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平成27年9月定例会(第41号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002575 更新日:2019年1月17日更新

平成27年9月定例会で上程された発議案

雇用の安定を求める意見書

第41号発議案

 雇用の安定を求める意見書

上記議案を別紙のとおり提出します。

平成27年10月16日


提出者

小島 晋、上杉 知之、大渕 健

賛成者

藤田 博史、佐藤 伸広、秋山 三枝子
高倉 栄、長部 登、小山 芳元
渋谷 明治、佐藤 浩雄、片野 猛
重川 隆広、池田 千賀子

新潟県議会議長 尾身 孝昭 様

雇用の安定を求める意見書

 働くことは生活の糧を得るだけでなく、生きがいであり、自己実現を図るための重要な手段である。また、働くことは国民の権利であり、雇用を安定させることは、国の重大な責務である。しかし、政府は「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指して労働法制を次々と改悪し、雇用を不安定化させようとしている。
 政府は今年の通常国会で、派遣労働者をはじめとする大勢の働く人たちの反対の声を無視して、昨年二度にわたって廃案になった労働者派遣法改正案を強引に成立させた。同法案は、派遣労働者の待遇改善に結びつく実効性のある措置を盛りこまないまま、派遣労働者の受け入れ期間の制限を事実上撤廃するものである。同法案の成立により、今後、正社員が減少し、不安定雇用で低賃金の派遣労働者が増加することが危惧される。
 通常国会では、同法案で十分手当てをされていない正社員と派遣労働者の待遇格差の問題を解決するために提出された「同一労働同一賃金推進法案」も成立したが、衆議院で修正され、実効性のないものになってしまった。そのため、正社員と派遣労働者の均等待遇の実現は期待できないものとなっている。
 また、政府は「残業代ゼロ法案」(労働基準法改正案)によって、労働時間の基本的保護をなくし、過重な長時間労働を合法的に課す「高度プロフェッショナル制度」の導入及び事実上の残業代ゼロで、長時間労働の原因となっている裁量労働制の拡大を目指している。これは昨年の通常国会で全会一致で可決した過労死等防止対策推進法を反故にする「過労死促進法」と言っても過言ではない。今、目指すべきは残業代をゼロにすることではなく、本人や家族のみならず社会にとっても大きな損失である過労死をゼロにすることである。
 さらに、政府が目指す「解雇の金銭解決制度」が導入されれば、裁判で不当な解雇と判断された場合に、労働者が職場復帰を希望しても職場に戻れなくなってしまう。
 よって国会並びに政府におかれては、こうした現状に鑑み、下記事項を実施するよう強く要望する。

  1. 過重な長時間労働と過労死を招く「残業代ゼロ」の推進、お金さえ払えば不当解雇できる「解雇の金銭解決制度」の導入など、労働法制の改悪を行わず、雇用の安定を図ること。
  2. 正社員と派遣労働者との均等待遇を確実に実現するための法制上の措置を速やかに講ずること。
  3. 過労死等防止対策推進法に基づき、過労死防止施策を総合的に推進すること。
  4. 労働時間の上限規制など、長時間労働是正のための実効性ある対策を導入すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年10月16日

新潟県議会議長 尾身 孝昭

衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山崎 正昭 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
厚生労働大臣 塩崎 恭久 様
経済再生担当大臣 甘利 明 様
規制改革担当大臣 河野 太郎 様

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