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令和5年6月定例会(陳情第6号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0592021 更新日:2023年7月3日更新

第6号 令和5年6月21日受理  厚生環境委員会 付託

県内各地域での医療的ケア児等のレスパイト受け入れ先の確保に関する陳情

陳情者  医療的ケア児等家族会 Kokuaにいがた 代表 小島千夏

(要旨)2021年9月医療的ケア児支援法が施行され、新潟県では長岡療育園に医療的ケア児支援センターが設置された。今後、支援センターを中心に各地域での医療的ケア児への支援が広がることを大変期待している。
 医療的ケア児と一緒に暮らしている家族にとって、日々子どものケアにかかる時間や労力は大変大きいものであり、時に家族だけでは賄いきれない負担が増すことがある。新潟県内でも医療的ケア児への支援の動きが始まっている地域もあるが、県内各地域に点在している当事者にとって、自分たちの住んでいる地域の身近な場所での支援体制を早急に整えてほしいというのが切実な願いである。
 新潟県内の医療的ケア児が利用できる預かりの場所は大変不足している。乳幼児の受け入れ先はほとんどなく、学童期の放課後等デイサービスの施設数も地域によって偏りがあり、医療的ケアがあることで学校からの移動支援が利用できない、利用自体を断られるなどの問題がある。またショートステイや日中一時支援を利用する際には、自宅から遠く離れた受け入れ件数の少ない施設に数か月前から予約をしなければ子どもを預けられない現状がある。
 Kokuaで実施した当事者へのアンケート調査によると、利用希望があるが利用できないサービスとして、回答者22人中、日中一時支援6人・短期入所(ショートステイ)8人・放課後等デイサービス9人・医療施設でのレスパイト6人という結果であった。医療的ケア児の家族にとって、子どものケアから離れ、一時的な休息、きょうだい児の学校行事への参加など、自分や他の家族のために使う時間が必要である。また、保育園や学校以外での預かり先がなければ、保護者が希望通りの就労ができないなど家族の生活自体に大きな影響がある。
 ついては、貴議会において、どこの地域に暮らしていても、医療的ケア児とその家族が孤立せずに当たり前の社会生活が送れるよう、県内の各地域に医療的ケアのある子どもの居場所となるレスパイトの受け入れ先を確保して頂くよう、次の事項に配慮されたい。
1 医療的ケア児をはじめとするNICU退院後の乳幼児に、レスパイトが可能な施設が増えることを希望する。かかりつけ病院でのレスパイト入院又は各市町村での子どもの預かり支援ができる体制を整えること。
2 各地域(各市町村または保健所管轄12か所など)の中核病院、小児科病棟のある病院などでの医療的ケア児のショートステイ、日中一時支援を受け入れること。既存の医療機関で受け入れてもらう際には、現場のスタッフが医療的ケアについて相談できるような支援体制を作ること(例えば、子どもの普段の様子を知っている、かかりつけ病院の看護師、訪問看護師、学校看護師などから助言をもらえるように連携していただくなど)。
3 医療的ケア児が遊びや学びなどの活動をしながら、子どもらしい時間が過ごせるショートステイ、日中一時支援などの新たな施設(東京都世田谷区のもみじの家のような施設)を新潟県内の重点支援地域(例えば、上中下越の各地域など)に作ること。
4 医療的ケア児が利用できる放課後等デイサービス、又はそれに代わる施設を県内各地域に設置すること。看護師の送迎時の同乗、又は喀痰吸引等研修(特定の者対象)・第3号研修を受けた職員の同乗などにより医療的ケア児が移動支援を利用できるよう体制を整えること。
5 上記1~4の内容は、当事者アンケートに基づき県内で課題解決が早急に必要な内容である。これは、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の重要課題の解決に向け明記されている、「特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制整備」や「医療的ケアを担う看護師の配置」にあたる。子どもと家族の困難やニーズに耳を傾けていただき、新潟県が主体的に施策を実施いただくことで、就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制の整備が実現することを期待する。

※ 医療的ケア児等とは、日常生活に介助が必要な子ども、医療的ケアや医療的なサポートが必要な子どものこととする。本文中では、医療的ケア児と称する。


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