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平成20年12月定例会(請願・陳情)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002631 更新日:2019年1月17日更新

陳情 第18号

第18号 平成20年11月6日受理 総務文教委員会 付託

新潟県専修学校各種学校教育振興費の助成に関する陳情

陳情者 社団法人新潟県専修学校各種学校協会 会長 渡辺敏彦

(要旨)

 今日の産業社会・情報化社会は一段と高度化・複雑化・国際化しながら、急激に少子高齢化社会を迎える中で、専修学校に対しては、時代や地域・人々のニーズに柔軟に対応できる実践的な職業教育や専門的な技術教育を組織的に行う高等教育機関としての期待が更に高まっている。
 平成20年度学校基本調査結果速報によれば、新潟県では高等学校から大学・短大への進学率は48.7パーセント、全国29位であるのに対し、専修学校(専門課程)への進学率は過去13年連続全国第1位であったが、今年度も23.2パーセントで(全国平均15.3パーセント)、全国第2位という高い数値を示している。
 また、新潟労働局職業安定課の平成20年5月末日現在の資料によれば、県内企業への就職者数は、大学卒1,847人、短大卒788人に対し、専修学校卒業生は3,719人となっており、専門学校が、県内企業に対して高等教育を受けた人材を最も多数提供している。専修学校卒業生の県内就職率は74.1パーセントで、地元の様々な分野で広く活躍していることが大きな特色として挙げられる。
 さらに今、社会構造の変化や価値観の多様化が進む中で、特に若者の高い失業率やフリーターの増加など、仕事や職業にかかわる問題が社会的に大きくなりつつある。若者たちが仕事や職業に就くために、どのように動機づけを図るか、どのような教育や訓練が望ましいのかなど、具体的な問題解決の方途が求められてきている。あるいはまた、自分の夢や就きたい職業を見いだせない生徒が増えてきており、職業観・勤労観の育成はこれまでにも増して重要な課題となってきている。
 例えば、平成16,17,18年度の新潟県専門学校入学者についての調査によると、この3年間に150の大学から336名の卒業生が、43の短大から90名の卒業生が県内の専門学校に再入学し、自分が就きたい職業について再学習している。このことは、高等学校において、生徒個人の特性・能力に応じた適切な進路指導が十分になされているのか、その在り方について厳しく問題を提起しているものと思われる。
 このような中で、平成15年に全国専修学校各種学校総連合会は、職業教育の中核を担う専修学校が法制化された日を記念して「職業教育の日」を制定した。新潟県専修学校各種学校協会も、この日を中心に、中学・高校生や若い人たちが早い時期から職業教育に親しみ、自ら職業生活を設計し、将来にわたって充実した職業生活を過ごすことができるよう、様々な職業に関する体験の機会や情報を提供する活動を幅広く展開して、成果を上げている。
 あるいはまた、各学校において、経験豊かな教師陣による生涯学習開放講座が、地域の要望にこたえるべく年々その数を増やし、高い評価を受けている。今後も新卒者の入学に加え社会人の受入れを更に推進し、学習機会の多様化を図り、生涯学習の一層の振興に努め、社会の要請にこたえていきたいと考えている。
 また、平成6年度から、一定の基準を満たした専修学校専門課程の修了者に対し「専門士」の称号が与えられ、大学・短大の「学士」・「準学士」に相当する資格が授与されている。平成11年度から専門学校卒業者の大学への編入学が可能となっている。
 これらに加えて、専門学校の教育内容が高度化してきたことを踏まえて、文部科学省は学校教育法の施行規則を改正し、平成18年度から、4年制課程の専門学校修了者に対しては大学院入学資格を与えることができることとなり、これらの学生には、新たに「高度専門士」の称号が与えられることになった。これらのことは、専門学校が大学と肩を並べて、高等教育機関としての社会的評価を得ていることの表われである。
 以上の状況に加え、県下65校の学校を会員として、その中枢に立つ専修学校各種学校協会は、専修学校(学校法人60校、その他を加えて63校)、各種学校(2校)と関係官庁や関連団体との連携を図り、情報の提供、各種の講習会・研修会、検定試験・資格認定等の事業を実施してきたが、平成21年度においても、更に事業の見直しと改善を図り、効率的な協会活動の運営に当たっていきたい。
 ついては、貴議会において、いわゆる一条校同様の理解をもって助成されるよう、次の事項について配慮されたい。

  1. 専修学校の経常経費助成を増額すること。
  2. 専門学校と高校が相互に理解を深め、生徒の的確な進路指導等に資するため、高校・専門学校連携事業の充実を図ること。
  3. 専修学校、各種学校への進学率や奨学生応募の数にふさわしく、また、近年厳しい経済情勢の中でニーズが高まっている奨学資金枠を拡大すること。

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