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平成15年請願第9号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003447 更新日:2019年1月17日更新

第9号 平成15年6月23日受理 総務文教委員会 付託

現在ある定時制の存続と、定時制・通信制教育の充実に関する請願

請願者 定時制・通信制教育の充実を求める新潟県民の会 代表 遠藤達雄外1,975名

紹介議員 近藤正道君

(要旨)

 働く青少年に学習の機会を保障するための定時制・通信制教育は、その重要性にもかかわらず常に日の当たらない場所に置かれてきた。定通王国とまで言われた新潟県の定時制・通信制高校は、その最盛期には136校を数えた。にもかかわらず、安上がりな教育県政の下で次々に統廃合され、夜間の学年制定時制高校は8校(うち1校は募集停止)となってしまった。
 さらに、これに追い打ちをかけるように、新潟県教育委員会から中長期高校再編整備計画案が出された。この計画によると、すべての学年制定時制を無くして、単位制に吸収させていくとしている。しかし、生徒数が多く、遠距離通学をしなければならない現在の単位制高校では、定時制高校の肩代わりはできない。また、単位制高校の志願率の高さを見ると、入学することさえ難しい状況である。
 近年多様な生徒が入学している。小中学校での不登校経験者、中途退学者、障害者など全日制で学習権を奪われた生徒が最後のよりどころとして定時制・通信制の高校に入っている。その生徒たちは劣悪な教育条件の中でも頑張っている。定時制高校の中退率は全国平均を大幅に下回っている。
 定時制・通信制高校の教育環境は、劣悪なまま放置されている。教職員の定数も標準法以下の学校がほとんどで、常勤養護教諭の配置に至っては全国最低である(全国平均85パーセント、新潟県27パーセント、29都道府県における日教組調査)。また新潟高校通信制では、入学者の激増に伴う教育条件の整備がなされておらず、極めて厳しい条件下にある。
 今こそ、小さいところ、少ないところ、弱いところにもっと政治の光を当てる時期に来ている。定時制・通信制高校に通わざるを得ない条件を抱えた子供たちに、行き届いた教育条件を整えることが、強く求められている。既に東京都などで定時制高校における30人学級が実現し、大阪府では知的障害を持つ生徒の入学枠を設ける試行が始まるなど、各県は定時制・通信制高校の実態に即した具体的な施策を行っている。
 ついては、貴議会において、次の事項に配慮されたい。

  1. 最も弱い立場の生徒が学びのよりどころとしている、現在の学年制定時制高校を存続させること。
  2. 生徒の多様な実態に即した教育を行うため、1学級当たりの生徒数を20人とするよう最大限の努力をすること。
  3. 様々な悪条件と闘いながら勉学を続けている生徒たちに、より行き届いた手だてが必要なことから、教職員の定数増を図ること。
  4. すべての夜間定時制・通信制高校に常勤の養護教諭を配置すること。
  5. 定時制・通信制の教育環境を改善するため、教育予算を増額すること。
  6. 新設・改組する単位制高校に夜間部を設置し、学校現場の要望に添った十分な予算措置をすること。

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