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令和7年6月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0752594 更新日:2025年6月17日更新

令和7年6月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

6月17日 知事説明要旨

 令和7年6月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、県内経済の動向についてです。
 本県経済は、持ち直しの動きが続いているものの、エネルギー・原材料価格の高騰などにより物価高が長期化しており、個人消費の一部に弱い動きがみられるほか、先行きに不透明感を持つ企業もあることから、引き続き状況を注視していく必要があるものと認識しております。
 こうした中での米国による関税措置は、米国をはじめ、海外市場に展開する輸出関連企業や、景気の影響を受けやすい中小企業の経営悪化を引き起こす恐れがあるほか、錦鯉や米などの農林水産物や日本酒の輸出拡大に取り組む生産者等の意欲低下や事業継続への支障も懸念されるところです。
 県内企業や農林漁業者を対象に県が実施した聞き取り調査によれば、現時点での直接的な影響は限定的であるものの、今後の輸出コストの上昇や輸出額の減少に加え、景気低迷による間接的なマイナスの影響などが指摘されております。
 そのため、県では、資金繰り等への相談に対応するため、相談窓口を設置するとともに、県内経済への影響が最小限にとどまるよう、ジェトロ新潟と連携し、米国関税措置に関する動向や支援策などを紹介するセミナーを開催したところです。今後は、先般取りまとめた「米国関税措置を受けた緊急対応パッケージ」により、新たな海外販路開拓や資金繰りへの支援を強化してまいります。

 続いて、本県の主要課題について、順次ご説明いたします。
 第一点目は、子育てに優しい社会の実現についてです。
 昨年10月1日現在の本県推計人口は、減少率が過去最大となり、前年から約2万7千人減少し210万人を下回りました。人口減少問題は一朝一夕に解決できない国全体の構造的な課題であり、本県の総人口は今後も不可避的に減少局面が続くことが見込まれています。
 そうした中でも、将来的な「人口定常化」を目指し、少ない人口であっても、成長力のある持続可能な社会の構築に向け、先般策定した総合計画において人口ビジョンをお示ししたところであり、人口減少問題を県政の最重要課題として位置付け、県政のあらゆる分野の政策を総動員し取組を進めてまいります。
 一方で、県の取組だけでは人口ビジョンに掲げた目標を達成することは困難であり、県全体で危機意識を共有し、県民や市町村、各界の関係者と協働し取り組んでいくことが必要です。
 そのため、4月から県内6か所で開催した総合計画県民説明会や市町村説明会などにおいて、本県における人口の現状や見通しなどについて周知したところであり、今後、県民会議を設置し、オール新潟での取組を推進してまいります。
 令和6年の人口動態における本県の合計特殊出生率は、概数で1.14となるなど、現在の少子化は危機的な状況にあります。そうした中、子育てに優しい社会を実現するためには、こどもや子育て当事者の意見を県政に反映し、社会全体でこどもを大切にし、子育てを支えていくことが重要です。
 県では3月に、「新潟県こども計画」を策定したところであり、こどもの笑顔があふれる社会の実現を目指し、こどもの権利の尊重や社会全体でこどもを支える取組など、こども・子育て施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 本計画では、こどもや若者等の社会参画と意見反映を促進することとしており、今年度、新たに「こども・若者未来トーク」として、「モニター」や「会議」を通じ、新潟県の未来を担う、こども・若者等から幅広く意見を聞く取組を進めてまいります。
 また、本県の少子化の遠因となる若者や女性の流出が続く中、若者や女性から働く場として選ばれるよう、多様で柔軟な働き方の推進や、男女が共に活躍できる職場環境づくりが重要です。
 このため、今年度創設した「多様で柔軟な働き方・女性活躍実践企業認定制度」について、今年秋の認定開始に向け、4月以降、企業向け説明会の開催や市町村と連携した制度周知等に取り組むとともに、本制度の認知度向上と県全体の気運醸成を図るため、現在、新制度の愛称とロゴマークを広く県民に募集しているところです。引き続き、県内企業の認定取得の促進を図り、魅力ある職場づくりの更なる推進に努めてまいります。

 第二点目は、県民の安全・安心の確保についてです。
 1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故では、インフラ施設の老朽化対策の重要性を改めて認識いたしました。
 県では、これまで国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等による有利な財源を最大限活用しながら、老朽化対策を進めてきたところであり、5か年加速化対策終了後も引き続き、インフラ施設の老朽化対策と、近年、激甚化・頻発化する自然災害に対応するための防災・減災対策を着実に推進していく必要があります。この点について、3月には全国知事会の国土交通・観光常任委員長として、また、先月には県としても、国に対し、次期国土強靱化対策における十分な予算の確保と、地方負担の更なる軽減について要望を行ってまいりました。
 今月6日に、国において、事業規模を今後5年間でおおむね20兆円強程度を目途とする第1次国土強靱化実施中期計画が閣議決定されたところであり、計画に盛り込まれた取組を積極的に活用しながら、老朽化対策と防災・減災対策を推進してまいります。
 次に、地域医療の確保についてです。
 持続可能な医療提供を支えるためには、その基盤となる医療人材の確保が不可欠です。
 このため、県内病院とともに臨床研修医の確保に向けて取り組んできたところであり、今年度は、過去2番目に多い154名の臨床研修医数となりました。
 この4月には、東京医科大学と連携協定を締結し、これまでの地域枠の設置に加え、卒後研修など医師育成の各段階において連携を進めていくこととしており、引き続き、医師確保に全力で取り組んでまいります。
 また、人口減少に伴う医療ニーズの変化に合わせた医療再編をさらに進めていくことが必要です。
 上越圏域においては、地域における将来の必要な医療に関する分析を進め、医療だけでなく、介護も含めた再編を進めていくことについて、3月の地域医療構想調整会議で合意されたところです。
 新たな中核病院の目指す姿の実現に向けた具体的な手法については、関係者でさらに議論を深めることとしており、地域全体で持続可能な医療体制の構築に向けて、引き続き取り組んでまいります。
 また、県立病院については、先月公表した令和6年度決算では、経営改革の取組による一定の改善がある一方で、人事委員会勧告の影響による給与費の増加や物価高騰による材料費などの経費の増加により約46億円の赤字となり、今年度末にも内部留保資金が枯渇するおそれのある危機的な状況と認識しております。
 このため、まずは内部留保資金の枯渇を回避し、その上で病院事業を持続可能なものとするため、医療需要に応じた各病院の機能・規模の適正化を早急に進めるとともに、大規模病院を中心とした収益性向上の取組を一層進めてまいります。
 次に、新潟水俣病への対応についてです。
 去る5月31日、多くの皆様からご参加をいただき、公式確認60年の式典を開催いたしました。その場でふるさとの環境づくり宣言として発表したように、改めて新潟水俣病の歴史と教訓を風化させずに後世へ伝えていかなければならないとの思いを強くしたところです。
 県といたしましては、引き続き地域の絆の再生と融和、教育啓発活動等を推進し、水俣病であることを隠さなくて良い、誰もが安心して暮らすことのできる地域社会の実現に向け取り組んでまいります。

 第三点目は、原子力防災対策の推進と柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題への対応についてです。
 先月、原子力災害時における避難や屋内退避等の考え方に対する理解向上を図ることを目的とした被ばく線量シミュレーションの結果を公表しました。
 本シミュレーションは、原子力規制委員会の検討チームが実施した手法をもとに、柏崎刈羽地域の状況を反映して行ったものであり、県広域避難計画で定める避難等を行うことにより、IAEAの基準を上回る被ばくを避けることができると見込まれるとの結果が示されました。
 また、今月11日には、国や県、市町村等が参集した柏崎刈羽地域原子力防災協議会が開催され、柏崎刈羽地域の緊急時対応について、原子力災害対策指針に照らし、具体的かつ合理的であることが確認されました。
 今後、緊急時対応については、内閣総理大臣を議長とする原子力防災会議の了承を以て策定となりますが、県といたしましては、避難計画の実効性向上には不断の取組が必要なことから、協議会において、引き続き避難路の整備や除排雪体制の強化、屋内退避施設の整備促進等に取り組むよう国に対し強く求めたところであり、国にはしっかりと対応していただきたいと考えております。
 こうした緊急時対応や被ばく線量シミュレーションなどの国及び県の取組について、今月、県民向けの説明会を開催いたしました。
 県といたしましては、再稼働問題に関する理解を深めていただくため、引き続き、分かりやすく丁寧に説明してまいります。
 また、原子力災害時の住民の円滑な避難のためには、幹線道路につながる道路の整備推進も重要であることから、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の対象地域を原子力災害対策重点区域全域に拡大することや、補助率のかさ上げ等について、先月、関係省庁へ要望してまいりました。
 国からは、関係省庁で調整、検討を進めたいとの回答をいただいたところです。
 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する多様な意見の把握に向けては、先月開催したブロック別懇談会において、各市町長から再稼働問題に関する率直なご意見をいただいたところです。引き続き、県内各ブロックで開催する懇談会の場を通してご意見を伺うとともに、市長会、町村会の場においてもご意見を伺ってまいりたいと考えております。
 また、公聴会については、今月29日以降、8月にかけて、県内5か所で開催し、一般公募や団体推薦による公述人の方々から、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する意見を述べていただくこととしております。
 こうした取組に加え、現在、実施に向け検討を進めている県民意識調査や、県議会でのご議論などを通して、再稼働問題に関する県民の意思を見極めてまいります。

 第四点目は、脱炭素社会への転換についてです。
 気候変動が本県にもたらす影響が顕在化する中、脱炭素社会の実現に関する基本理念や関係者の責務等を定めた「新潟県脱炭素社会の実現に関する条例」を本年4月から施行し、県民、事業者等と連携し、脱炭素化に向けた取組を更に進めていくこととしております。
 この度、産業部門・業務部門の脱炭素化の推進に向け、県内事業者が行う中小企業向けSBT認定取得の支援事業を開始したところです。今後、支援事業者の取組事例等を広く発信し、県内事業者の脱炭素経営への転換を促進してまいります。
 また、本県のような豪雪地帯では、軽量かつ柔軟で窓や壁にも取り付け可能な次世代型太陽電池の活用が期待されております。今年度は、新たに事業者による実証試験を支援することとしており、今後、県内における早期の実装に向けた取組を進めてまいります。

 第五点目は、交流人口の拡大についてです。
 3月に今後4年間にわたる本県観光振興施策の方向性をお示しする「新潟県観光立県推進行動計画」を改定いたしました。計画では、本県観光資源に共通する根源的価値・コアバリューを「大地と雪の恩恵」とするとともに、本県を訪れる旅行者が受け取る価値・ブランドコンセプトを「大地と雪の恩恵、本当の豊かさは新潟(ここ)にある」として初めて整理いたしました。今後、この観光ブランドを広く浸透させ、県民や観光関係者が自ら発信できるよう、様々な機会を捉えて、周知に努めてまいります。
 「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録から7月で1周年を迎えます。先般、「佐渡島(さど)の金山」保存活用推進ネットワークが発足し、地域社会総がかりで資産の価値を将来にわたって継承するための保存管理体制が整備されたところであり、適切な保存修理や公開活用を進めてまいります。
 また、県内宿泊事業者と連携した観光キャンペーンの実施や、首都圏での情報発信の強化により、本県の認知度向上と県内周遊促進を図ってまいります。
 インバウンドについて、2月に発表された2024年の本県外国人延べ宿泊者数は、約53万人泊と過去最高となりました。
 今年度から、新たに欧米やオーストラリアなどの高付加価値旅行者の誘客に本格的に着手することとしており、観光庁のモデル観光地「佐渡・新潟エリア」としての国の集中的な支援も活用しながら、更なる誘客に取り組んでまいります。
 次に、大阪・関西万博についてです。
 4月の開幕以降、会場内の静けさの森において県の石である「ヒスイ」を常設展示しているほか、今月10日から13日には、県内の市町村や企業と連携して、「食と暮らしの未来」をテーマとした催事に出展し、県内企業が開発した新潟発の「未来の食」などをPRしてまいりました。
 また、来月には伝統工芸品や、デジタル技術を活用した錦鯉や花火の展示を行うほか、各種メディアやアンテナショップを活用したプロモーションや関連イベント等により、県内各地の多様な魅力を広く発信し、本県の認知度を高めてまいります。
 こうした取組に加え、万博の発信力を活用し、展示に関連する海外向けの高付加価値旅行商品の販売などを行うことで、県全体への実誘客を図り、交流人口の拡大につなげてまいります。
 次に、「にいがた棚田みらい元年」についてです。
 県では、今年度を「にいがた棚田みらい元年」と位置づけ、棚田の魅力発信と、交流人口の拡大を目指す取組を開始しました。
 先月11日には、この幕開けとして「プレリュードイベント」を開催しました。当日は100人を超える参加者があり、棚田の魅力などについて、ディスカッションを行うなど、棚田地域の振興に向けた機運醸成の機会となりました。
 今後、多様な主体が参画する「にいがた棚田フォーラム」において、県内外の先進的な取組等の調査・研究活動を通じて、本県の棚田地域に適した取組の検討を進めていくこととしています。
 県といたしましては、棚田が持つポテンシャルを活かした、棚田地域の振興や交流人口の拡大に向けた様々な施策を検討し、取組を展開してまいります。

 第六点目は、交通ネットワークの整備についてです。
 今年8月で被災から3年を迎える米坂線については、3月に開催された復旧検討会議において、4つの復旧パターンのうち、第三セクター鉄道及びバス転換における想定の収支差額がJR東日本から示されました。今後、地域において、どのような復旧方法が望ましいのか議論が進められるよう、現在、4つのパターンについて、コスト低減の可能性や利便性の向上策を含め、沿線自治体や交通事業者等の意見も聞きながら、JR東日本とともに検討を深めているところです。
 併せて、鉄道として復旧する場合、現行制度では、復旧費や、事業構造の変更に伴う維持費に対する国の支援が十分ではないため、その財政支援の充実について、これまで全国知事会等を通じて働きかけを行ってきたところであり、先月、県としても国に対して改めて要望を行ったところです。
 県といたしましては、できるだけ早く復旧への道筋が得られるよう、山形県とも連携しながら協議を着実に進めてまいります。
 次に、地域の移動手段の確保についてです。
 人口減少や運転手不足等を背景に、路線バスの廃止・減便が進む中、ライドシェアやデマンド交通など、限られた交通資源を最大限活用する取組の重要性が高まってきております。
 こうした地域の実情に応じた多様な移動手段を将来にわたって安定的に維持・確保できるよう、先月、増加する地方負担に対する継続的な財政支援や運輸事業者の人材確保のための支援の充実等について、国に対して要望を行ったところです。
 県といたしましては、持続可能な公共交通の確保に向けて、引き続き、市町村等の関係者と連携して取り組んでまいります。

 第七点目は、付加価値の高い持続可能な農林水産業の実現についてです。
 儲かる農業の実現に向け取り組んできた園芸につきましては、着実に成果が出てきておりますが、もう一段のさらなる生産拡大を目指し、4月に新たな「新潟県園芸振興基本戦略」を策定いたしました。
 担い手への急速な農地集積による労働力不足や、多様化する消費動向への対応など新たな課題に対応するため、基本戦略では、園芸販売額1億円を超える経営体数を倍増させることを新たな目標として掲げ、産地の構造改革や担い手の確保を進め、本県園芸を牽引する魅力ある産地を創出してまいります。
 また、長期的には人口減少・少子高齢化等による国内需要の縮小や消費の減少が見込まれており、県産農林水産物の海外需要を積極的に獲得することにより、本県農林漁業者の所得向上を図っていく必要があります。
 このため、県では「新潟県産農林水産物輸出拡大実行プラン」における目標額を、これまでの50億円から100億円に倍増し、県産農林水産物の海外販路開拓を強化することとしました。
 本プランに基づき、現地での商談会の開催や流通事業者等との連携による輸出ルートの構築、ストーリー性や食文化等を合わせた情報の発信による産地「新潟」のブランド構築など、引き続き輸出拡大を積極的に推進することで、本県農林水産業の成長産業化につなげてまいります。
 次に、昨年から続く米の価格高騰等への対応についてです。
 主食用米の価格高騰が続く中、生産現場では、令和7年産の主食用米の生産意欲が高まっております。一方、県内食品事業者等から求められている加工用米や輸出用米、酒造好適米など、原料や海外等に供される米の需要にもしっかり応えていくことが重要です。
 このため、米の需給安定化に向け、備蓄米の適正運用も含めた米の円滑な流通に支障が生じない環境の整備や生産者・消費者それぞれにとって納得のいく価格水準が形成される環境の整備に加え、非主食用米等の生産にインセンティブが働く仕組みの構築について、先般、小泉農林水産大臣に対して要望したところです。
 県といたしましては、3月に改定した新潟米基本戦略に基づき、引き続き需要に応じた米づくりを推進し、主食用と非主食用を合わせた新潟米全体での需要拡大と所得の最大化を進めてまいります。

 第八点目は、教育についてです。
 県教育委員会では、3月に、高校教育の中長期的なビジョンである「県立高校の将来構想」を策定し、公表いたしました。
 本構想の趣旨は、少子化の進行に伴って生徒数が減少する中にあっても、高校の再編整備を推進しながら、教育の質の維持・向上を図ることにあります。
 今後は、将来構想の具体化に向け、農業・工業・商業など、複数の専門学科を有する「産業高校」の設置や、「遠隔教育配信センター」を中心とした遠隔教育の推進など、生徒・保護者から選ばれる、魅力ある学校づくりを着実に進めてまいります。

 第九点目は、北朝鮮による拉致問題についてです。
 曽我ひとみさんら5人の帰国から22年が経過しましたが、拉致被害者やそのご家族の高齢化が進む中、いまだ具体的な進展は見られず、もはや一刻の猶予も許されません。
 石破総理大臣は、5月の国民大集会で、拉致問題は国家主権の侵害であると強調し、何としても突破口を開くべく、北朝鮮に対し、様々なルートでの働きかけを一層強め、正面から向き合うとの強い意欲を示されています。
 県としましても国に対し、米国をはじめ国際社会と緊密に連携し、全力で外交交渉に取り組んでいただき、特定失踪者を含む全ての拉致被害者の一日も早い帰国に結びつけるよう改めてお願いしたところです。
 今後も引き続き、国に働きかけていくとともに、政府の取組を後押しするため、3月に制定された「新潟県拉致問題等の啓発の推進に関する条例」の趣旨も踏まえ、市町村長の会や教育機関等と連携しながら、若年層を含め幅広い世代への啓発を一層推進し、拉致問題の早期解決に向けた気運の醸成を図ってまいります。

 最後に、行財政運営についてです。
 県庁がより質の高い県民サービスを提供するとともに、働く場として選ばれるためには、職員が心身ともに健康で働きがいを持ち、能力を十分に発揮できる職場づくりを進めることが重要です。
 そのため、昨年 10 月に「健康県庁宣言」を行うとともに、3月に「健康経営優良法人」の認定を取得いたしました。
 今後も、健康立県の実現を目指す新潟県庁として、全庁をあげた健康づくり運動を展開するなど、率先して健康経営の取組を進め、職員のパフォーマンスの向上や組織の活性化、人材の定着及び採用力の向上といった課題への対応につなげるとともに、ひいては、県内企業への取組の波及や、県民の健康づくりにも資するよう努めてまいります。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第90号議案は、一般会計補正予算案でありまして、総額8億8,918万円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、国の予備費に対応し、エネルギー価格・物価高騰の影響を受けている生活者及び事業者等に対する支援に必要な経費等を計上したところです。
 その結果、補正後の予算規模は、1兆2,655億2,851万1千円となります。

 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第91号議案は、電気事業会計補正予算案でありまして、4月に発生した高田発電所水圧管路破断事故に係る応急対応に要する経費について計上するものです。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第94号議案は、高校生等臨時支援制度による高等学校授業料の不徴収に係る収入要件の撤廃に対応するため、第95号議案は、各市町村の民生委員・児童委員の定数を変更するため、第97号議案は、警察署の統合に伴い、警察署の名称等を変更するため、それぞれ、条例の所要の改正を行うものです。
 次に、第100号から第102号までの各議案は、契約の締結について、お諮りするものです。

 次に、第103号議案及び第104号議案は、緊急を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
 すなわち、第103号議案、第104号議案はそれぞれ、令和6年度一般会計補正予算、令和6年度災害救助事業特別会計補正予算であり、歳入予算及び歳出予算ともに最終見込額または確定額を計上したものであります。
 第105号議案及び第106号議案は、損害賠償額の決定について、第107号議案は、福島原子力発電所事故に伴う東京電力への損害賠償請求に関し、東京電力と和解することについて、お諮りするものです。

 以上、主な議案の概要につきまして、ご説明申し上げましたが、何とぞ慎重にご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。


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