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平成18年2月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002616 更新日:2019年1月17日更新

平成18年2月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

2月20日説明要旨

 平成18年2月定例県議会の開会に当たり、私の所信の表明と提案いたしております議案の概要を申し述べ、議員各位並びに県民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 災害からの復興、少子高齢化の進展、回復過程にありながらも二極化の進む本県経済、地方分権の進展、道州制の動き、2010年問題など、本県を取り巻く環境は、どれも早急な対応が必要なものばかりです。
 災害からの復興は、今年まさに正念場を迎えます。特に、仮設住宅にお住まいの方は避難生活が長期に及んでいることから、平成18年には復旧・生活再建について一定の目途を立てたいと考えております。そういった中、今冬の豪雪による災害復旧事業等の遅れなども想定されることから、これらをいかに克服し所期の目的を達成していくかが今後の課題になると考えております。
 また、災害復興以外では、とりわけ少子高齢化社会への対応は、いまや待ったなしの状況となっております。本県の人口は、平成9年の249万人をピークに減少を続けております。平成11年にはそれまで続いていた社会動態の減少に加え、自然動態も減少に転じており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、平成27年には240万人を下回り、平成42年には211万人になると予想されております。
 また、本県の経済動向は、全般としては、公共投資の堅調な推移だけでなく、IT関連での持ち直しや自動車関連の輸出増など、建設業以外の県内企業にも明るい動きが広がっているところです。とはいえ、災害復旧事業などの公共投資一巡後の本県経済の行方には不透明感があることから、現在の回復基調をいかに維持していくかは重要な政策課題であると認識しております。
 加えて、国家財政については依然として危機的であり、今後、国からの財政的な支援の継続が期待できる状況ではありません。「産業は福祉の糧」と申します。後ほど申し上げる平成18年度当初予算においても、約4.9%増の県税収入を見込むなかで、県民のみなさまの暮らしを守る諸施策を展開することとしておりますが、今後も、県民に対する行政サービスの原資となる県独自の経済力をいかに向上させられるかが地域経営の大きな鍵になると考えております。

 私は、現在の状況を見るにつけ、歴史上の先達もこのような課題に正面から対峙し、克服した例が存在することを思い起こします。そのような先達の一人として、去る12月議会で私が尊敬する人物としてご紹介した「上杉鷹山」が挙げられると思います。

 「上杉鷹山」は、申すまでもなく、財政危機に瀕していた江戸時代の米沢藩を再建した上杉家中興の祖です。その足跡には敢えて触れませんが、私は、鷹山の改革への飽くなき情熱から多くのものを学びます。
 鷹山が二度目の藩政改革に乗り出したときは、天明の大飢饉による被害が癒えず、農村人口の減少が一層進行していました。
 そのため、鷹山は、農村の復興を最優先に民力を保護し農村経済の方向感をプラスに転換するとともに、出生率回復のための積極策や、当時の規制を緩和することによる流入人口拡大策を実施しました。
 さらに、産業おこしで藩経済を再生する積極型の財政再建プランを作成・実行し、「米沢織」というブランド力のある絹織物生産などを起爆剤にして藩財政を好転させたほか、藩として使用する物品には全て藩内の生産品を当てる「藩庁調達」「地産地消」を推進し、藩経済の基盤強化を図っています。
 特に、この「米沢織」については、米沢藩の地場産品が他所で付加価値を加えられることにより越後の国の「小千谷縮」などとして高価で取引されていることを踏まえ、それを超えるブランド品開発を図るために考案されたものです。これはまさしく現代に通ずるマーケティング戦略です。
 しかし、その一方で、鷹山は老人や幼少者に対する福祉政策にも力を入れ、「弱い人に力と光を当てる」取組みも併せて実施しています。
 鷹山の地域経営・藩政改革が、現代の自治体経営に示唆するものはこれにとどまりませんが、私は、鷹山の偉業の本質は、積極果敢でかつ心のこもった彼の情熱を藩全体で共有できたことにこそあったのではないかと考えております。
 私は、平成18年における県政の諸課題に取り組むに当たり、この鷹山の飽くなき改革への情熱を胸に、全力で戦ってまいる所存です。議員各位並びに県民のみなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 次に、前議会以降の県政の主な動きについて、ご説明します。

 はじめに、今冬の豪雪とこれに対する対応についてであります。
 今冬は、積雪が、去る1月5日に十日町市十二峠で4メートル71センチに達するなど、県内各地で記録的な豪雪となり、本日現在で死者25人をはじめ死傷者合計で300人を超える人的被害が生じたほか、住家・非住家の被害など様々な豪雪被害が発生し、県民生活に大きな影響が生じました。被害にあわれた皆様方に対し心からお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
 県といたしましては、「新潟県豪雪対策本部」を設置して、災害救助法等の適用、孤立集落への対応、雪下ろしへの広域支援、道路除雪の強化などの対策を実施したところです。特に、孤立集落や積雪による要援護者世帯の住宅の倒壊等のおそれ、交通網の混乱などが発生したことを受け、県として自衛隊に対し災害派遣要請を行ったほか、消防本部及び消防団、並びに県建設業協会に対しても応援等を要請し、あわせて除雪ボランティアの参加募集を行い、緊急性の高い要援護者世帯の住宅や公共施設等の除排雪を実施いたしました。
 また、1月8日からの国道405号線通行止めに伴う津南町秋山郷の孤立に際しては、関係機関と連携した除排雪作業を全力で実施するとともに、住民のみなさまの安全確保を最優先にしつつ、専門的な識見等を踏まえ、日常生活への影響を配慮した可能な限りの通行確保を図っているところです。
 さらに、高齢化・核家族化などにより地域の防災力が低下していることを背景に、相次いで雪害事故が発生したことを受け、1月14日には対策本部内に「緊急安全確保対策会議」を設置し、独居高齢者ら要援護世帯からの除排雪要請に速やかに対応できるよう、改めて市町村に対し体制の強化を要請するとともに、県としても集落内の除排雪に必要となる資材の調達を支援したところです。今後とも、各市町村長との意見交換などを踏まえて県と市町村との連携を密にし、防災対応を強化していくとともに、ボランティアと協働できる体制づくりを進めるなどして、雪に対するより一層の警戒を強めてまいる所存であります。
 なお、この豪雪に関しましては、私が急遽、山形・長野の両県知事とともに、財務省や国土交通省等に対して除排雪経費に対する支援等を要請したほか、現地を訪れた沓掛防災担当大臣や衆議院災害対策特別委員会の国会議員各位に対し、現場の窮状と国の支援の必要性を訴えたところです。こうした動きも踏まえ、国土交通省や総務省では除排雪経費に係る支援を一部前倒ししているところですが、引き続き、現場が安心感を持って対策を的確に実施できるよう、国に対する働きかけを行ってまいります。

 次に、県立大学の設置についてであります。
 本県には豊かな水や肥沃な大地など様々な資源があり、無資源国日本の中では相対的に恵まれた地位にありますが、やはり最大の資源は「人」であります。
 加えて、本県が今後さらに激化する地域間競争に勝ち抜いていくためには、「個」を伸ばす「人づくり」を積極的に推進するとともに、これを交流人口拡大の一つの起爆剤にしていくことも必要です。
 一方、県内の高等教育の環境は、これまでの関係者のご努力により一定の拡充が図られてきたところですが、四年生大学進学者のうち約7割の方々が県外の大学に進学をしているという現実もあります。
 県としては、こうした現状も踏まえ、効率的な初期投資や運営等にも留意しつつ、地域の将来を担う中核的人材を育成する高等教育機関を設置することとし、後ほどご説明申し上げる平成18年度当初予算案の中に関係経費を計上したところです。議員各位並びに県民のみなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 次に、遺伝子組換え作物の栽培についてであります。
 コシヒカリに代表される本県産農産物が、「安全・安心なにいがた」ブランドを保持し、全国の消費者に支持される地位を確立するためには、生産面の安全性の確保が不可欠です。
 このため、県としては、遺伝子組換え作物の栽培基準等について検討を重ねてまいりましたが、先般、有識者のご意見等を踏まえた科学的な基準に、行政判断としての上乗せ部分を加味した本県独自の栽培基準案を公表したところです。
 これは、「安全」に加え「安心」を確保する狙いと、先行する北海道よりも厳格な基準にすることにより本県産農産物のブランドを保持する狙いによるものです。
 本件に関しては、第45号議案として、栽培目的に応じた知事への届出や知事の許可等を規定する関係条例の制定をお諮りしておりますので、基準案とあわせてご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、「安全・安心なにいがた」ブランドに関しては、先日、本県の特別栽培農産物認証制度に係るシールを偽装する問題が発覚したところです。本県の信用や地域のブランド全体が傷ついたことを遺憾に思うとともに、真面目に努力した人が報われる社会を守るため、県としても再発防止に向け毅然とした対応をしてまいります。

 次に、道州制に関する議論についてであります。
 去る1月24日に開催された政府の地方制度調査会専門小委員会では、道州制導入に向けた答申案を取りまとめ、今月末にも総理に答申する方針である旨、報道がなされております。
 そもそも、道州制のあり方を議論すること自体は、地方分権の推進、小さな中央政府の実現を図るうえで重要であると考えております。しかし、地方制度調査会が道州制の区域割り案を例示したことで、どの都道府県がどの道州に入るのかという点に議論が矮小化されてしまった側面もあり、その点は遺憾であります。
 私としては、道州制議論の展開を契機にして、

  • 「近接補完の原理」に基づくスリムで効率的な行政の実現、
  • 地方の条例制定権の拡大、
  • 地方が経営感覚をもって地域経営に取り組むことのできる税財政基盤の強化が一層進むよう、関係者との意見交換なども深めながら、この議論に適切に参画してまいりたいと考えております。

 次に、日本海沿岸東北自動車道の整備についてであります。
 日本海沿岸東北自動車道は、県北地域にお住まいのみなさまが安心して第三次救急医療を受けられる環境を整えるための「命をつなぐ高速道路」です。また、中越大震災の教訓として、高速道路があったからこそ各方面からの救援を迅速に受けられたことも考えれば、防災面からもその整備を着実に促進していかなければなりません。
 このため、県としては、国土交通省からの要請を受け、中条・荒川間は引き続き有料道路方式での整備を、また、荒川・朝日間は新直轄方式での整備を先般要望いたしました。これを受け、今月7日に開催された政府の国土開発幹線自動車道建設会議においては、県の意見を踏まえた形での方針決定がなされたと伺っております。
 県といたしましては、この決定を受け、今後さらに、未計画の区間も含めて日本海沿岸東北自動車道の整備が着実に促進されるよう、できる限りの努力を傾注してまいります。

 最後に、新潟県「夢おこし」政策プラン(素案)についてであります。
 本プランは、2004年10月23日の中越大震災を大きな転換点に、その後の12年間をにらみ、将来に希望の持てる魅力ある新潟県を実現することを基本理念として、「住みたい新潟、行ってみたい新潟」を目指すための政策の方向を示すものです。
 具体的には、「産業夢おこしプラン」と「くらし夢おこしプラン」の二つの柱を政策の中心に据え、新潟県の新たな「すがた」創出の実現を目指すこととしており、関係する諸施策を平成18年度当初予算案に適宜盛り込んでいるほか、今後展開される県の各種の政策・施策に適切に反映させたいと考えております。

 次に、平成18年度当初予算編成の考え方と今後の財政運営の方向性についてご説明申し上げます。
 平成18年度当初予算案は、歳入面において、景気回復の動きなどを受け、対前年度比約4.9%の県税収入の伸びを見込むことができる一方、地方交付税等は国の構造改革などを踏まえ減少する見通しとなったなかで編成することとなりました。
 歳出面では、

  1. 被災地の復旧・復興
  2. 安全・安心で住みやすい新潟県づくり
  3. 医療・福祉施策の充実と少子化対策の重点化・「個」を伸ばす「人づくり」
  4. 県内産業の振興と本県経済を上昇気流に乗せるための諸施策の展開
  5. 「選択と集中」による小さな政府の推進の五点から予算の重点化・効率化を図り、県政の諸課題に対処することといたしました。
    なお、今回の予算編成に当たっては、歳入・歳出両面にわたる努力に加え、県民のみなさまへの影響を回避するため、財源対策的基金を約144億円取り崩しております。これは、昨年9月にお示しした財政運営計画素案における基金取崩し予定額145億円を下回るものでありまして、県としては計画素案公表後の種々の状況変化にも対応しつつ、将来にわたって持続可能な財政運営に道筋を付けることができたものと考えております。
    来年度以降も、歳入面での地元調達、産業・観光振興などによる税源涵養や、歳出面での「選択と集中」の推進を図り、的確な財政運営を継続していく所存です。

 続いて、平成18年度当初予算案の概要について、ご説明申し上げます。

 まず第一に、「被災地の復旧・復興」についてであります。
 県では、7.13水害、中越大震災の復旧・復興のため、平成18年度当初予算において、17年度からの繰越も含め、約1,200億円の予算規模を確保いたしました。
 具体的には、「生活・生業の再建」関係として、被災者の生活再建支援のほか、防災のための住宅移転事業への助成、住宅再建等に係る融資、被災農業者や中小企業事業主に対する生業支援、離職者・廃業者を対象とした職業訓練の実施など、被災者の生活・生業を再建するための支援を行ってまいります。加えて、教育復興担当教員等の配置や老人クラブによる友愛訪問など、被災されたみなさまの心のケアにも引き続き取り組んでまいります。
 また、「基盤整備等」の関係としては、生活基盤道路など公共土木施設の復旧や再度災害防止のための河川の改良復旧、さらには学校施設の耐震補強などを着実に推進し、一日も早い復旧に全力を挙げてまいります。

 第二に、「安全・安心で住みやすい新潟県づくり」についてであります。
 「安全・安心」な県民生活の確保は、県政のベースとなる施策のひとつであります。このため、県では昨年から関係条例の制定や様々な事業展開を図ってまいりましたが、18年度当初予算の編成に当たり、この施策に重点的な予算配分をしたところです。

 具体的には、まず、「防災立県の確立」の観点から、県として、今回新たに住宅の耐震診断助成制度を創設したほか、災害拠点病院のヘリポート整備、孤立集落通信体制の強化、市町村のハザードマップ作成などに対して、県として支援いたします。
 また、今回の雪害も踏まえ、住宅の克雪化対策において要援護世帯への支援を拡充したほか、国道405号線に係る冬期間の管理のあり方の検討などにも取り組んでまいります。
 加えて、中越大震災の教訓も踏まえ、県庁の危機管理体制の強化を図るため、危機管理防災センター(仮称)の設計に着手するとともに、住宅再建共済制度の導入に向けた検討も進めてまいります。

 次に、「安全・安心な日常生活の確保」の観点からは、幼い子どもの尊い命が犠牲となる事件が最近相次いで発生することを重く受け止め、地域が主体的に取り組む防犯対策への支援や、事件・事故の多い交番への交番相談員の拡充などを図ってまいります。また、一日も早い解決が望まれる拉致問題については、被害者やご家族への支援経費や、粘り強く世論を喚起していくための経費を計上しております。

 続いて、「食の安全・安心の推進」という観点からは、消費者に正しい情報が提供され、消費者自らがこれを選択できるようなシステムづくりを目指して、食品表示の適正化や生産地表示の推奨等を進めてまいります。また、生産面においても、農薬等を減らした栽培への支援を行うとともに、食品等の検査体制のなお一層の強化や、県民のみなさまの関心の高いBSE検査などにも引き続き遺漏なきよう対応してまいります。

 さらに、「安全で快適な環境の確保」を図るため、地球温暖化対策に積極的な県内企業の認定制度の新設や、地域がボランティアと協働で進めるトキの郷づくり、「ふるさとの環境づくり宣言」を踏まえての新潟水俣病被害者への健康管理支援などを実施してまいります。
 また、アスベスト対策については、広く開放される県立施設の安全対策や、中小企業者等に対する制度融資の創設などを実施してきましたが、18年度当初予算では、国が健康被害を受けられた方々への救済制度を創設したことを受け、その申請等に係る窓口を保健所に設置いたします。なお、17年度2月補正予算では、緊急対応として医療・福祉施設のアスベスト除去等を支援いたします。

 加えて、「住んでみたい、行ってみたいふるさとづくり」についてです。県人口の動向は、新潟県の経済・社会の発展を左右する重要なポイントです。このため、県としては、出生率低下への対応や、住んでみたいふるさとづくりとして、夜間保育や24時間保育などの取組みや、定住促進等へ向けた事業展開を県として支援するほか、県を支える中核的人材の育成を図る県立大学の設置にも着手いたします。
 また、交流人口の拡大策として、グリーンツーリズムの支援機能を拡充するとともに、コンベンション誘致策については誘致効果の高い補助制度に再構築したところです。さらに、新潟県に「暮らしやすさ」のイメージを付加できるよう、地域文化ブランドをはじめ、様々な情報発信等を全国へ向けて行うほか、医療と連携した交流人口拡大策の検討なども進めてまいります。

 第三に、「医療・福祉施策の充実と少子化対策の重点化・『個』を伸ばす『人づくり』」についてであります。
 医療・教育・福祉は、県民のみなさまの日々の暮らしを支える重要な政策分野です。平成18年度当初予算の編成に当たっては、17年度同様、これらの政策が県民生活に与える影響の大きさに鑑み、予算を重点的に配分したところです。

 具体的には、まず、「健康長寿の推進と医療の確保」関係として、魚沼基幹病院(仮称)整備について調査検討を進めるほか、今回新たに難病相談支援センターの設置などに取り組みます。また、新型インフルエンザ治療薬の備蓄や24時間小児救急医療体制の整備、医師確保対策を拡充するとともに、健康づくり支援策として、がんや生活習慣病の予防、自殺率減少対策を進めてまいります。

 次に、「安心を支える福祉の充実」の観点から、お年寄りや障害をお持ちの方々が安心して自立できる基盤づくりと、こうした方々を地域で支えるシステムづくりを進めてまいります。
 具体的には、今回新たに、テクノスクールで職業訓練を受けられた障害者等の雇用を支援するとともに、高齢者の権利擁護を図るため成年後見制度の普及等を行うほか、発達障害者の適切な発達や就労等を支援するセンターを設置することといたしました。また、高齢者・障害者のご要望の高い住宅バリアフリー化に対する助成についても、引き続き実施してまいります。
 この他、施設から居宅へのシフトや、小規模多機能型居宅介護サービスなどの地域密着型の事業展開の推進のため、県が市町村や福祉の現場をコーディネートする取組みにも力を入れてまいります。

 さらに、「少子化社会への対応」としては、まず、安心して子どもを生み育てる環境整備策として、夜間保育などの取組みや、私営保育所の体制充実を助成する経費を計上しているほか、若者の交流を促進する施策として、婚姻率回復等へ向けた取組みに対し県として支援してまいります。
 また、新年度からは、国の医療・介護等の制度改正の動向もにらみながら、県の今後の少子高齢化対策のあり方を検討していく経費も併せて計上いたしました。

 加えて、「『個』を伸ばす『人づくり』」を積極的に進めるため、自らの選択に応じて特色ある高校教育を受けられるような事業を新たに展開するとともに、個性豊かな特色ある教育活動を実施する小・中学校をモデル的に支援する取組みも継続してまいります。また、学力や進学率の向上にも力点を入れて取り組むほか、キャリア教育充実の観点から、企業とタイアップした若者向け実務・教育連結型職業訓練、いわゆるデュアル・システムを拡充してまいります。
 加えて、新年度からは、定住・交流人口の拡大の観点も含め、「個」を伸ばす人づくりのあり方とこれを支える各種教育機関の役割を包括的に検討していくための関係経費を計上しているところです。

 続いて、第四の特徴である「県内産業の振興と本県経済を上昇気流に乗せるための諸施策の展開」についてであります。
 道州制の導入が活発に議論されるなか、本県が、その豊富な人的・物的資源を十二分に生かすことにより、地域間競争に勝ち抜くために必要な経済力や拠点性を獲得していくことは重要な課題です。
 このため、県としては、平成18年度当初予算において、経済活性化や拠点性向上、ブランド戦略の展開など、各種の経済振興策に重点的な配分を行ったところです。

 まず、「地元調達の推進のための環境整備」関係として、今回新たに、県の情報システム発注を地元ITベンダー育成につなげる試みや、県内土木・建設系企業の新技術を公開・普及する事業展開などに積極的に取り組んでまいります。
 また、地産地消の推進や、県産材・県産屋根瓦の県内消費拡大策も併せて行ってまいります。

 次に、「付加価値創出型産業の振興」の観点から、「にいがた産業創造機構」を通じた創業・新分野進出、マーケティング、取引連携のほか、健康ビジネスの製品・サービスの開発支援、企業と連携した「青いユリ」の開発などを手がけるなど、マーケットを自ら開拓・確保する取組みに対し重点的な支援を行っていきます。

 次に、「働く場の積極的創造」の観点からは、昨年来好調な企業誘致を背景に、進出企業等の県内投資等に対し積極的な助成を行い、雇用の場の一層の確保に取り組んでまいります。

 また、「観光立県の強化」を図るため、「産業労働観光部」への改組にあわせ、関係する政策予算を増額し、その取組みを強化します。
 具体的には、今回新たに、「健康」と「観光」のマッチングによる旅づくりの支援を行うとともに、台湾・中国などをターゲットにした国際観光戦略を展開するほか、隣接県等との連携により広域観光への対応と交流人口の拡大を推進してまいります。
 また、佐渡の世界遺産化の推進やスキー観光の活性化などにも、引き続き取り組んでまいります。

 さらに、「拠点性の向上と広域連携」については、上越・中越・下越・佐渡の四地域の連携とバランスに配慮しつつ、観光振興や交流人口拡大などの課題とあわせ、各地域の交通アクセス改善のための方策を検討していく所存です。
 個別事業としては、新潟駅連続立体交差事業の推進や、新潟空港アクセスに向けた調査検討、上越魚沼地域振興快速道路や松本糸魚川連絡道路の整備促進などを図るほか、今回新たに、輸出入貨物の通関手続き等を行う内陸部の物流拠点であるインランド・デポの立地を手がけ、県内の重要港湾の利用促進を図っていくことといたしました。

 加えて、「情報発信・ブランド戦略の新展開」についてであります。新潟を「健康」「安全」「安心」「暮らしやすさ」などのブランドイメージと結びつけながら、首都圏そして全国への情報発信力を強化していくことは、新潟の有する様々な優位性を再認識させるうえでの重要な課題です。
 このため、首都圏において新たな情報発信戦略を展開するとともに、表参道・新潟館ネスパスにおいて県産品の販売を本格化するほか、「ル・レクチェ」や「越後姫」などのブランド化、付加価値創出力の向上を図ってまいります。

 第五に、「選択と集中による小さな政府の推進」についてであります。
 私は、主権者である住民に一番近い自治体である市町村が、自分たちのことを自分たちで決めることこそ、結果として無駄をなくし、行政経費の節減につながると考えております。
 そのような観点から、市町村への権限移譲や民間活力等の導入等を進め、現在の県の役割を「選択と集中」の観点からスリム化するとともに、個々の職員の生産性を向上させていくことが、これからの行政にとって不可避な課題と考えております。
 このため、平成18年度当初予算の編成に当たっては、17年度同様、事務の合理化・効率化による職員給与の減少、内部管理経費の見直しと事業の重点化、NPO等との協働による「公益」の確保、市町村への権限移譲を進めたところです。

 まず、「職員給与」関係では、事務の効率化や職員の能率性向上、住民ニーズに対応した職員の適正配置などにより職員数を削減するとともに、民間賃金を反映した給与構造改革を実施いたします。また、被災地の復旧・復興への協力としての給与の臨時的削減も継続されることとなっております。

 次に、「内部管理経費の見直しと事業の重点化」に関しては、財団法人ニューにいがた振興機構と財団法人にいがた産業創造機構との統合をはじめとする出資法人の見直しや、総務事務プロセス改革の推進、庁舎・各種施設の維持管理契約等の見直しのほか、計量検定業務等の外部委託、緑風園の民営化、下越スポーツハウス等の市町村移管、県立公園等への指定管理者制度の導入などを進め、内部コスト等の見直しを図ったところです。
 この他、各事務事業について、役割分担の観点からの見直しや実績に基づく精査等も併せて実施致しました。

 続いて、「NPO等との協働による『公益』の確保」の観点からは、NPOサポートセンターへの活動支援を県の委託による運営からセンターの自主性を高める支援に改めるとともに、今回新たに創設される災害ボランティア基金や、犯罪被害者援助団体に対し県として一定の支援を行うことといたしました。また、施設入所児童等の養育をお引き受け頂ける里親グループに対しては、県が上乗せ支援を実施し、施設に頼らず地域で支える形での事業を立ち上げます。

 さらに「市町村への権限移譲」としては、市町村合併の進展等に伴い、中核市・一般市等に対し生活保護や児童扶養手当の支給事務などが移譲されることとなります。

 以上申し上げてまいりました、平成18年度一般会計予算は、総額1兆2,119億5,000万円、公債費を除いた一般歳出では9,598億9,500万円となり、平成17年度予算に比べ、総額で4.8%減、一般歳出では6.3%減となったところであります。
 主要財源といたしましては、
県税 2,529億円
地方交付税 2,843億円
国庫支出金 1,658億円
県債 2,187億円
などを見積もっております。

 次に、本議会に平成18年度当初予算とあわせて上程されました平成17年度補正予算に関する議案3件についてご説明申し上げます。
 第61号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額77億1,627万2千円の追加補正についてお諮りいたしました。今回の補正は、国の平成17年度補正予算の成立を受け、災害対策やアスベスト対策、構造計算書偽装問題などへ緊急的な対応を行うもの、及び、今冬の記録的な豪雪への対応に関するものを計上しております。また、これにあわせて、一般公共事業について、平成18年度に係る発注の平準化や起工準備期間の確保等を図るため、いわゆる「ゼロ国債」を120億230万円計上したほか、この補正予算に係る普通建設事業について繰越明許費を計上しております。
 以上、補正の主な内容についてご説明申し上げましたが、補正後における平成17年度の財政規模は、1兆3,065億9,607万8千円となります。
 また、第62号議案及び第63号議案は、特別会計等に係る補正予算でありまして、事業実施上必要となる予算につきまして補正を行うものであります。

 次に、主な条例案件等についてご説明申し上げます。

 第23号議案は、新潟県県税条例の改正でありまして、県税に対する県民の理解を容易にするため条例を簡素化するとともに、平成18年度税制改正に伴う所要の規定整備を行うため、
 第24号議案は、教育環境の変化への対応及び警察活動の強化を図るため、教職員の定数、警察官の定数等を改正するため、
 第25号議案は、人事委員会勧告に基づき、一般職の職員の給与制度を抜本的に改正するため、
 第27号議案は、特別職報酬等審議会の答申に基づき、知事、県議会議員等の報酬の額を改正するため、
 第28号議案は、在職期間中の貢献度をより的確に反映できる退職手当制度に改正するため、
 それぞれ、条例の制定改廃を行うものであります。
 また、第32号議案は、新潟県国体・障害者スポーツ大会運営基金条例の制定であります。これは、平成21年度に新潟県で開催される第64回国民体育大会の円滑な運営を図るため、県民のみなさまや、企業などからご協力いただく寄附金を適正に管理・運用する基金を新たに設置するものです。
 第34号議案は、老朽化した社会体育施設を廃止するとともに、下越スポーツハウスを施設の所在する市に移管するため、条例の改正を行うものです。
 さらに、第35号議案は、新潟県災害ボランティア活動促進条例の制定であります。これは、平成16年の災害時におけるボランティアの活躍などを踏まえ、災害ボランティア活動で得た知識や経験を全国に発信するとともに、県民の自助や共助の気風を育み、災害ボランティア活動の一層の促進を図るため、県の責務、施策等を定めるものです。
 加えて、第37号議案は、国民休養地及び県立上越科学館を施設の所在する市に移管するため、
 第39号議案は、障害者自立支援法の制定に伴い、障害者介護給付費等の審査請求案件を審査するための審査会を設置するため、
 それぞれ、条例の制定改廃を行うものであり、
 第45号議案は、先ほどご説明申し上げました、新潟県遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例を制定するものであります。
 最後に、第51号議案及び第52号議案は、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会から、速やかに補強を実施する必要があると指摘された連絡デッキについて、県が瑕疵修補請求を行っていた施工者二者と補強工事の実施についてそれぞれ和解するため、お諮りするものであります。

 以上、新年度における所信の一端と施策・議案の概要などについて申し述べました。何とぞ慎重ご審議の上、上程されました各議案それぞれについてご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月6日説明要旨

 ただいま上程されました議案44件について、ご説明申し上げます。

 第64号議案は、平成17年度一般会計補正予算でありまして、総額373億3,643万1千円の減額補正について、お諮りいたしました。
 このたびの補正予算は、中越大震災、7.13水害のほか、昨年の6.27梅雨前線豪雨災害等を含む災害復旧関係事業費について、事業費の確定等に伴う所要の措置を講じるとともに、中小企業金融対策を含めた事務事業の執行見込みに基づく過不足調整等を行うものであります。
 この結果、補正後の財政規模は
1兆2,692億5,964万7千円となった次第であります。

 また、第65号議案から第83号議案までは、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。
 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第84号議案から第89号議案は条例案件であります。

 第84号議案は、合併前の旧市町村の区域における災害に対応するため、旧市町村単位で適用基準を満たしている場合について災害救助条例を適用するよう改めるため、
 第85号議案及び第86号議案は、関係法令の改正等に伴って、新たに手数料等を定めるため、
 第87号議案及び第88号議案は、事業の進捗による必要性の変化等を踏まえ、附属機関の廃止等の整理を行うため、
 第89号議案は、船舶の入港により、県民の生命、身体又は財産、その他県民生活の安全が害されるおそれが強い場合には、港湾を利用させないことができる規定を追加するため、

 それぞれ、条例の改正を行うものであります。
 次に、第90号議案から第92号議案までは、契約の締結について、
 第93号議案及び第94号議案は、損害賠償額の決定について、
 第95号議案から106号議案は、指定管理者制度の導入に伴い、管理者となる団体及び指定期間を定めるため、
 最後に、第107号議案は、一級河川の指定等に関する意見について、
 それぞれ、お諮りするものであります。

 以上、各議案の概要につきましてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

3月15日説明要旨

 ただいま上程されました議案5件について、ご説明申し上げます。

 第108号議案及び第109号議案から第111号議案までの各議案は、平成17年度一般会計及び流域下水道事業など特別会計に係る補正予算でありまして、それぞれ予算の繰越についてお諮りいたしました。
 公共事業等の執行に当たりましては、年度内に完了するよう鋭意努めてまいりましたが、本年度は、7.13水害や中越大震災に係る公共事業などの一部について、年度内に完了できない見通しとなりました。
 このため、一般会計においては950億2,118万1千円を、また、特別会計においても、それぞれ所要額を翌年度に繰り越すものであります。
 この結果、既に歳出予算と同時に議決をいただいております国の災害対策補正予算等に係る繰越と併せ、一般会計の繰越明許費の合計は、
984億9,700万7千円となった次第であります。

 また、第112号議案は、国の診療報酬改定に伴い、県立病院等の利用料金の根拠規定を改正するため、関係する条例の改正を行うものであります。

 以上、各議案の概要についてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについてご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月23日説明要旨

 ただいま上程されました議案3件は、いずれも人事に関する案件であります。

 第113号議案は、副知事を選任するため、
 第114号議案は、出納長を選任するため、
 第115号議案は、監査委員を選任するため、

それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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