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平成23年9月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003870 更新日:2019年1月17日更新

平成23年9月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

9月27日 知事説明要旨

 平成23年9月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず始めに、この度の「新潟・福島豪雨災害」についてです。
 去る7月27日から30日にかけて降り続いた記録的な集中豪雨により、中越地方をはじめとする県内各地で、河川の氾濫、堤防の決壊、土石流などの土砂災害が発生し、これまでに死者4名、行方不明者1名、住宅被害については全壊44棟、半壊811棟、床上・床下浸水等8,698棟の被害を被ったほか、広い地域で水稲が浸冠水し、水田、水路等の流失や土砂流入が発生するとともに、大豆や野菜、果樹などの被害も発生するなど、県内の広範囲にわたり甚大な被害が生じました。
 この度の豪雨災害で尊い命を落とされた方々のご冥福を心からお祈りいたしますとともに、被災されました皆様に対し心からお見舞い申し上げます。
 県といたしましては、早めの避難所開設と避難情報の発出を市町村に促すとともに、特に避難に時間を要する「災害時要援護者」については、市町村と連携して、自主防災組織、地元区長や民生委員、さらには保健所等を通じ、避難状況等の把握を行うなど、人的被害の発生防止に努めたところです。
 さらに、災害発生を受け直ちに「新潟県豪雨災害対策本部」を設置し、市町村及び関係機関と連携を図りながら、被害状況の迅速な把握に努め、被災者の救援はもとより、水防活動や破堤箇所の応急仮復旧工事を行うなど、河川・道路の応急対策に全力で取り組んでまいりました。
 また、被災された方々に対して、生活再建や住宅の応急修理への支援を行うなど、できる限りの措置を講じることとしたところです。
 一方、農業関係については、流入土砂等の撤去や用排水機能の確保への支援をはじめ、事業資金に対する利子補給、農作物の病害虫対策や園芸作物の種苗購入への助成等を行うこととしたところです。
 この間、平野内閣府特命担当大臣をはじめ、政府・与党などの関係者から被害状況を直接ご覧いただき、激甚災害として早期に指定していただいたことに感謝いたします。
 県といたしましては、今後本格化する災害からの迅速かつ的確な復旧・復興を着実に進めるため、先般、地域振興局の体制を強化いたしました。被災された方々が、一日も早くこれまでの生活を取り戻して、安全・安心な生活を送ることができるよう、また、農業者の来春の作付け等が実施できるよう、降雪期前までに必要な対応を実施し、引き続き全力をあげて早期の復旧に取り組んでまいります。
 また、被害の大きかった五十嵐川流域や刈谷田川流域については、これまでの対応を検証するとともに、有識者から助言をいただきながら、抜本的な治水対策を検討するため、先般、検討委員会を開催したところであります。
 今後とも、県民の安全で安心な暮らしを確保するため、災害に強い県土づくりを進めてまいります。
 また、3月12日に発生した長野県北部地震に対しましても、道路、農地、農業用施設などの復旧作業や、被災された方々に対する生活再建や住宅の応急修理の支援に全力をあげて取り組んできたところでありますが、既存の制度では生活再建が困難な方がおられるため、追加支援として、宅地被害に対する復旧支援を行うこととしたところです。
 県といたしましては、被災者全員がこの災害から生活再建できるよう支援をしてまいりたいと思います。

 次に、東日本大震災に伴う原子力災害等についてです。
 去る3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、発生後半年を経過した今日においても、いまだ収束に至らず、周辺の多くの住民は避難生活が長期化し、生活不安が深刻となっています。また、放出された大量の放射性物質が広範囲に拡散し、生活圏の汚染や農林水産物、畜産物等の汚染によって、多くの国民が不安にさらされています。
 本県においても、県民生活に関わる様々な分野に影響が現れています。県ではこれまで、環境モニタリングとして、県内全域で空間放射線量を測定し公表するとともに、河川水、水道水及び農林水産物などの検査を実施し公表するなど、的確な情報提供を通じて、県民の安全・安心の確保に懸命に努めてきたところです。
 こうした中、食品に関する現在の暫定規制値は、チェルノブイリ原発事故を経験したウクライナより数十倍も高い値が設定されております。また、水道水に関して原子力発電所からの排水基準よりも高い暫定規制値が設定されています。
 このため、県といたしましては、3ヶ月程度が目安ともいわれる緊急時の基準から平時の基準に戻し、国民の安全を確保するとともに、国際的な信頼が回復される規制値とすることなど、国に対し見直しを求めているところです。
 原発事故による影響が長期に渡ることにより、降下物中の放射性物質が集積される汚泥等、放射性物質を含む廃棄物が増え続けています。これらの廃棄物は、国の責任において、原子力発電所内での低レベル放射性廃棄物の扱いと同様に厳格に管理すべきです。また、その管理のために必要な費用について、財政支援を行うとともに、国が責任を持って最終処分場を整備すべきです。国に早急に予算措置をするよう、先般、原子力発電所立地道県で組織する「原子力発電関係団体協議会」として、強く要請したところであります。
 国はこの度、定期検査で停止中の原子力発電所の再稼働の前提として、全国の原子力発電所でストレステストを実施することとし、柏崎刈羽原子力発電所においても、9月9日から開始されました。
 しかしながら、まずやらなければいけないのは、福島第一原子力発電所事故の検証です。この検証がなければ、原子力発電所の安全性の判断はできるものではありません。県といたしましては、今後とも、県民の皆様の安全・安心を第一に、対応してまいります。
 原子力防災計画については、福島第一原発の事故とその後の状況を踏まえれば、原子力防災対策重点地域、いわゆるEPZの拡大を視野に入れ、順次、見直せるところから見直しを進めてまいりたいと考えております。
 これまで、勉強会の開催などを通して、県から市町村に対して、働きかけを行ってまいりましたが、広域自治体である県が責任を持って調整を行ってまいりたいと思います。
 東日本大震災により、今なお、本県には約6,600人が避難生活を送っております。借り上げ仮設住宅等の提供により避難所はほぼ解消されましたが、先行きに関する判断材料がなく、不安を抱えている被災者の心情を想うと心が痛みます。
 今後は、被災者に対する見守り支援の強化等、避難の長期化を見据えた継続的な支援体制の整備が必要です。県といたしましては、引き続き、市町村、NPO、団体等と協力して、すべての方々が故郷へ戻れる日まで、お一人おひとりの気持ちに寄り添った支援を継続してまいります。

 次に、再生可能エネルギーの推進等についてです。
 東日本大震災による大規模発電所の被災に伴う電力供給不足に対応するため、県では、電力使用量のピークを削減することを目標に「ピークカット15%大作戦」を推進してまいりました。
 その結果、今夏においてピーク時の目標使用電力量である300万kWを超えた日はわずか3日にとどまり、概ね所期の目標を達成することができました。震災以降、ほぼ半年にわたる節電の取組に対し、県民の皆様に厚く御礼申し上げます。
 一方、いまだに被災した大規模発電所が復旧途上にあることなどを踏まえれば、特に東北電力管内では、今冬においても電力不足が起こりうることを念頭に取組を進める必要があります。また、将来のエネルギー供給のあり方は、災害時に強みを発揮する分散型を視野に入れていくべきです。
 県では、これまで新潟版グリーンニューディール政策に重点的に取り組み、次世代に向けたエネルギーの選択肢を増やすため、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めてきたところです。
 この度、県営の太陽光発電所が阿賀野市の東部産業団地で10月から稼働することになりました。また、全国で3番目に多い本県の温泉資源を活かした、バイナリー地熱発電所の実証実験が松之山温泉で11月から開始されます。
 こうした分散型の再生可能エネルギーの更なる活用を進め、地域内の電力需給を最適化するためには、スマートグリッドの導入が重要です。このため県では、東北電力と共同で、粟島において実証実験に着手してまいります。
 今後、再生可能エネルギーを活用した、分散型エネルギー供給システムの実証・検証を進め、安心・安全なスマートコミュニティの構築を目指してまいりたいと考えております。

 次に、円高・デフレからの脱却についてです。
 我が国経済は、東日本大震災により寸断されたサプライチェーンの立て直しが進展し、徐々に持ち直していくことが期待されておりますが、海外情勢を巡る不確実性や一段の円高の進行が、景気を下振れさせるリスクとして懸念されています。
 県内経済でも、震災による影響が緩和してきている中で、持ち直しの動きがみられますが、円高やデフレ等を背景に企業の先行きへの不安が強くなっていることが実感されるところであります。
 とりわけ、最近の円相場は、震災直後のG7による協調介入に引き続き、8月4日に4兆5千億円規模の為替介入がなされましたが、8月19日には一時最高値となる75円95銭まで進行するなど、異常な円高状態が続いています。
 このまま我が国経済の実力以上の円高を放置すると、生産拠点の海外移転を加速させ、国内産業の空洞化と国内雇用の喪失を進め、地域経済に計り知れない打撃を与えることが懸念されます。一度失われた産業を再構築することは極めて困難となり、取り返しのつかないことになりかねません。
 また、我が国は、依然としてデフレ下にあり、経済成長に重要な設備投資や住宅投資などは依然として低調に推移しております。一刻も早くデフレから脱却し、企業の売上や労働者給与が増え、資産価値が上昇する経済にすることが必要です。
 このため、先般、全国知事会の円高是正・デフレ対策プロジェクトチームにおいて、インフレターゲットの導入や復興債の日銀による引受けなど、東日本大震災という「非常事態」であることも念頭に置いた、的確なマクロ経済政策運営を行うよう提言をまとめ、政府に要請を行ってきたところであります。
 震災からの復興に当たっても、増税という国民負担ではなく、円安や1ないし2%のインフレを甘受するという形での国民負担により財源を生み出していくことが必要と考えております。
 県では、円高・デフレ対策の一つとして、中小企業が設備投資を行う際に、実際の借入額に対する「マイナス金利」を実現することで前向きな設備投資の促進を図ってまいりました。今年度は、10億円の執行で122億円の投資が誘発され、479名の新規雇用が生み出されたところであります。こうした成果を踏まえ、支援の枠を更に拡大して設備投資を喚起するとともに、受注確保の後押しを更に進めるなど、地方政府としてできうる限りの対策を講じてまいりたいと考えております。

 次に、日本海国土軸の構築等についてです。
 この度、長年の悲願であった、日本海沿岸東北自動車道における新潟・山形県境間の、いわゆるミッシングリンク区間が計画段階評価に着手され、同様な見込みである山形・秋田県境間も含め、全線開通に向けて大きく前進しました。
 県では、東日本大震災を教訓に、圏域を越えた大規模な災害に迅速かつ有効に対応するため、「日本海国土軸」を国づくりの一つの柱として位置づけるよう提案してきたところであり、災害に強い国土づくりの観点で大きな意義があると考えております。
 また、日本海沿岸東北自動車道は、本県にとって、県北の救急医療の観点から「命をつなぐ道路」として大変重要な道路であり、今後本格化する東北地方の復興にも、重要な役割を担うものであります。
 県といたしましては、国土軸を結ぶ重要な横軸である上信越自動車道・磐越自動車道の4車線化も併せて、早期に着工されるよう、引き続き、国に対して強く働きかけてまいります。
 次に、日本海横断航路についてです。去る8月18日、昨年来進めてきた中国吉林省との協議に基づき、本県と中国東北部を結ぶ日本海横断航路が開設されました。この航路は、これから大きな発展が期待できる中国東北部と日本を結ぶ最短ルートであり、既存の大連港を経由するルートと比較して時間・距離の大幅な短縮が可能となるなど、大きな潜在力と将来性を持っております。しかし、既存ルートに比べ運行頻度が少ないなど課題も残ります。
 今後、航路として成熟させていくためには、ベースとなる貨物をまず確保し、利用の増大により、更にサービスが充実し、荷主にとって使い易いものとなるといった好循環を生み出す必要があります。
 このため、日中双方の関係者による協議会を設置し、この航路の利用促進を図っていくこととしているところです。
 特に、中国側からの貨物に比較してインバランスが懸念される日本側からの貨物の確保が重要です。先頃開催された、群馬・埼玉両県との知事会議において、3県で連携して対岸貿易による企業のメリットをPRしていくことで合意したところであり、今後、県内はもとより近隣県からの貨物の確保に積極的に取り組んでまいります。
 また、中国側の荷主確保にも主体的に取り組んでいくこととし、吉林省内での関係者による情報収集等を支援するほか、これまで長年にわたり友好関係を育んできた黒龍江省における情報ネットワークを更に強化し、この航路を活用した経済交流の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、並行在来線及び北陸新幹線についてです。
 北陸新幹線開通に伴い経営分離される並行在来線については、現在、運営会社において運行の範囲や車両数の適正化など、運行の基本的な方向性について、地元の皆様とのコンセンサス作りに向けて取組を進めております。
 なお、北陸新幹線については、前議会以降現在まで、ご報告できる変化はありません。

 次に、新年度予算編成の方針についてです。
 予算編成過程の透明性を確保し、県民の皆様への説明責任を果たす観点から、先般、国の概算要求基準等を踏まえ、県の新年度予算編成方針を策定し、公表したところです。
 新年度予算の編成に当たっては、今年、相次いで発生した震災や水害からの復興を着実に推進するとともに、円高・デフレによる現下の厳しい経済情勢を踏まえ、引き続き、雇用の創出や企業経営、県民生活の安定に向けて適切に対処してまいります。
 また、今年度から具体化させた「新成長プロジェクト」を引き続き推進し、県民所得向上や人口の増加、雇用の拡大を図り、明日の新潟の飛躍につなげてまいりたいと考えております。
 併せて、政策プラン評価委員会の中間評価や提言を適切に予算に反映していくとともに、事務の効率化による内部管理経費の見直しや県出資法人の見直しによる行政改革の推進、さらには県有財産の流動化による財源の確保に努めてまいります。
 今後、経済情勢や国の制度変更、地方財政対策等を見極めながら、適切に予算編成作業を進めてまいりたいと考えております。

 次に、地域医療についてです。
 厚生労働省の調査によると、本県は現在勤務している医師数の約22%に当たる591人もの勤務医が不足しております。
 また、自治医科大学における、医師数や地域特性を考慮した医師不足状況等に関するデータによる指標の総合評価では、全国で最も医師不足が深刻な県となっています。このことからも、本県の医師不足の深刻な実態が裏付けられたかたちです。
 その要因に、医師養成定員の大きな格差があります。県内の医学部定員は、人口比でみると北陸3県の概ね1月3日程度と大幅に少ない状況であります。
 県では、こうした医師の絶対数の不足に対応するため、これまで国に対し、医師のへき地勤務の義務化などに加え、特に逼迫している地域における医学部の新設等に関する規制緩和を要望してきたところであり、今後とも、国に対して強く働きかけてまいります。
 一方、仮称ですが魚沼基幹病院については、5月に整備基本計画を策定・公表し、現在、来年4月の財団設立に向け、役員構成など財団のフレームや医師・看護師確保の具体策等について検討を進めております。
 さらに、県央地域の救命救急センター及び併設病院について、来月には、有識者や地元医療関係者などで構成する検討組織を設置します。本年度中を目標に、具体的な医療提供体制の方向性について、地域住民や医療関係者、行政の合意が図られるよう、取組を進めてまいります。
 併せて、地域住民の皆様には、これまでの検討内容のご理解と、安全・安心な医療提供体制について考えていただく契機とするため、三条市に続き、他地域でもシンポジウムの開催を準備しているところであります。
 県といたしましては、県民の皆様が安心して暮らせる地域医療を守っていくために、今後とも全力で取り組んでまいります。

 次に、農業問題についてです。
 県では、本年産米の品質向上に向け、きめ細やかな生育調査の実施や農業者への迅速な情報提供など、栽培管理対策に万全を期してまいりました。
 本年も7月中旬の猛暑や豪雨など、厳しい気象条件の中にあって、9月20日時点で、うるち米の1等級比率は82%、早生品種では「平年並み」の品質と聞いております。主力のコシヒカリを含め、今後判明する全体状況を踏まえた上で、本年度の対策を検証し、来年度の取組につなげてまいります。
 東日本大震災の影響等もある中、今年の県産コシヒカリの仮渡金は3年ぶりに引き上げとなりましたが、米価の今後の動向は不透明であり、持続的で効果的に農家所得を向上させる対策を講じていかなければなりません。
 昨今の動きにも現れているとおり、米価は需給に敏感に反応します。このため、かねてから提案しているとおり、国の戸別所得補償制度については、主食用米から非主食用米へ生産誘導するよう支援の充実を図る仕組みに改善すべきであります。これにより自ずと米価が上昇して農家所得が向上するとともに、国産農産物の安定的な確保と食の選択肢の多様化などにより消費者利益にもつながるものと考えております。また、地域の実情に即し、地域の裁量が発揮できる制度とすべきです。こうしたことにより、制度に要する財源の大幅な圧縮も可能になるものと考えております。
 一方、判断が見送られているTPPについては、国民的議論により国益にかなう結論を出すべきです。原発事故の影響が日本の輸出にどのような影響を与えるのか見極めつつ、食料安全保障を確保する観点から、主食である米は関税撤廃の対象から除外を求め、これが認められない場合にはEPA等の二国間協定を模索するなど、戦略的な交渉を実施すべきです。
 現在の関税の状況や商品特性などを勘案すると、米を関税撤廃の例外とするとともに、しっかりとした所得保障制度の確立など国内対策を講ずることで、TPPと国内農業の両立は可能です。国に対して引EPAき続き制度の改善について働きかけているところであります。
 本県のトップブランドである新潟米は、本格的な出荷を迎えています。玄米の放射性物質検査については、国の示した仕組みよりも厳格に実施し、県内全域で放射性物質が「検出されず」という結果となりました。消費者に安全な新潟米をお届けするため、今後、流通段階でも同様に検査を実施してまいります。
 また、産地偽装等の不正な販売が行われないよう監視を充実する必要があります。本年度は、調査点数を増やすとともに、他品種混入商品等については追跡調査を実施するなど、コシヒカリのDNA検査について体制を強化します。その結果、法令違反が明確になった場合には厳正に対処してまいります。

 次に、私立高等学校の学費軽減についてです。
 県では、これまで私立高等学校に対し、全国でもトップクラスとなる経常経費の1月2日助成を実施してまいりました。その結果、本県の授業料等は、全国でも最も低い水準となっています。
 また、昨年度創設された、国の就学支援金制度の導入及び県の学費軽減制度により、全ての私立校生の家庭の教育費負担が軽減されたところです。
 今年度は、更に家庭の負担軽減を一歩進め、授業料軽減対象の拡大に加え、学費負担が困難な世帯を対象に、施設整備費に係る納付金を新たに全額軽減する制度を導入することとしました。
 県といたしましては、引き続き、私立高等学校を目指す生徒が、経済的理由で修学を断念する事態が生じることのないような環境を整えてまいりたいと考えております。

 次に、北朝鮮による拉致問題についてです。
 北朝鮮は、本年7月の東南アジア諸国連合地域フォーラム閣僚会議で外相が「拉致問題は解決済み」と改めて主張するなど強硬な姿勢を取り続けており、平成20年8月の日朝実務者協議で合意した「生存者を発見し帰国させるための再調査」の約束も一方的に反故にし、何の進展もないまま3年が経過してしまいました。
 こうした状況に危機感を持った家族会などが9月4日に開催した緊急国民集会に「知事の会」を代表して参加してまいりました。国民集会の開催は、今年になってから二度目ですが、このような集会を何度も開かなければならないご家族のお気持ちを考えると忸怩たる思いであります。
 集会の中では、国家の意思として野田総理が拉致問題に全力で取り組む意欲を込めたメッセージを発することを求める声や、頻繁に担当大臣が交代することを問題視する声、北朝鮮が対応しない場合には送金や往来の全面禁止といった制裁措置の強化を求める声がありました。
 日本人拉致被害者を救出することのできる組織は日本政府をおいて他にはないわけですから、北朝鮮に対しては追加制裁措置もありうることを明確に伝え、再調査を早急に実現させるとともに、政府には戦略を持ってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。改めて「知事の会」としても早期解決を政府に要望することとしております。

 次に、新潟州構想についてです。
 新潟市と共同で設置した新潟州構想検討委員会は、先に第2回の委員会を開催し、北川座長の下、改めて新潟州構想の意義や理念を確認し、県と市の課題なども整理しながら、よりよい社会づくりに向け、議論を深めていただいているところであります。
 また、先般、大阪や愛知など、同様の課題認識を有する知事や市長と取りまとめた「大都市の自立と自治・愛知宣言」を片山前総務大臣に提出し、前大臣からも、地域の実態に合わせた柔軟な地方自治や大都市制度の見直しの必要性をご理解いただきました。
 こうした中、国においては、第30次地方制度調査会を設置し、住民自治のあり方、社会経済・地域社会の変容に対応した大都市制度のあり方などについて調査審議することとなりました。
 新潟州構想をはじめ各地域からの課題提起が、国の動きを促しているものと思っており、調査審議の過程においては、新潟州構想を提起した意義についても認識されていくものと考えております。
 地方の自己決定力を高め、住民満足度の高い地域社会を築いていくためにも、新潟州構想検討委員会の検討を通じ、地方制度調査会の議論もリードしていきたいと考えております。
 今後は、新潟州構想の検討を進める中で、目指すべき方向性を明確にしていくとともに、行政サービスをどう改善・実践していくのかといった点も重要であると思っています。
 地域の多様性を踏まえた柔軟な地方自治制度、大都市制度の実現に向け、全国知事会とも連携しながら、引き続き必要な制度改正を求めてまいりたいと考えております。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第100号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額79億9,961万8千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 新潟・福島豪雨災害からの早期復旧を図るため、緊急に必要な経費については、去る8月24日に専決処分により予算措置を行ったところでありますが、今回の補正は、今後の復旧・復興に要する経費を計上するほか、長野県北部地震からの復旧・復興に要する経費や、東日本大震災の被災者支援等に必要な経費を計上いたしました。また、当初予算編成後の事由による重要性、緊急性のある経費を計上するとともに、国の補助事業等の内定又は内定見込みなどに伴う所要の措置を講じることとしたものであります。

 以下、補正予算の主な項目について、これまで述べたもの以外についてご説明を申し上げます。
 まず、新潟・福島豪雨災害の復旧・復興に関しては、豪雨被害により多重債務を抱えることとなった中小企業者に対する利子補給や被災した観光施設の復旧支援に要する経費等を計上したところです。
 また、長野県北部地震及び東日本大震災への対応として、公共土木施設等の復旧に要する経費のほか、放射性物質の検査体制を強化するための経費等を計上いたしました。
 加えて、急激な円高への対応を図るため、地域内に協力企業を多く抱える中核企業の販路開拓への支援を拡大するほか、地場産業の受注確保に向けて商工団体等が提案する効果的な取組への支援を拡大するための経費も措置したところであります。

 その結果、補正後の予算規模は、
 1兆3,241億8,383万3千円となります。

 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第101号から第111号までの各議案は、特別会計及び企業会計に係る補正予算でありまして、事業実施上必要とするものについて、それぞれ補正するものであります。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第115号議案は、大気汚染防止法等の一部改正に伴い、改善命令の要件などについて、改正法と合わせるため、
 第117号議案は、青少年が使用する携帯電話等について、有害情報フィルタリングサービスの利用率向上を図るため、
 第118号議案は、サービス付き高齢者向け住宅に係る登録申請手数料を新設するため、
 第119号議案は、東日本大震災等に起因する新潟県建設工事紛争審査会に対するあっせん又は調停の申請に係る手数料を免除するため、
 それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。

 次に、第121号議案は、契約の締結について、お諮りするものです。
 また、第122号議案及び第123号議案は、先程説明いたしました新潟・福島豪雨災害からの早期復旧を図るため、緊急に必要な経費について、急施を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。

 次に、第124号議案は、損害賠償額の決定について、
 最後に、第125号から第130号までの各議案は、企業会計に係る決算の認定及び利益剰余金の処分について、お諮りするものです。

 以上、主な議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

10月13日 知事説明要旨

 ただいま上程されました第131号議案は、平成22年度一般会計及び特別会計の決算の認定について、お諮りするものであります。
 よろしくご審議のうえ認定を賜りますようお願い申し上げます。

10月14日 知事説明要旨

 ただいま上程されました議案3件は、いずれも人事に関する案件であります。

 第132号議案は、教育委員会委員を任命するため、
 第133号議案は、人事委員会委員を選任するため、
 第134号議案は、土地利用審査会委員を任命するため、

それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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