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令和4年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0541121 更新日:2022年12月12日更新

 

令和4年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月6日 知事説明要旨

 令和4年12月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、県経済の状況と物価高騰についてです。
 本県経済は、緩やかに持ち直しているものの、エネルギー・原材料価格の高騰や急速な円安により、物価の上昇が続いており、企業活動や個人消費に及ぼす影響の長期化や深刻化が懸念されるなど、依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
 こうした状況を踏まえ、県といたしましては、県内中小企業等の資金繰りや設備投資に対する支援に加え、業界団体等が実施する波及効果の高いイベント等を後押しするほか、国が目指す「物価上昇を十分にカバーする継続的な賃上げ」の本県での実現に向け、県内経済団体に対し賃金の引上げへの理解と協力を要請しました。
 また、肥料価格が依然として高値で推移する中で、農業者に対してコストの上昇分への支援を行っているところです。
 加えて、リフト券等の割引販売を行う「にいがたスキーONI割キャンペーン」を先月下旬から開始したところであり、冬季観光の需要喚起を通じて、エネルギー価格高騰等の影響を受けているスキー場等を支援してまいります。
 国においても、先般、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」が閣議決定され、令和4年度第2次補正予算が成立したところであり、県といたしましてもこの経済対策の積極的な活用に向け早急に検討を進め、本県経済の好循環と持続的発展に取り組んでまいります。

 次に、新型コロナウイルス対策についてです。
 新規感染者数は、8月中旬をピークに減少傾向にありましたが、10月中旬以降、再び増加傾向に転じ、直近1週間では1万7千人を超えている状況です。さらに、今冬は新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行も懸念されており、本県においても、ピーク時には、合わせて1日当たり約1.4万人の患者が発生することも想定されております。
 このため、県としては、ワクチン接種の促進等の「県民への呼びかけ」、発熱患者の「相談・検査・受診体制の強化」、救急医療のひっ迫回避や入院治療が必要な患者に対応するための「治療・療養体制の強化」などの取組を進めているところです。
 また、国がオミクロン株に対応し、保健医療への負荷が高まった場合を想定した「レベル分類」を見直したことに伴い、本県においても専門家等の意見を踏まえ、感染状況や病床使用率のほか、発熱外来のひっ迫状況や救急搬送困難事案の発生状況なども十分に勘案した上で、各レベルにおける対策を実施した場合の影響も比較衡量し、総合的に判断していくこととするなどの見直しを行ったところです。
 この「レベル分類」で設定した各段階に応じ、今後の感染状況を注視しながら、感染防止対策を適時・適切に講じることにより、社会経済活動の維持・回復との両立を図ってまいります。

 次に、このたび発生しました鳥インフルエンザへの対応についてです。
 先月18日、阿賀町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。
 県では、直ちに新潟県鳥インフルエンザ対策本部を設置した上で、被害を最小限に食い止めるため、24時間体制の殺処分等を実施し、先般、全ての防疫措置を完了しました。
 加えて、養鶏場の緊急防除等の感染蔓延防止対策のほか、影響を受けた事業者に対して、相談窓口の設置や経営の維持・安定に向けた金融支援等の対策を講じたところです。
 なお、我が国では、これまで鶏肉や卵を食べることで鳥インフルエンザが人に感染した事例は報告されておりませんので、風評被害の防止や、鶏肉や卵に対する不安解消のため、県民の皆様に対して、引き続き的確な情報提供に努めてまいります。
 続いて、本県の主要課題について、順次ご説明いたします。
 第一点目は、災害復旧と防災・減災対策についてです。
 下越地方を中心とした記録的な大雨により発生した甚大な被害に対し、これまで市町村及び関係機関と緊密な連携を図りながら、総力を挙げて応急復旧工事等に取り組んでまいりました。
 今後、災害復旧事業等が本格化することから、村上地域振興局地域整備部に災害復旧課を置くなど現地の体制を強化し、一日も早い安全・安心の確保や日常生活の不安解消に向け取り組んでまいります。
 今回の災害では、河道掘削などに取り組んできた河川で氾濫がかなり抑えられたことから、事前防災・減災対策の重要性を改めて認識したところであり、先般、国に対して十分な規模での予算の確保とともに、地方負担の更なる軽減について要望してまいりました。
 引き続き、県民の命と暮らしを守るため、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。

 第二点目は、原子力防災対策の推進についてです。
 10月24日から11月8日にかけて、住民の皆様や市町村等関係機関も参加する総合訓練を実施したところです。
 今年度は、県の広域避難計画策定後としては初となる、住民による自家用車避難訓練や高速道路のサービスエリアにおいて住民参加によるスクリーニング検査の訓練などを実施しました。
 今後も訓練を繰り返し行うことにより、原子力災害発生時に備えた対応力のさらなる向上を図ることで、避難計画の実効性を高めてまいります。
 また、福島原発事故に関する3つの検証については、これまでに取りまとめられた個別の検証報告書を直接県民の皆様に分かりやすくご説明するため、先月県内4会場において説明会を実施したところです。
 残る「健康に及ぼす影響の検証」についても、引き続き、着実に進めてまいります。

 第三点目は、脱炭素社会への転換についてです。
 2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を達成するためには、脱炭素化の取組を加速させていく必要があります。
 県内中小事業者の再生可能エネルギー活用や省エネによる脱炭素化の取組を推進するため、商工団体や金融機関、電力事業者、市町村等とともに「新潟県事業者支援脱炭素推進プラットフォーム」を設立し、10月に第1回会議を開催したところです。経営資源が限られ、取組が進みにくい中小事業者に対し、脱炭素化の取組を支援してまいります。
 また、国の「脱炭素先行地域」に新たに、関川村が選定されたところです。豊かな自然資源を活用した災害に強い地域づくりと脱炭素化の同時実現を目指す計画であり、取組の着実な実施に向け、引き続き県として協力してまいります。
 さらに、先般本県初となる再エネ海域利用法に基づく促進区域として村上市及び胎内市沖が指定され、今後、国において事業者の公募・選定に係る手続きが進められることとなりました。
 洋上風力発電設備の設置に当たり、洋上風車部材の搬入・仮組立・積出しのための岸壁等の整備が必要なため、10月には新潟港を基地港湾として整備するよう国へ要望したところです。
 また、国産の天然ガスを用いてブルー水素・ブルーアンモニアの製造から利用までを一貫して行う国内初の実証試験が民間事業者により柏崎市で開始されるなど、県内各地で脱炭素社会の実現に向けた取組が進められております。
 引き続き、地域における産業やエネルギーの脱炭素化の取組を加速させるとともに、カーボンリサイクル技術の活用などによる新たな産業の創出と雇用の拡大を目指してまいります。

 第四点目は、医療提供体制の確保についてです。
 持続的な医療提供を支えるためには、その基盤となる医療人材の確保が不可欠です。このため、養成段階からの医師確保に向け県内外の大学と連携して、令和5年度医学部地域枠を今年度と比べ17名増加となる70名に拡大したところです。
 また、臨床研修医の確保に向け、臨床研修病院における魅力向上の取組をはじめ、県独自の研修コースや市町村と連携した海外留学支援、県外の人気病院と連携した研修プログラムの創設などの取組を行い、来年度の臨床研修医の内定者数は過去最高の130名となりました。
 引き続き、全国の医学生から選んでもらえるよう、本県の臨床研修の魅力を効果的に発信し、2次募集での臨床研修医の更なる確保を図るなど、医師確保に全力で取り組んでまいります。
 また、地域医療構想については、本県のグランドデザインの考え方に沿って、様々な機会を設けて議論を重ねており、各圏域における議論を更に深めていくため、地域包括ケアシステムを支える医療機関のあり方等を示すグランドデザインパート2の策定を進めているところです。
 今後、これらを踏まえた議論を本格化していく過程においては、市町村をはじめとする幅広い関係者に医療再編の必要性について十分理解していただき、一丸となって取組を進めていくことが重要と考えております。
 そのため、私自身が市町村長の皆様と直接意見交換できる機会を設けることとしており、本県における持続可能な地域医療体制の構築に向けて、県がリーダーシップを発揮し、より一層連携を深めながら取り組んでまいりたいと考えております。

 第五点目は、交通ネットワークの整備についてです。
 県内各地を結ぶ鉄道網は、県民生活を支えるとともに観光や産業を支える交通基盤として大きな役割を果たしておりますが、沿線人口の減少や長引く新型コロナウイルス感染症の影響の中で、持続的に鉄道網を維持するためには、地域住民や関係者などが一体となった取組が重要です。
 このため、先日、地域鉄道の活性化に向けた協議組織を立ち上げることとしたところであり、今後、沿線市町村や関係団体などとともに、利活用の方策などについて議論してまいりたいと考えております。
 また、先般、佐渡汽船が来春からの小木直江津航路へのカーフェリー導入を表明しました。これにより、大型バスや自家用車などを伴う観光誘客に期待しているところであり、佐渡汽船から求められている行政支援については、引き続き佐渡市、上越市と丁寧に協議を重ねてまいります。
 次に、トキエアについてでありますが、先月5日にトキエアの初号機が新潟空港に到着するとともに、9月定例会において議決いただきました県貸付予算の執行等により資金面の課題が改善され、先月30日にトキエアから東京航空局への航空運送事業許可の申請が行われ受理されたところです。
 今後も経営状況の把握に努めるなどコミュニケーションを図りながら、県としてできる限りの支援を行ってまいります。

 第六点目は、農業振興についてです。
 令和4年産米の作柄は「平年並み」と見込まれており、主力品種であるコシヒカリの1等級比率は79%と例年並みの品質、新之助は98%と高い品質を確保しております。
 一方、令和4年産の主食用米の作付面積は、平成16年の米政策改革以降で最小となり、民間在庫量は改善の兆しが見られるものの、未だに新型コロナウイルス感染症の影響で、需給は緩和状態にあります。非主食用米等への転換や食料安全保障の観点を踏まえ、麦や大豆など、輸入依存穀物の作付けの定着・拡大が必要であると考えております。
 本県においては、これまでも令和5年産における麦や大豆等の作付拡大に取り組んできたところですが、このたびの国の「総合経済対策」を踏まえ、取組の一層の拡大を検討してまいります。
 また、米の需要拡大の観点では、先月から、八代目市川新之助さん出演のテレビCMを中心とした「新之助」の新たなプロモーション活動を開始するなど、農業団体と連携しブランド力強化の取組を進めております。
 加えて、東京都との米粉消費拡大等に関する協定に基づき、都主催のイベントにおいて県産米粉等をPRしたほか、小池都知事から県内の米粉関連企業を視察していただき、今後の消費拡大に向けた足掛かりになったものと考えております。
 こうした取組を通じて、引き続き需要に応じた米づくりを推進するとともに、新潟米全体の需要拡大を図ってまいります。

 第七点目は、教育についてです。
 10月に公表された全国調査によると、県内の小中学校、高校及び特別支援学校における「いじめの認知件数」は、昨年度21,254件と前年度より約4,000件増加いたしました。
 部活動や学校活動の再開により、子ども同士の接触の機会が増加したことによる影響が考えられますが、積極的な認知に努める意識が教職員に定着した成果もあったものと受け止めております。
 また、県内の小中学校及び高校における「不登校児童生徒数」は、近年増加傾向にあり、昨年度も4,851人と前年度より約800人増加いたしました。
 その要因として、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活リズムの乱れ等も影響していると思われますが、その根底には学校教育に対する人々の意識の変化も含め、様々な社会的要因も考えられることから、改めて要因を分析した上で、効果的な対策を講じる必要があると考えております。
 今後も、教育委員会と連携し、いじめ防止対策や不登校対策をさらに進め、子どもが安心して過ごせる学校づくりに向けた取組を強化してまいります。

 第八点目は、交流人口の拡大についてです。
 10月から開始した「使っ得!にいがた旅割キャンペーン」については、県内宿泊等の予約が好調に推移し、多くの方々にご利用いただいているところです。1月以降の観光需要喚起策についても、今後の国の動向などを踏まえ、柔軟に対応してまいります。
 また、インバウンドについては、10月からの水際対策の更なる緩和を受け、現地旅行会社と連携した商品造成やPRの強化に取り組んでおり、今冬、県内スノーリゾートエリア等において、コロナ禍では見られなかった訪日外国人観光客が数多く見られることを期待しています。

 次に、「世界津波の日」2022高校生サミットin新潟の開催についてです。
 10月19日から二日間、朱鷺メッセにおいて「『世界津波の日』2022高校生サミット in 新潟」を開催しました。会場に集った国内の高校生や留学生と海外の高校生をオンラインでつなぎ、世界26か国251名の高校生が、防災・減災・復興に関して活発に議論し、最終日には「新潟フェニックス宣言」が採択されました。このサミットをきっかけに、今回参加した高校生が将来、各国の防災リーダーとして活躍するとともに、本県との交流の輪が一層拡大していくことを期待しています。

 また、先月6日には21か国の大使、公使をはじめとした外交団からご参加いただき、錦鯉発祥の地新潟で「世界錦鯉サミット」を開催することができました。
 ご参加いただいた各国の外交団の方々からは、サミットのほか、発祥の地である長岡、小千谷を巡り、錦鯉の魅力や歴史的背景を見て感じていただいたほか、同時開催のクールジャパンEXPO in NIIGATAにおいて、本県の食や文化、伝統工芸やサブカルチャーなどに触れていただくこともできました。
 併せて、来県された外交団の方々を対象に、世界文化遺産登録を目指す「佐渡島(さど)の金山」をPRするセミナーを開催し、文化遺産としての価値への理解を深めていただきました。
 今回の開催を契機として各国との関係性をさらに深めながら文化的、経済的な交流を推進してまいります。

 第九点目は、北朝鮮による拉致問題についてです。
 先月、「忘れるな拉致 県民集会」を新潟日報社、新潟市と共催で開催いたしました。5人の拉致被害者の方々が帰国されてから20年が経ち、いまだ具体的な進展は見られません。
 出席した内閣府副大臣には、県民が関心を持ち続けていくためにも、今政府でどういう動きをしているのか、少しでも情報提供いただきたいと強く訴えたところです。
 拉致問題を最重要課題としている政府には、全力で何らかの突破口を開いていただきたいと思います。県としましても、引き続き、国へ働きかけるとともに、世論の喚起に向け、市町村長の会や関係団体と協力し、若い世代を含め幅広い層に向けた啓発活動に取り組んでまいります。
 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第131号議案は、一般会計補正予算案でありまして、総額82億3,676万7千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、原油価格・物価高騰対策として、生活に窮する方々や事業者の支援のために必要な経費を計上したところです。
 加えて、8月の大雨災害への対応や新型コロナウイルス感染症対策に必要な経費等について、あわせて計上しております。
 その結果、補正後の予算規模は、1兆4,287億3,113万8千円となります。

 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第132号から第137号までの各議案は、企業会計に係る補正予算案でありまして、事業実施上必要とするものについて、それぞれ補正するものです。
 第138号議案は、今年度において新たに県が実施する耕地災害復旧事業に要する経費の一部を、地方財政法の規定により市町村に負担させることについて、お諮りするものです。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第139号議案は、県知事の権限に属する事務の一部を市町村に移譲するため、
 第144号議案は、新潟、長岡、上越の労働相談所を本庁内に集約することに伴い、地域振興局の所掌事務を整理するため、
 第146号議案は、公職選挙法の一部改正に伴い、選挙公報の掲載文について電子データによる提出を可能とするため、
 第147号議案は、収入証紙の廃止に伴い、新潟県収入証紙条例を廃止するため、
 それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものです。

 次に、第153号から第155号までの各議案は、財産の取得について、
 第156号から第159号までの各議案は、契約の締結及び変更について、
 第160号から第163号までの各議案は、損害賠償額の決定について、
 第164号議案は、当せん金付証票の発売について、
 第165号議案は、市の境界変更について、
 第166号から第169号までの各議案は、指定管理者の指定について、お諮りするものです。

 以上、主な議案の概要につきまして、ご説明申し上げましたが、何とぞ慎重にご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

12月12日 知事説明要旨​

 ただいま上程されました議案について、ご説明申し上げます。

 第171号議案は、令和4年度一般会計補正予算案でありまして、総額51億7,792万円の増額補正についてお諮りいたしました。

 このたびの補正予算は、国の「総合経済対策」に対応し、出産・子育ての支援に係る経費や、送迎バスの安全装置など子どもの安心・安全に係る経費等について計上するものです。

 この結果、補正後の予算規模は、
 1兆4,339億905万8千円となります。​

 何とぞ慎重にご審議のうえ、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

 


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