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令和5年6月定例会(提案理由)
令和5年6月定例会提出議案知事説明要旨
議案についての知事の説明を掲載しています。
6月27日 知事説明要旨
令和5年6月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
はじめに、エネルギー価格、物価高騰対策についてです。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられ、社会経済活動の正常化が進みつつありますが、本県経済は、原材料やエネルギー価格等の上昇による影響などから、持ち直しの動きに足踏みがみられている状況にあると認識しております。
民間調査機関によれば、令和4年度における県内企業の倒産件数は、新型コロナウイルス感染症の長期化などにより3年ぶりに増加に転じ、厳しさが増しております。また、中小企業を含め8割以上の企業で賃上げの動きが見込まれるものの、原材料やエネルギー価格の高騰によるコスト増の価格転嫁は一定程度にとどまっており、賃上げの原資となる収益の確保が引き続き課題となっているものと認識しております。
こうした状況を踏まえ、県といたしましては、国の予備費により配分された臨時交付金等を活用し、これまで行ってきたLPガスを利用する事業者に対する支援を拡充するとともに、新たに、LPガスを利用する一般家庭等に対して、負担を軽減するための支援を行ってまいります。
また、国による電気・都市ガス価格の激変緩和措置で対象とされていない特別高圧電力を利用する事業者に対して、新たに、県として負担軽減のための支援を行ってまいります。
医療や福祉の分野においても、光熱費等の高騰により大きな影響を受けている医療機関や社会福祉施設を対象として、安全な医療や福祉サービスの提供に必要な経費を支援するとともに、省エネルギー設備の導入支援を拡充してまいります。
あわせて、農林水産業の分野においても、施設園芸農家や畜産農家、漁業者等が国のセーフティネットへ加入する際に必要な費用の一部助成や、省エネ機械・設備の導入支援を行い、燃料や飼料等の価格高騰の影響を受ける農林漁業者の経営の維持を図るとともに、農業水利施設の施設管理者に対しても、省エネ化に向けた取組への支援を行ってまいります。
また、燃料油価格の高騰等により特に大きな影響を受けている地域公共交通事業者に対しては、公共交通のDX・GX推進の取組を支援し、経営の効率化や安全・安心な運行の確保を図ってまいります。
航空需要の本格回復を見据え、エネルギー価格等の影響を受けている新潟空港の機能維持に向けた支援を行うとともに、国際線の定期便再開や新規就航に向け、新潟空港の地上業務体制確保に向けた取組を緊急的に支援してまいります。
加えて、原油・原材料価格の高騰等により影響を受けている私立の幼稚園や中学・高等学校、専修学校に対して、省エネルギー設備の導入を促進し、ランニングコストの低減を図ることで安定的な経営を支援してまいります。
続いて、本県の主要課題について、順次ご説明いたします。
第一点目は、本県の中長期的な成長・発展に向けた取組についてです。
まず、少子化対策についてでありますが、
令和4年の人口動態における本県の合計特殊出生率は、概数で1.27と過去最少となるなど、現在の少子化は危機的な状況にあり、まさに喫緊の課題として対策を一層強化・推進していく必要があると認識しております。
国においては、次元の異なる少子化対策の実現に向け、こども家庭庁を新たに設け、「若い世代の所得を増やす」「社会全体の構造・意識を変える」「全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する」ことを基本理念として、児童手当の拡充や幼児教育の質・量の向上などの具体策について検討がなされているところです。
県といたしましては、「妊娠・出産から子育てまでの節目における経済的負担の軽減」「結婚を希望する方への支援」「子どもを生み育てやすい環境の整備」を三つの柱として、結婚から妊娠・出産・子育てまでの切れ目のない支援を更に強化・推進し、子育てに優しい社会の実現を目指してまいります。
そのため、今年度新たに福祉保健部子ども家庭課に「子ども政策室」を設置し、推進体制を強化したところです。
経済的負担の軽減につきましては、本県独自の取組である「新潟県子育て等応援基金」により、金融機関と連携し、出生時に「定期預金」をお渡しすることにより、子どもの育ちの節目節目における経済的負担の軽減につながる支援を実施したいと考えており、必要な補正予算案を本定例会にお諮りしているところです。
加えて、結婚に伴う新生活において必要な経費に対する経済的支援や子ども政策を推進するための条例制定の検討など、各種施策を通じて少子化対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
必要な財源の確保等につきましても、先般、国に対して、地方の創意工夫ある支援を後押しするための自由度の高い財政支援の創設などについて要望を行ったところであり、子ども政策の更なる推進に向け、引き続き、国と地方が一丸となり、子ども子育て施策の一層の充実・強化に努めてまいります。
次に、脱炭素社会への転換についてです。
本県は、パイプラインや石油・ガス田等のエネルギー関連施設が集積しており、日本海側における脱炭素燃料の供給拠点として高いポテンシャルを有していることから、今後の脱炭素燃料への転換促進と新産業創出などに向け、3月に「新潟カーボンニュートラル拠点開発・基盤整備戦略」をとりまとめました。
県内では、民間事業者において、水素やアンモニアの供給拠点の開発など複数のプロジェクトの検討が進んでおり、県としても、こうした取組を後押しするため、先般、国に対し支援を要請したところです。
また、洋上風力発電の導入については、現在、国において、村上市及び胎内市沖における事業者を公募しているところですが、4月に、洋上風力発電設備の設置等の拠点として新潟港が基地港湾に指定されました。
今後、国による港湾施設の整備が始まり、新潟港を拠点として、洋上風力発電の導入が促進されることを期待しております。
引き続きエネルギー部門の脱炭素化を促進し、脱炭素社会の実現に向け取り組んでまいります。
次に、雪国型ZEHの導入支援についてです。
戸建て住宅の割合が高く、多雪寒冷な気候のため暖房由来のCO2排出量が高い本県において、住宅のゼロエネルギー化の取組を進めるため、「新潟県版雪国型ZEH」の普及促進に取り組むこととしており、今月から、その導入費用の補助を開始したところです。
加えて、この取組を住宅供給サイドから広く普及させるため、工務店に対して、講習会の開催など技術的な支援を行うほか、広報活動への支援を新たに実施してまいります。また、金融機関における雪国型ZEHへの金利優遇の動きや、市町村においても県制度への上乗せ補助の動きも出てきております。
本県の家庭部門における脱炭素化に向け、市町村や事業者等と一層連携しながら、雪国型ZEHの普及を推進してまいります。
次に、デジタル改革の実行についてです。
デジタル改革の実現には、最新のテクノロジーに関する知見を有する民間企業と連携した取組を進めることが必要です。
このため、地方創生に資するスタートアップの育成や、地域産業のDX推進、これらを支えるデジタル人材の育成に力を入れているアマゾンウェブサービスジャパンと、都道府県としては初めての包括連携協定を締結いたしました。
協定に基づき、今年度追加選定予定のJ-Startup NIIGATAをはじめとするスタートアップの事業拡大支援や、県内のイノベーション施設、教育機関等によるデジタル人材の育成などでの連携を強化し、県全体のデジタル化の促進や、地域経済の活性化につなげてまいります。
第二点目は、県民の安全・安心の確保についてです。
まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、
5月8日に新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同等の5類感染症に位置付けられてから、2か月近くが経過しました。
定点医療機関からの報告では、直近1週間で大きな感染拡大は見られず、病床使用率も10%程度と、医療への大きな負担とはなっておりません。
また、5類への位置付けの変更に伴い、医療機関間による入院調整への移行に加え、自宅や宿泊施設での療養支援や検査費用の全額公費負担など様々な公的支援が終了したことから、こうした変更点について、ホームページや各種メディアを活用し積極的に県民周知を行うとともに、医療機関や市町村、高齢者施設などへの説明会を繰り返し開催するなど、丁寧な説明に努めてまいりました。
この間、大きな混乱もなく移行することができたことについて、改めて、県民の皆様をはじめ、医療機関や関係機関の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。
県といたしましては、引き続き、感染状況や医療の負荷等のモニタリングを行い、必要な情報を適切に県民の皆様にお伝えしていくとともに、全ての医療機関において新型コロナウイルス感染症患者に対応できるよう支援するなど、適切な医療提供体制の構築に努めてまいります。
次に、原子力防災対策の推進についてです。
原子力防災訓練については、今年度も様々な想定により訓練を実施したいと思います。秋には住民が参加する総合訓練を昨年より規模を拡大して実施する予定であり、原子力災害時における対応力の更なる向上を図ってまいります。
福島原発事故に関する3つの検証については、3月24日に健康・生活委員会健康分科会の「福島第一原子力発電所事故による健康への影響に関する検証」の報告書が県に提出され、3つの検証委員会における検証が終了しました。
この3つの検証のとりまとめについては、県で行うこととし、現在、作業を進めているところです。福島原発事故に関する3つの検証の結果は重要な議論の材料として、柏崎刈羽原発に関する議論を行ってまいります。
柏崎刈羽原発について、東京電力は、先般、社員が6号機に関する内部文書を無断で持ち出し、紛失した事案や物品持込のために必要な書類を改ざんしていた事案などを公表しました。こうした事案を踏まえると、東京電力に安全文化の風土が、本当に根付いているのか懸念が生じます。
これまでも申し上げているとおり、原子力規制庁は、現在行っている追加検査の中で、東京電力が自律的な改善が見込めるような事業者かどうか見極めていくこととしております。
追加検査については、先月、原子力規制委員会が継続することを決めましたが、引き続き、厳格に対応していただきたいと思います。
次に、地域医療の確保についてです。
持続的な医療提供を支えるためには、その基盤となる医療人材の確保が不可欠です。
このため、養成段階からの医師確保に向け、定着率が高い医学部地域枠の新設・拡大を行い、令和5年度は前年度より17名増となる10大学70名としたところです。
また、臨床研修医の確保に向けて、臨床研修病院における魅力向上の取組をはじめ、県独自の研修コースや市町村と連携した海外留学支援、県外の人気病院と連携した研修プログラムの拡大などに取り組んだ結果、令和5年度の臨床研修医数は、過去最高の147名となり、これまで最多の平成30年度を20名上回るとともに、県内のすべての臨床研修病院で研修医を確保することができました。
引き続き、医師不足解消に向けて、更なる医師確保に全力で取り組んでまいります。
地域医療構想の推進については、各地域でグランドデザインに基づいた医療再編の取組を進めているところです。
県央地域においては、来年3月の県央基幹病院の開院に向け、施設の建設が順調に進むとともに、医療機器の整備や、必要な医師、看護師等の確保・育成、救急受入の段階的拡充などが着実に進んでおります。
あわせて、再編により地域密着型病院となる県立加茂病院及び吉田病院について、それぞれの指定管理者が進める円滑な移行に向けた準備や人材確保等の取組を支援するとともに、地域医療連携推進法人制度なども活用して圏域内の医療機関の連携を強化することとしております。
新潟地域においては、先般、県医師会の主導により、新たな救急拠点病院の整備・運営主体が選定されたところであり、医療再編による救急医療体制の再構築に向け、今後、地域の調整会議において周辺病院との連携等の議論を進めてまいります。
また、病院の機能低下や医療人材不足が深刻化している上越地域においては、先日開催した地域の調整会議で、医療再編による新潟労災病院の早期の集約・統合の検討と、中核的な病院の機能強化を柱に据えた抜本的な医療再編の検討を同時並行で進めていくこととされたところです。
引き続き、将来にわたり持続可能で質の高い医療を提供できる体制の構築に向け、スピード感をもって各地域の取組を進めてまいります。
第三点目は、交通ネットワークについてです。
小木直江津航路においては、「あかね」以来約3年ぶりとなるカーフェリー「こがね丸」が4月29日に就航いたしました。北陸新幹線の敦賀延伸や「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録も見据え、佐渡市・上越市などとも連携して人流・物流の活性化に向けた取組を一層進めてまいります。
今年3月、航空運送事業が許可された地域航空会社トキエアについては、6月末に就航を予定していた「新潟-丘珠線」が路線訓練等の習熟に時間を要することから、8月10日に就航予定日を延期すると聞いております。
就航の延期は残念でありますが、トキエアには、安全運航に万全を期すことを最優先に、訓練・実証運航等の準備を着実に進めていただきたいと考えており、引き続き、官民一体となった認知度向上や、利用促進に取り組んでまいります。
また、昨年8月3日からの大雨により被災した、JR米坂線については、線路への土砂流入や橋梁の崩落などの被害により8月4日から全線が運休となり、現在でも県内区間では運休が続いております。
地域の皆様の貴重な移動手段であるとともに、広域鉄道ネットワークとして重要な役割を担っていることから、まずはJR東日本による早期復旧を、山形県等と連携しながら働きかけてまいります。
第四点目は、多様な地域資源を活かした交流人口の拡大についてです。
まず、G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議についてでありますが、
去る5月11日から13日にかけて、G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議が朱鷺メッセを会場に開催され、各国の財務大臣や中央銀行総裁等を含む約400名が参加しました。
対岸諸国との交流の拠点となった歴史・文化を持つこの新潟で、世界経済が直面する課題について議論が行われ、その成果が共同声明という形で発信されたことは、誠に意義深く喜ばしいものと考えております。
また、歓迎レセプションや展示ブースでの展示、オプショナルツアーなどを通じ、食や文化、産業など本県の魅力の一端を感じていただけたものと考えております。
今回の会合の成功により、国際会議開催の実績をまた一つ積み重ねることができたことから、この経験もアピールしながら、今後のハイレベル国際コンベンション等の誘致にもつなげてまいりたいと考えております。
次に、新潟空港の利活用についてです。
令和4年度の利用者数は、行動制限の緩和等により前年度の約2.1倍の81万1千人と大幅に増加いたしましたが、国際線の回復が遅れていることもあり、未だ感染症流行前の水準に達していない状況です。
一方、1月の台北線定期便就航に加え、5月にはベトナム線のチャーター便が運航するなど明るい兆しも見えており、利用者数の更なる増加に向けて、航空会社と連携の上、利用促進に取り組んでまいります。
また、観光動向について、直近の県内延べ宿泊者数は、これまで控えられてきた旅行や帰省などの人の動きが活発化し、概ね感染症拡大前の水準に回復しているところです。
インバウンドについては、昨年10月の訪日旅行解禁以降、東京をはじめとする大都市に集中しており、本県は7割程度の回復となっております。
このため、旺盛な訪日旅行需要を本県に取り込み、早期回復と拡大に向けて、先月から「新潟インバウンド割キャンペーン」を開始したところであり、さらに海外での現地プロモーション活動なども積極的に展開してまいります。
次に、「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録の取組についてです。
先月、中央日本4県で「黄金」をキーワードに地域の観光誘客を一体的に促進する「黄金KAIDO」プロジェクトを開始いたしました。佐渡と静岡県土肥(とい)にある徳川直轄の金山を結び、ルート上の長野県、山梨県にも金山などの豊富な観光資源があることから、ストーリー性のある広域周遊ルートとして認知度を高め、関係者と連携しながら交流人口の拡大に取り組んでまいります。
また、「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録実現に向けて、今後行われる予定のイコモスの現地調査に万全を期すなど、国、佐渡市と緊密に連携しながら、引き続き全力で取り組んでまいります。
第五点目は、持続可能な農林水産業の実現についてです。
世界的な食料需要の増加や国際情勢の不安定化等により、穀物や食料品等の価格が高騰している中、食料安全保障の観点から、国内生産の拡大が一層重要になってくるものと認識しております。
このため、輸入に依存している麦・大豆や非主食用米への作付転換と定着を図るなど、水田所得の最大化に向けた取組を推進してまいります。
あわせて、国産穀物が積極的に選択される環境をつくることも重要なことから、先般、国に対し、国民の国産穀物の消費に関する意識啓発や、食品製造事業者における米粉の活用促進など、抜本的かつ効果的な対策を講じるよう、要望してきたところです。
また、園芸の振興につきましては、産地の課題を踏まえ、園芸を柱とした経営体の育成や、生産の団地化等による生産性の高い基盤づくり、実需者との連携強化による安定した販売先の確保など、県内外の先進事例を横展開し、さらなる園芸生産の導入・拡大に向けた取組を進めてまいります。
本年3月、県産農林水産物の付加価値を高める牽引役として、「越後姫」や「ル レクチエ」など8品目を県推進ブランド品目として選定いたしました。
先般、生産団体や観光業界など、幅広い分野の有識者の方々で構成する「新潟県農林水産物ブランド化推進全体会議」を開催し、ブランド力の向上に向けた効果的な取組についてご意見をいただいたところであり、今後、関係者と連携しながら、品目ごとの特長をとらえたプロモーションを積極的に展開してまいります。
次に、ほ場整備の推進についてです。
我が国では、農業者の高齢化や減少が進行し、今後20年後には、担い手となる農業者が大幅に減少することが見込まれています。
こうした中、本県では、主に農業を仕事とする基幹的農業従事者のうち70歳以上の割合が6割を超えるなど、全国と比べても高齢化が更に進んでいる状況です。
加えて本県では、いまだに多くの農地が未整備の状態であり、そうした農地は、受け手がいないことから耕作放棄され、このままでは地域が疲弊していくおそれがあります。
耕作放棄地の発生を抑制していくためには、担い手への農地の集積・集約や、効率的な営農の展開、多様な農作物の生産を可能とする、ほ場整備をより一層推進していく必要があると考えております。
このため、先日、予算の重点化等を国に対して要望してきたところであり、県といたしましてもほ場整備事業の加速化をさらに図ってまいりたいと考えております。
第六点目は、北朝鮮による拉致問題についてです。
曽我ひとみさんら5名の帰国から20年が経過しましたが、いまだ具体的な進展は見られません。
5月に開催された国民大集会において岸田総理大臣は、「拉致問題は時間的制約のある人権問題」とし、新たに「日朝首脳会談に向け総理直轄のハイレベルで協議していく」との意欲を表明されました。拉致被害者やそのご家族の高齢化が進む中、政府には、全ての拉致被害者の帰国に向け、全力で外交交渉に臨んでいただきたいと考えております。
県としても、国に対し拉致問題の早期解決を訴えるとともに、県民に拉致問題への関心を持ち続けてもらい、一層の世論喚起を進めていくために、政府の外交交渉の状況等の情報提供を改めて強くお願いしたところです。
今後も引き続き、政府の取組を後押しするため、国へ働きかけを行うとともに、市町村長の会等と連携し、県民集会、県内各地でのパネル展や若年層向けのセミナーなど、幅広い世代に向けた様々な啓発活動に取り組んでまいります。
最後に、行財政改革についてです。
県ではこれまで、県民・議会の皆様のご協力の下、あらゆる分野で歳出歳入改革に取り組んでまいりました。
県議会の皆様からは、議員報酬等の臨時削減を今年度末まで延長し、改革にご協力をいただいているところであり、改めて御礼を申し上げます。
これまでの取組により、令和5年度当初予算までに、令和元年度当初予算と比べ234億円の収支改善が図られたところであり、行動計画で目標とした、最低限の目標である大規模災害に備えるための財源対策的基金230億円を確保するとともに、更なる目標とした令和5年度当初予算での収支均衡も達成したところです。
先般開催した行財政改革有識者会議においても、委員からこれまでの県の取組を評価する旨のご意見をいただいたところであり、着実に改革が進んだものと受け止めております。
しかし、今後、令和13年度の公債費の実負担のピークに着実に対応していく必要があることに加え、今後の経済状況や国の地方財政対策の動向などによっては収支の大きな変動も想定されることから、行動計画が終了する令和6年度以降も、引き続き堅実に収支を見通しながら、持続可能な財政運営の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
第86号議案は、一般会計補正予算案でありまして、総額80億7,678万7千円の増額補正についてお諮りいたしました。
今回の補正は、先ほども申し上げたとおり、本県独自の少子化対策として、金融機関と連携し、子育ての節目節目の負担軽減につながる支援を行うとともに、エネルギー価格、物価高騰等の影響を受けている生活者及び事業者に対する支援に必要な経費等を計上したところです。
その結果、補正後の予算規模は、1兆3,509億6,999万7千円となります。
次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
第87号議案は、マイナンバー独自利用事務として、外国人に対する被保護者健康管理支援事業の実施に関する事務及び定期預金等による子育て応援事業の実施に関する事務を追加するため、
第88号議案は、要人警護の危険性、困難性が高まっていること等に伴い、身辺警護等業務手当の支給額を引き上げるとともに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴い、防疫等作業手当の特例について見直しを行うため、
第91号議案は、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第26条の地方公共団体等を定める省令の改正に伴い、設備取得の適用期限を延長するため、
それぞれ、条例の所要の改正を行うものです。
次に、第93号議案は、財産の処分について、
第94号から第96号までの各議案は、契約の締結について、お諮りするものです。
次に、第97号から第99号までの各議案は、緊急を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
すなわち、第97号議案、第98号議案はそれぞれ、令和4年度一般会計補正予算、令和4年度災害救助事業特別会計補正予算であり、歳入予算及び歳出予算ともに最終見込額又は確定額を計上したものであります。
また、第99号議案は令和5年度一般会計補正予算であり、国の予備費使用の決定を受けて、子育て世帯生活支援特別給付金の支給に必要な経費を計上したものであります。
最後に、第100号議案は、コロニーにいがた白岩の里に係る指定管理者の指定について、お諮りするものです。
以上、主な議案の概要につきまして、ご説明申し上げましたが、何とぞ慎重にご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
7月14日 知事説明要旨
ただいま上程されました第102号議案は、人事に関する案件でありまして、公安委員会委員の任命についてお諮りしたものであります。
よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。
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