ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > しごと・産業 > 農林水産業 > 研究成果詳細解説 パン用小麦に対する赤かび病防除薬剤との混合液散布による窒素肥料の効果

本文

研究成果詳細解説 パン用小麦に対する赤かび病防除薬剤との混合液散布による窒素肥料の効果

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408208 更新日:2021年7月12日更新

パン用小麦に対する赤かび病防除薬剤との混合液散布による窒素肥料の効果

スライド1
 「パン用小麦に対する赤かび病防除薬剤との混合液散布による窒素肥料の効果」について報告します。
スライド2
小麦栽培では出穂以降に、タンパク質含有率を高めるための穂揃期追肥と、赤かび病の発生を抑えるための薬剤散布が行われています。
一方、小麦生産現場では高齢化及び一経営体当たりの作付規模の拡大から、作業の省力化が求められています。
そこで、西日本地域の小麦栽培を中心に技術確立されている、尿素溶液と赤かび病防除薬剤の混合液による葉面散布を行い、新潟県における適応性を検証しました。
スライド3
本成果では、パン用小麦品種として「ゆきちから」による調査を行いました。

開花期に実施する赤かび病防除時に、尿素肥料を10a当たり窒素成分4kgおよび6kg分を水に溶かしました。
防除用のタンク内で溶かす場合は、市販の電動撹拌機等を用いて溶かし混ぜて下さい。
そして、溶かした尿素溶液に赤かび病防除薬剤(本成果では、尿素との混合前例がある「チオファネートメチル水和剤」を使用)を混ぜて、
小麦の上部から葉面散布を行いました(スライド2の写真を参照ください)。
スライド4
開花期の葉面散布は、粒状表層散布と同等の収量、容積重、タンパク質含有率及び灰分を確保できます(表)。また、赤かび病防除効果も同等です(データ略)。
一方、小麦のタンパク質含有率は、10a当りの窒素施用量4kgよりも、6kg施用した方が高くなります(表)。
スライド5
 開花期に葉面散布を行うと、写真のように止葉や穂に焼けたような症状が発生します。
 これは尿素肥料による影響で、赤かび病防除薬剤による害ではありません。
 溶液の窒素濃度が高いほど止葉の葉焼けが進展しますが、水量150Lに対して尿素質窒素4~6kg分の濃度では生育と収量に影響はありませんでした。
スライド6
令和元年産~2年産の水田転換畑小麦において、タンパク質含有率は越冬茎率と相関がありました。
越冬茎率、すなわち11月末の小麦茎数に対する越冬直後の茎数の割合において、105%以下では窒素成分を10a当たり6kg施用すると
タンパク質含有率が品質評価基準の範囲に収まりました。
一方、越冬茎率が120%以上では窒素成分を10a当たり4kgに抑えることでタンパク質含有率が基準の範囲内に収まりました。
「小麦の茎数が積雪前と比べて消雪後の方が少なくなった、もしくは多くなった」という所を、出穂期以降の窒素追肥量を決めるための参考としてください。
スライド7
 尿素肥料溶液と赤かび病防除薬剤を混合して散布する本技術を実施する際は、「農薬危害防止運動実施要綱」に準じ、防除薬剤の注意事項を厳守するとともに、尿素溶液との混合に対する知見がない薬剤については使用を避けるよう注意してください。
スライド8

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ