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森林研究所だより 公立林業試験研究機関における木材加工研究の動向(林業にいがた2026年1月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0795178 更新日:2026年1月15日更新

 会員の皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年1月号では、全国の都道府県の公立林業試験研究機関が最も多く取り組んでいる「育種や造林・保育技術などの森林造成」分野について、その概要と本県の取組状況を紹介しました。県では令和4年3月に『新潟県森林・林業基本戦略』を策定し、森林資源の利用拡大を進めています。また、筆者は長年にわたり木材加工の研究に携わってきました。そこで、今回は研究課題として全国で、森林造成に次いで多く取り組まれている「木材加工」分野について、少し詳しくご紹介したいと思います。

1  木材加工の専門領域

 木材加工は、いくつかの専門領域に区分されます。木材の密度や含水率など基礎的な性質を調べる「材質」、丸太を板や角材等に加工する「製材・機械加工」、水分を除去して寸法変化や変形、生物劣化を抑える「乾燥」、木材劣化の仕組みを解明し対策を講じる「保存」、木材の強度性能を評価する「強度」、木材を細分化して接着し再構成した集成材や合板などを扱う「木質材料」、そして木造建築に近い領域で接合方法や構法、耐震性などを研究する「木質構造」などが代表的です。

2  全国の木材加工研究の動向

​ 令和七年度に全国の公立林業試験研究機関が取り組んでいる木材加工分野の研究課題を専門領域別に整理したところ(図1)、「強度」「木質材料」「乾燥」の3分野が特に多く見られました。「強度」では、大径材やそれを製材して得られる心去り材、ツーバイフォー材に関する研究が多く(15件)、低密度植栽木や特定苗木の強度評価といった特徴的なテーマも見られました。「木質材料」では集成材に関する研究が多く(10件)、CLTに関する研究が続きました(5件)。「乾燥」でも、大径材や心去り材を対象とした研究が主体(11件)で、広葉樹の乾燥に関する研究も見られました(3件)。

図1 公立林業試験研究機関における木材関係研究課題数

図1 公立林業試験研究機関における木材関係研究課題数

 ※令和7年度全国林業試験研究機関協議会調べを基に作成

3  新潟県森林研究所の取組

 新潟県森林研究所では、平成26年度からスギ大径材利用の研究に取り組んでおり、スギ大径材の製材、乾燥、強度、さらにはツーバイフォー材での利用に関する検討を進めてきました。現在は、集成材や外構材としての活用について研究を継続しています(写真1)。

写真1 大径材を原料とした集成材の曲げ試験

写真1 大径材を原料とした集成材の曲げ試験 

4  さいごに

 森林研究所が実施する研究課題は、毎年実施している要望調査で皆様から寄せられるご意見等を審査して決定されます。研究の出発点は皆様の声ですので、今後とも変わらぬご協力をお願いいたします。

 最後になりますが、会員の皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 

所長 岩崎 昌一 

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