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環境影響評価方法書に対する意見
平成20年10月3日付けで送付された、上越市黒井、上荒浜、下荒浜地区敷地整備緑化計画 管理型最終処分場建設工事に係る環境影響評価方法書について、新潟県環境影響評価条例第10条第1項の規定に基づき、環境保全の見地から下記のとおり意見を述べます。
記
- 事業計画について
- 緑化計画については、植物の選定等の検討経緯を含め、具体的に示すこと。なお、植物の選定においては、現存周辺植生及び生物相に影響を与えないよう配慮すること。
- その他、次に掲げる事項を可能な限り具体的に示すこと。
- ア 埋立物の掘削・埋立時における異物混入時の対応
- イ 最終覆土の損壊防止措置
- ウ 埋立物の一時撤去時における海からの強風への対応
- エ 緑化後のイメージ図
- オ 跡地の利用及び管理の計画並びにその検討経緯
- カ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律等が規定する最終処分場の構造基準及び維持管理基準への適合状況
- 大気質・騒音・振動について
- 事業実施区域は東西に長く、住居、保育園等の保全対象も広く分布していることから、これらへの影響を適切に評価できるよう、調査・予測地点の場所及び地点数等について再検討すること。
- 事業実施区域周辺で計画または事業着手されている上越火力発電所及び直江津液化天然ガス受入基地(仮称)の工事時及び供用時の影響も考慮した上で予測を行うこと。
- 事業により発生する粉じんには、埋立物である消石灰を含むことから、消石灰を含む粉じんの影響について検討した上で、環境影響の評価及び保全措置の検討を行うこと。
- 大気質・騒音・振動の環境保全措置については、保育園等の環境の保全についての配慮が特に必要な施設が隣接することを踏まえ、十分な検討を行うこと。
- 水質について
- 埋立物について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等で定める金属等の判定基準への適合性及び有害物質の含有等の調査を行い、結果に応じて、水質(地下水を含む)の有害物質に係る環境影響評価を行うこと。
- 地下水の調査については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等で求められている地下水調査結果と併せて準備書に記載すること。
- 地下水位及び流動状況については、対象事業実施区域周辺には消雪用井戸があり年間変動があると考えられることから、年間変動を把握すること。
- 動物・植物・生態系について
- 北東の海岸林(保安林)などの連続した生態系が形成されていると考えられる地域では、必要に応じて調査範囲を拡大すること。
- 調査地域周辺に、カワラサイコ、ハマウツボ、イソスミレ、ナミキソウなどの貴重種の生息が確認されていることから、これらの種について十分注視して調査を行うこと。
- 対象事業実施区域周辺には、ハマボウフウやコウボウムギなどの海岸特有の海浜植生が存在することから、これらの海浜植生全般をとらえた調査・予測・評価を行うこと。
- その他
準備書作成にあたっては、用語の補足、図表の使用、資料・データ類の分冊化等、編集方法の工夫により閲覧者に対しできる限り理解しやすいものとなるよう配慮すること。