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平成25年1月臨時会(直接請求に係る条例審査特別委員長報告)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003349 更新日:2019年1月17日更新

平成25年1月臨時会 直接請求に係る条例審査特別委員長報告(1月23日)

委員長 小野 峯生

 直接請求に係る条例審査特別委員会に付託されました第1号議案「直接請求に係る東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稼働に関する新潟県民投票条例の制定について」の審査経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 まず、条例制定請求代表者による意見陳述を行い、次いで、本条例案に付された知事の意見について、防災局長から説明を受けた後、審査を行い、本条例案の制定をめぐって活発な論議が交わされたところであります。

 以下、論議となった主な点について申し上げます。

 1、直接請求制度に対する知事の認識について
 1、原子力発電所の稼働を県民投票で問うことの是非について
 1、条例案に対する知事の賛否について
 1、原子力発電所の稼働の是非に係る判断材料と県民への情報提供について
 1、県民投票の期日について
 1、賠償責任の発生の懸念があるとの知事の意見について
 1、多様な意見反映に向けた投票の方式について
 1、県の事務執行の市町村への義務づけについて
 1、投票資格者の範囲について

 以上が、論議となった主な点であります。

 次に、議案採決に先立ち各党党議結果の報告を求めたところ、

 自由民主党からは、原子力政策は、国が国家の発展のために立地地域の安全対策や地域振興策を講じながら、国策として進めてきた経緯がある。原子力政策は単にエネルギー問題に限らず、経済、外交、安全保障等を包含するものであり、現状の国民生活の維持ばかりか、今後の我が国の将来を決める重要な課題である。
 また、現在、国においては原子力規制委員会において今後の原子力発電所における安全基準づくりを行っている。
 原子力政策は、国家の盛衰にかかわる国の基本的政策であり、高度な専門的知見を要する国策たる原子力発電所の稼働の是非は、国が責任を持って判断すべきものである。
 このような重要な課題について、さまざまな県民意見の集約を求める県民投票は、なじまないことから、原案反対。

 民主党からは、本条例案で地域振興策や賠償、周知・説明の在り方等について責任の所在及び内容が示されなければ、柏崎刈羽原発の再稼働の是非の結果によってはその後に混乱を生じかねない。
 また、東京電力管内の都県など全国に影響を及ぼすこと、さらには安全保障や地球温暖化対策など国際関係における視点・責務も併せ持つ必要があることなどから、原発再稼働の是非については一義的には国が責任を持つべきであり、県技術委員会などの専門家の知見を踏まえ議論し政治的に判断することが知事及び県議会の責務であると考えることから、原案反対。

 社会民主県民連合からは、福島原発事故により安全神話が崩壊し、また被害の大きさ、広さを考えるならば、全国一の原発立地県に住む県民が、その安全・安心、命と財産、子や孫たちの未来を守りふるさとを守るため、原発稼働の是非について直接、住民投票によって意見を表明したいと思うのは当然の権利であるし、その民意を尊重し稼働の判断の際に反映させることは間接代表制を補完するための大変意義ある手段であるとともに、住民意識の向上、ひいては議会制民主主義の発展に寄与するものであると考えている。
 また、提案されている第一号議案は、基本的に県民投票を行う要件を十分に満たしており、6万8,000有余名の思いをしっかりと受け止め、原案賛成。

 日本共産党からは、福島第一原発事故と、その深刻な放射能被害を体験した多くの国民、県民は、政府の安全神話がいかに虚構だったかを知ると同時に、事故が起こってしまった場合の結果は、住民が受けざるをえないことを知った。
 このような中で、柏崎刈羽原発の稼働に関する判断に、県民の声を反映させたいという思いを持つのは当然のことであり、本条例の制定を求め署名された6万8,000人余りの県民の思いを重く受けとめるものである。
 日本共産党は、原発からの即時撤退と再生可能エネルギーの本格導入に向け、国民的な議論と合意を広げることを呼びかけるが、現在、原発についてはさまざまな意見があり、原発問題にどう向き合うのかが、今、問われている。
 住民投票は、県民的な議論の場となりうるものとして極めて重要だと考えることから、条例制定すべきと考え、原案賛成。

 公明党からは、福島第一原発事故による深刻な被害は今なお多くの人を苦しめており、現在、我が国のエネルギーの在り方にも根本的な課題を突きつけている。
 第1号議案は、そのような不安を直接投票で声を上げたいとの請求者のその心情は大変重いものと理解する。
 しかし、原発の再稼働については、現在、国、県において安全基準並びに事故の検証が進められており、いまだ原発再稼働についての投票の判断材料が示されていないこと。
 また原発稼働に関しては県民の間でも多様な考えがあり、それらを二者択一で諮ることは県民世論の声を誤って判断することが考えられる。
 その他付された知事の意見の課題も修正できる状況でないことから、原案反対。

 無所属青木太一郎委員からは、「みんなで決める会」の旺盛な熱意と行動を県民の一人として極めて重く受け止め、心から感謝と敬意を表するものの、いまだに福島原発事故の原因究明がなされていない現時点では、もっと深く議論を掘り下げて、幅広く、色々な角度から検討し、県民の安全・安心について大いに議論を尽くさなければならない時点であり、大きな分岐点に立っている。
 したがって、もっと精査し、検討を要することから、本来ならば、特別委員会等でもっと真剣に議論を重ね、継続審査が妥当かと思われるが、この3日間で、あえて結論を申し上げるならば、県民投票条例を実施することは、時期尚早であり、今回は県民投票条例実施を見送るべきと考え、原案反対。

 無所属松川キヌヨ委員からは、世界一の原発である柏崎刈羽原発が存在する新潟県は、県民の命と健康・環境や産業を守るため、また、日本の子孫の命や健康を守るためにも原発に対する認識が完全に変わった今、県民一人一人に柏崎刈羽原発の稼働に賛成か反対かの意思表示の機会を与えるべきである。
 そのためにも「東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稼働に関する新潟県民投票条例」は必要であることから、原案賛成。

 無所属佐藤浩雄委員からは、福島原発事故は依然として放射能を出し続け、事故調査も進んでおらず、32万人ものかたがたが全国に避難しており深刻な事態である。
 今後、福島原発事故処理に35年、放射性物質の安定化に30万年、高レベル放射性廃棄物の管理に100万年もかかると言われており、原発の安全神話は完全に崩壊した。
 世界一の原発である柏崎刈羽原発が存在する新潟県は、県民の命と健康・環境や産業を守るため、また、日本の子孫の命や健康、日本の環境、国土を守るためにも原発に対する認識が完全に変わった今、県民一人一人に柏崎刈羽原発の稼働に賛成か反対かの意思表示の機会を与えるべきである。
 そのために「東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稼働に関する新潟県民投票条例」は必要であることから、原案賛成。

 無所属米山昇委員からは、多くの直接請求を求め署名いただいたかたがたの希望に沿うため、県民投票の実現が望ましいことから、原案賛成。

 無所属片野猛委員からは、県民にとって重要な案件についてその是非を県民投票により反映させることは意義のあることと考えるが、原子力発電所の稼働の是非については賛成・反対という選択肢では、県民の多様な意見を反映することが困難であること、投票時期、投票資格者など実施には課題があることから、原案反対。

 無所属横尾幸秀委員からは、「みんなで決める会」の勇気ある行動に対し、心より敬意を表し、直接民意に異を唱えるつもりも全くなく、その思いが、今後のエネルギー政策決定の一助となることを切に望み、付された意見の7点めの修正項目について、すべてクリアするには、なお慎重審議が必要であると考えるものの、本条例案中、幾つかの条項について、県が付した意見を是とし、検討すべき問題とした6項目の意見では、実務上の問題が大きく、実施には困難が伴うとしていることから、原案反対。

 無所属若月仁委員からは、条例案の内容に一部の課題は認めるものの、多くの県民の署名を伴う直接請求が行われたことを重く受け止め、県民による柏崎刈羽原子力発電所の稼働に対する意見表明の機会として新潟県民投票は必要と考えることから、原案賛成。

 無所属小島義徳委員からは、基本的に県民の声を大切に受け止めることは大変重要なことであると考えるが、本条例案にある二者択一の選択肢では県民の多様な意見を反映することは困難であることに加え、知事が意見を付している幾つかの課題もあることから、原案反対。

 無所属石塚健委員からは、原発稼働の是非について県民の多様な意見を明らかにすることは大いに参考になり、意義があるが、本条例案では、これは困難なうえ、知事が意見を付している課題があるため、原案反対。

 無所属佐藤久雄委員からは、「みんなで決める会」のかたがたが、地方自治の本旨を自覚され、法定数を大きく上回る6万8,000名余りの県民の賛同を得て、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稼働に関する新潟県民投票条例案を提案したことは新潟県の住民自治を大きく一歩前進させたものとして、評価されるべきものであるものの、6項目にわたる知事の意見にもあるとおり、直ちに、本臨時会において本条例案を可決とするには困難な状況にあることから、原案反対というものであります。

 次いで、採決を行い、否決すべきものと決した次第であります。

 以上をもって、報告といたします。

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