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研究成果詳細解説 大豆におけるウコンノメイガの多発生要因と防除のめやす

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408210 更新日:2021年7月12日更新

大豆におけるウコンノメイガの多発生要因と防除のめやす

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 この研究成果情報は、大豆の害虫であるウコンノメイガの多発生要因と防除のめやすを示すものです。
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 ウコンノメイガは、大豆の害虫で、幼虫が葉巻を作りながら葉を食害します。
 写真は、左上がウコンノメイガの若齢幼虫、左下が老齢幼虫、右上が大豆の葉巻被害、右下が葉巻被害甚発生ほ場の様子です。
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ウコンノメイガは、7月上中旬に越冬場所から大豆ほ場に飛来します。大豆の葉に産卵し、孵化した幼虫が葉を巻きながら葉を食害します。
葉巻被害が最も多くなる時期は8月中下旬ですが、防除適期は葉巻発生始期の7月下旬です。
現在のウコンノメイガの防除のめやすは、「里のほほえみ」が普及する前の平成23年~25年の研究を基に作られています。
またウコンノメイガの発生量は年次間差が大きく、研究当時の発生量を大きく超える年もあります。
そこで、「里のほほえみ」を含めてデータを蓄積し、ウコンノメイガの多発生要因を明らかにするとともに、新たな防除のめやすを提示します。
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まず多発生要因を示します。
左の図は、過去20年間の7月第3半旬から第6半旬の降水日数とウコンノメイガ甚・多発生面積の関係を示したものです。
7月第3半旬から第6半旬までの降水日数が多い年ほど、ウコンノメイガ甚・多発生面積が多くなる傾向が認められました。
右の図は、ウコンノメイガの卵から蛹までの密度推移を、同じ地区で3年間調査した結果です。
ウコンノメイガの密度は、平成30年では発育ステージが進むにつれて減少し、令和元年と令和2年では卵から老齢幼虫まで概ね横ばいで推移しました。
7月第3半旬から第6半旬の降水日数は、平成30年は特異的に少なく0日、令和元年が9日、令和2年が13日でした。
このことから、ウコンノメイガの発生には降雨が影響するとみられ、7月中下旬の降水日が多い年は、ウコンノメイガが多発生しやすくなります。
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グラフは、「里のほほえみ」と「エンレイ」の、最多発生時の葉巻数と主茎長を示したものです。
最多発生時の葉巻数は、平成28年と平成30年では「里のほほえみ」が「エンレイ」よりも有意に多くなりました。平成29年では、葉巻数に有意な差は認められませんでした。
主茎長は、平成28年と平成30年では「里のほほえみ」が「エンレイ」よりも大きく、平成29年では「エンレイ」が大きくなりました。
このことから、葉巻数は大豆の生育の影響を受けたと考えられます。
そして「里のほほえみ」は、同じ条件で栽培した場合、「エンレイ」よりも生育が旺盛で、葉巻数が多くなりやすいと考えられます。
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 グラフは、「里のほほえみ」と「エンレイ」の、最多発生時の葉巻数と主茎長を示したものです。

 最多発生時の葉巻数は、平成28年と平成30年では「里のほほえみ」が「エンレイ」よりも有意に多くなりました。平成29年では、葉巻数に有意な差は認められませんでした。
 主茎長は、平成28年と平成30年では「里のほほえみ」が「エンレイ」よりも大きく、平成29年では「エンレイ」が大きくなりました。

 このことから、葉巻数は大豆の生育の影響を受けたと考えられます。
 そして「里のほほえみ」は、同じ条件で栽培した場合、「エンレイ」よりも生育が旺盛で、葉巻が多くなりやすいと考えられます。
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新たな防除のめやすを作成するため、防除要否の判断時期である7月第6半旬の葉巻数と最多発生時の葉巻数の関係を再解析しました。
解析の結果、7月第6半旬の葉巻数と最多発生時の葉巻数の関係は、「里のほほえみ」と「エンレイ」で有意な差は認められませんでした。
そして7月第6半旬の畝1mあたりの葉巻数が24以下であれば、年次や品種を問わず、被害許容水準を上回る確率が低いことが示されました。
これらのことから、防除のめやすは、年次や品種に関らず、7月第6半旬の畝1mあたりの葉巻数24個としました。
発生量に応じた薬剤防除を行うには、生育が旺盛なほ場を重点的に調査し、7月第6半旬の畝1m当たりの葉巻数が24個を超えるほ場では薬剤防除を実施します。

最後に留意点を記載します。
・7月第5半旬の防除のめやすは、畝1m当たりの葉巻数6個ですが、7月第6半旬のめやすに比べ予測精度が劣ります。降水日が多い年や生育が旺盛なほ場では、第6半旬のめやすを用いましょう。
・具体的な葉巻数の調査方法や薬剤防除法は、平成26年研究成果情報「大豆害虫ウコンノメイガの薬剤防除のめやす」と「大豆ほ場におけるウコンノメイガの発生消長と薬剤防除法」を参考にしてください。
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