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平成20年9月定例会(請願・陳情)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004024 更新日:2019年1月17日更新

陳情 第12号

第12号 平成20年8月13日受理 厚生環境委員会 付託

「胆道閉鎖症」の特定疾患指定を求める意見書提出に関する陳情

陳情者 胆道閉鎖症の子どもを守る会新潟支部 代表 曽我克行

(要旨)

 胆道閉鎖症(BA)は小児難病の一疾患で、患者は全国に3,000人から3,100人いると言われている。肝臓で作られる胆汁は、最初小さな胆管に分泌され、合流して大きな胆管となり、最終的には十二指腸に排出される。この胆汁の流れる道は、肝臓の中と外の胆管から構成されている。この肝外胆管のどこかが完全に閉塞(へいそく)していたり、また胆管がない状態により胆汁が流れない場合、胆道閉鎖症と診断される。早期発見ができれば、葛西術(肝臓と十二指腸をつなぐ応急手術)により9割近くが救命されるが、1割近くは死を余儀なくされる。
 日本胆道閉鎖症研究会では葛西術中の所見において、肝門部で肝内胆管は造影されなかったり、あるいは雲霞(うんか)状であると報告している。胆道閉鎖症は単に肝臓の病気と考えられているが、実は胆管の欠損、不全による胆道疾患である。
 葛西術は完治術ではないため、病状は次第に肝繊維症等、小児の肝硬変症状をもたらし、その結果BA患者の5割以上が肝臓移植をしなければならなくなる。また、移植には至らないものの入退院を繰り返す患者がほとんどである。患児たちの生まれつき胆管のない状態か、機能していない状況で出生しているこの事実に目を留めて、障害者として認定することを切に要望する。心臓や腎臓の移植者には障害者手帳が発行されているにもかかわらず、肝臓移植を受けたBA患者には障害者手帳すら交付されておらず、生活基盤は何一つ保証されていない。まして、病気を生まれながらに持ち、軽快な状態がないままに成人したBA患者が肝臓移植を受ける場合は、他の移植者と比べて、毎日の不安は数十倍大きいものと言える。
 目に見えにくい胆道障害、肝臓移植など内部障害者への対策を早急に執るよう、要望する。
 ついては、貴議会において、特定疾患治療研究事業に係る特定疾患に「胆道閉鎖症」が指定され、医療費の軽減が図られることを内容とした意見書を国に提出されたい。

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