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当所では、昨年度からヒラタケ菌床栽培を開始し、標準的な栽培方法の確立を目指して試験研究に取り組んでいます。一般的にヒラタケは栽培期間が短く、菌糸の成長や子実体の生育は米ぬかや特ふすまなどの栄養材に依存しているとされております(引用1)。
また、発生処理後には培地表面の乾燥を防ぐため、当所では水で湿らせたポリウレタンフォーム(以下、ウレタン)を被覆して栽培を行っております。
今回は、ヒラタケ菌床栽培において、栄養材の量およびウレタン被覆の有無が収量と生育日数に及ぼす影響を調査した結果を紹介します。
※引用1 山中勝治・柿本陽一(1991)カラー版 きのこ生育診断 ヒラタケ・エノキタケ編
栽培試験の培地の設定は表1のとおりです。栄養材の量については、基材対栄養材の割合(乾燥重量比)が1:1および1:0.75となるように調整しました。また、発生処理後にウレタンを被覆した試験区と被覆しない試験区を設けました(写真参照)。各設定条件の培地を用い、市販菌株による栽培試験を実施しました。
表1 ヒラタケ栽培試験の培地設定


写真 ウレタン被覆処理の様子
(左:ウレタン被覆あり 右:ウレタン被覆なし)
栽培試験結果の概要は表2のとおりです。
栄養材の量については、多い培地の方が少ない培地よりも約6 g(約6~7%)収量が多くなりました。また、発生処理から収穫までの生育日数(以下、生育日数)は、栄養材の量が多い培地で短縮する傾向がみられました。ただし、その短縮は最大でも0.7日にとどまり、生育日数への影響は小さいことが分かりました。
一方、ウレタン被覆の有無については、被覆を行った培地が行わなかった培地よりも約10 g(約11%)収量が多くなりました。生育日数は、ウレタン被覆を行った培地でやや長くなりましたが、その差は最大でも2日程度であり、大きな影響は認められませんでした。
表2 栽培試験の結果

今回の試験では、栄養材の量の増加およびウレタン被覆によって収量が向上する傾向が確認されました。一方で、生育日数への影響は比較的小さいことが分かりました。
今後も標準的なヒラタケ菌床栽培方法の確立に向けて栽培試験を継続し、その成果を皆様にお知らせしていきたいと考えています。
きのこ・特産課 島津 桃子