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平成20年6月定例会(請願・陳情)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004119 更新日:2019年1月17日更新

陳情 第8号

第8号 平成20年5月23日受理 厚生環境委員会 付託

ジストニアについての意見書提出に関する陳情

陳情者 特定非営利活動法人ジストニア友の会 理事長 堀内正浩

(要旨)

 神経難病であるジストニアについては、早期の原因解明、治療法確立と診断基準設定のための難治性疾患克服研究事業への指定、ジストニア患者に障害が存在するにもかかわらず障害者と認定されないことから身体障害者手帳・障害年金の障害認定基準の改定及びジストニア治療の健康保険適用拡大等治療環境の改善が求められる。
 ついては、貴議会において、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。

  1. ジストニアの難治性疾患克服研究事業への指定
    ジストニアの早期の原因解明と治療法確立及び診断確定に必要な診断基準設定のため、難治性疾患克服研究事業に指定をすること。
     また、ジストニア治療で臨床実績を上げている専門医及び東洋医学(針治療)など専門医療機関と共同した総合的視野に立った組織構成により研究が行われるようにすること。
  2. 身体障害者手帳及び障害年金の障害認定枠の拡大
     ジストニアの治療は対症療法しかなく、長期にわたり薬剤の服用及びボツリヌス治療等を行うこととなるが、全身性ジストニアの患者は脳深部刺激(deep brain stimulation:DBS)を使わなければ不随意運動を抑えることができず、医療費の負担は患者、家族に重くのしかかり、治療を受けても思わしい症状改善が得られない場合がある。また、ジストニア患者の多くはジストニア症状による障害のため労働時間を十分に取ることができず、現実では就職困難な場合があり、たとえ職があっても職場等において理解が得られにくく、いつ職を失うかと不安な日々を送り、生活に困窮している患者もいる。
     これらの現状を踏まえ、障害が存在するにもかかわらず障害者と認定されない患者に救いの手を差し伸べるため、ジストニアによる不随意運動等で体の機能が著しく低下した患者を救済するための生活機能障害としての次の障害認定を行うこと。
    1. 眼瞼(がんけん)けいれんにおける、まぶたが開けられない機能的失明
    2. けいれん性発声障害における、発声ができない構音障害
    3. 咽頭(いんとう)ジストニアにおける、食べ物が飲み込めない嚥下(えんげ)機能障害
    4. 上肢ジストニアにおける、うまく字が書けない、はしが使えない等の上肢機能障害
    5. 下肢ジストニアにおける、うまく歩けない等の下肢機能障害
    6. 痙性斜頸(けいせいしゃけい)・軸性ジストニア・全身性ジストニアにおける、首や体がねじれる等の体幹機能障害
  3. ボツリヌス治療と脳深部刺激の健康保険適用の拡大及び針治療の健康保険適用の新設
    1. 現在、ジストニアの場合、眼瞼けいれん・痙性斜頸に限定されているボツリヌス治療の健康保険適用を、咽頭・上肢・下肢等他のジストニア症状にも適用を拡大すること。
    2. 現在、ジストニア症状の一つ振戦に限定されている脳深部刺激の健康保険適用をジストニアとしての症状全般に適用を拡大すること。
    3. 関西医療大学の治験によりジストニアへの針治療の効果が示されていることを踏まえ、ジストニアへの針治療を健康保険適用とすること。
  4. ボツリヌス治療の少量使用に適した薬剤の認可
     現在、ボツリヌス治療にはA型ボツリヌス毒素製剤ボトックス注100のみが使用を承認されているが、眼瞼けいれん等20単位ほどの少量使用(残りは破棄)の場合でも1本100単位の薬剤の費用負担をしていることから、患者と健康保険制度の財政における無駄な費用負担を避けるために少量使用に適した薬剤を認可すること。
  5. ボツリヌス治療の研修制度の確立
     講習受講のみでボツリヌス治療が行えるという現在の制度では、治療効果が医師の熟練度に左右され、かえって状態が悪化する場合があることから、筋肉が複雑に関係している痙性斜頸や上肢ジストニア等に効果的なボツリヌス治療をどこの病院・医師でも行えるよう研修制度を確立すること。

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