スポーツの振興」として、佐渡金銀山の世界遺産登録に再チャレンジするための調査研究等を行うとともに、美術館等の企画展を充実させます。また、トキめき新潟国体及び全国障害者スポーツ大会の開催に向けた準備や選手の育成を行うほか、地元プロチームと連携したスポーツ振興を図る経費を計上しております。

 第五に、「付加価値創造の観点から、県経済を持続発展させる取組みを進めるための諸施策」についてであります。
 まず、「成長分野と本県の『強み』を活かした産業振興」として、経営・流通能力に長けた外部人材を活用し、付加価値向上等に取り組む企業・農業者を支援するほか、越後杉での住宅建築支援の全県展開や中心市街地の活性化支援等を進めてまいります。
 次に、「働く場の積極的創造と産業人材の育成・確保」として、地場産業の振興や建設産業の新分野進出等を支援するとともに、産業人材の育成や企業誘致による雇用の場の確保などを進めます。
 また、「拠点性の向上と交通インフラ整備」としましては、空港や港湾等の機能強化や、北東アジアとの人的、経済的な交流の強化、促進などに取り組む経費を計上しております。
 さらに、「多様な観光資源を活かし地域が主体となった観光の展開」として、農業や健康関連産業との連携による地域の魅力づくり、重点的な外客誘致キャンペーン、次世代マーケットの拡大などスキー観光活性化、広域観光連携など、国内外の観光客誘致に取り組む経費を計上しております。
 加えて「ブランド化戦略」としては、新潟のプラスイメージを首都圏等へ情報発信する経費を計上したほか、産地ブランドの育成強化、農林水産物の首都圏におけるブランド確立等に取り組みます。
 最後に、「農山漁村の多面的機能の発揮」として、新たに「農地・水・環境保全向上対策事業」に取り組むほか、バイオマス等の地域資源を活かした新たなビジネス展開を支援してまいります。

 第六として、「選択と集中」の推進についてであります。
 まず、事務の効率化や職員の能率性向上、住民ニーズに対応した職員の適正配置などにより、職員数を削減するほか、給与構造改革の実施、互助会補助金の廃止などを行い、職員給与等を削減しました。
 また、政令市に対しては、一般国道、県道の管理など802の必須移譲事務のほか、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所の設置などの311の任意移譲事務を引き継ぎ、行政経費を抑制しました。
 さらに、3セク等の役員・派遣職員等の削減、人件費、事務費等のスリム化や、内部管理経費等間接経費の縮減、指定管理者制度の活用による効率化などを図ったところです。

 以上申し上げてまいりました、平成19年度一般会計予算は、総額1兆1,767億8,000万円、公債費を除いた一般歳出では9,455億750万6千円となり、平成18年度予算に比べ、総額で2.9%減、一般歳出では1.5%減となったところであります。
 主要財源といたしましては、
県税 3,015億円
地方交付税 2,768億円
国庫支出金 1,590億円
県債 1,898億円
などを見積もっております。

 次に、本議会に平成19年度当初予算と併せて上程されました平成18年度補正予算に関する議案2件についてご説明申し上げます。
 第55号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額129億8,307万3千円の追加補正についてお諮りいたしました。今回の補正は、国の平成18年度補正予算の成立を受け、災害・防災対策に係る経費や、障害者自立支援制度の運営円滑化に係る経費、いじめ・児童虐待問題対策に係る経費を計上しております。また、この補正予算に係る普通建設事業について繰越明許費を計上したほか、一般公共事業等について、平成19年度に係る発注の平準化や起工準備期間の確保等を図るため、いわゆる「ゼロ国債」を、第56号議案の流域下水道事業特別会計に係る補正予算と合わせて123億4,180万円計上しております。
 以上、補正の主な内容についてご説明申し上げましたが、補正後における平成18年度の財政規模は、1兆2,417億2,939万6千円となります。

 次に、お諮りしております条例案件等のうち主なものについて、ご説明申し上げます。
 第27号議案は、交通拠点施設の機能強化と併せて、航路拡充、並行在来線、離島航路等の交通政策課題に的確に対応し、陸・海・空の交通ネットワークの有機的連携を促進すべく、港湾空港交通局を交通政策局に改めるため、
 第28号議案は、建築物の安全確保に向けた指導体制を強化すべく、建築確認等の事務の広域的実施体制を構築するため、
 第29号議案は、地方自治法の改正に伴う出納長制度の廃止等を受け、副知事の定数の上限を2名から3名に引き上げるため、
 第30号議案は、教育環境の変化への対応及び警察活動の強化を図るため、教職員の定数、警察官の定数等を改正するとともに、児童・生徒に対する食に関する指導を充実すべく、栄養教諭制度を導入するため、
 第33号議案は、総務事務プロセス改革を踏まえ、旅行者本人が旅費計算等の事務処理を行いやすい制度とするとともに、旅費の実費額支給の範囲を拡大するため、
 第39号、第43号及び第44号の各議案は、県立高等学校、県立幼稚園、テクノスクール普通課程及び農業大学校の授業料等を改定するため、
 第45号議案は、道路法施行令の改正に伴い、自転車等の駐輪設備に係る道路占用料を新設するため、
 第49号議案は、新潟市が政令指定都市へ移行し、区が設置されることに伴い、警察署の名称等を改正するため、
 第50号議案は、道路交通法の一部改正等に伴い、各種手数料等を新設・改定するため、
 第51号議案は、拡声機を使用した暴騒音を伴う街頭宣伝活動について、新たな暴騒音測定方法の導入等の規定を整備し、悪質違反行為に適正に対処するため、
 それぞれ、条例の改正を行うものであります。

 以上、新年度における所信の一端と施策・議案の概要などについて申し述べました。何とぞ慎重ご審議の上、上程されました各議案それぞれについてご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月5日説明要旨

 ただいま上程されました議案40件について、ご説明申し上げます。

 第59号議案は、平成18年度一般会計補正予算でありまして、総額164億3,361万3千円の減額補正について、お諮りいたしました。
 このたびの補正予算は、今冬の異常少雪による除雪体制への影響を考慮し、緊急措置を実施するほか、一般公共事業、災害復旧事業及び直轄事業負担金について、補助事業等の内定見込みに基づく所要の措置を講ずるとともに、中小企業金融対策を含めた事務事業の執行見込みに基づく過不足調整等を行うものであります。
 この結果、補正後の財政規模は
1兆2,252億9,578万3千円となった次第であります。

 また、第60号議案から第78号議案までは、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。

 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第79号議案から第87号議案は条例案件であります。

 主なものといたしましては、
 第79号議案は、新井郷川排水機場の不正経理に対する職員の関与について、本来の処分対象者のうち多くの者が退職をして処分できないことから、結果責任を取ることとし、平成19年3月分の私の給料月額の100分の10を減額するため、
 第83号議案は、介護保険法の改正により介護支援専門員証の有効期間の更新の際に研修を受講する必要が生じることに伴い、当該研修の受講に係る手数料を定めるため、
 第85号議案は、良好な景観の確保の観点から、屋外広告物の表示等を禁止する地域等を拡大するとともに、地域の実情等を考慮し、禁止地域等においても審議会の審議を経た上で屋外広告物の設置を可能とする許可制度を創設するため、
 第86号議案は、建築基準法の改正により、一定規模以上の建築物について、新たに知事が指定する専門機関等から構造計算の法適合性の判定を受けることが義務づけられたことに伴い、当該判定に係る確認申請手数料等を新設するため、
 第87号議案は、企業局が港湾空港交通局から新潟東港工業地帯の工業用地の譲渡を受けることに伴う所要の改正を行うため、
 それぞれ条例の改正を行うものであります。

 次に、第88号議案及び第89号議案は、契約の締結及び変更について、
 第90号議案から第92号議案までは、損害賠償額の決定について、
 第93号議案から第97号議案までは、指定管理者の指定について、
 最後に、第98号議案は、地方自治法の一部改正に伴い、新潟東港臨海水道企業団の規約の変更を行うため、

 それぞれ、お諮りするものであります。

 以上、各議案の概要につきましてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

3月14日説明要旨

 ただいま上程されました議案3件について、ご説明申し上げます。

 第99号議案、第100号議案及び第101号議案は、平成18年度一般会計、流域下水道事業特別会計及び港湾整備事業特別会計に係る補正予算でありまして、それぞれ予算の繰越についてお諮りいたしました。
 公共事業等の執行に当たりましては、早期発注に心がけ、年度内に完了するよう鋭意努めてまいりましたが、設計や計画の変更による工事遅延、用地補償協定等の遅れなどにより、一部年度内に完了できない見通しとなりました。
 このため、一般会計においては531億3,684万6千円を、また、特別会計においても、それぞれ所要額を翌年度に繰り越すものであります。
この結果、既に歳出予算と同時に議決をいただいております国の災害対策補正予算等に係る繰越と併せ、一般会計の繰越明許費の合計は、616億9,611万3千円となった次第であります。

 今後とも、これら繰越事業の早期完了に努める所存でありますので、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについてご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月22日説明要旨

 ただいま上程されました第102号議案は、人事に関する案件でありまして、副知事の選任について、お諮りいたしました。

 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

その他の情報へリンク

議会情報項目一覧へ戻る