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平成20年6月定例会(請願・陳情)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002150 更新日:2019年1月17日更新

陳情 第5号

第5号 平成20年5月14日受理 建設公安委員会 付託

防災・生活関連整備の地域間格差を無くし、安全・安心な公共事業を国の責任で実施することを求める意見書提出に関する陳情

陳情者 国土交通省全建設労働組合北陸地方本部 執行委員長 羽深圭一 外2名

(要旨)

 我が国は、地震、台風、集中豪雨等の自然災害に対しぜいじゃくな国土となっており、毎年のように自然災害が多発している。北陸地域においても2004年の新潟・福島水害、新潟県中越大震災、2007年の能登半島地震、新潟県中越沖地震などの発生により大規模な被害が発生している。
 これらの災害対応については、私たちの職場である国土交通省北陸地方整備局並びに公共事業の建設作業従事者においても一丸となって直轄災害復旧や被災地自治体への広域災害支援等を実施してきた。
 今、地域住民はこれまでの大規模災害により、防災対策の充実など安全で安心な生活を確保するため、公共事業に大きな関心を持っている。このことは国土交通省全建設労働組合北陸地方本部が地域住民や自治体首長を対象に取り組んだアンケート(2000年から2006年までの7回実施)結果からも明らかである。私たちは、公共事業の実施によりすべての国民に安全・安心で平等・公平なサービスを提供するためには、これまでと同様に国の責任において防災・生活関連の整備、維持管理を行うことが必要と考えている。
 2007年11月16日の地方分権推進委員会の中間的な取りまとめでは、直轄国道の維持管理及び一つの都道府県内で完結する1級河川は地方に移譲すべきとしている。しかし、地方移譲の財源については具体的な方策を示さず財源補償のない地方移譲であることは明らかである。
 これに対し、国土交通省全建設労働組合北陸地方本部が秋のキャラバン行動で実施した地方自治体首長要請では、地方への押しつけは困る、国は地方出先機関を拡充すべきなどの意見が出され、地方議会請願においても27市町村で意見書が採択されるなど地方自治体からの反対の声も上がっている。
 国土交通省全建設労働組合北陸地方本部はこのように地域間格差を拡大させ、国民の安全・安心を脅かす地方移譲には断固反対し、国民本位の公共事業を推進するため体制強化が必要と考えている。
 また、現在国土交通省が管理している新潟県内の一般国道は関西、北陸、関東、東北の各地方と結ばれ新潟県の産業を支える重要な幹線となっており、新潟バイパスをはじめとして国内有数の交通量を誇る都市道路から、県北部においては高速道路がなく災害が発生した場合に迂回(うかい)することができなくなる山間部の道路など、高度な日常維持管理だけでなく渋滞対策や防災整備が必要な道路であると考えている。
 同様に国土交通省が直轄管理している砂防、ダム、河川、海岸は高度な技術力による整備や維持管理によって新潟県内の産業だけでなく県民の財産・生命を守っていると自負している。
 さらに、環日本海の国際都市新潟の玄関口・拠点となっている港湾・空港の整備は国が管理することにより安全が守られていると考えている。
 このようなことから道路、河川、港湾、空港の維持管理・防災だけでなく、技術支援・技術開発のためにも現在の国土交通省北陸地方整備局の組織を維持・発展することが必要だと考えている。
 これまで、重要な河川、道路、港湾、空港の整備・維持管理は、国が行う中で一定の水準を保ってきた。今後、地方分権が進む中で、住民の安全で安心な生活は地域間格差が拡大することが予想される。やはり、地域間格差のない住民の安全で安心な生活を確保するため、防災・生活関連整備・維持管理は、これまでと同様国の責任で行う必要がある。また、良好な公共事業を実施するためには、建設労働者の労働条件を改善する必要がある。現在多発する低価格入札の影響と建設業界特有の多重請負構造で建設労働者の処遇は低く抑えられている。建設労働者の労働条件を改善するためには下請業者の契約金額を正当なものにする必要があり、そのためにもいわゆる公契約法の制定が重要となる。
 ついては、貴議会において、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。

  1. 地域間格差のない公共事業を推進し、住民の安全・安心な生活を確保するため、防災・生活関連施設整備、維持管理は国が責任を持って行うこと。
  2. 新潟県内の幹線道路や一級河川の安全の確保のため、新潟県内に点在する北陸地方整備局の出先機関である12事務所及び34出張所を存続すること。
  3. 良好な公共施設の建設及び維持管理を実施するとともに、建設労働者の労働賃金を確保するため、いわゆる公契約法を制定すること。

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