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平成28年2月定例会(陳情第1号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004330 更新日:2019年1月17日更新

第1号 平成28年2月16日受理 産業経済委員会 付託

日本農業を崩壊させ、国民生活を破壊する「TPP承認」に反対する意見書提出に関する陳情

陳情者 新潟県平和運動センター 議長 齋藤悦男

(要旨)

 TPP参加12カ国は2016年2月4日協定書に署名し2年以内の協定発効を目指し、議会での承認や国内の法整備を急いでいる。
 日本政府は、3月上旬にもTPP承認案と農業の国内対策など関連法案を提出しようとしている。ただ、手続きに時間がかかる国もあることから発効は2018年4月以降になるとの見方が濃厚である。
 2015年10月5日の大筋合意後の政府・与党の対応は著しく迅速であり、あたかも協定の調印・批准・発効が既成事実であるかのような前提の下に矢継ぎ早に対策を打ち出している。すなわち、一方では当面のTPP対策と称して2015年度補正予算に、3,122億円を計上して(2016年1月20日成立)、農業者の間に渦巻く不安や怒りを「補助金」で鎮静化するとともに、他方では2016年秋を目途として、2016年1月18日には「農林水産業の成長戦略」を強化する本格的なTPP対策の検討に着手している。
 農林水産物関税に関するTPP協定の農林水産省の「定性的」総括的な評価では、(1)特段の影響は見込み難い(小豆など11品目)、(2)影響は限定的と見込まれる(にんじん・鶏肉など22品目)、(3)国家貿易などが維持されることから輸入増大は見込み難い(米・小麦・大麦・砂糖)、(4)当面、輸入の急増は見込み難いが、長期的には関税の引き下げの影響の懸念がある(牛肉・豚肉・乳製品)の4段階に区分され、重要5品目は(3)ないし(4)に含まれるものの、(4)の畜産物でやや大きな影響を受けるだけで、全体として国内生産への影響は小さいと結論付けた。
 検証に当たっては、(1)先ずは何ら対策を打たなかった場合の試算が提示され、(2)次に対策を講じた場合にどれだけの影響が緩和されるのかの試算を示すというまっとうな順序を踏まず、(3)いきなり対策を含めた影響の試算が提示されたことにある。つまり、(1)の影響の大きさを糊塗したいという政治的な思惑と、補正予算で「対策費」を積み上げることによって大筋合意に対する「怒り・不満・不安」を鎮めることを最優先する政治的意思が先行しているからである。
 検証から導かれる結論は、協定の発効を前提にする限り、農林水産省試算とは大きく異なって、カロリーベース・生産額ベースの両者で自給率低下は避けられないこととなる。
 結果として、日本農業は深刻な後退を招き、国民生活にも重大な影響を及ぼし、ひいては国家存立にも関わる許しがたい結末を招く「悪魔の協定」である。
 ついては、貴議会において、上記趣旨により、「TPP承認」に断固反対することを求める意見書を国に提出されたい。

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