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平成18年6月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003739 更新日:2019年1月17日更新

平成18年6月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

6月28日説明要旨

 平成18年6月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要を説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 まず、災害からの復旧に向けた取組みについてであります。
 中越大震災が発生して以来、すでに二度の冬が過ぎ、今度の冬が三度目の冬に当たります。私は、これまで、住宅再建のプランもなく三度目の冬を仮設住宅で迎える被災者がいらっしゃる、という状況を出来る限り回避しなければならないと考えてまいりました。それ故、知事就任以来、被災者の皆様の生活の再建、とりわけ、日常生活の基盤となる住宅の再建を喫緊の課題と認識し、県としてその課題に最も重点的に取り組んでまいった次第です。
 現在、県は市町村と一体となって、仮設住宅にお住まいの各世帯について個別カルテを作成し、きめ細かく対応しているところです。その中でも、住宅再建に課題を抱えておられる世帯に対しましては、それぞれの事情などもお聞きし、また、行政の支援や、財団法人新潟県中越大震災復興基金の支援策を提示し、ご相談をさせて頂いております。私自身も被災地の仮設住宅に出向き、被災された方々と直接お話をし、どうしたら住宅の再建をお考え頂けるような支援ができるのか、ともに悩み、支援策の検討を続けてまいりました。
 被災世帯の中には複雑な課題を抱えておられる世帯もあることから、今月16日に、こうした世帯への具体的な処方箋として、財団法人新潟県中越大震災復興基金の理事会において、リバースモーゲージ、二重ローン対策、民間住宅家賃補助の拡充などの支援策をさらに追加したところです。
 この追加支援策の内容は、個々の世帯の事情に配慮し、かなり踏み込んだものにしたところではありますが、今後、時間の経過とともに、それぞれの世帯の生活設計が変わっていくケースも当然想定されます。そのため、県としましては、今後とも市町村や復興基金と連携して、全ての世帯の再建が遂げられるまで、きめ細やかなサポートを引き続き実施していく所存です。
 なお、この理事会の場などにおいて、被災地の市町長さんなどからは、今回の追加支援策提示を一つの区切りとして、県の取組みの軸足を、地域が災害から復旧・復興していくために不可欠な「地域の核となるコミュニティ施設の再生」・「生業の再建・生活の質の向上」といった諸課題に移して欲しいという強い要望を受けました。具体的には、生活道路の復旧など災害復旧事業の進捗を受け、

  • 人と人のつながりを深める集会所など、コミュニティ施設の復旧
  • 今年作付けができなかった農地や崩れた養鯉池の復旧
  • 売上げが減少した商店街の再生

などといった諸課題であります。県としましては、これらの課題に果敢に対処し、復旧・復興の次のステージである、にぎわいのある地域コミュニティの再生に向けて全力を傾注する考えであります。
 また、7.13水害の被災者の方々につきましても、中越大震災の被災者と同様に、引き続き市と連携し、きめ細やかなサポートを行ってまいります。議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。

 次に、水俣病被害者に対する救済についてであります。
 水俣病の公式確認から50年を経た去る5月1日、私は、熊本県水俣市で開催された犠牲者慰霊式に参加いたしました。そして、約1,300人の参加者の方々とともに、今もなお課題を残すこの悲劇を重く受け止め、「改めて水俣病とは何だったのか」ということを考えさせられました。
 ご承知のように、水俣病は、高度経済成長の中で起きた大変な悲劇であります。また、その被害者の皆様は現在の日本社会が獲得したより安全で改善された環境が整備される過程での尊い犠牲者である、そうした意味で感謝されるべき立場におられる方々である、と私は認識しております。
 すでに新潟で同じあやまちが繰り返されていますが、これ以上同じことを繰り返さないため、私たちがなすべきことは非常に多いと思っています。
 まず、被害者に対する救済を行い、社会として差別や偏見をなくし、将来に対して水俣病とは何だったのかという本質的意味を伝えていかなければなりません。また、差別や偏見をなくし、失われた地域の絆の回復にも取り組んでいかなければなりません。社会のために犠牲になった人々をいかに支えていくかという教育も大変重要であり、この点についても対応していきたいと思っています。
 いずれにせよ、水俣病は過去の問題ではなく、将来に向かって新潟の環境をいかに守っていくのかという問題であることを多くの方々に知っていただき、ふるさとに誇りを持てる社会を作っていく必要性を強く感じて帰って来ました。
 先般、小池環境大臣にも、そうした県の考え方を伝えたところですが、今後は、政府だけでなく国政の重要な協議の場等に対しても、被害者救済を更に進めるよう強く訴えてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、県としましては、引き続き、水俣病被害者に対する救済と「もやい直し」の促進のため、最大限努力してまいります。

 次に、平成20年に開催される主要国首脳会議「サミット」の誘致についてであります。
 平成20年は、五港の開港が定められた安政の5カ国条約締結から150年にあたります。こうした節目の年のサミットを、日本が国際社会への進出を果たした原点の地である、日本海側の新潟市と太平洋側の横浜市の両岸開港都市で開催することは、日本の近代化を国民全体で振り返る絶好の機会になるとともに、世界の主要国が集い未来を見据えた新しい国際関係の構築を話し合う場にふさわしいと考えます。
加えて、「雪」や「地震」といった新潟のマイナスイメージを払拭し、サミットを開催できる都市インフラを有する「港町」としての新潟をアピールすることは大変意義深いと考えられます。それ故、県といたしましては、新潟市、横浜市と連携してサミットの開港都市での開催誘致に取り組むこととした次第です。
 これを受け、県では、新潟市や県内経済界などと連携して、この5月に「にいがた2008年サミット誘致推進協議会」を立ち上げ、誘致活動に本格的に取り組むことといたしました。今後、さらに活発な活動を展開していくことにより、東アジア情勢が様々な形で注目を浴びている今こそ、日本海側の国際都市としての新潟の存在感を示し、太平洋側の諸都市との格差解消の必要性を訴えるとともに、中越大震災等からの復旧・復興を世界に力強くアピールする大きなチャンスにするべく、全力を挙げてまいりたいと考えております。
 さらに、サミットの共同開催を機に、神奈川県や横浜市との連携を深め、例えば「国際交流」や「スポーツ・文化」の側面などをはじめとした自治体間交流を促進していきたいと考えております。
 県議会の議員各位並びに県民の皆様におかれましても、この趣旨をご理解頂き、サミット誘致に向けたご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、新潟県「夢おこし」政策プラン(案)の策定についてであります。
 本プランは、将来に希望の持てる魅力ある新潟県を実現することを基本理念として、「住んでみたい新潟、行ってみたい新潟」を目指すための政策の方向を示すものであり、具体的には、「産業」と「くらし」の二つの柱を政策の中心に据え、新潟県の新たな「すがた」創出の実現を目指すこととしております。
 去る2月14日に、素案を公表させていただいたところでありますが、その後、県民の皆様や市町村、経済団体から頂いたご意見や2月議会で頂いた議論を踏まえ、内容を更に精査いたしました。また、これに併せて、個々の政策ごとに、取りまとめ担当部局を明らかにし、政策プランに掲げる政策目標に各政策がどの程度寄与しているかを検証するための指標を設定したところです。
 今後、県といたしましては、「選択と集中」により財源の重点配分を行いながら、政策プランの実現を図ってまいる所存です。

 次に、地方行財政改革についてであります。
 現在、経済財政諮問会議の場を中心に、いわゆる骨太の方針2006に向けて議論が進められているところです。そのうち、地方行財政改革については、国の財政赤字の解消のみを目的とした地方交付税の抑制など、地方にとって重大な問題のある内容が含まれており、極めて遺憾であると言わざるを得ません。
 また、竹中総務大臣の下に設置された「地方分権21世紀ビジョン懇談会」の最終報告案には、人口と面積を基本として算定する「新型交付税」を導入するとの提案が示されました。この「新型交付税」は、その導入の方法によっては、豪雪地帯など条件不利地域において必要な財政需要に的確に対応できなくなる事態も懸念され、住民生活に大きな不安をもたらしかねません。
 私は、地方行財政改革を進める上では、地域間格差の是正や豪雪地帯における雪対策など地域の実情に配慮した改革となるよう十分な議論がなされるべきだと考えており、先月、県内の市町村長並びに議会の皆様とともに、緊急アピールを発表いたしました。このアピールの中では、

  • 地方行財政改革に当たっては、国の関与・義務付けの廃止や二重行政の解消など、国と地方の役割分担を見直すことが先決であること
  • 地方交付税の算定については、地域の実情を踏まえ十分な検討を行うことが必要であり、過度な簡素化により、必要な財政需要に的確に対応できなくなるような事態が生じないようにすること

などを求めております。
 地方六団体としても国会・内閣に対し意見書を提出したところであり、今後とも、地方分権の本旨に沿った改革となるよう、また、住民生活の安定を図るために必要な地方交付税の所要総額の確保が図られるよう、県内の市町村長並びに議会の皆様と方向を一つにすることはもちろん、全国の知事と足並みをそろえて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、国土形成計画についてであります。
 本計画につきましては、今月21日に国土交通省の国土審議会圏域部会が開催され、国土形成計画の広域地方計画区域に関して部会報告案が示され、この中で、本県はこれまでの全国総合開発計画と同じ「東北」に区分されたところです。
 県としましては、これまで、東北、関東、北陸(信越)の3つの圏域のいずれとも密接な関係にあることから、国に対して「複数の圏域に対等な立場で属することができるよう」要望を行ってきたところであります。しかし、今回の部会案では、区域の重複設定が難しいという国の方針が変わらないものの、

  • 本県と首都圏との密接な関係や福島、北関東三県との広域連携の取組み等も評価された上で、東北、首都圏それぞれの広域地方計画の策定・実施のプロセスの中で5県による発展構想等を取り込んでいくことの必要性が記載された点、
  • 隣接する広域地方計画区域への参加等についても盛り込まれた点

などは本県の意見が反映されたものと考えております。
 今後は、部会案で示された福島、北関東3県との5県による取組みや他の区域の協議会への参加も含め、交通、環境、観光など県勢発展につながる課題ごとに関係する区域と連携して広域地方計画づくりに取り組むことができるよう努めてまいります。
 なお、これに関連し、現在各方面で議論されている道州制につきましては、この国土形成計画との議論と一線を画した議論を展開すべきだと考えております。すなわち、道州制の議論は、国土形成計画とは異なり、国の統治機構のあり方に関する議論でありますが、そもそも議論の前提として、地方政府に何を委ね、中央国家の責任をどのように限定するのか、という真の地方分権改革の考え方がなければなりません。しかし、昨今の議論は、その前提なしに、区割りや道州のありように及んでいる観があり、その行方を懸念しているところです。
 県といたしましては、道州制はあくまでも、国から地方への権限、財源、人材の移譲が先決であること、また、国と地方の役割分担や道州制のメリット等について、県民並びに国民の皆様にも幅広く御議論頂けるような環境を整えることが重要であることを強く訴えてまいる所存です。

 最後に、県立野球場の建設についてであります。
 先ほども申し上げましたとおり、県では、災害からの復旧は、一人も見捨てることなく生活再建を成し遂げることを大前提にしておりますが、「地域の核となるコミュニティ施設の再生」・「生業の再建・生活の質の向上」という課題に精力的に取り組む段階に入ったことを受け、県全体としての「地域の核となるコミュニティ施設」の創出という課題にも本格的に着手していきたいと考えております。
 県としましては、そのような課題のひとつとして、今般、これまで多くの県民の皆様から長らく要望のありました「県立野球場」の建設に取り組むこととし、今議会に関連する予算議案及び条例議案をお諮りいたしました。
 サッカーにおける新潟スタジアムが県内の他のサッカー施設と異なる存在であることは、皆さんご承知のとおりです。これは何故なのか、という点に思いをめぐらすと、最高の選手とサポーターが一体となって感動を共有できる「地域の核となるコミュニティ施設」だからという点に思い当たります。だからこそ、「県民のためのサッカー場」として、多くの県民の皆さんから他のサッカー場にないステイタスをもって支持されていると私は認識しています。
 県内には、確かに野球をプレーできる場はたくさんあります。しかし、私は、県民が主役となって、野球というスポーツを通じ感動を共有し地域の一体感を醸成する「県民のための野球場」は県内に存在していないと考えております。
 今春に開催されたワールド・ベースボール・クラシックでは、大きな感動が世界中に広がりました。感動を共有できる施設は、選手にとっても「神聖」かつ「あこがれ」の地となり、多くの若者に夢と勇気と感動を与えるものになると信じています。このような理念に基づき、県の核となるコミュニティ施設として県立野球場を建設することは、県内の競技人口やその波及効果などを考えれば、県勢発展のためには必要不可欠であると確信しております。
 今後は、災害からの復旧になお一層の力を注ぎながらも、広く県民の皆様と感動を共有し、親しまれる地域の宝となるよう、このプロジェクトを成功させたいと考えております。県議会の議員各位並びに県民の皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 続いて、提案しております主な議案について説明申し上げます。
 第116号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額3億1,930万3千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正予算においては、今冬の豪雪に伴う消雪遅延による農産物への被害防止の取り組みを支援するため、所要の経費を計上するとともに、先程ご説明申し上げました県立野球場の整備に着手することとし、関連経費を計上いたしました。また、新潟駅連続立体交差事業に合わせて、新幹線と在来線の対面乗換えを検討するための概略設計に係る経費を計上するなど、18年度当初予算編成後の事由に基づく緊急性のある事項について所要の措置を講じることとしております。
 
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、その結果、補正後の財政規模は、1兆2,122億6,930万3千円となります。

 次に、その他の主な条例案件等について説明申し上げます。
 第119号議案は、市町村合併の動きに対応して、新潟県市町村合併推進審議会を設置するため、
 第121号議案は、県知事の権限に属する事務のうち、旅券法に基づく一般旅券の発給等に関する事務等を市町村に移譲するため、
 第122号議案は、三位一体の改革による税源移譲等に伴い個人県民税等について、所要の改正を行うため、
 第123号議案は、佐渡スポーツハウスの管理及び運営に関する事務を佐渡市に委託するため、
 それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。

 次に、第127号議案は、新潟県土地開発公社の県施設用地に係る先行取得業務を廃止し、当該業務に係る資産・負債を整理することに伴い、新潟市美咲町の公社保有地を取得するため、
 第128号議案は、旧高田盲学校の敷地等について上越市に譲渡するため、それぞれお諮りいたしました。

 また、第129号議案及び第130号議案は、急施を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
 すなわち、
 第129号議案、第130号議案はそれぞれ、平成17年度一般会計補正予算、平成17年度災害救助事業特別会計補正予算であり、歳入予算及び歳出予算とも最終見込額又は確定額を計上したものであります。

 最後に、第131号議案及び第132号議案は、損害賠償額の決定について、
 第133号議案及び第134号議案は、朱鷺メッセ入江側及びアトリウム前連絡デッキの補強関連費用の損害賠償について、設計会社と和解するため、それぞれ、お諮りするものであります。

 以上、各議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

7月14日説明要旨

 ただいま上程されました議案4件は、いずれも人事に関する案件であります。

 第136号議案は、人事委員会委員を選任するため、
 第137号議案は、監査委員を選任するため、
 第138号議案は、公安委員会委員を任命するため、
 第139号議案は、収用委員会委員を任命するため

それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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