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平成28年9月定例会(第24号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004239 更新日:2019年1月17日更新

平成28年9月定例会で上程された発議案

指定生乳生産者団体制度改革に関する意見書

第24号発議案
 指定生乳生産者団体制度改革に関する意見書


上記議案を別紙のとおり提出します。

平成28年9月26日


提出者

皆川 雄二、小島 隆、青柳 正司
中村 康司、笠原 義宗、小林 一大
桜井 甚一、賛成者

提出者を除き議員全員

新潟県議会議長 早川 吉秀 様

指定生乳生産者団体制度改革に関する意見書

 本年3月末に開催された政府の規制改革会議ワーキングにおいては、国が生乳の集荷・販売を担う全国10団体を指定し、酪農家が販売を委託する指定団体制度が機能不全に陥っているとして、事実上、流通自由化すべきと提言されたところであるが、5月19日に取りまとめられた規制改革会議の「規制改革に関する第4次答申」では、今秋までに指定生乳生産者団体制度の抜本的改革について検討し、結論を得るべきとされたところである。答申には、生乳生産者の苦労が所得面で報われておらず、その要因として生産・流通構造の問題から所得還元につながっていないなどの認識が示され、現在の指定生乳生産者団体が有している諸機能を評価・検証し、当該制度の是非、現行の補給金の交付対象のあり方についても検討のうえ、結論を導出すべきとも明記されているところである。
 生乳は日持ちせず、すぐに冷蔵保存しないと腐敗するため、迅速な処理が必要で経費がかかることから、国は指定団体制度を制定しており、また、牛乳や乳製品の原料となる生乳価格の乳価は、加工用は飲用に比べ取引価格が低いため、チーズやバター、脱脂粉乳など乳製品向けの生乳を出荷した酪農家へ補給金を給付し、収入を安定させ、再生産ができるよう支援する制度である。指定団体は、低コストで生乳を集め個々の生産者では弱い乳業メーカーへの交渉力を高める役割を果たすとともに、飲用の需給状況に合わせて地域間調整を行い、乳製品向けへの配分量を決めており、指定団体が酪農家から一括して生乳を集荷し、販売委託を受けてメーカーとの価格交渉を担うことができるため、実態は指定団体経由の取引がほとんどを占めている状況にある。
 現行制度の廃止により販売先が自由に選択できるようになれば、飲用と加工用の需給バランスが崩れる可能性が指摘されるとともに、都市圏に近く飲用生乳の需要がある生産者と都市圏から遠く加工用に限られる生産者との間に収入の格差が生じるなど、価格競争力の弱い中小酪農家の経営が圧迫されることが懸念されている。制度に頼る生産者の多くは消費地から離れた零細経営体であり、特に本県や東北の酪農家は条件不利地域であることから、現行制度の廃止は酪農の廃業に直結する問題であり、大きな不安を抱いているところである。
 よって国会並びに政府におかれては、指定生乳生産者団体制度の検討に当たっては、酪農を取り巻く現状を見据え、生乳の安定的な乳価と効率的な輸送や販売へ大きく寄与している実態を理解したうえで、酪農家が安心して経営を行うことにより、安全で安心な牛乳や乳製品の安定的な供給が維持できることを第一義とした見直しを行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年9月26日

新潟県議会議長 早川 吉秀

衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
農林水産大臣 山本 有二 様
規制改革担当大臣 山本 幸三 様

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