ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 上越地域振興局 農林振興部 > 【上越】「上越地域における新田開発のあゆみ(用水編)」 を紹介します

本文

【上越】「上越地域における新田開発のあゆみ(用水編)」 を紹介します

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0046740 更新日:2019年3月29日更新

(12) 笹ヶ峰ダムと国営関川農業水利事業

昭和59年から利用開始された笹ヶ峰ダムの画像
昭和59年から利用開始された笹ヶ峰ダム

 妙高山麓の標高1,200mの真川とニグロ川の合流する所にある総貯水量1,060万立法メートルの笹ヶ峰ダムは、国営関川農業水利事業(昭和43年~昭和58年:事業費167億円)で農業用水専用のダムとして建設されましたが、それ以前は、中央電気(株)と信濃電気(株)が夏季と冬季の渇水期に安定した発電を行うために、昭和4年(1929)に共同で建設した総貯水量約170万立法メートルの貯水池がありました。
 このことから、笹ヶ峰ダムは電力側との共有財産(代替補償)として築造・管理されている施設です。
 高田平野の水田地帯では、昭和24年と26年に大干ばつが発生し、それを契機に地元では、高田平野の安定した用水供給を目的とした農業用ダムの建設を農林水産省へ要望しました。

 その後現地調査などが行われ、国立公園内であること、ダムサイトに地質上の難点もあることから、なかなか事業化されませんでしたが、ダム建設は昭和46年(1971)7月から国営事業で着工し、昭和59年(1984)から農業用水の利用が開始されました。これにより、高田平野の従来の慣行として、上流優先だった春の田植えは、雪消が早い下流部へ優先的に配水して田植えができるようになりました。
 なお、国営事業では、この笹ヶ峰ダム建設のほか、頭首工(関川、子安)2ヶ所、上江・中江・稲荷中江などの幹線用水路5路線34.1kmが再整備され、併せて附帯県営事業(昭和48年~平成1年)でその用水路の下流を改修し、約7,100ヘクタールの耕地へ安定的な用水供給が確保されました。

妙高市月岡地内の平成7年7月11日水害の画像
平成7年7月11日水害(妙高市月岡地内)

 平成7年(1995)の7月11日に発生した梅雨前線豪雨で、関川や中小河川が氾濫し、旧新井市立南中学校のプールの流出と付近の河岸の大量決壊、中江用水取水口の破壊と対岸民家の流出などが発生しました。また、妙高市月岡地内の堤防の決壊や工場や民家の浸水、水田の冠水、橋梁の落橋なども相次ぎ、国営で改修された関川頭首工も災害復旧事業による河川改修で平成12年(2000)に現在の頭首工に改築されました。
 笹ヶ峰ダムは昭和59年(1984)から県管理事業として新潟県が管理し、頭首工・幹線用水路は関川地区土地改良区連合(関川水系土地改良区、水上土地改良区、和田土地改良区)が施設の維持管理を行っています。これら施設は建設後30年以上が経過し、コンクリート構造物の損傷や鋼構造物の腐食などの老朽化で機能的な支障が発生してきたことから、現在新たな国営関川用水農業水利事業で耕地面積約5,800ヘクタールを対象とする一部改修工事や小水力発電の建設を行っています。

新田開発のあゆみ(用水編)トップページにもどる
農村振興トップページへ

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ