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令和7年6月定例会(第12号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0757279 更新日:2025年7月7日更新

令和7年6月定例会で上程された発議案

最低賃金の引上げを求める意見書

第12号発議案

   最低賃金の引上げを求める意見書

  上記議案を別紙のとおり提出します。

   令和7年7月7日

    提出者  産業経済委員長 中川 隆一

 

新潟県議会議長  皆川 雄二 様

 

最低賃金の引上げを求める意見書

 本県の現在の地域別最低賃金である985円は、全国加重平均額の1,055円を70円下回っており、依然として首都圏や全国平均との格差は大きく、若者を中心とした人口流出にも影響していることから、賃金の地域間格差是正は喫緊の課題である。
 政府が令和6年11月22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」では、最低賃金について、「改定後の最低賃金額は全国加重平均で1,055円、引上げ幅51円は令和3年以降連続して過去最高額となった。適切な価格転嫁と生産性向上支援によって、最低賃金の引上げを後押しし、2020年代に全国平均1,500円という高い目標の達成に向け、たゆまぬ努力を継続する」「今後とも、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げるなど、地域間格差の是正を図る」と示している。加えて、石破首相は第217回国会の施政方針演説において、「最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けることにより、賃金は据置きで動かないという縮み志向を過去のものとします」と述べている。
 物価上昇が続く中、最低賃金や最低賃金近傍で働く者の厳しい生活実態を直視し、生活水準の維持・向上の観点からも、今こそ「労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与する」との最低賃金法第1条の目的を果たさなければならない。
 また、公正取引委員会が令和6年12月16日に公表した「令和6年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の「労務費転嫁交渉指針のフォローアップ結果」では、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の認知度が48.8%にとどまっていることから、賃上げ原資確保に資する環境整備の更なる深化が求められる。
 よって国会並びに政府におかれては、全ての労働者の処遇改善と、中小企業に対する更なる支援制度の充実と利用促進に向けた周知の強化を図り、安全で安心な暮らしの実現のための下記事項を実施するよう強く要望する。

1 新潟労働局における令和7年度の地域別最低賃金の改定について、首都圏や全国平均との金額差の是正・縮小を図るとともに、2020年代に1,500円に到達するという政府方針を見据えた引上げを行うこと。
2 特定(産業別)最低賃金の改定に当たっては、新潟地方最低賃金審議会による審議において、当該産業労使の意見を十分踏まえるとともに、地域別最低賃金より高い水準を確保する必要性が勘案されるよう配慮すること。
3 地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の改定後は、改定内容を広く周知するとともに、県内企業への監督指導を強化するなど、最低賃金制度の履行の確保を図ること。
4 最低賃金の引上げに当たっては、賃上げ原資の確保が必要不可欠であることから、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を企業規模や地域を問わず全ての企業へさらに浸透させ、適正な取引ができる環境の整備を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和7年7月7日

新潟県議会議長  皆川 雄二

  衆議院議長   額賀 福志郎 様
  参議院議長  関口 昌一 様
  内閣総理大臣  石破 茂 様
  財務大臣  加藤 勝信 様
  厚生労働大臣  福岡 資麿 様
  経済産業大臣  武藤 容治 様
  内閣官房長官  林 芳正 様
  公正取引委員会委員長  茶谷 栄治 様
  新潟労働局長  福岡 洋志 様


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