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Q2-1 コンクリート強度の実強度と設計強度について

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0042453 更新日:2010年5月20日更新

ご質問1

さらに多くの試験サンプルを採取して、バラツキを考慮した値をもって解析を行うことを求めます。

ご質問2

サンプル数が少なすぎるので、もっとサンプル数を集めて試験をしてほしい。

ご質問3

データの平均値を解析採用値としたとしているが、耐震安全性評価である限り最小値を使うべきである。また、比較として設計基準強度を使い耐震安全性評価をすべきである。

ご質問4

コンクリート強度は、バラツキを考慮して一定以上のサンプル数から統計的データを取って安全性が確保される値を使用することが「コンクリート標準示方書」に明記されています。それにも拘わらず、信頼性のないデータを使用することは、いかがなものかと思われます。

回答

 技術委員会で建築を専門とする委員から次のような意見があり、異論はありませんでした。

  • 鉄筋コンクリートで造られた建物などへの地震の影響を評価する「耐震安全性評価」において、コンクリート強度は、解析に用いる地震の揺れをコンピュータ上で再現するための建物のモデルを作るときの一つの定数を決めるために使用されています。
  • 具体的にはコンクリート強度からヤング率(※1)を求め、さらにヤング率から建物の剛性(※2)を数値化します。この建物の剛性から建物の各部における地震の揺れの波形を計算で再現するためのモデルを作成します。
  • 耐震安全性評価ではこうして得られた地震の揺れの波形を、建物の各部や、建物内の機器に加わえた時にそれぞれが機能を維持できるかを評価する作業が「地震応答解析」になります。
  • 実際のコンクリート強度は元々バラツキが大きいため、バラツキを想定した評価手法となっており、また、鉄筋コンクリート構造では強度の大部分はコンクリートではなく鉄筋が分担する構造となっているので、コンクリート強度のバラツキが地震応答解析結果に及ぼす影響はあまり大きくありません。それは7号機においてコンクリート強度に実強度を適用した場合と設計強度を適用した場合の計算値を比較した結果でも確認されています。
  • コンクリート強度のバラツキが耐震安全性評価に及ぼす効果については過去のJNESなどが実施した検討結果から、その影響は限定的であることが確認されています。

 東京電力(株)は次のことも説明しています。

  • 柏崎刈羽原子力発電所では建物が地中深く埋められています。
  • このため、建物構造物に加わる力が周りの地盤に分担され、建物構造物の変形が抑えられることから、コンクリート強度が解析に及ぼす影響がさらに小さくなります。

※1ヤング率:どれだけ力を加えると、その材料がどれだけひずむかを示す数値
※2剛性 :曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと


技術委員会の「1号機の設備健全性及び耐震安全性の評価」はこちらをご覧ください
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