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平成18年陳情第13号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002463 更新日:2019年1月17日更新

第13号 平成18年9月22日受理 厚生環境委員会 付託

障害者自立支援法の定率負担等と新体系の基準・報酬の見直しを求める意見書提出等に関する陳情

陳情者 第4回新潟県通所施設等に利用者をもつ保護者の集い 実行委員長 小関佑幸

(要旨)

 本年4月から障害者自立支援法が施行され、この影響は既にいろいろな報道で周知のとおり非常に厳しいものである。
 まず第1に、この障害者自立支援法による施設利用者への影響であるが、各種軽減措置が施されていると言っても利用者負担増により施設利用をやめていく者が全国的に広がっていることが挙げられる。新潟県でも本年4月の調査では退所者が20人となっている。障害者自立支援法による影響の実態調査はいろいろな所で行われているが、利用者の生活への圧迫は大変なものがある。これに対し、既に全国で多くの自治体が何らかの負担軽減措置を講じているが、これはとりもなおさずこの障害者自立支援法の一部に不都合があることのあかしである。
 第2に、施設事業所への影響であるが、実に深刻である。平成18年3月1日、障害者自立支援法による新体系の基準・報酬が示されたが、過酷と思えるほど低額であった。新潟県下の施設で、運営費が昨年4月比で30パーセント減になった所が3か所、県平均で15パーセント減だというアンケート結果がある。その結果として、職員の待遇がいろいろな点で低下している。これは施設で働く職員の労働の質を軽んじているばかりでなく、障害者自身をも軽んじていることにほかならず、今後、福祉サービスの目減りが心配である。
 第3に、国庫補助事業で大幅に経費削減を示されたり、障害者自立支援法の縛りで自治体補助事業がスムーズに新体系事業に移行できないなどにより、存続が困難な事業所も出てくる懸念がある。
 出現率5パーセントという障害者は、好き好んで障害者になったわけではない。どこの家庭でも起こり得ることであり、その不運を請け負っているのが障害者及びその家庭だということである。障害者にも幸福の追求権はある。それを国が保障したのが無拠出の障害基礎年金である。幸福の追求の元手である障害基礎年金から定率負担として徴収することは、納税している国民が障害者を支えているという今までの構図を崩し、納税能力のない障害者をも「皆で支える」として支える側に巻き込んだことになる。しかし、障害者が納税能力を持ち得るほどの所得保障はいまだ手つかずである。
 ついては、貴議会において、法施行後の実態を引き続き調査し公表すること、施設・居宅サービス利用者の負担利用料が半減する程度の軽減措置を検討すること、身体・知的障害者と同様に精神障害者に対し重度心身障害者医療費助成事業補助金を適用すること及び地域活動支援センター事業の補助金が現在の心身障害者通所援護事業補助金を下回らないよう市町村を指導することに配慮するとともに、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。

  1. 障害者とその家族の生活安定のため、障害者自立支援法の世帯収入による定率負担を本人のみの収入によるものとし、障害者の実態に合った負担軽減策を更にきめ細かく検討し拡充すること。
  2. 精神障害者の治療に欠かせない通院医療費公費負担制度を復活させて医療の充実を図ること。
  3. 利用実績払いとした報酬単価の設定を従来の月額方式に戻すこと。また、新体系による単価・報酬の基準は低すぎサービス提供職員の配置基準は従来と整合性がないため、基準を見直すこと。
  4. 就労移行支援事業で利用者の施設外活動日が事業所の実績にならないため、利用実績払いの制度下では報酬上の加算措置を講じること。
  5. 精神障害者社会復帰施設及び小規模通所授産施設等の運営費補助金の一律25パーセント削減の方針を改め元どおりの財源を確保すること。
  6. 小規模作業所の地域活動支援事業や個別給付事業への移行や経営の安定に向けて大幅な緩和策を講じること。
  7. 障害基礎年金額の引上げにより所得保障となるようにすること。

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