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令和7年9月定例会(第21号発議案)
令和7年9月定例会で上程された発議案
地域医療の維持・安定に向けた診療報酬改定等を求める意見書
第21号発議案
地域医療の維持・安定に向けた診療報酬改定等を求める意見書
上記議案を別紙のとおり提出します。
令和7年10月21日
提出者 厚生環境委員長 小山 大志
新潟県議会議長 青柳 正司 様
地域医療の維持・安定に向けた診療報酬改定等を求める意見書
近年、我が国における物価の急激な高騰、エネルギー価格や光熱費の上昇、さらに賃金水準の引上げなどが重なり、医療機関の経営は極めて厳しい状況にある。
物価上昇率が近年に例を見ない水準で推移する一方、マイナ保険証など医療DXの推進への対応が求められている中で、診療報酬は公定価格であり物価高騰分を転嫁することができないため、医療機関はその影響を自ら吸収せざるを得ず、多くの医療機関が赤字に転落し、事業継続の危機に直面している。中でも、人口減少や高齢化が進む中山間地域や離島においては、一定の医療機能の維持が必要である一方で、地理的な事情から人材確保などに追加費用を要しており、経営はより厳しいものとなっている。
このままでは、地域医療の根幹が揺らぎ、患者に対する質の高い医療サービスの提供が困難になる恐れがある。医療は、国民の生命と健康を守るための最も重要な社会インフラであり、持続可能で安定した医療提供体制を維持するためには、物価高騰を適切に反映させた診療報酬改定の実施が不可欠である。適正な診療報酬改定を行わなければ、医療機関の経営に更なる打撃を与え、地域住民が不利益を被ることは明白である。
さらに、診療報酬が物価高騰分を十分に補填できていないため、医療従事者の賃金水準を適切に引き上げることが困難となり、人材流出が深刻化している。少子化に伴う人口減少と高齢化が急速に進行する社会において、医療分野の人材確保は一層難しくなっており、今後の医療ニーズに対応するためには、医療従事者の待遇改善が急務であり、人材流出を防ぐためにも十分な賃上げを行う原資を確保する必要がある。
よって国会並びに政府におかれては、医療機関の赤字経営からの脱却と経営の安定化、医療従事者の賃金水準の適切な引上げと定着化が、地域医療の維持・安定につながり、今後も全ての国民が安定した質の高い医療サービスの提供を受けられるよう、以下の事項について実現を図ることを強く要望する。
記
1 物価や光熱費の高騰、賃金水準の上昇に対応した診療報酬改定を実施するとともに、物価・賃金が上昇した場合に適時適切に診療報酬へ反映できる仕組みを導入すること。
2 物価高騰、経営危機に直面する医療機関への補助金等による緊急支援策を直ちに実施すること。
3 医療従事者の確保並びに人材流出の防止のため、医療機関に対する予算措置や特別な支援策を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年10月21日
新潟県議会議長 青柳 正司
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
財務大臣 加藤 勝信 様
厚生労働大臣 福岡 資麿 様












