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平成21年12月定例会(陳情第17号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003175 更新日:2019年1月17日更新

第17号 平成21年11月20日受理 総務文教委員会 付託

地方自治法第100条第14項の廃止を求める意見書提出に関する陳情

陳情者

 (要旨)

 地方自治法第100条第14項の規定は地方議員に政務調査費を支給するための根拠である。もちろん、条例を定めて行えと言っているのであり、不正に請求してもいい、でたらめに支給してもいいとは言っていない。
 しかし、各自治体の条例の定めにより、金額の多寡の差はあるにせよ、これが議員に報酬の二重取りを認める規定なので世間の評判はよくないと購読紙は時々報道を繰り返している。
 小生も以前に、報酬の二重取りはやめてもらいたいと陳情したことがある。53人いる現在の新潟県議会議員の多くが建設業の社長ないし重役。その人たちに、貴社では給料のほかに調査費、日当を支給しているかと質問したこともある。普通の会社では認めるはずのない報酬の二重取りが貧乏財政、3割自治といわれている地方自治体の税金で賄われているのである。これでは、納税者、主権者は浮かばれないだろう。税金の無駄遣いである。
 有名な事例だから、各位もすでに御承知であろうが、4月25日付の購読紙の記事によると、新潟市民オンブズマンなるものが、知事を相手取り、県が2007年度に支払った政務調査費の内、14人分計520万円余の返還を当該県議会議員に請求するよう求める訴訟を新潟地方裁判所に起こしたとある。あきれた事例が並べられているので驚くが、しかし、県議会議員だけを責めて済ますべきことではあるまい。本当の正直者にも悪事を企てさせるよう誘惑する標記の規定がいちばん悪いのである。
 9月のある日、小生に電話をかけてきた総務省の担当者が標記の条項を教えてくれた。また、文書による県の担当者からの返事によれば、平成12年の地方自治法の改正により、平成13年から施行しているとのこと。まだ10年もたっていない規定である。地方自治法をがらくたにし、正直なはずの議員に悪事を誘惑する規定は、旧自治省でこれの立案に当たった担当者の低い倫理観の表れであり、結果である。
 昨日、知事泉田裕彦氏を被告とする民事裁判の訴訟記録の閲覧に新潟地方裁判所へ行ってきた。事件番号が平成21年(行ウ)第9号というもののファイルである。原告は新潟市民オンブズマン。スイスへのグルメ旅行代、モンゴル旅行2名、タイ王国視察と称する海外旅行代の請求をはじめ、自分ないし親族所有の建物に60万円、96万円、48万円の事務所費を請求した人が3名。10軒近くの地元かっぽう店での飲食代の請求が1名、薬師寺展見物などというものが3名等々。閲覧するほうが恥ずかしいような事例が並んでいた。
 しかし、同日午後、新潟県議会事務局で閲覧した平成19年度、平成20年度の全県議会議員の政務調査費の収支報告書及び領収書の写しにはオンブズマンの告訴状に名前を記された14人が気の毒に思えるような事例が並んでいた。旅行代金だけでなく、ガソリン代、駐車料、コピー機リース料等々。年額316万8,000円の政務調査費で、県議会議員の活動費が賄われ、議員報酬月額77万円は、そっくり残りそうだ。国会議員の歳費月額130万1,000円、郵便代月額100万円、合計230万1,000円よりは低額だとしても、あまりに高額である。
 平成20年度末で、本県の県債残高は2兆4,000億円程度と聞く。また、11月11日付の購読紙の記事によると、国の借金は過去最高の864兆円とある。これは、9月末時点の金額で、財務省が発表したものだそうである。
 100年に一度の経済危機だとマスコミが大騒ぎし、便乗者が続出したのは、つい半年から1年前である。国も県も市町村も財政が危機的状態にあるのは事実だろう。
 高卒予定者の就職内定率は9月末現在で37.6パーセントだそうである。これは11月5日の購読紙の記事である。同じ新聞の記事では、来春卒業予定の大学生の就職内定率は62.5パーセントで、下げ幅は調査開始以降最大であり「就職氷河期」並みとある。これは、10月1日現在の数字で、文部科学省と厚生労働省の両省のまとめで分かったのだそうだ。
 このような状況の中で、議員の特権であるとばかりに報酬の二重取りを認めるような標記条項は廃止すべきと考える。このような根拠規定がもとで前橋市でも大問題になっているとは、11月14日の同じ新聞の中身。
 県議会議員の中にも俗にいう世襲議員が何人もいると聞くが今は言うまい。けしからんことだとだけ言おう。議員は特権階級ではないはずである。世間一般の勤労者と同様に議員報酬で政治活動をしてもらいたい。それがプライドとなる県議会にしてもらいたい。
 ついては、貴議会において、地方自治法第100条第14項の廃止を求める意見書を国に提出されたい。

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