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遠隔教育の活用について、新潟県の取組を紹介しました。
(主な内容)
・少子化の進行により、新潟県の令和7年春における中学校卒業者は17,793人であるが、15年後には9,911人となることが見込まれている。生徒の減少を見据えながら、教育の質の維持・向上のための取組が必要である。
・新潟県では令和3年度から令和5年度にかけて「新潟の未来をSaGaSuプロジェクト」に取り組み、令和5年度には16科目34単位の遠隔授業を行った。結果として、小規模校における教科・科目の充実と学校規模を超えた教育環境を実現できた。
・プロジェクトの成果を踏まえ、離島・中山間地域に限らず、全県的な教育環境の充実のため、さらに遠隔授業の実施範囲を拡大している。(令和7年度:18校23科目)
・令和8年度には、現在の学校間で配信・受信を行う学校間連携型に加え、新潟北高校校舎内に「遠隔教育配信センター」を設置し、センターから各学校へ配信する、センター配信型を導入する。
・遠隔教育配信センターには各教科・科目の専任教員を配置し、小規模校における多様な科目開設や生徒の習熟度にあわせた授業の実施に取り組む。また、複数の受信校を同時に接続する授業形態によって、小規模校における協働的な学びの機会の確保も行う。

高等学校教育課 将来構想推進室
データから見える日本の教育の課題を踏まえ、これからの時代に求められる力を育むための遠隔教育のあり方についてお話いただきました。
(主な内容)
・児童生徒の幸福は家庭の環境だけでなく、学校生活も大きな要因となっているが、こどもの幸福度に関する調査において、日本は身体的健康が世界1位であるにもかかわらず、精神的幸福度の順位が低い。
・日本では、上手な学び方をわかっていない児童生徒が海外と比較して多い。
・児童生徒にあった時間を与えれば、同じ成果を出すことができるため、様々な児童生徒がいる中、同じスピードで展開する一斉指導は限界がある。
・現在の教育は、既習学年の内容が理解できていない児童生徒に対して、学年を遡ってその児童生徒に適した教材で家庭学習を行うことが困難である。
・これからの時代は、よりVUCA(「Volatility:変化のしやすさ」、「Uncertainty:不確実さ」、「Complexity:複雑さ」、「Ambiguity:曖昧さ」)の時代となる。その時代に対応するためには「新たな価値を創造する力」が必要であり、これまでの教育を変えていく必要がある。
・これからの学びとして、自分で理解するという自律した学び、他者との対話による個別の知識を超えた深い学びを行うことが求められる。そのためには学び方そのものを学ぶ必要があり、従来の先生に教えてもらうという概念を壊す必要がある。
・先生の役割は児童生徒に対し、「中核的概念(本質)の深い理解に導く」、「複雑な問題解決を共に行う」こと。
・高等学校段階の遠隔教育においては、近年、受信校側の教員の要件が緩和されてきている状況であり、遠隔教育が実施しやすい方向に進んでいる。
・これからの遠隔教育への期待として、自校では受講することのできない授業を受けられるような生徒の多様なニーズに応えること、専門性の高い先生から学ぶことができる質の高い遠隔教育を実現すること、学校・都道府県を超えた生徒相互の交流の機会の創出をしてほしい。

教員がそれぞれの在籍校から会場へ向けて授業を配信し、会場では、新潟向陽高校の生徒が普段使っているタブレット及び教材などを使用して、遠隔授業を受けました。
(主な内容)
(1)化学
・分子の形
・原子同士の結合の種類
(2)書道
・行書の古典:「風信帖」の背景・特徴
・「風」を書く

(1)高見 砂織(たかみ さおり)教諭 (県立新潟翠江高等学校)
(2)佐藤 雄司(さとう ゆうじ)教諭 (県立新潟向陽高等学校)

県立新潟向陽高等学校 生徒
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