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埋蔵文化財Q&A

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:2336016 更新日:2023年3月10日更新

Q1 事業予定地に遺跡(埋蔵文化財包蔵地)が所在するかどうか知りたいのですが。

A1 『新潟県遺跡地図』(新潟県文化課)などを参照の上、当該市町文化財担当課にご照会ください。

【説明】

事業者が開発計画を円滑に進めるためには、現在計画中、あるいは将来的に開発を予定している地域に遺跡(埋蔵文化財包蔵地)が所在しているかどうか、できるだけ早い段階で把握することが必要です。埋蔵文化財包蔵地の有無を確認するために、県文化課が作製した『新潟県遺跡地図』があります(このほかには各市町村が独自に埋蔵文化財地図を作製している場合もあります)。しかし、遺跡(埋蔵文化財包蔵地)は地下に埋蔵されているために、範囲は必ずしも確定的なものではありません。事業予定地に遺跡(埋蔵文化財包蔵地)が所在するかについての詳細は、所在地の市町村文化財担当課にお尋ねください。

 ・新潟県内の遺跡地図についてはこちらをご覧ください


Q2 埋蔵文化財が事業予定地内にありそうですが、まずどうしたらよいですか。

A2 当該市町文化財担当課に照会し、埋蔵文化財の確実な範囲を把握してその取扱いについて協議するとともに、文化財保護法(以下「法」という。)で定められた事務手続きを行ってください。

【説明】

法の規定により、遺跡(「周知の埋蔵文化財包蔵地」)として登録されている土地で土木工事を行う場合、また、遺跡の発掘調査を行う場合には、事前の届出・通知が必要です。

遺跡(「周知の埋蔵文化財包蔵地」)を土木工事の目的で発掘(発掘調査ではなく、土地の掘削全般を指します)しようとする場合には、事業着手予定日の60日前までに新潟県に届け出を提出しなければなりません(法第93条第1項)。事業主体者が国の機関、地方公共団体等の場合は届出の義務を適用されず、事業計画の策定に当たって、あらかじめ新潟県に通知することが義務づけられています(法第94条)。届出等は「新潟県埋蔵文化財の発掘又は遺跡の発見の届出等に関する規程」で定められた様式に基づき、必要事項を記載した書面に添付書類等を添え、遺跡(「周知の埋蔵文化財包蔵地」)が所在する市町村文化財担当課を経由して行わなければなりません。事前に埋蔵文化財の取扱いについて、当該市町村と事業者で協議・調整を行います。また予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地ではないが、遺跡の存在する可能性がある場合は、試掘の実施等について協議を行うことが望ましいです。

   【様式】


Q3 周知の埋蔵文化財包蔵地で埋蔵文化財の発掘調査を行いたいのですが、どうしたらよいですか。

A3 当該市町文化財担当課に照会し、埋蔵文化財の確実な範囲を把握してその取扱いについて協議するとともに、法で定められた事前の届出・通知が必要です。

【説明】

大学などの研究機関や個人といった地方公共団体以外の組織等が発掘調査を行う場合、着手予定日の30日前までに届け出を提出しなければなりません(法92条第1項)。この届出書には、発掘調査担当者の承諾書を添付する必要があります。また、届出者が土地の所有者でない場合、土地所有者から発掘調査の実施及び出土品に対する権利放棄の承諾書を添付してください。調査終了後には終了報告を提出してください。

 届出等は「新潟県埋蔵文化財の発掘又は遺跡の発見の届出等に関する規程」で定められた様式に基づき、必要事項を記載した書面に添付資料を添え、当該地の所在する市町村文化財担当課を経由して行わなければなりません。

  【届出様式】

  【終了報告様式】

※地方公共団体が実施する発掘調査は法第99条第1項の規定に基づくため、上記の届出等は必要ありません。しかし、県文化課では発掘調査の実施状況等を把握するため、着手通知、終了報告等の提出を求めています。様式等は当課に問い合わせてください。

 

 


Q4 地図上では埋蔵文化財がありますが、以前の工事で破壊されているようですが手続きは必要ですか。

A4 過去に工事が行われた場合でも、埋蔵文化財の有無を照会してください。

【説明】

新潟県遺跡地図に登載されている約13,000箇所余りの埋蔵文化財包蔵地の中には、過去の開発事業に伴い発掘調査による記録保存がなされたのち、工事が行われたものがあります。しかし、工事の種類によっては地下に遺跡等残っている場合があります。したがって、どのような場合でも事業者が独自に埋蔵文化財について手続きが不要と判断することはできません。埋蔵文化財包蔵地内を開発する場合には当該市町村文化財担当課に必ず照会してください。


Q5 盛土工法なので、地下の文化財には影響がないはずですが。

A5 盛土の厚さなどの条件によっては、盛土による保存が認められるため、県または当該市町村に相談してください。

【説明】

開発事業の場合しばしば問題となるのが、盛土による埋蔵文化財保存と盛土による埋蔵文化財への影響です。まず盛土保存ですが、水田や畑地などの農地及び公園などで遺跡等を比較的良好な状態で残すことができる場合には、盛土での取扱いとすることもできます。ただし、このような取扱いは埋蔵文化財本来の取扱いとして必ずしも適切ではないこと、盛土による地形や地貌が変化し周知の埋蔵文化財包蔵地であることが実態上把握しにくくなることから、事前に確認調査等を行うことが必要です。道路など恒久的工作物の設置により相当期間にわたり埋蔵文化財と人との関係が絶たれ、当該埋蔵文化財が損壊したのに等しい状態となる場合は、たとえ盛土であっても発掘調査が必要となります。次に、盛土による埋蔵文化財への影響ですが、遺跡の立地や土壌その他の諸条件でによって一様でないと考えられます。このため個々の対応の判断が必要となりますが、盛土の厚さはおおむね2m以内を基準としています。


Q6 工事中に埋蔵文化財が出土したときはどのようにすればよいのですか。

A6 法第96条及び法第97条の規定に基づく手続きを行い、県の指示に従ってください。

【説明】

法第96条及び法第97条では新たに遺跡を発見した場合には、現状を変更することなく、ただちにその旨を当該地の市町村文化財担当課を経由して新潟県知事に届出(地方公共団体の場合は「通知」)を提出する事になっています。当該市町村と十分協議を行ってください。


Q7 開発計画が国等の指定史跡内に及んでいますが。

A7 原則として指定史跡等の価値を損なうような現状変更を行うことは認められません。

【説明】

埋蔵文化財包蔵地のうち、特に重要な内容を有するもので保護が必要な区域は、国・県・市町村により史跡の指定を受けています。この区域は、通常の埋蔵文化財包蔵地と異なり、やむを得ない事情がある場合を除いては現状の変更が認められておりません。したがって、この区域内で事業を予定している場合は、開発行為が区域内に及ばないよう配慮してください。やむを得ず開発行為を計画する場合においては、国指定史跡は法第125条に基づく史跡の現状変更許可の申請を行う必要があり、文化庁長官又は県知事等の許可を得なければなりません。県指定史跡の場合は、新潟県文化財保護条例に基づいて、国の場合と同様の手続きが必要です。事業が具体化する前に所管の文化財担当課と十分に協議してください。

現状変更の許可・不許可の判断は、一定の許可基準によるものではなく、具体的な行為、実施される地域等を総合的に勘案して行われます。


Q8 埋蔵文化財の記録保存に要する費用はどこが負担するのですか。

A8 事業者で負担することが原則となっています。

【説明】

埋蔵文化財は、「可能な限り現状で保存されることが望ましいものであるが、開発事業等が計画されたことによりこれを現状のまま保存することができなくなった場合、少なくとも、発掘調査によって当該埋蔵文化財の記録を保存することとして、この場合、当該埋蔵文化財の現状による保存を不可能とする原因となった開発事業等の事業者に対してその経費負担による記録保存のための調査の実施を求めることとしている。」(平成10年9月29日付け文化庁次長通知)とされています。したがって、記録保存をすることとなった遺跡については、発掘調査を実施し、このための費用は事業者=原因者が負担することになります。


Q9 発掘調査費にはどのようなものが含まれますか。

A9 発掘作業に要する経費、出土文化財の整理等に要する経費、報告書作成費等です。

【説明】

発掘調査の経費は基本的に次の3つに区分されます。

 1.野外における発掘調査経費(機械器具の借損料、立入補償料等を含む。)

 2.出土文化財の室内整理経費(応急的な保存処理のための費用を含む。)

 3.報告書作成に係る経費

 これらの経費のすべてが発掘調査費用に含まれます。開発工事に伴う緊急発掘調査は、埋蔵文化財の現状での保存ができなくなった場合に、記録による保存を目的として実施しているものです。したがって、その調査成果となる報告書が刊行されてはじめて目的が達せられ、発掘調査が終了したといえます。


Q10 工事の都合上、できるだけ早く埋蔵文化財調査を終了して欲しいのですが。

A10 埋蔵文化財の調査は、一定の期間を要することを常に念頭に置いて事業計画を策定してください。

【説明】

埋蔵文化財は土地と直接関係するので、その保護について事業者と調整する必要が生じることがあります。工事を予定している土地が埋蔵文化財包蔵地である場合などがこの例です。現状保存ができない場合、埋蔵文化財の記録の作成のための発掘調査を実施することになります。工事を早く着工したいところに埋蔵文化財が確認されたりすると、工事工程に大きな影響を与えることもあるでしょう。このため、事業を実施する側と文化財を保護する側が早い段階から互いに情報交換し、各段階における措置を適切に実施することで、事業の実施と埋蔵文化財の保護を調整させることが重要です。


Q11 埋蔵文化財の発掘調査年度の途中から工事に着手しないと、事業計画に支障が生じます。

A11 野外の発掘調査が終了した段階で、工事に着手することは可能です。

【説明】

調査対象地が広く、調査期間が長い場合は、調査が終了した箇所から工事に着手することができます。県または当該市町村文化財担当課は事業者と連絡を密にし、調査の行程や進行に支障のない限り、工事と並行して実施できるように努めます。


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