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平成18年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003857 更新日:2019年1月17日更新

平成18年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月6日説明要旨

 平成18年12月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 まず、中越大震災からの復旧・復興についてであります。
 私は、震災2周年となる10月23日を厳粛な気持ちで迎え、改めて被災地を訪問しました。死者67人などの人的被害、約12万棟もの住家被害などをもたらした震災の記憶が思い起こされました。

 私は、知事就任以来、災害からの復旧を最優先課題とし、常に被災者の視点に立ち、全力を挙げて取り組んでまいりました。これまでに、基幹国道は全線が開通し、県道も約9割の工事が終了したほか、中山間地域の棚田を含め農地は99%まで復旧が進むなど、2年続きの豪雪に阻まれながらも、復旧工事の着実な進捗を図ってきたところです。被災地8市町村に3,460戸建設された仮設住宅の入居者は、2,935世帯9,649人をピークに、11月30日現在1,066世帯3,312人にまで減少し、仮設住宅の期間延長を希望される方々は、740世帯程度になる見込みです。県としましては、なお課題の残る復旧の現状を踏まえ、今後も個別世帯に対するきめ細やかな生活再建支援を行い、取り残される思いをもたれる方々が出ないよう努力するとともに、残る復旧事業の早期完了に向け全力を傾注してまいる所存です。
 そして、今後は「復興」・「再生」に向けた取組みを加速させてまいります。私は、今回被害を受けた中山間地域において、「自然」と「ひと」が織りなすこの地域固有の魅力を次世代に継承していくためには、生活・生業の回復はもとより、コミュニティとしての人々の「絆」を震災前よりも強く確かなものに再生していくことが必要と考えております。こうした「復興」・「再生」の必要性については、安倍総理自らが、コミュニティが復活、再生できるように全力を尽くしていきたいという同様の方針を示されておりますが、先月6日に来県された溝手防災担当大臣には直接その旨を訴え、大臣から、震災前よりも良い地域となるよう国も支援するとお答え頂いたところです。
 県としましては、このような考え方にたって「復興」・「再生」の諸施策を展開し、この地域のかけがえのない無形の宝を守り、発展させる所存です。

 次に、地方自治体をめぐる不祥事等についてであります。
 福島県など3県において、公共調達をめぐる談合に知事等が関与していたとして、知事など幹部が逮捕される事件が相次ぎました。また、巨額の裏金の存在など不適切な経理処理を行っていた地方自治体も明るみに出ました。
 そもそも地方分権改革とは、地方分権に対する国民・住民の共感があって初めて推進できる改革です。自らを律することもできず、国民・住民の信頼を裏切るような自治体がある限り、改革は前進するはずもありません。
 私は、改革を前進させるため、今後も情報公開を進め、行政の透明化を一層推進するとともに、自らの襟をきちんと正し、不正と決別する姿勢を貫き続けます。また、全国知事会では、信頼回復へ向けて「公共調達に関するプロジェクトチーム」を立ち上げ、入札契約制度等を刷新することとしましたが、本県においてもチームが今後打ち出す改善策などを尊重し、行政の透明性を高めてまいる所存です。
 なお、本県関連では、県労政協会のプール金問題や豊栄土地改良区における費用の架空請求などがあったところですが、これらの不適切な経理処理については毅然とした対応を貫いてまいります。

 次に、いじめを苦にした児童・生徒の相次ぐ自殺についてであります。
 去る11月14日、神林村の中学校2年生男子生徒が自殺するという悲しい出来事がありました。その原因は現在第三者委員会で調査中でありますが、いま、日本各地で児童・生徒の自殺が相次ぎ、いじめとの関連性が指摘されているところです。
 将来無限の可能性を持つ子どもが、自らの命を絶ってしまう現実は、実に残念でなりません。しかも、自殺は連鎖し、自殺予告もいたずらを含めて様々な形でなされています。まさに、非常事態です。
 私は、まず家庭、学校が本当に心に悩みを抱え、苦しんでいる子どもたちの気持ちをいかに受け止めるかが、ポイントだと思っております。家庭でも、学校でも、子どもたちが発する心のサインを受け止められるようになっているかを、いま一度自分たちの問題として捉え、改めるべきは改め、それを社会全体のメッセージとして明確に発していくことが必要だと考えております。
 今後の各学校や教育委員会など教育関係者の努力には、大いに期待をしております。こうした関係者の努力とともに、家庭、ひいては社会全体の取組みにより、この問題が一刻も早く収束し、児童・生徒が相手を思いやり、互いの個性を尊重し合える生活が戻ることを願ってやみません。
 次に、県立新発田病院等の移転新築についてであります。
 県立新発田病院は、これまで県北の中核病院として、地域医療の確保と高度医療を担ってきました。しかし、近年、高齢化や疾病構造の変化などにより、医療需要が多様化、高度化しているほか、高度救急医療を新潟市内の医療機関に依存せざるを得ないという事情等から、県北地域における診療機能の充実と救急医療体制の強化は急務となっておりました。
 このため、県では新・新発田病院の移転新築工事を進め、去る11月1日に開院することができました。新病院は、高度救急医療を担う救命救急センター、リニアックなどの高度医療機能などを有することから、全国初のリウマチ専門病院となる県立リウマチセンターと併せ、県北の基幹病院として、充実した医療サービスを展開していけると確信しております。
 この新・新発田病院の開設により、高度救急医療の確保に関する次なる課題は、魚沼地域における高度救急医療の空白の解消となります。これについては、現在、住民の皆さんが安心して住むことができる医療環境を作るため、勤務医等を安定的に確保できる体制構築を中心に地元との合意形成に努めているところであり、構想の一日も早い実現に向け、全力を尽くしてまいります。

 次に、全国知事会等を通じた政策提言等の取組みについてであります。
 まず、先月7日に札幌市で開催された北海道・東北地方知事会議についてです。この会議では、

  • 新型交付税導入時における行政需要の的確な算定
  • 医師確保対策の推進

など6項目を国への緊急提言としてまとめ、政府に対し働きかけることとしました。また、地方税電子化協議会が開発を進めている地方税ポータルシステム『eLTAX』に関し、開発に対する懸念や再構築の必要性などが緊急アピールとしてまとめられたほか、道州制特区法案の取扱いなどのトピックスについて議論が交わされ、今後の地方分権の推進につながる成果が得られたものと考えております。

 また、先月24日には、政府主催の全国都道府県知事会議が官邸で開催され、安倍総理をはじめ、各閣僚と各都道府県知事との意見交換が行われました。私は、まず、中越大震災で被災した中山間地域における復興の動きなどを地域の「再チャレンジ」として位置づけられるよう、政府の支援を要望しました。また、本県の要望等を踏まえて実現した医師確保対策の充実に加え、医師の地域偏在、診療科偏在解消のための具体的な対策を実施するよう国に求めました。なお、これについては、尾身財務大臣から、地域医療問題は人災であり、政府としても全力で努力する旨の踏み込んだ答弁があり、今後の政府内での検討に期待を寄せるところです。
 今後も、本県の抱える重要な課題についてあらゆる機会を捉えて訴え、その克服を図ってまいります。

 次に、ブラジル訪問についてであります。
 私は、渡辺県議会議長とともに、先月16日から22日にかけてブラジルを訪問し、新潟県人会創立50周年記念式典へ参加したほか、多くの方々と意見交換し、今後の交流のあり方等について示唆を得ました。
 ブラジルへの移民は、国策として98年前の1908年に始まりましたが、当時の日本は家族数も多く、特に中山間地域では耕す田畑もないため、外に出て行かざるを得ない背景があるなか、多くの方々が夢と希望を求めて渡航されたと伺っております。しかし、現実の生活は厳しく、過酷な環境の中で尊い命を落とされた方も少なからずおられました。今回は、こうした方々が祀られている慰霊碑も訪ね、過酷な運命の中で亡くなられた方々の無念さに思いを馳せたところです。しかし、幾多の努力が実り、現在では150万人もの日系人社会を築き、各界へ人材を輩出するなど、ブラジル社会の中で揺るぎない地位を占めるまでになりました。
 一方、ブラジルからは現在30万人もの日系人が来日しております。この日系人の方々は、開拓のために日本を離れ、時代を経て逆に日本に戻りながらも、中には就労面などで不利益などを被る事例があります。なぜ世代を超えて厳しい運命を背負われているのか、複雑な感情を持ちました。
 今回の訪問を通じ、祖国日本・故郷新潟を心の支えとしている日系一世の方々に比べて、二世・三世の方々にとっての「新潟」に対する思いは、本県出身の祖父母がいらしても、他県出身の祖父母も同時におられ、またブラジル人との混血も進んでいることから、希薄になってきているように感じました。
 現在、新潟県とブラジル県人会との間では、農業青年の相互交流や、県費留学生の受入れなどを行っておりますが、今後は日系人の皆さんの歴史や思いも踏まえ、むしろ日系人社会全体といかに交流すべきかを十分検討し、友好拡大に生かしてまいりたいと考えております。

 次に、拉致問題についてであります。
 去る11月2日、新潟県警は、曽我ひとみさんと母ミヨシさんが北朝鮮に拉致された事件に関し、北朝鮮工作員の通称キム・ミョンスクを実行犯と特定し、逮捕状が発付されました。事件から28年、ひとみさんは帰国されましたが、一緒に拉致されたミヨシさんの安否は未だに不明のままとなっております。また、大沢孝司さんなど6人のいわゆる特定失踪者の方々の真相も未だ判明しておりません。さらに、29年前の11月15日は、当時中学生だった横田めぐみさんが新潟市で拉致の被害にあった日でありますが、この事件もいまだに解決の糸口がつかめておりません。
 私は、これまでも、県民の関心を喚起するための集会等を開催してきたほか、全国知事会等あらゆる機会を捉えて、拉致問題の早期解決へ向け訴えてまいりました。私としては、今後とも、県民の皆様お一人お一人がこの問題に関心を持ち続けて頂くことが大切だと考え、今月9日から開催する「拉致問題を考えるパネル展」などの取組みを継続してまいります。そして、こうした取組みなども相まって、一日も早く問題の全容が解明され、被害者全員の帰国が実現し皆さんが家族そろって笑顔で生活できる日が来るよう祈念してやみません。

 次に、佐渡金銀山遺跡の世界遺産化についてであります。
 従来、世界遺産登録への前提である暫定一覧表への記載については、文化庁が独自に選定することとしておりましたが、今般この方式が改められ、地方公共団体からの提案をもとに、国の専門委員会が審査・選定することとなりました。
 本県及び佐渡市では、この方式変更を受け、佐渡金銀山遺跡に関連する遺跡や景観、さらには社寺建築や能楽などの文化などをひとつの有機的な資産と捉え、先月29日に一覧表記載候補として文化庁に提案をしてきたところです。
 佐渡金銀山遺跡の世界遺産化は、佐渡市のみならず、本県のイメージ向上のほか、これまで培ってきた文化・歴史を遺産として次世代に継承していく活動の促進につながるものと考えております。今後とも佐渡市と連携を密にし、世界遺産の実現に向けて全力を傾注してまいる所存です。

 最後に、本県における今後の経済動向等についてであります。
 本県の景気は、国内全体の好況にも支えられ、「回復」局面にありますが、その基調は、日本銀行新潟支店によれば、本年8月までの「景気は回復」との判断から、9月以降「景気は緩やかに回復」との判断に下方修正されております。これは、災害復旧工事などの公共投資の減少等により、本県の景気が変曲点を迎えたものと認識しております。
 この現状を踏まえれば、県内の各産業の収益性の確保を図ることが今後の大きな課題になると考えられます。とりわけ、今後さらに建設投資額の縮小が想定される本県建設産業においては、各企業の収益性を確保し、将来にわたって活力ある持続可能な産業の実現を図ることが必要です。このため、県としましては、本年2月に策定した「新潟県建設産業活性化プラン」に掲げましたように、新分野への進出等や技術と経営に優れた企業づくりなどを進め、供給構造の是正などの取組みを行うほか、県内企業の受注機会の拡大のための方策も展開してまいりたいと考えております。

 次に、提案している主な議案についてご説明申し上げます。

 第182号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額1億4,323万9千円の減額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、職員給与費について過不足額を補正計上するとともに、当初予算編成後の事由による重要性、緊急性のある経費等について計上するものであります。具体的には、難病患者の方々が地域で安心して生活できるよう支援する難病相談支援センターの開設に要する経費を計上するとともに、来年4月に指定管理者制度への移行を予定している健康づくり・スポーツ医科学センターについて所要の経費を計上するほか、来年度県立万代島美術館で開催する企画展の準備経費を計上しております。
 また、中越大震災の関係では、道路の遮断等のため冬期間集団移転する場合の集落の除雪対策に要する経費の一部を補助することとし、所要の経費を計上いたしました。
 さらに、新潟県民会館、新潟県立自然科学館の管理運営を指定管理者に委任する協定を締結することに伴う債務負担行為を設定するほか、県単独公共工事等について、平成19年度事業に係る発注の平準化や起工準備期間の確保に加え、不測の災害等に対応するため、いわゆる「ゼロ県債」を設定したところです。以上、補正の主な内容についてご説明申し上げましたが、その結果、補正後の財政規模は、1兆2,287億4,632万3千円となります。
 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第183号から第188号までの各議案は、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、一般会計補正予算と同様、職員給与費の過不足額の補正等を行うものであります。
 第189号から第203号までの各議案は、条例案件であります。主なものとしまして、第189号議案は、県から市町村への事務の移譲に伴う関係条例の整備を図るため、
 第192号議案は、危機管理体制を強化する観点から、防災局を独立した部局として設置するため、
 第199号議案は、プールにおける安全の確保及び公衆衛生の向上の観点から、プールの構造設備及び維持管理等に関し必要な事項を定めるため、
 第200号議案は、認定こども園における職員の配置・資格、施設設備、管理運営等に関する認定基準等を定めるため、
 第202号議案は、健康づくり・スポーツ医科学センターの事業等を見直すとともに、指定管理者制度への移行に際し必要な事項を定めるため、
 それぞれ条例の制定及び所要の改正を行うものであります。
 最後に、第204号議案及び第205号議案は、財産の信託または処分について、
 第206号から第216号までの各議案は、契約の締結または変更について、
 第217号議案及び第218号議案は、損害賠償額の決定について、
 第222号議案及び第223号議案は、指定管理者の指定について、
 第224号議案については、児童自立支援施設に関する事務の受託について、
 それぞれお諮りをするものであります。

 以上、ご説明申し上げました議案を含め、全43議案についてお諮りをいたしました。何とぞ慎重にご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

 12月22日説明要旨

 ただいま上程されました第225号議案は、
 収用委員会委員の任命に関する案件であります。

 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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