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令和6年2月14日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和6年2月14日(水曜日) 10時31分~11時56分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(10時31分~11時11分)
・新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案に係る内部調査結果及び再発防止策の策定について
4 質疑項目(11時11分~11時56分)
・新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案に係る内部調査結果及び再発防止策の策定について
知事発表
お手元にあります当初予算の概要資料1-1でお話していきたいと思います。主要なポイントだけ話していきますが、予算全体のフレームは、最初の1ページ目をご覧ください。県民生活や県内経済をしっかりと支えながら、魅力ある場として新潟県が選ばれるように「住んでよし、訪れてよしの新潟県」づくりを積極的に推進する予算という位置付けで、数字的には2月の冒頭補正も含めまして、6年度当初予算と合わせて、1兆3,658億円ということです。前年の、同じように補正と当初予算を合わせたものに比べれば、479億円余り減少します。これは、コロナ(ウイルス)の対策費が終了する、あるいは県央基幹病院の事業が終了するということで、減少するものです。予算編成に当たっての視点ということで、まずは能登半島地震の迅速な復旧・復興というところにしっかり対応しています。併せて、長期化する物価高騰の影響を受けている事業者、生活者への支援も、しっかり目配りをしているつもりです。こうした足元への課題に対応すると同時に、新潟県の将来的な、中長期的な成長・発展に向けて、取り組まなければならない3つの重要な課題として、「子育てに優しい社会の実現」、「脱炭素社会への転換」、「デジタル改革の推進」ということで、そうした施策に注力をしています。併せて、ポイントとして留意している点として、同じお金を使うにしても、より効果の高い事業を意識していますし、市町村との連携、それから民間活力の活用というところにも意識をしています。そうした中で、最後に触れますけれども「行財政基本方針」に基づきまして、堅実な収支見通しのもとで、歳入規模に見合った歳出規模、過剰な歳出にならないように意識をしたつもりです。1ページの下の方の歳入のポイントとして、税収(県税収入と譲与税の合計)が増えます。また昨年も税収が増えた、一昨年もそうで、その関係で交付税が精算されます。交付税の減少は見込み通りで、既に交付税の減少に備えて基金を積んでいましたので、それを取り崩すことで対応してまいります。2ページ目は歳出の部分で、先ほど申し上げた通り足元の課題に対応する。それから、中長期的な成長・発展に向けた取り組みということで、3つの大きな柱のもとに、ローマ数字でⅠ、Ⅱ、Ⅲとありますが、合計13の政策パッケージに柱を整理しています。順次お話していきたいと思います。なお、2ページの最後の投資事業について、また最後の方に触れますけれども、「公債費負担適正化計画」を定めていまして、実負担の上限額の範囲内で防災、投資事業を進めるということです。国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」にのっとって、国の用意した有利な財源を積極的に活用しまして、しっかり必要な事業量は確保できていると思っています。数字的には2,205億円が補正も合わせた令和5年度の数字ですが、令和6年度は2,078億円ということで、これは先ほどもお話した県央基幹病院の事業の終了といったことも影響しています。一方で、能登半島地震への対応で、災害復旧事業等が膨らみます。差し引きして、このような数字になっています。3ページ以下は政策の柱、まず足元の課題で、地震災害の対応ということで、被災された方々への生活再建支援を32億円余り積んでいます。それからなりわい支援といいますか、被害を受けた事業者の事業継続、あるいは再開を支援するということで、中小企業等に対する支援、宿泊事業者、旅行業者に対する支援、農林水産業に対する支援、社会福祉施設等に対する支援、それから地域の文化財に対する支援といったものを盛り込んでいます。物価高騰等への対応については、既に今年度の12月補正で新事業チャレンジ、あるいは省エネルギー設備の導入促進支援、飼料価格高騰対応の事業を盛り込んでいましたが、今回2月冒頭で消費喚起需要拡大プロジェクトを、これはもう5回目になりますけれども、行うことにしています。4ページは中長期的な成長・発展に向けた取り組みということで、第一の柱が「子育てに優しい社会の実現」で、この中の目玉は、「にいがた安心こむすび住宅推進事業」を始めることにしています。ここにありますように、空き家のリノベーションを行って、子育て世帯等に販売する買取再販事業者に対して補助をします。最大350万円程度の補助になります。これで子育て世代が住まいを取得することを応援してまいりたいと思っています。それから移住支援も強化します。子育て世代に対する新たな移住支援金制度の創設ということで、国の制度で既に東京23区内にお住まいの方、あるいは東京23区内に通勤している方々の支援金制度はあるのですけれども、それを県では独自に拡充しまして、東京23区外、そして神奈川、千葉、埼玉、これらの県から移住する子育て世帯に移住支援金をお渡しする、呼び込みを働き掛けることにしています。それから不妊・不育症の治療費の助成事業も始めます。これは市町村を通じた間接助成になります。それから私立高等学校の学費軽減補助も、国の支援制度に上乗せする形で、県独自で応援したいと思っています。次の5ページは結婚・子育て支援の手前で「子育てに優しい新潟県」の実現ということで、政策の全体像は経済的支援と、子育てに至る前の結婚支援と、子育て環境の整備ということで、大きく3つの柱が立っています。今お話したこむすび住宅の推進事業や移住支援金などは、経済的支援という整理になると思います。また、不妊・不育治療、あるいは私立高等学校の学費軽減助成等は、こうした経済的支援のカテゴリーに入りますが、もう一つ大事な結婚支援という2つ目の柱についても、「ハートマッチにいがた」というマッチングのシステムを運用していますけれども、それをさらに改良・拡充していこうと思っています。「出会いの一歩・縁結び」応援プロジェクトです。それから(こどもを生み育てやすい)環境の整備が5ページから6ページにかけてありまして、5ページの真ん中に「魅力ある職場づくり応援資金」ということで、融資枠を設定します。例えば企業内保育所の整備や更衣室の整備、あるいは働き方改革の応援というところも含んでいます。それから6ページには「自転車ヘルメット着用促進事業」も、「子育て応援プラス」の中に位置付けていますが、安全・安心な社会づくりというところにも重なるものです。「観光プラス」は「雪育」という言葉も今まであまり聞いたことがないでしょうけれども、「雪育リゾート新潟」というものを強調していく取り組みも始めます。それから「文化プラス」では、県立図書館に託児室「こむすびルーム」を設けることにしています。子育て世代も気軽に図書館を利用することができるようにということで、託児室を作ります。それから(近代)美術館と(歴史)博物館には、キッズスペースを作ります。乳幼児連れの家族が利用できるキッズスペース、あるいはこどもたちの創作活動などもできるスペースを設けることにしています。それから7ページは脱炭素社会(への転換)ということで、(新潟県脱炭素社会への転換を推進するための)条例を作ります。それから脱炭素社会への事業の中で一番大きいのは、雪国型ZEHの導入推進です。今度は関係者で(雪国型)ZEH推進協議会を立ち上げます。それから、雪国型ZEHを建築できるビルダーの登録制度も始めますし、太陽光発電の共同購入事業もスタートさせるということで、雪国型ZEHの導入推進に力を入れてまいりたいと思います。その他、脱炭素社会への取り組みとしては、(8ページの)真ん中くらいに「ダム管理用発電所運営イノベーション事業」というものがありますが、ダムの管理のために電気が必要なのですけれども、その電気をダムの流水を使って発電しているのですが、それをもう少し充実させて、自己託送で県の別な施設に送ることもできるように、導入に向けた設計を始めようと思っています。続けて、デジタル改革の推進が9ページから10ページにあります。10ページの真ん中に「公立学校情報機器整備事業」がありまして、これは国のお金を基金として積み立てて、タブレットを令和2~3年に急速に整備したわけですけれども、その取り換えを順次進めていく基金を作ります。それから行政のデジタルトランスフォーメーションということで小中学校の統合型校務支援システム、これは県内の市町村が順次取り換えの時期に加入していただければ、最終的には全ての市町村が同じ仕組みのシステムを使えるということで、この統合型校務支援システムを構築します。続けて、いわゆる13の政策パッケージの1番目、11ページですが、(一段加速した)防災・減災対策の推進ということで、先ほど投資のところで申し上げましたけれども、国の有利な財源を活用しながら、防災・減災対策をしっかり進めてまいりたいと思います。それから12ページは政策パッケージの2つ目の、安全で安心なまちづくりということで、先ほどの自転車ヘルメット着用促進事業に並んで、横断歩行者の優先というところが、JAFの調査によれば非常に新潟県の結果が悪かったというところで、改めて横断歩道での自動車の一時停止率の向上というところの、啓発動画の作成などを進めていきたいと思っています。それから政策パッケージの3つ目、13ページは地域医療の確保と「健康立県」(の実現)で、これは「医師養成修学資金貸与事業」、いわゆる地域枠ですが来年度は12大学、77名でお金もかかります。9億2千万円余りを計上しています。それから13ページの下から二つ目に、オンライン診療の話があります。へき地でのオンライン診療は、既に県内5カ所くらいで実証事業がスタートしていますが、併せて専門診療科についても、オンライン診療を導入、促進していきたいということで、実証事業を始めたいと思っています。それから14ページの一番上ですが、がん患者の医療用補整具の助成事業を始めます。アピアランスケアと言っていますが、医療用ウィッグや胸部補整下着等の購入費用を、市町村を通じて間接助成します。それから政策パッケージの4つ目の原子力防災対策(の推進)は、特に新しいものはありません。15ページがパッケージ5番目の、意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化ということで、何度もこの場でも申し上げていますが、「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」が、いよいよ来年度にオープンします。首都圏情報発信拠点の「THE NIIGATA」を活用して、プロモーション事業を展開していきたいと思います。それから大阪・関西万博での情報発信も準備したいと思っています。それから東南アジアでの市場開拓は、昨年のモンゴル、あるいはベトナム訪問の中で、人材の交流、あるいは経済交流を拡大していきたいというところで、MOUなどを結んでいるわけですけれども、それに沿って市場開拓のための商談会、あるいはマッチングのフェアなどを開催することにしています。16ページの政策パッケージの6番目は、起業・創業の推進で、これはこの5年間で力を入れてまいりましたが、さらに継続して起業・創業の推進に力を入れてまいりたいと思っています。例えば、一番上にありますように県内企業とスタートアップとの連携・協業を促進する取り組みを進めたいと思っています。それから17ページの政策パッケージの7番目になりますが、付加価値の高い持続可能な農林水産業(の実現)ということで、目新しいものとしては、園芸の取り組みは継続して行ってまいりますが、上から2つ目に企業的経営の実現に向けた取り組みがありますが、農業経営をさらに企業経営に近づける形で、外部企業との資金面や技術面での連携といったものにも取り組む農業体を応援し、モデル的な経営をつくり出していきたいと思っています。また、「非主食用米超省力・低コスト生産モデル育成事業」というものを始めます。本当に安いコストで、人手をかけずに生産するモデルをつくり出し、栽培実証を進めたいと思っています。続けて19ページの(地域の産業を支える)人材の確保は、昨年とは違って一つの新しい政策の柱として、パッケージとしてまとめました。地域の産業を支える人材の確保、多様な人材の確保ということで、外国人材、女性、高齢者、障害者といった方々の人材確保に力を入れていきたいと思っています。例えば外国人材は、先ほど申し上げたベトナムやモンゴルなどで、そうした取り組みの説明会など、マッチングの機会を作ろうと思っています。それから若者、建設産業、農林水産業、運輸産業、こうした個別の地域を支える産業についても、人材確保を支援してまいります。21ページは政策パッケージの9番目で、女性が活躍できる社会づくりということで、これも多くは継続の事業です。22ページはパッケージの10番目で、多様な地域資源を活かした交流人口の拡大ということでガストロノミー、美食旅とスノーリゾート新潟を2枚看板として、新潟県の交流人口の拡大につなげていこうと取り組んできています。引き続き、この2枚看板のガストロノミーとスノーリゾートに力を入れていこうと思います。併せて、新しい事業としては海です。残念ながら海水浴の人気は落ちています。海水浴を楽しむ人は年々減ってきている現状がありますが、改めて海の魅力を盛り上げたいということで、多様なビーチコンテンツの造成等を支援していこうと考えています。それから黄金KAIDOです。22ページの下に書いていますけれど、これは中央日本四県が連携して進める取り組みですが、その事業費を盛り込んでいます。23ページは引き続き交流人口の拡大ですが、中でも文化やスポーツを生かした交流拡大ということです。後でも触れますが、「新潟県文化振興基金」を設置することにしています。その基金などを使いながら、新しい事業としては中ほどにありますが、本県ゆかりの美術品等の収集を通じた地域の文化芸術の振興、本県ゆかりの芸術家の作品や歴史資料等の収集に力を入れることにしています。スポーツの関係では、下の2つの、アーバンスポーツの普及を促進するために、競技団体の組織体制づくりを支援しようと思っています。また、最後にありますけれども、スキーの競技人口が非常に減少しています。特に若い世代、こどもたちのスキー競技への取り組みは残念ながら落ちています。それは国体などの各種競技会の成績を見てもご理解いただけると思うのですけれども、素質のある素材といいますか、ジュニア選手を発掘して育てる一貫したプログラムを動かしていきたいと思っています。24ページは先ほどもお話しましたが、(大阪・関西)万博での事業費を盛り込んでいます。それから25ページは政策パッケージの11番目の(更なる拠点性向上に向けた)交通ネットワークの整備ということで、「MaaS基盤構築事業」は、例えば経路探索アプリなどで検索に引っかけるためには、決まったフォーマットでデータを提供しないといけないのですけれども、高速バスまではできていますが、路線バスについてはできていないということで、GTFSデータと言っていますけれども、この整備を支援していくことにしています。25ページの下の方にある「新潟空港おでかけ大作戦」と銘打っていますが、パスポートの取得支援、若年層を対象とした旅行商品造成支援、つまり若い世代の海外旅行、海外へお出かけになる若い層が非常に少ない。特に県全体で、パスポートの取得率も全国的に低位にあるということで、アウトバウンドといいますか、海外への旅行を考える人を増やす努力をしていきたいと思っています。それから26ページの上の方は万代テラスの長期貸付という事業を盛り込んでいます。これは港湾法の改正の中で長期貸付も可能になりましたので、そのための必要な電力や水道等の環境整備も進めたいと思っています。27ページの(政策)パッケージの12番目は、住み続けることができる活力ある地域づくりということで、県版の地域おこし協力隊を増員しようと思っています。最後に28ページは(政策パッケージの)13番目で、将来の夢や希望を育みかなえる教育(の推進)ということで、いろいろな政策に関わってくる基盤のようなものですけれども、この教育関係の事業として新しいものは、「県立高校の将来構想」を一年前倒して来年度策定するつもりです。また、プログラミング体験教室なども支援していこうと思っています。その他、先ほども触れました「公立学校情報機器整備事業」は、国のタブレット(端末)の取り換えが順次出てきますけれども、そのために基金を作って備えていきたいと思っています。後は29ページにありますけれども不登校対策、あるいはいじめ対策等に引き続き力を入れていきますが、スクール・サポート・スタッフの拡充をしていきます。29ページの最後に書いていますが、「新潟県教育振興基金」を創設することにしています。この基金を活用して、私立高等学校の学費軽減事業、先ほど子育て支援の中でも紹介しましたが、学費軽減事業を行うとともに、高校と地域との連携・協働体制、地域を知ってもらう、あるいは愛着を持ってもらうというところも含めて、協働体制を構築する事業にも取り組みたいと思っています。以上、主な13のパッケージに基づいた政策の柱を説明しました。30ページからは人口減少問題の観点で、まとめ直したものですので、参考にしていただきたいと思います。行財政基本方針の取り組みということで、36ページ以下にありますが、これもこれまで話してきたことが大半ですので、お読みいただければご理解いただけると思います。歳入確保の取り組みもしっかりやってきました。来年度はそれを反映したものもたくさんあります。特に真ん中の民間活力やデジタル技術の活用ということで、冒頭に申し上げた通り、民間活力の活用というところを意識しています。ウォーターPPP、あるいはPark-PFI、ダム管理用発電所運営イノベーション事業、万代テラスの長期貸付といったものが、まさに民間活力、民間との連携の中で事業を進めていこうというものです。37ページは出資法人や文教施設の見直しの取り組みをまとめています。38ページは投資事業で、これも冒頭でお話した通り、有利な財源を上手に使いながら必要な事業費を確保していきます。40ページはその結果として、基金等の残高がどうなるかということですが、財源対策的基金は230億円を最低限確保するということで、行財政改革の目標にしてきました。ただ令和5年度は能登半島地震の対応で、やはり取り崩さざるをえないと思っています。おそらく、今年度末で220億円(ということで)、10億円を取り崩すことになります。しかし令和6年度末には積み戻すことができます。また230億円に戻した上で、令和13年の公債費の返済がピークを迎える、そのピークに備えるための県債管理基金は433億円まで積み上げられると思っています。大体450億円くらい用意すれば、令和13年の公債費の返済、借金の返済のピークに対応していけるということで、ほぼ450億円に近づいてきます。41ページ、42ページ等も数字ということで、ご覧いただければと思います。資料1の枝番(資料)は、計数や主な事業ですので省略します。
【資料1-1】令和6年度新潟県当初予算案の概要 [PDFファイル/4.2MB]
【資料1-2】令和6年度当初予算案における主な事業 [PDFファイル/3.37MB]
【資料1-3】令和6年度当初予算案(計数資料編) [PDFファイル/643KB]
資料2は中期財政収支見通しですが、ポイントは5ページです。今申し上げましたけれども、収支がもちろんでこぼこしていきますが、交付税が減少するのは分かっていましたので、それに備えた基金も積んでいました。そうしたものを順次崩していけば、健全な財政を維持できると思っています。先ほど申し上げた年度末基金増減見込額という欄でご覧いただきたいのですが、財源対策的金が一番最後にありますけれども、230億円は令和10年までしっかり確保できます。また、令和13年のピークに備えるための県債管理基金は、令和10年で454億円に積み上げることができるということで、ここまで積み上がればちょうど(令和)13年をピークに山が来ますけれども、それに順次充てていけば、山を乗り越えることができる、健全な財政状態が見通せるようになっていると思います。
【資料2】中期財政収支見通しについて [PDFファイル/1.1MB]
資料3は(令和5年度)2月冒頭(提案)補正です。内容的には話をしましたので省略しますが、数字的には750億円余りを積んでいます。能登半島地震への対応、災害復旧事業などが中心となっています。
【資料3】令和5年度2月補正(冒頭提案)予算案について [PDFファイル/587KB]
資料4は条例、主な議案ということで、条例で主なものは先ほど触れましたけれども、「新潟県教育振興基金」を作ります。それから「新潟県こども条例」を制定します。「新潟県文化振興条例」も制定します。冒頭提案の議案で、タブレットの更新等のための「新潟県公立学校情報機器整備基金条例」を制定するのと、文化振興に充てるための「新潟県文化振興基金」を設置する条例を提出する予定にしています。
【資料4】令和6年2月議会定例会提出議案について [PDFファイル/361KB]
資料5は組織改正です。主なものは4つあります。一つは東南アジアとの交流推進に向けて東南アジア室長を作ります。それから「佐渡島の金山」の世界遺産登録を見据えて、佐渡地域振興局の体制強化で、副局長を設置します。3つ目は原子力安全対策の取り組みの強化ということで、原子力安全調整監を設置します。最後に4つ目は、今日の午後に病院局の予算発表、ブリーフィングがあると思いますけれども、非常に厳しい経営状況が見込まれます。早急に経営改革を進めなければならないということで、新たに病院局に専任の改革担当次長を設置します。その次長のもとに「県立病院経営改革推進チーム」を作りまして、持続可能な県立病院経営に向けて、経営改善の方策を検討していく体制を作るつもりです。以上が予算関連の説明です。
【資料5】令和6年度組織改正について [PDFファイル/205KB]
(新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案に係る内部調査結果及び再発防止策の策定について)
最後に、先般の新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案について、内部調査を行ってきましたが、このたびその結果を取りまとめました。その内容について、またそれを踏まえまして、新潟県入札監視委員会での議論をいただいた上で、再発防止策を取りまとめました。その内容が資料6です。改めて、こうした予定価格漏えい等の事案はあってはならないことであり、極めて遺憾な事件だと思っています。こうしたことが二度と起きないように、しっかりと職員の服務規律の確保と同時に、制度的な手当てをしていかなければならないと思っています。具体的な内容は、この後ブリーフィングがありますので確認いただきたいと思いますが、内部調査の結果では歴代の部長、あるいは職員、他の幹部職員等、多くの関係者から事情を聞いています。その中で、特に中心となる歴代の部長からの聞き取りでは、9名の方のうち、概要(別紙1)の2ページ目にありますけれども、残念ながら秘密事項を元顧問に教示していた方は7名、教示しなかった方も1名、あとはお答えいただけなかった方がいるという結果です。ただ、7名の秘密事項を教示していた方もそれぞれバラバラで、予定価格と指名業者名を伝えたのが5名ということです。いずれにしても、この7名の方は、それぞれ独断で判断し、引き継ぎなどはしていない、他の者に相談もしていなかったということでした。ヒアリングの結果から得た課題、公判等で述べられた事実も含めて課題を整理し、再発防止策としては別紙2にまとめています。全職員に対するコンプライアンスの徹底の指示といいますか、徹底については既に公務員倫理研修等を全職員にやってもらっています。これは既に進めているものですけれども、入札制度の見直しでは、一般競争入札を拡大することにしています。今年の7月から実施する予定で準備を進めます。現状1.2億円以上を一般競争入札としていますが、7,000万円以上に拡大します。それから、総合評価落札方式を拡大することにしています。単純な価格だけの勝負ではない、技術力等も含めた総合的な判断という、総合評価落札方式を拡大します。それから入札時に誓約書を出していただく。それから入札時に出していただく工事費内訳書を、ランダムに後で確認します。それから入札監視委員会での審議件数も増やす予定です。そしてペナルティも強化する。また人事ローテーションを、同じ人間を同じ所属に繰り返し配置することが、こうした癒着等を生みやすいということも踏まえて、ローテーションのルールを見直すことにしています。その他、新発田地域振興局農村整備部については、本庁が入札事務に関与することにしています。いずれにせよ、こうした再発防止策を進めながら状況を見ていきたいと思います。私の方からは以上です。
【資料6】新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案に係る内部調査結果及び再発防止策の策定について [PDFファイル/641KB]
質疑
Q 代表幹事(朝日新聞)
当初予算の件で、改めて全体をご覧になって、地震の対応という不測の事態もありましたけれども、全体の評価をお願いします。
A 知事
評価といいますか、しっかり足元の課題を2つ挙げました。地震への対応、復旧・復興支援、それから引き続きですけれども、物価高に影響を受けている事業者、生活者への支援、この2本はしっかり対応する。その上で、中長期的に新潟県の成長・発展を考える上で大事な取り組みとして、子育てに優しい社会の実現、脱炭素社会への転換、それからデジタル改革の推進、この3つはしっかり意識をして事業を組み立てた予算になりました。もちろん、細かいことを言ってみれば、その他いろいろな政策のパッケージを13点示しましたけれども、これらも民間活力の活用や市町村との連携などを意識しながら、より効果の高い事業になるように、職員にしっかり知恵を出してもらった。そうした予算に仕上がったと思っています。
Q 新潟日報
一番表に出している3本柱ですけれども、分散型社会、デジタル化、脱炭素の3つが去年の柱だったと思います。今年は一つ、分散型社会が子育て支援に変わったという形になったのですけれども、その狙い、意図のようなものは・・・。
A 知事
狙いといいますか、気持ちの中では、言葉を変えたようなものだと思っています。分散型社会はすごく踏み込んだのですけれども、新型コロナウイルスの時は、確かに人が地方に流れる現象が出ましたけれども、昨年の暮れ、今年に入ってからでしたでしょうか。東京の人口が再び増えているというデータが出てきています。やはり分散型社会が動き出しているということは、少し言いづらくなったという中で、ただ思いは地方に人を呼び込みたい。地方に事業所や人、いろいろな経済機能を呼び込んでいって、地方を活性化するのだということが思いだったので、そのために必要な子育て環境というものが、若い世代を引きつける大事な要素だと思うので、表現を変えたと。気持ちの中ではそういうものです。
Q 新潟日報
今知事が仰ったように、地方分散の流れが少し弱まったというか・・・。
A 知事
そうですね。立ち止まった感じですね。
Q 新潟日報
その中で、子育てという若い世代といいますか、そういう世代に届きやすいところに政策資源を集中投入して・・・。
A 知事
そうですね。最終的に若い世代を引きつけることで、分散型社会につながると思うのですけれども、まずは少し表現を変えました。
Q 新潟日報
先ほど説明のあった、目玉である中古住宅のリノベーション補助なのですけれども、これはいつごろから知事の中で検討されてきた・・・。
A 知事
私の中でといいますか、担当部局が昨年から温めていたのだと思います。
Q 新潟日報
金額について、ZEH(が入って)最大350万円ということですけれども、1件当たりの額が非常に・・・。
A 知事
大きいですね。
Q 新潟日報
大きなものでインパクトのあるものだとは思うのですけれども、全体の予算規模は1億5,000万円ということで、件数にすると50件くらい・・・。
A 知事
50件くらいという見込みです。
Q 新潟日報
規模を50件と考えると、中古住宅の取引市場から考えれば、ごく一部という感じもしてしまうのですけれども、金額と規模については、どうお考えになられていますか。
A 知事
私もその見込みが当たっているかどうかはよく分かりません。非常に人気が出れば、それは結構なことで、補正予算などを考えなければいけないかもしれません。
Q 新潟日報
場合によっては、50件にこだわらず・・・。
A 知事
今から皮算用を言っても仕方がないと思いますが、部局の見込みでは50件程度ではないかということで、そのように対応した予算になっているということです。
Q 新潟日報
中古住宅に目を付けて・・・。
A 知事
この発想は、一つは空き家対策からきているのです。皆さんも普段感じられると思いますけれども、新潟市の中心部であっても、空き家が目立つようになってきました。地方に行けば本当に感じます。他にも空き家対策事業は別にあるのです。リノベーションによる、こむすび住宅だけではなくて、もともと空き家対策事業というものがあって、それも拡充します。4ページの真ん中に「空き家利活用支援事業」とありますけれども、これも拡充します。こうした空き家活用の中に、子育てという発想をつなげたのがこむすび住宅ということです。現実にも、買い取ってリノベーションして売るという、リノベーション買取事業者、販売事業者は全国的にも成長しているのだそうです。県内にもそういう事業者がいるということで、これは空き家対策でもあり、もちろん子育て支援、子育て世代の住宅取得支援でもあり、またある意味では、経済需要、有効需要を生み出す。リフォームは非常に裾野の広い事業になりますので、そうした一石三鳥などの部分を考えての事業です。
Q 新潟日報
昨年のこむすび定期に続いて、今回のこの事業に「こむすび」という同じキーワードを使われているところに、知事の思いというかこだわりのようなことも・・・。
A 知事
キャッチコピーが「こむすび県にいがた」ですので。
Q 新潟日報
これからもシリーズ化するもので、第3弾、4弾など・・・。
A 知事
そんなにいいアイデアが次々出てくればいいですけれど。
Q 新潟日報
行財政改革の方で少しお伺いしたいのですけれども、今年度が(行財政改革)行動計画の最終年度ということで、新年度予算は行財政基本方針に基づいた初めての編成ということになるわけですけれども、行動計画の改革では基金の積み立てなど、先ほど仰ったように一定の成果が出たと思います。今回、新たな局面、フェーズが変わるということに関して、予算編成で意識された部分があれば改めて・・・。
A 知事
行財政基本方針を昨年の秋に出していますので、予算編成そのものは、この基本方針の中に精神は入り込んでいて、それを具現化したということだと思います。特に何か、行財政基本方針以上のものを考えたわけではありません。
Q 新潟日報
投資事業については、必要量を有利な財源を使って工夫されたと仰っていましたけれども、財政状況はまだ引き続き、気を緩められないといいますか、厳しい状況だと思います。県民に今の状況を説明するとすれば、知事としては、今どんな言葉を表現として使われる感じになりますか。
A 知事
投資事業についてですか。
Q 新潟日報
投資事業に限らず、県の今の財政事情、台所事情という・・・。
A 知事
それを一言で言うのは難しいと思いますけれども、財政の健全化は着実に進んできているということでしょうか。終わったわけではないといいますか、健康体になったとまでは言えない、まだ将来的な爆弾を抱えている状態ですけれども、それを処置する治療法はもう持っているという感覚です。表現すると伝わるかどうか分かりませんが、そのように言いたいと思います。
Q 新潟日報
財政収支見通しで、初めて公債費の繰上償還について・・・。
A 知事
それは触れませんでしたが、実は意識していまして、適切なタイミングで実行したいと思っています。最も有利なタイミングを探していきます。公債費の償還に備えて、基金が400億円余り集まった。これはもちろん、令和13年ごろにピーク、山が来るので取っておくのですけれども、取っておいた方が有利なケースと、借り換えのタイミングで、借り換えをしないで償還してしまった方がいいもの、どちらが金利負担が軽減されるかを比べながら、最も適切なタイミングで、順次前倒しできるものをやっていきたい・・・。
Q 新潟日報
どのくらい繰り上げに充てるか、規模的なものは・・・。
A 知事
そこは今、何とも言えません。もちろん担当部局がいろいろなケースを考えていると思いますけれど、実行したいということは、申し上げたいと思います。
Q BSN
予算の3本柱の表現が従前から変わって、脱炭素、デジタル化、子育て支援になったという理解でよろしいですか。
A 知事
そうですね。言い換えれば、人口減少問題への対応と言ってもいいのですが。
Q BSN
テーマとして「住んでよし、訪れてよしの新潟県」があって、これまでのものを入れていると思うのですが、あえて今年の予算案に独自の副題を付けるとしたら、どんな言葉が・・・。
A 知事
副題はないです。考えていなかったです。
Q BSN
交流人口拡大というところにも多くの予算が付いていると思います。万代テラスの長期貸付について、細かい点は部局に確認するのですけれども、万代テラスという場所の役割を、知事はどう感じていて、長期貸付を新たにする事業者に対して、最大限の賑わいをつくり出すために期待することはどんなところになるでしょうか。
A 知事
万代テラスは、新潟市が進めている「にいがた2km」の中に含まれると思いますし、都市的に魅力を高めていきたいエリアだと思います。実際にも、萬代橋を挟んでやすらぎ堤と繋がる部分で、連続して川べり、水辺空間を活性化することで、人の回遊といいますか、人の動きを拡大することができるポジションにある地域、施設だと思っています。既に令和4年からでしょうか、公募によって選ばれた会社に、賑わいづくりをお願いしてやってきていただいています。徐々に効果が出てきていると思いますけれども、面白いイベントをいろいろと、昨年も今年度もやっています。マルシェなどをやっていますが、もう一段、ぜひ賑わいを大きなものにしてもらいたい、工夫してもらいたい。そのために、ちょうど港湾法の改正で長期貸付制度ができるようになりましたので、港湾環境整備計画を作るということだと思うのですけれども、これをうまく使えば、例えば賑わいづくりに必要な電源や水、そうしたインフラに少し手を入れれば、もう少し大がかりな、いろいろなイベントや施設の設置ができるようになるという中で、賑わいづくりに期待したいと思います。
Q BSN
アクセスしにくい場所という声や、周りの商業施設や朱鷺メッセとのつながりを感じにくいという声もあると思います。そういう課題は、なかなか貸付事業者の裁量によらない、変えにくい・・・。
A 知事
そうですね。そこは行政が考えていかなければならない部分が多いかもしれません。ピアBandaiや朱鷺メッセとの回遊性をさらに高める、あるいは新潟駅からの動線をもっと分かりやすいものにできないかなど、いろいろな工夫はこれから知恵を出していかなければならないと思います。
Q 新潟日報
本年度を含む過去3年間、新型コロナウイルス対策を重点的に行ってきて、国のかなり大きな額の交付金なり、補助金がありました。そういう意味では、去年新型コロナウイルスが5類に移行して、今回は新型コロナウイルスの影響がほとんどないような状況での予算編成になったと思います。いわゆる平時の財政になったと思いますけれども、この辺りの観点で予算編成はどうだったか・・・。
A 知事
平時に対応した予算になったということです。例えば、新型コロナウイルス対応で積んでいた医療施設への助成、補助金、あるいはワクチンの助成ですとか、そういったものは消えましたので、数字的には落ちました。ただ、そういった特別な作業、事業がなくなったというだけで、平時に対応した医療体制の強化というところで、もちろんいくつか事業はありますけれども、基本は従来に戻っている。ただ、新型コロナウイルスで経験したことを踏まえて、より医療環境を良くする、あるいは県民の健康を守るというところで、いくつか事業は立てているというのが、新型コロナウイルスとの関係で、来年度の予算で言えることではないでしょうか。
Q 新潟日報
これまでは、医療もですけれども、社会経済の維持というところで、特別な対策を打ってきたと思うのですけれども、そういうものがなくなって、ある種、手足を縛られているような状況ではない、フリーな状況で予算編成をしたと思うのですけれども・・・。
A 知事
そうですね。ただ、新型コロナウイルスに引き続いてといいますか、重なって物価の高騰といいますか、特に最初はエネルギー価格の高騰から始まって、全体の物価が上がっている、人件費も上がっていく。そんな中で、予算編成を考えなければいけなかったというところはあります。
Q 新潟日報
行財政改革について、先ほどの質問でも出ましたけれども、2023年度が5年計画の最終年度でした。改めて振り返っての総括は・・・。
A 知事
総括というのは特にないです。結果として、着実に、ある意味では改善できたと思っています。歳入を増やす努力もやって、実際に交付税、あるいはいろいろな制度の改革も、本当に多くの関係者の協力をいただいて実現できました。それから支出の部分も、職員をはじめ、関係者の給与の臨時的な削減を4年近くやったわけです。そういう努力の上に、本当に収入に見合った支出、今までは収入を過大に見積もって、それに合わせた支出をやってきたわけです。いろいろなところに満遍なく、いい顔をしてきたところがあると思うのですけれども、そこはやはり確実、堅実な収入見込みの中で、それに見合う支出という予算編成に戻すことができたということではないでしょうか。
Q 新潟日報
知事から冒頭に説明がありましたけれども、行財政改革の目標の一つで、大規模災害に備えるために、財源対策基金で230億円を積むという目標があって、それはもう早々に達成できたのですけれども、結果として最終年度に取り崩して220億円になってしまうというところの受け止めはいかがですか。
A 知事
それはまさに、災害に備えるために作った基金ですから、それを持っておくことに意味があるのではなくて、災害のときには使わなければ・・・。それを適切に使い、しかしそれはまた来年度で戻すことができると見込んでいます。
Q 新潟日報
以前、行財政改革の議論を始めるときに、有識者の会議で2つ洪水があると。県財政には洪水があって、一つは将来の借金返済のピークが来ると。こちらは450億円を貯める目途が付いているというのは出ていますけれども、県立病院の赤字という指摘があって、これは新型コロナウイルスで一回止まったような状況になって、今日病院局からレクがあると思うのですけれども、やはり赤字が大きいようです。病院の財務、財政体質の改善というのは、今のところどうお考えでしょうか。
A 知事
ですから、改革担当の次長を置いて経営改革推進チームを作り、早急に検討を進めて改善策を講じていく必要があると思います。
Q 新潟日報
この辺りは議論も足踏みになっていますけれども、病院再編のようなところにも・・・。
A 知事
経営改善にどういう方法が有効なのかは、検討を待たないといけません。医療の再編は、別に病院局の経営改善から来ているのではなくて、地域医療そのものの持続可能性というものを考えて、例えば、県央医療圏で県央基幹病院を造る、新潟医療圏において中核となる病院を造るなど、そういうことが行われているわけです。病院局の経営改善そのものから来ているわけではないです。
Q 新潟日報
今後の財政を健全に維持するというところでは、やはり県立病院の赤字部分の回収ですとか・・・。
A 知事
それは事業である以上は必要です。
Q 新潟日報
今回、元日に能登半島地震がありまして、近年大規模災害が、新潟県は県土が広いということもあって続発していますし、金利の上昇もあります。少し不確実な、いろいろな要素がある中で、一定程度、将来を見据えた財源を確保しましたけれども、やはりある程度歳入というところの確保は新たに求められるのではないかと・・・。
A 知事
新たに求められるということはありません。常に歳入の確保は税源涵養なり、収入の確保に取り組んでいます。現実に税収も増えていますし、この2年、3年、そういう意味では財政との関係でいえば、歳入の確保はそれなりに成果を出してきていると思います。
Q 新潟日報
今回、予算発表資料にもありますけれども、例えば民間の活用ですとか・・・。
A 知事
それは別に歳入確保という意味ではなくて、PPPはPFIよりもう少し進んで、官民の協力ということで、お金に限らないのです。ファイナンスだけではなくて、まさに知恵ですとか、そういう部分を含めて、一緒に何かをやって社会を変える。単純な話では、施設の建設・運営ですけれども、それを官民連携してやっていきましょうというのは、先ほどから繰り返し申し上げていますけれども、力を入れたいと思っています。それはいろいろな場面でも、経済界に呼び掛けをしています。私は就任早々、官民協力のパートナーシップの基盤となるプラットフォーム会議(新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォーム)を立ち上げています。令和元年でしたでしょうか。そうした思いはずっと持っていまして、いろいろと新型コロナウイルスなどがあったりして、なかなか思うように動かなかったところもありますが、国もいろいろな制度的な手当を順次しています。都市公園も都市公園法をいじった、あるいは先ほどの港湾法などもいじっている。下水道などもそうです。そうしたPPPというものが、制度的にも位置付けられるようになってきた中で、ちょうど動かしていくタイミングが来ていると思います。それは歳入の確保という面も、もちろんありますけれども、歳入といいますか、県のお金の持ち出しを抑えながら、県民にとって非常に価値のある施設を造っていく、県民が利用する施設の機能を向上させる、サービスをアップさせるという効果を持つと思っています。
Q 新潟日報
少し予算と離れるかもしれませんけれども、知事の任期が4年の任期のうち、残り2年と折り返しに来ています。残りの任期でやりたいことですとか、どういう県にしたいかというところは何か・・・。
A 知事
それはこれまでとあまり変わらないです。
Q 新潟日報
この延長線でいくという・・・。
A 知事
はい。
Q TeNY
子育てに優しい社会の実現ということで、分散型社会から表現を改めたという話もありましたけれども、住まいづくりの支援や外出の応援をするということで、改めて子育て世帯を支援する政策効果を教えていただけますか。
A 知事
子育て世帯を応援する意義ですか。
Q TeNY
そうですね。
A 知事
一つは少子化対策です。圧倒的部分は少子化対策で、やはりこどもを持つことをためらう、理想とするこどもの数を持たない理由を、アンケート調査等で県もやっていますし、いろいろな調査で見ると、経済的にお金がかかることが一番(の理由)です。次いで、例えば自分の自由が制約される、仕事は維持できなくなるといった理由が続いてきますけれど、圧倒的には経済的な理由を挙げられています。そういう意味で経済的支援は、こどもを持っていただくための大事な支援になると思っています。同時に、広い意味で子育てを結婚支援まで入れると3つの柱に分けていますけれども、子育てを社会全体で応援してくれるという気運なり環境ができれば、経済的な部分も含めて、若い世代がこどもを持ちやすくなるということで、ねらいとしては少子化対策です。同時に、新潟県が子育てに優しいという評判が広がれば、新潟で子育てをしたいと思っていただける。これは社会減への対応でもあります。新潟を選んでもらえる、子育てするならまた新潟に帰ろうかということを選んでいただけるようにという意味で、社会減対策でもあり、総じて人口減少対策でもあります。
Q TeNY
不妊・不育に関しても、市町村単位でも助成されている中で、支援を拡充するということについて、特に新規で付けたのは・・・。
A 知事
まだ全部の市町村ができていませんので、しかもバラバラなのです。助成のレベルを上げる意味でも、県が乗り出したということです。
Q 朝日新聞
投資事業が必要な事業量を確保できているかどうかについてお尋ねします。先ほど収入に見合った支出という言葉がありました。今回、実負担額は675億円計上されているのですが、上限いっぱいまで計上されると思います。これは本来、キャップがなければもう少し必要な事業量があって、少し抑えたのか、あるいはたまたま必要な事業量がこの上限だったのか・・・。
A 知事
そういう質問をなさったら、当然これは適切な事業量を設定したとしか答えようがないです。まだやりたいものがいっぱいあったのに、やれませんでしたとはなかなか言えませんよね。
Q 朝日新聞
近々、知事は能登半島地震に関して、改めて国に要望に行かれると思います。その辺りは、本当は必要な事業量だった・・・。
A 知事
適切な事業量を、優先順位を考えながら、適切に組み立てたということです。
Q NST
子育て支援の件で、去年は「(新潟県)こむすび定期」があって、機運醸成の意味もあったと思います。この一年間の施策への評価と、これから向かうべきところは・・・。
A 知事
評価は私もまだ分かりません。ただ、既に利用者は4,500件を超えて、順調に活用いただいていると聞いています。目に見える効果がすぐ出るものでは・・・。効果というのは何をもって測るかですけれども。でも、あって嬉しかったという声は聞きます。
Q NST
機運は高まってきている・・・。
A 知事
どうでしょう。それはむしろ皆さんが、これから時間をかけて聞いていただきたいと思います。
Q 新潟日報
こむすび住宅事業で一点お願いします。今回、空き家が対象という意味で、中古住宅のリノベーション補助にしたと思うのですけれど、新築の補助ではなくて、中古住宅としたのは若年層のニーズが中古住宅に・・・。
A 知事
私は調査結果を見ていませんけれど、若い世代も随分中古に対する抵抗がないという話を聞きます。
Q 新潟日報
かつてはマイホームというと新築で・・・。
A 知事
それは社会全体がそうではないですか。もう本当に新築そっくりのような、非常にリノベーションの素晴らしいものが、技術的にも出ているということなのだろうと思います。
Q 新潟日報
実際にニーズがあるという・・・。
A 知事
そうだと思います。やはり手頃ですよね。新築で土地を取得してというよりは・・・。新築の出物は、例えば郊外などにどうしても偏る中にあって、子育てをするのに適当な地域で物件を探すと、やはり中古リノベーションというのは、良い物件が見つかるということではないでしょうか。
Q 新潟日報
かつてのマイホームは新築で、ピカピカで、注文住宅でというイメージが少し変わってきつつあるのでしょうか。
A 知事
どうでしょう。私もそういうふうに変わってきていると理解しているのですが、皆さんの受け止めを逆にお伺いしたいところです。周りに聞いてみていただけませんか。こだわりはなくなっている・・・。実はこの議論の過程では集合住宅、マンションもリノベーションがあるので、それも対象にしたらどうだという議論をやったのですけれども、私は生データを見ていませんけれど、新潟では多くの方が、マイホームは戸建てがいい。集合住宅で子育てをする、マンションの利便性も、東京などは少なくともマンションが選択肢に当然ながら上がると思うのですけれども、新潟ではやはり戸建てが圧倒的だと。戸建てを希望すると、例えば子育てのための広いスペースが欲しいということで、どうしてもマンションの方が全体的に狭くなりますので、そういうことなのかもしれません。子育て世代の住宅の取得希望を見ると、圧倒的に戸建てが多くて、新築、中古ということに、あまりこだわりがなくなっているという見通しの中での事業です。
Q 代表幹事(朝日新聞)
先週金曜日(2月9日)に、東京の原子力規制庁に知事は行かれて、(追加検査の結果及び東京電力の適格性判断の再確認結果について)直接説明をお聞きになられましたけれども、改めて知事ご自身が説明を聞かれた意義についてどう考えるかということと、その説明を聞かれてご自身のお考えに変化があったかどうか・・・。
A 知事
その場でも皆さんにお答えしていますが、同じことになりますけれども、まず原子力規制庁が追加検査という形で、あるいは適格性の判断の再評価という形で、本当に3年近く丁寧に取り組まれた、じっくり取り組んでいただいたとことは理解しました。真剣にやっていただいたということは、十分理解したつもりです。ただ、それですぐ何か変わったかというところについては、もう少し様子を見ないと分かりませんというのが正直なところです。既に技術委員会(新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)で、適格性の議論を規制庁から説明を受ける形で始まっていますし、あるいは県民がどういう受け止めをするかといったところも、よく見ていきたいと思います。
Q 幹事社(朝日新聞)
技術委員会など、いろいろなチャネルを使って、こういう説明というのはあるわけですけれども、知事ご自身が直接長官から聞かれたというところは、どういう意義があったと・・・。
A 知事
意義といいますか、私は彼らがやったことが非常に丁寧で、かつ真剣にじっくり取り組まれたということを理解しました。それは私も理解したので、そのことは機会があれば、広く伝えたいと思います。
Q 幹事社(朝日新聞)
その上で、今後も東電や国に求めることがあれば教えていただきたい・・・。
A 知事
特に求めるということはないです。ずっと東京電力には申し上げているのですけれども、もう言葉はいいから、実績と行動で示してくださいということに尽きると思います。それから、国は引き続き厳重な監視をすると言っていますので、そこは厳格にやっていただきたいと思います。
Q NHK
先日、冬季の原子力防災訓練が行われました。改めて、住民から複合災害の際に自分の身を守れない不安があるという声がありました。その点について、まず率直にどのように受け止めているか伺います。
A 知事
能登半島地震があって、あそこは複合ではないですけれども、自然災害の脅威といいますか、恐ろしさ、特に道路が分断・寸断される、集落が孤立してしまうケースを目の当たりにする中で、不安感を持つというのは当然なのかなと思います。
Q NHK
これに対して、県としても先日、原子力規制庁長官と面会された時に、何か要望を出されたという話があったのですが、改めてどういった要望を・・・。
A 知事
今回の場合は地震や自然災害ですから、それに耐えられる国土の強靱化、あるいは防災・減災対策を着実に進めていくことが、まず一つ必要です。例えば、土砂災害が起きないように防災対策を進めておく、あるいは津波等にも耐えられる港湾の強化、震動にも耐えられる耐震施設の強化など、いろいろな防災対策をしっかり着実に進めることが一つです。併せて、仮に原子力災害が起きた時にどうするのかというところの、避難の考え方については、規制委員会が論点整理をして議論すると言っていただいていますので、ぜひしっかり論点整理をし、議論していただきたいと思っています。
Q NHK
知事が原子力規制庁で長官と面会されたり、東電による住民向けの説明会が実際に行われたり、原発の再稼働の是非に向けた議論が着実に進んでいると思うのですが、こうした中、既に県民の中で再稼働について賛成、反対という様々な意見が出ていることについて、どのようにお考えですか。
A 知事
それがまさに再稼働に関する議論ですので、大いに議論が深まることを期待したいです。
Q NHK
その上で、今後、県民の中で、例えば賛成の方と反対の方で意見が一つにまとまるというのは非常に難しいと思うのですが、知事が再稼働の是非を判断する上で、改めて重視される点はどの辺りになるでしょうか。
A 知事
重視といいますか、いろいろな論点があると思いますので、しっかり議論の推移を見ていきたいと思います。一つにまとまることがないと仰られたのですけれども、そこは分かりません。議論が深まるということは、どういう考え方が合理的なのかということに気付くことにもなるので、そこは議論が推移する中で収斂することもあるかもしれません。
Q NHK
これまでに知事がいくつか出している検討項目というのは、県の技術委員会の話し合いですとか、具体的にどういったものがあるのか改めて・・・。
A 知事
何の項目と仰いましたか。
Q NHK
例えば、技術委員会の東電の適格性の判断であったり、経済的な評価の報告書のまとめなど、知事が原発の再稼働の判断に向けたものの中で、材料というのは今どういったものがあるのか、改めて・・・。
A 知事
この場でも何度も申し上げていますけれども、これまで県が進めてきた、いわゆる3つの検証(福島第一原発事故に関する3つの検証)の取りまとめ、それから技術委員会が既に今、議論をオンゴーイングですけれども、柏崎刈羽原子力発電所の安全性の確認をやっています。これから適格性の確認もしようとしています。それから、今回取りまとめられた原子力規制委員会の追加検査の結果、あるいは適格性の再評価の結果、それから今申し上げた規制委員会で、これから(行われる)避難のあり方についての論点整理、議論、こうしたものは全て材料になっていくのではないでしょうか。
Q NHK
今後どのようにその議論を進めていくのか、また、知事が具体的に県民の意見をどのように把握して、どのような段階で再稼働の是非を判断されるのか教えてください。
A 知事
それはまだ見通しができません。
Q NHK
県民の意見の聴取の仕方としては、説明会、この後公聴会などを開かれると思いますが、意見をどのように聞いていくのか・・・。
A 知事
公聴会等はもちろん考えています。その他にセミナーですとか、いろいろな県民の声が出るような場面は作っていかなければならないと思います。
Q NHK
県としての原子力再稼働の判断をする時というのは、従来から知事は信を問うという言い方をされていらっしゃると思うのですが、その方向性で、今のところ変わりないでしょうか。
A 知事
今まで申し上げたことに変化はありません。
Q NHK
それは知事選、選挙というような形も可能性としては・・・。
A 知事
ですから、今まで申し上げてきたことに変わりはありません。
(新発田地域振興局農村整備部における予定価格等漏えい事案に係る内部調査結果及び再発防止策の策定について)
Q 新潟日報
官製談合事件の調査結果についてお尋ねします。今回の調査結果で、7人が秘密事項を漏らしていたという結果だったと思うのですけれども、改めて今回の調査結果で、県としてどのようなところに問題があったのか、知事の受け止めをお願いします。
A 知事
この事件の発生したメカニズムまでは、私はよく分かりませんけれども、いろいろな要素が絡んでいるのだろうと思います。秘密事項を漏らした方々も、ヒアリングの中では、まさによかれと思ってやっているのです。地域で必要な建設事業者が、要するになくならないように、みんなが持続していけるようにという思いで、決して本人たちは私腹を肥やすためにやっているわけではなかったようです。そうした思い自体は理解といいますか、分かるのですけれども、やはり法、まさに矩を踰えているわけです。どうしてそこを踏み越えてしまったのかというところは、一人一人の内面まで入っていかないと分かりませんけれども、皆さんやはり、違法だということは認識しているのです。でも、それを乗り越えてしまう。その心理的なところの解明までは私もできませんが、改めてそうした規範意識を全職員に持ってもらうという努力を、しっかりやらなければならないと思っています。後は制度的にそうしたものが、秘密事項が秘密事項でなくなるといいますか、つまり総合評価落札方式にすれば、金額だけの勝負ではなくなるわけで、あるいは指名競争ではなくて一般競争になれば、誰が参加するか分からないことになるわけで、そうした制度的な手当を拡充することで、再発防止を図っていきたいと思っています。
Q 新潟日報
今回の結果を受けて、少なくとも何年くらい前から漏洩があったのかというような、県としての受け止めはいかがでしょうか。
A 知事
私は誰がどんな表現をしたかまでは分かりませんけれども、官製談合防止法ができたのが平成15年で、それ以降に少なくとも7人の方が、何らかの秘密事項を漏らしているということですので、断続的にあったということだと思います。
Q 新潟日報
県の調査結果では組織的な関与がなかったと書いてあるのですけれども、7名の方の関与というのは結構大きな数かなと受け止めたのですけれども、改めて今回組織的ではなかったと結論付けた根拠を、改めてもう一度お願いします。
A 知事
それは、一人一人は誰も他人に話していないのです。苦しかったけれど、自分で判断して決めたと言っているわけで、何か組織的にこうしなさいという文化があったわけではないです。
Q 新潟日報
例えば前任の方から、逮捕された元顧問の存在のことを引き継ぐような話では全くなかったという・・・。
A 知事
引き継ぎは何もなかったと答えています。
Q 新潟日報
逮捕された元部長の方が、相談できなかったと話していると思うのですけれども、今後県として、そういった相談しやすいような体制を整えていきたいという・・・。
A 知事
そうですね。そこは規範意識の向上と同時に、難しいのは組織のトップですから、風通しという議論とは少し違うのだと思うのです。しかし一人の公務員として、やはり守るべきものを守るときに、困ったときは誰かに相談できるという文化なり風土は、つくっていかなければいけないですよね。
Q 新潟日報
最後に、再発防止策で一般競争入札の対象を7,000万円(以上)に引き下げるとあるのですけれども、全体の割合としてはどのくらい増える・・・。
A 知事
それは部局に聞いてください。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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