ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

平成15年陳情第13号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004167 更新日:2019年1月17日更新

第13号 平成15年6月23日受理 産業経済委員会 付託

認定職業訓練校の活性化を求める意見書提出等に関する陳情

陳情者 新潟県職業能力開発協会・職業訓練法人 新潟市職業訓練協会 会長 丸山富保 外17名

(要旨)

 終戦後の昭和20年から昭和33年までの職業訓練は、職業安定法に基づく職業補導と労働基準法に基づく技能者養成の二つの制度で行われた。職業補導は失業対策として、技能者養成は技能の習得を目的とする労働者の養成として行われた。
 戦後10年の歳月を経て、我が国の経済は順調に成長・発展を遂げ、科学技術も著しく進歩するに及び、生産現場における技能労働者の養成確保、技能労働者の再訓練が強く要請され、職業訓練制度の拡充強化が望まれることとなった。こうした要請に基づき、従来の職業補導、技能者養成に技能検定制度を加え、総合的職業訓練制度を確立し、産業界が必要とする技能者の養成確保を図ることを目的として、昭和33年5月に職業訓練法が公布、同年7月に施行され、従来の職業補導は公共職業訓練として、技能者養成は事業内職業訓練として、それぞれの発展が推進されることとなった。事業内職業訓練には、企業が単独で行う単独訓練と中小企業等の事業主が共同で行う共同訓練があり、職業訓練法の定める基準に従って行なわれる職業訓練で、新潟県知事の認定を受けた認定職業訓練として実施している。
 経済社会情勢の変化に適切に対応するために職業訓練法の改正が数次にわたり行われ、昭和60年6月に職業訓練法の抜本的な改正が行われ、法律の名称も職業能力開発促進法と改められ、同年10月に施行され、今日に至っている。
 県内には、新潟県認定職業訓練施設案内に掲載の31の認定職業訓練校が各種の訓練科目を設置して認定職業訓練を実施し、かつ、68パーセントに当たる21の認定職業訓練校が、上・中・下越及び佐渡の主要な市町で建設系の職業訓練を行い、今日まで多年にわたり技能労働者の育成並びに地域産業の発展に重要な役割を果たしてきた。そして、新潟県は、県内の認定職業訓練の振興を図るために、認定職業訓練校の運営に要する経費に対して、予算の範囲内において一定の基準により補助金を交付するとともに、平成14年2月に策定された第7次新潟県職業能力開発計画においても民間等における職業能力開発の支援と振興の中で、認定職業訓練の活性化についてうたっている。
 認定職業訓練校で訓練を受ける訓練生は雇用保険被保険者でなければならず、長引く不況と厳しい雇用・失業情勢、少子化等、認定職業訓練校を取り巻く環境は大変厳しく、新規従業員を認定職業訓練校に入校させる事業主が減少し、認定職業訓練校の運営が厳しい状況に置かれており、この状況は新潟県に限ったものではなく全国的な問題となっている。本県においても、平成15年度をもって職業訓練法人としての団体の解散を予定している認定職業訓練校もあり、このまま手をこまぬいていると、近い将来、訓練を休止する認定職業訓練校の現出が予想されることから、地域の人材育成団体である他の認定職業訓練校への波及を阻止する必要がある。
 このため、認定職業訓練団体を構成する事業主団体、事業所及び各種技能士団体が地域産業の発展と人材の育成及び輩出に安心して貢献できる環境を構築し、技能者の社会的地位の向上、技能尊重気運の醸成及び認定職業訓練団体の基盤の強化を図る必要がある。
 一方で、バブル崩壊後の長く続く就職難の中で、若いときに身に着けるべき基礎的な職業能力を持たないフリーターと呼ばれている若者の増加は、将来の日本の労働力の質の低下を招くのではないかと懸念される。最近、フリーターと呼ばれている若者の認定職業訓練校への入校の問い合わせが多くなっているが、現行法ではフリーターと呼ばれている若者の受皿は公共訓練施設であって、認定職業訓練校では不可能となっている。
 また、国・県は必要な経費を予算化して、求職者の職業訓練を専門学校等に委託して各種訓練を実施しているが、施設、設備及び指導体制の整っている認定職業訓練校の活用については、その対象とされていない。
 ついては、貴議会において、認定職業訓練校の活性化を図るために、雇用保険未加入の若年者たちが認定職業訓練校で職業に必要な専門的な知識及び技能が習得できるよう、新潟県単独の助成措置が実施されるよう配慮するとともに、雇用保険未加入の若年者が認定職業訓練校で訓練が受けられるよう、特別立法措置の要請を内容とした意見書を国に提出されたい。

平成15年6月定例会(請願・陳情)へ戻る