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平成27年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004108 更新日:2019年1月17日更新

平成27年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月1日 知事説明要旨

 平成27年12月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず初めに、人口減少問題を中心とした地方創生についてです。
 本県人口は、先般公表された本年10月1日現在で前年と比べ1万8千人を超える減少となり、平成9年をピークに18年連続の減少となっております。特に自然減は、1万2千人近い状況であり、長年続いてきた進学や就職を契機とした若年層の首都圏等への流出が、出生数の減少にもつながっているという連鎖の構造が背景にあると考えております。また、首都圏等県外からの流入に影響があると考えられる有効求人倍率の首都圏との格差が、この数か月間、拡大傾向にあることから、社会減の加速が懸念されるところです。
 本県といたしましては、これまでも人口問題対策会議の議論等も踏まえ、様々な施策を展開しているところです。社会減に対しては、「新潟県U.Iターンコンシェルジュ」などによる個別相談対応のほか、先般も大学の就職支援担当者と県内企業との情報交換会も開催したところであり、U.Iターン就職の促進に向け、首都圏を中心とした県外大学との協定締結の拡大にも積極的に取り組んでおります。また、このたび、ひとり親家庭等の方々のU.Iターンを奨学金等により支援することとし、今議会に関連予算をお諮りしております。
 一方、自然減に対しては、結婚を望む独身男女に出会いの場を提供し、その希望を叶えることで、少子化対策につなげる取組を本格化させており、県職員を対象とする取組も今月行われることとなっております。
 本県の最上位計画である「新潟県『夢おこし』政策プラン」を踏まえて策定を進めておりました県版の人口ビジョン及び地方創生総合戦略については、県議会をはじめ、各界の皆様、さらにパブリックコメントを通じた県民の皆様のご意見・ご提案を踏まえ、必要な修正を加えた上で、去る10月30日にとりまとめ、公表いたしました。
 今後は、総合戦略で掲げた目標や政策の方向性も踏まえ、総合的かつ実効性のある施策展開を図ってまいります。
 一方、人口減少は、地方のみの努力では抜本的な解決が困難な課題です。少子化対策については、教育、社会保障から税制に至るまで、国の制度を抜本的に見直すことが必要です。そのため、国に対し、多くの子どもを産み育てる方々の負担に一定程度報いるような税制や年金制度等の改革の必要性について、全国知事会を通じて要請しているところです。
 人口問題にも大きな影響のある東京一極集中を是正するため、国では、政府関係機関の地方への移転について、検討を進めております。去る11月6日に開催された有識者会議では、道府県の提案に対する関係省庁の見解が示されました。本県から提案した3機関も含め、道府県の提案に対する見解のほとんどが、東京圏などに立地するメリットを強調し、移転できない理由を主張する内容に終始しております。関係府省は総じて、地方移転に極めて消極的な状況にあるものと受け止めております。
 国には、移転財源の確保も含め、率先して移転の実現に努めていただきたいと考えており、先月、全国知事会及び北海道東北地方知事会を通じ、国に対して、再度強く要請したところです。

 次に、地域経済の再生に向けた取組についてです。
 このところ、円安基調等を背景に、自動車メーカーが本年度上期の決算で最高益を更新するなど、輸出型大企業を中心とした業績の改善も報道されております。その一方で、業況の改善が中小企業に広く及んでおらず、県内においても、多くの中小企業や小規模事業者で、景気回復の実感が乏しいのが実態です。
 我が国経済の現状については、企業の設備投資が力強さに欠けるほか、中国経済等の減速の影響もあり、生産活動も一進一退の状況にあります。こうした状況を反映し、本年7月から9月期の実質国内総生産が前期比の年率換算で0.8%減と、二期連続してマイナスとなったところです。足下の我が国経済は、先行きの不透明感が強まる中で、踊り場にあると考えております。
 そうした中、政府では、「一億総活躍社会」を目指す新しい三本の矢の一つとして、強い経済の実現により2020年頃までにGDPを名目で600兆円に拡大することを目標に掲げ、民間の投資促進などの議論を進めております。
 この目標を達成するために、まず必要なことは、インフレターゲットなど適切なマクロ金融・財政政策によりデフレから脱却し、経済規模に見合う需要を創出することです。政府・日銀には、まずは、大胆な金融緩和の継続とともに、積極的な財政出動により内需拡大を図っていただきたいと考えております。
 本県といたしましては、現下の経済状況を見極めながら、経営面でのセーフティネット対策に万全を期した上で、設備投資等の促進や国の交付金を活用した消費拡大の取組など、需要の喚起につなげる施策を講じているところです。今後、想定される国の経済対策への積極的な対応を含め、可能な限りの対策に努めてまいります。
 また、中長期的な観点からは、メタンハイドレートなど、多様な地域資源の利活用や、健康、ロボット、航空機といった新たな成長分野への参入や起業の促進など、県経済の飛躍に向けた取組にも積極的に取り組んでまいります。

 次に、県民の安全・安心の確保についてです。
 本年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川をはじめ各地の河川の堤防決壊などにより、多大な被害が発生しました。改めまして、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様方に、心からお見舞いを申し上げます。
 今後発生が想定される南海トラフ地震や首都直下地震では、東日本大震災をはるかに超える被害も想定され、自然災害対策の重要性はさらに高まっています。
 一方、平成27年度公共事業関係費は、平成に入り最低水準であり、今後想定される災害に対応した防災・減災のための社会資本整備を進めるには不十分です。
 このため、全国知事会危機管理・防災特別委員長として、去る11月27日の政府主催全国知事会議において、安倍総理大臣に対し、防災・減災対策の速やかな推進に向け、社会資本整備に係る予算の確保を求めたところです。また、加藤国土強靱化担当大臣、河野防災担当大臣にも直接面談し、要請したところです。
 次に、原子力発電所の安全確保についてです。
 去る10月18日から20日にかけて、ミラノ国際博覧会への出張に合わせてウクライナを訪問し、チェルノブイリ原子力発電所事故の影響や、その後の対応状況について、関係者と意見交換してまいりました。
 チェルノブイリ原子力発電所では、今から30年前の事故当時の科学技術の水準にもかかわらず、結果として日本のような汚染水の問題が生じませんでしたが、地下水の汚染防止対策が事故の直後から実施されました。
 発電所周辺の立入禁止区域では、全ての人が10km圏内と30km圏内から出る際に、汚染検査装置を通過することが求められ、また車両についても、外部に放射性物質が持ち出されないようチェックが行われており、放射能は厳格に管理されていました。
 ウクライナにおいては、年間の被ばく線量が5ミリシーベルトを超えるエリアは全員が立ち退きする強制移住区域となっており、1ミリから5ミリシーベルトまでのエリアでは、住民に移住権が与えられています。
 加えて、リスクを冒して事故処理に貢献された方々を称えるとともに、被災者の方々を含めて医療費の支援や住居の提供などの生活を支える制度があります。
 日本においても、被ばくのリスクを抱えて事故の収束に対処した方々や、被災者の方々を社会全体で支える仕組みを作るなど、現実と向き合った合理的な対応が必要ではないかと改めて強く感じたところです。
 県といたしましては、原子力発電所事故後のウクライナの30年の経験を踏まえた形で、県の施策の参考にしてまいりたいと考えております。
 また、安定ヨウ素剤の配布につきましては、原子力発電所から概ね半径5km圏内に居住する約2万人の住民を対象に、9月半ばから順次事前配布を実施したところです。
 今後は、今回、未配布の対象者や新たな転入者などに対し、着実に配布を進めてまいります。
 一方、安定ヨウ素剤の配布には、依然として多くの課題があることから、引き続き国に対し、必要な見直しを要望してまいります。
 県といたしましては、原子力防災対策がより実効性のあるものとなるよう、引き続き、市町村や関係機関と十分に協議し、具体的に取組を進めてまいります。

 次に、TPPへの対応についてです。
 去る10月5日、アトランタにおける閣僚会合において、TPP協定が大筋合意に至りました。これを受けて、県といたしましては、10月7日、TPP対策本部を設置し、協定の対象となっている各分野の関係団体とも連絡を密にしながら、合意内容について詳細な情報把握に努めるとともに、本県への影響を分析し、国への要請等、本県としての対応について検討しているところです。
 製造業では、自動車や金属・機械などで関係国への輸出においてプラスに寄与することも想定されており、県内企業などから、将来的な輸出増加を期待する声が聞かれるところです。その一方、県内の農業者や関係団体などからは、不安の声や、不安を払拭するための充実した国内対策を求める声が聞かれます。
 農業分野については、政府から品目毎の影響が公表されております。この中で示されているように、米については、国別枠によって安価な外国産米が主食用として流通することなどにより、国産米の価格に影響し、水田農業経営における所得減少につながることを懸念しているところです。また、畜産については、関税削減等により安価な畜産品の流通量が増加することで国産品の価格に影響し、畜産経営の所得減少につながることが懸念されます。加えて、畜産業の縮小が飼料用米の生産にも影響することを懸念しております。
 こうしたことを踏まえ、11月中旬には、全国知事会や北海道東北地方知事会として緊急要請を行ったところです。また、本県独自の対応として、合意による影響と国内対策についての十分な説明を早急に行うことや、食料安全保障の観点からも、国内の農林水産業が将来にわたって持続的に発展していけるよう、万全な対応を行うことなどについて、先般、政府・与党に対して要望したところです。
 政府は、その後、11月25日に「総合的なTPP関連政策大綱」を策定し公表しました。これを受けて、本日、県のTPP対策本部会議を開催し、本県要望の反映状況を検証したところです。現時点で協定は発効しておらず、協定による効果、影響が生ずるまでには、分野によっては相当期間を要する状況の中、中期的な視点も持って対策を進めていく必要があると考えております。
 大綱では、本県において特に影響が懸念される農業分野での米の政府備蓄運営の見直しや、畜産の経営安定対策の拡充など、様々な分野について施策がまとめられております。
 しかしながら、輸入米の流通量増加による国産米価格への影響や、備蓄保管後の放出による非主食用米の需給等への影響はなお不明です。
 県としては、大綱に示した各種制度の内容について、早期に明確化するよう引き続き国に要請してまいります。
 今後も、本県への想定される影響を踏まえ、国の対策に現場の声が十分反映されるよう、時機を失することなく、県として必要な対応を行ってまいります。
 その結果、国益を守れるか総合的に判断した上で、国会での批准の対応を決めるべきと考えております。

 次に、農業振興についてです。
 10月下旬、ミラノ国際博覧会において、水稲晩生新品種「新之助」の発表など新潟米のPRを行い、新潟の誇る米文化を世界に発信してまいりました。来場者からは、新潟の米づくりや米輸出の現状など多数の質問があり、新潟県の米に対する取組姿勢に共感と賛同をいただくとともに、「新之助」についても、試食した方から高い評価をいただきました。今後も様々な機会を活用して、ミラノでの成果を国内に情報発信し、「新之助」の認知度の確保・向上につなげてまいります。
 こうした海外での和食への関心の高まりを活かす意味でも、需要を海外へ拡大し、新たな販路を開拓することは重要です。先般、有力な輸出先である香港及びシンガポールにおいて、新潟米の宣伝会や実需者との商談会を開催し、食味や品質について高い評価をいただいたところです。また、アメリカ市場の獲得に向けて、市場調査や現地レストラン等との連携について取り組んでいるところです。加えて、ミラノ国際博覧会での成果も踏まえ、今後、ヨーロッパへの新潟米の輸出拡大に向けた取組も検討してまいりたいと考えております。
 一方で、国内では、全国的に米消費が減少する中、各県による厳しい販売競争が行われております。加えて、TPP協定が発効した場合、安価な外国産米の輸入数量が拡大されることになります。
 県といたしましては、食味を重視した米づくりを基本に、引き続き区分集荷・販売によるブランド管理を徹底するとともに、業務用などの多様なニーズに応じた生産も進め、安定需要の確保に取り組んでまいります。
 また、今後とも主食用米の需給環境の改善に向け、主食用米から飼料用米への転換を重点的に推進してまいります。
 今年度の飼料用米の生産量は前年度の4倍強に増加したところですが、更なる生産拡大には、農業者の所得確保が重要です。そのため、収入面でより有利な多収性品種の導入を促進するとともに、畜産農家の更なる利用拡大にも併せて取り組んでまいります。

 次に、交通に関する諸課題についてです。
 好調な利用状況の北陸新幹線については、現在、政府・与党において、平成34年度末予定の金沢・敦賀間の開業の更なる前倒しや、福井駅先行開業、敦賀・大阪間の整備ルートなど、全線整備に向けた検討が進められております。
 大阪までの早期全通を図ることは重要ではありますが、加えて、本県としては、その過程において日本海国土軸の強化や乗換利便性の低下の回避を併せて図っていくことが重要と考えております。
 そのため、当面、フリーゲージトレインによる大阪までの早期全通を図り、まずはこれを県内まで延伸することも念頭に、国等に要望を行っているところです。日本海国土軸の流動をより太いものにすることができれば、上越妙高駅が首都圏との流動の結節点として大きな可能性が拡がるとともに、県内を走る2本の新幹線をつなぐことができることの意味は極めて大きいと考えております。
 今後、様々な機会を活用し、この構想の意義を県民の皆様と共有するとともに、実現に向けて合意形成を図るよう取り組んでまいります。
 次に、新潟空港の活性化についてです。
 先般、国の関係者等と本県の交通問題に関する諸課題について話し合う総合交通問題懇談会を「国際線の活性化」をテーマとして開催しました。
 新潟空港の国際線については、羽田をはじめとする首都圏空港の機能強化やデイリー運航だったソウル便が週5便となるなど、国際情勢も含め、様々な状況変化の中、今後の展開について戦略的な取組が必要になっております。
 懇談会での議論等も踏まえ、成田空港など国内外のハブ空港との接続強化による乗継利便性の向上や、拡大するインバウンド需要の取り込みに積極的に取り組むほか、中長期的な視点での取組も進めていく必要があると考えております。
 その際、新潟空港が首都圏と欧州等世界の都市との旅客流動の一翼を担う「首都圏第三空港」化を目指し、陸路と空路の結節を高めていくことが重要と考えております。現在行っている軌道系空港アクセスに関する調査も踏まえ、県民の皆様の御理解を得ながら、取組を進めてまいりたいと考えております。

 次に、地域医療体制の確保についてです。
 まず、県央基幹病院についてですが、現在、整備基本計画策定委員会において、具体的な規模や診療機能、設置場所等を定める整備基本計画の検討を進めております。引き続き、委員会での議論を尊重し、計画案の年度内の取りまとめを目指して、着実に策定作業を進めてまいります。
 県立加茂病院の改築整備については、加茂市において、事業に係る計画通知の経由事務等の一部が処理されない状況が継続しております。
 一方、加茂市議会や田上町は、県の案をもとにした早期の整備を求めております。また、加茂市の市民団体も早期着工を求めて署名活動を行っていると聞いております。このような状況で、県として対応できることは限られており、当面、加茂市当局の対応を見守りたいと考えております。
 本県の医療体制を整備していく上で、医師確保は喫緊の課題です。先般発表された、来春から臨床研修を始める医学生と研修病院のマッチング結果では、本県は昨年度に比べて9人増の102人となり、2年連続での増加となっております。奨学金の貸与をはじめとする様々な対策の効果等が現れたものと受け止めております。引き続き研修医を惹きつける研修プログラムの構築や研修環境の整備など、個々の病院の取組への支援も強化し、医師の確保・定着に取り組んでまいります。
 また、子ども医療費助成については、県議会からの「市町村との緊密な協議を」との意見を踏まえ、平成28年度からの交付金化に向けて、市町村と協議を重ねてきたところであり、先般、これまでの調整を踏まえ、制度案を公表いたしました。各市町村が現在実施している制度を維持・拡充し、あるいは他の子育て支援策を充実するなど、それぞれの判断に基づいた対応を支援する自由度の高い制度としたいと考えております。引き続き市町村と協議を行いながら、来年度からの円滑な導入に向けて取組を進めてまいります。

 次に、教育問題についてです。
 10月に公表された「いじめ」に関する全国調査によると、県内の小中学校、高校及び特別支援学校における昨年度のいじめの認知件数は、1,525件と前年度より131件増加しております。これは、積極的な認知に努め、いじめの把握が進んだことによる面もあるものと考えております。
 いじめは、どの学校でも、どの子どもにも起こり得る問題であり、いかなる態様であっても、いじめを決して見逃さず、早期に発見し即時適切に対処することが何よりも大切です。
 本県では、こうした意識を県民全体で共有し、いじめ問題に県民ぐるみで取り組むため、「いじめ見逃しゼロ県民運動」を推進しているところです。今後も、この運動の推進に参加いただいている県議会や関係団体、協賛企業など、各界の皆様のご協力を得ながら、学校はもちろん、家庭や地域と一体となった「いじめ」の防止に全力で取り組んでまいります。
 県教育委員会では、現在、今年度中を目途に平成30年度からの中長期的な県立高校の将来構想の策定を進めております。先般、教育行政の総合的な方向性についての教育委員会との意見交換の場である「総合教育会議」を開催し、今後の魅力ある高校づくりについてご意見をいただいたところです。
 その中で、適正な学校規模を確保しつつ、県外の生徒も学びたくなる特色ある学校づくりを進めること、教育の質的な向上や学校の活性化を図ること、キャリア教育など地域との連携の深化を図ることについて、教育委員の皆様と認識を共有させていただきました。
 また、計画の内容については、各界のニーズ等を踏まえ、毎年、見直しを行うことについても共有させていただいたところです。
 本日、教育委員会から計画の素案が公表されると聞いておりますが、今後も教育委員会とより一層意思疎通を図りながら、一人一人を尊重して、個性や能力を伸ばしていく「個を伸ばす教育」をさらに推進してまいります。

 次に、北朝鮮による拉致問題についてです。
 昨年5月の日朝合意を受けて、北朝鮮が特別調査委員会を設置してから1年以上が経過いたしました。しかし、これまで誠意のない対応が続き、いまだに何ら進展が見られておりません。一日も早い再会を願うご家族のお気持ちに思いを致すと、深い悲しみと大きな怒りを感じます。
 去る11月15日、横田めぐみさんが拉致されてから38年目となるこの日に開催された県民集会には、これまで以上に多くの皆様からご参加をいただきました。その際、出席された加藤拉致問題担当大臣に対し、「知事の会」として、拉致被害者の帰国に与える影響等を考慮の上、交渉期限の設定や首相特使の派遣、損害賠償の請求など、北朝鮮の具体的な行動を引き出すための方策の検討を要望いたしました。
 先般の日中韓首脳会談では、安倍首相より拉致問題解決への協力要請が行われました。政府には、こうした国際間の連携を重ねながら、この膠着状態をいかに打開するかが問われており、戦略的な交渉を展開し、「全ての拉致被害者の帰国」の実現につなげていただくことを強く望みます。
 県といたしましても、市町村や支援団体はもとより様々な団体にも働きかけ、県民運動として一人でも多くの皆様の関心と理解が深まるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 次に、新潟地域振興局の本局の移転についてです。
 新潟市が政令市に移行して10年を経過し、県から市に多くの事務が移譲されたことによる役割の変化も定着し、業務分担の明確化が進んでおり、新潟地域振興局の業務について、より効率的な執行のための対応が必要となってきております。
 加えて、本局があります川岸町庁舎は、耐震改修の実施について判断が必要な時期にあります。
 こうした状況を踏まえ、本局の新津庁舎等への移転について検討を進めてきたところであり、来年度中の移転実施に向けて準備作業を進めてまいります。

 続いて、提案しております主な議案について、これまで述べたもの以外についてご説明申し上げます。
 第147号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額1,328万1千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、ドクターヘリ2機目の導入に向け、運航に必要となる格納庫の実施設計に要する経費を計上したほか、県立武道館の建設に向けた地盤調査や、老朽化した情報通信ネットワークの更新工事を行うため、債務負担行為を設定いたしました。
 加えて、平成28年度事業に係る発注の平準化や起工準備期間の確保に加え、不測の災害等に対応するため、いわゆる「ゼロ県債」を設定したところです。
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、その結果、補正後の予算規模は、
 1兆3,199億1,442万7千円となります。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第150号議案は、県知事の権限に属する事務の一部を市町村に移譲するため、
 第151号議案は、第4次及び第5次一括法の施行に伴い、法定移譲される事務に係る関係規定を整理するため、
 第152号議案は、地方公務員法の改正に伴い、再就職者による現職職員への働きかけの禁止等の規定を整備するため、
 第154号議案及び第155号議案は、マイナンバー法の施行に伴い、個人番号を含む特定個人情報の利活用や安全性の確保に関する規定を整備するため、
 第159号議案は、介護支援専門員の資質向上を図るための研修受講料を改定するため、
 それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。

 次に、第164号議案及び第165号議案は、契約の締結について、
 第166号議案は、損害賠償額の決定について、
 第167号議案は、当せん金付証票の発売について、
 最後に、第168号から第172号までの各議案は、指定管理者の指定について、お諮りするものです。
 以上、主な議案の概要につきましてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

12月17日 知事説明要旨

 ただいま上程されました議案は、人事に関する案件であります。

 第173号議案は、収用委員会委員を任命するため、お諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。
 

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