ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

平成16年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002212 更新日:2019年1月17日更新

平成16年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月6日説明要旨

 ただいま上程されました議案について説明いたします前に新潟県中越大震災についての取組みと先月26日にとりまとめられました政府・与党の三位一体の改革について申し述べさせていだだきます。

 まず、新潟県中越大震災についてであります。
 大震災発生から、1ヶ月が経過した現在でも、約3,500人の方々が避難生活を続けられ、また、ライフラインが復旧しないなかで不便な生活をおくられている方々も多数おられます。また、大震災による直接的被害だけでも約3兆円規模に及ぶことが試算され、さらに、農業基盤や商工業被害による産業活動への影響、風評被害や交通寸断による影響など、中越地域の住民生活や産業活動はもちろん県内経済に深刻な影響をもたらしているところです。
 県では、これまで国、自治体等の応援を得ながら県民の安全の確保、被災された方々の救助、生活支援とともに、電気、ガス、水道などのライフラインや道路等の応急復旧に最大限取り組んでまいりました。本格的な冬になる前に、復旧のスピードをさらにあげ、被災者の不安解消を図るため生活実態を踏まえた支援策や住宅確保対策、被災地域の農林水産業の生産や企業経営の安定、雇用確保に向けた支援策を行ってまいります。
 さらに、今回の大震災により将来の展望を見出せないでいる被災地域が、自立に向けた復興の将来ビジョンを策定する必要があります。今後、単なる現状回復でない、地域や時代のニーズを踏まえ、地域の自立や生活・生産の質が高まるような地域の復興支援を図るため、被災された住民の皆様をはじめ市町村長や民間の皆様、防災の専門家から幅広くご議論をいただいた中長期的なビジョンをもとに、着実に諸施策を展開してまいる所存です。
 そのためには、復興財源の確保が重要な課題です。
 今回の大震災の大きな特徴は、阪神・淡路大震災と同クラスの巨大地震が中山間地で発生し、さらに多数の余震により、宅地、農地をはじめ生活や生産基盤が大規模かつ広範囲で壊滅する事態となっております。再び故郷で元の生活に戻るには、住宅の補修のみならず、農業をはじめ生業基盤や高齢化を支える地域コミュニティーの再生が不可欠です。被災地域市町村の多くは過疎・特別豪雪地域に指定される財政力の弱い団体であり、国の強力な財政支援なくして復興はなし得ないところです。
 このため、今回の地震からの復興は、国土の約7割を占める中山間地で発生した巨大地震にどう対処していくかのリーディングケースとなるものであり、現行の法体系だけでは十分な支援が得られないことから、復興・再生に向け財政支援等に関する特別立法等の措置を国に強く要望しているところです。
 私自身も、先月24日の参議院災害対策特別委員会で、

  1. 阪神・淡路大震災に準じた国の幅広い財政措置を求める特別法の制定、
  2. 被災住宅の早期復旧のため、被災者生活再建支援法の抜本的拡充、
  3. きめ細かな被災者支援のための復興基金の創設に向けた財政措置、
  4. 農林水産業者、商工業者、伝産品生産業者の生産基盤の壊滅に対する支援、

を強く訴えてまいりました。

 現在、与党内で「新潟県中越地震等災害対応・整備検討小委員会」が設置され、検討がなされているところですが、さらにその実現に向け総力を挙げて国に働きかけてまいる所存です。
 政府におかれましては、被災現場から生活再建に必要最小限のお願いをしていることをご理解いただき、阪神・淡路の時のように都会での大震災には手を差し伸べるが、中山間地での地震には目をつぶることのないようにお願いしたいと思います。
 財政事情等を理由に、万が一、被災地の声に耳を傾けることなく、5年後、10年後被災地が衰退していくようなことがあれば、政府は歴史に対して責任を負うことになると考えています。5年後、10年後の新潟県民が政府に対し感謝の意を表すことになることを願ってやみません。

 次に、国の三位一体の改革についてです。
 先月26日に政府・与党は「三位一体の改革について」を取りまとめ、18年度までの三位一体の改革の全体像について合意したところです。
 これによると、約2兆8,380億円の補助金削減を行い、国から地方への2兆4,160億円の税源移譲を実施することとしております。
 この中で、税源移譲の実施に向けて調整が続けられたことには、一定の評価をするものですが、義務教育費国庫負担金の見直しは、「中教審の結論を待つ」と先送りされ、また、国民健康保険負担金において新たに国の負担部分の一部を都道府県の負担としつつも、県としての裁量権の拡大が未だ不透明となっていることについては強く危惧しております。
 さらに、地方交付税については、国と地方の役割分担や地方の行政サービス水準の議論が全くないまま「一般財源の総額を確保する」とされておりますが、財務省は17、18年度で7.8兆円の削減を主張しており、地方自治体にとって正に死活問題、今後の地方財政計画の確定まで目が離せないものとなっております。
 年末に決着する国家予算動向を十分注視し、地方の自由度と裁量性が拡大し、国・地方を通じた行政のスリム化につながる改革となるよう求めていくとともに、地方の行政運営が不可能になるような地方交付税の削減を断固阻止すべく全国知事会等地方六団体と一致団結して取り組んでまいる所存です。

 次に、議案59件について説明申し上げます。
 第174号議案は新潟県中越大震災に係る一般会計補正予算でありまして、総額1,592億1,663万2千円の増額補正についてお諮りいたしました。

 今回の補正予算では、早期復旧に向け緊急的に必要となる経費として、被災した道路、河川等公共土木施設や農地、農業用施設、林道等の復旧に要する経費のほか県立高校、警察施設等の復旧経費を措置するとともに、児童・生徒をはじめ被災された方々に対するこころのケア対策や被災した中小企業の復興を支援するための大規模災害対策資金の創設、上越新幹線の再開を契機とした観光宣伝事業、さらには、教育復興担当教員の配置、私立高等学校等の学費軽減措置に対する支援に係る経費も計上したところです。
 今後さらに、先ほど申しあげましたように被災地域、生産・産業基盤の中長期的な復興に向けた諸施策を早急に行うため、国に特別立法等財政措置や国の補正予算についてお願いしているところです。この中で、行政が実施する取り組みを補完し、被災地域の自立や魅力ある地域の再生に向けた諸施策を長期かつ安定的に実施するため復興基金の創設を要望中であり、同基金を活用して実施する事業についても早急に固めてまいりたいと考えております。

 次に、第175号議案から第177号議案は、中越大震災に伴う特別会計の補正予算でありまして、避難所設置や仮設住宅設置等に要する経費や商店街アーケード等の復旧に要する資金の貸付経費、流域下水道の復旧に要する経費について、それぞれ補正するものであります。

 次に、第178号議案は、中越大震災以外の一般会計補正予算でありまして、総額399億3,680万3千円の増額補正についてお諮りするものです。

 まず、7.13水害で被災した五十嵐川や刈谷田川等の災害復旧については、再度災害防止を前提に、鋭意国と事業計画の調整を進めてまいりましたが、今回、国庫補助事業の内定又は内定見込みに伴い所要の措置を講じることとしたところです。

 その他、職員給与費について、現行制度での過不足調整により減額補正を行うほか、県競馬の廃止に伴う、調教師・調教師会への救済措置に要する経費等を計上したところです。
 また、県単独公共事業について、平成17年度事業に係る発注の平準化や起工準備期間の確保に加え、年度末の突発的な維持補修工事や測量調査等に的確に対応するため、いわゆる「ゼロ県債」を計上したところです。

 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、その結果一般会計予算の補正後の財政規模は、
先の大震災関係補正予算と合わせ、
 1兆4,806億6,297万1千円となり、前年度12月補正後との対比では15.9%の増加となる見込みであります。

 次に、その他の議案について説明申し上げます。
 第179号議案から第185号議案までは、特別会計並びに企業会計にかかる補正予算でありまして、事業実施上必要とするものについて、それぞれ補正を行うものであります。

 次に、その他の議案について説明申し上げます。
 第186号議案から第214号議案までは、条例案件であります。

 第186号議案は、中越大震災の被災者に対して条例等に基づく権利利益等について、期間延長等の特別措置を定めるため、
 第187号議案は、労働組合法の改正に伴い、関連条文の改正を行うため
 第188号から第192号の各議案は、市町村合併に伴い、関係郡名及び市町村名を引用している条例を改正するため、
 第193号、第201号、第204号、第206号から第209号の各議案は、
 中越大震災の被災者に対して入学料等の全部又は一部を免除するため所要の改正を行うものです。

 なお、第201号議案は、高等学校の設置及び閉校に伴う、名称及び位置等の改正も併せて行うものです。
 次に、
 第194号議案は、人事委員会勧告等に基づき、一般職の職員の寒冷地手当等の改正を行うため、

 第195号議案は、市町村合併に伴い、地域機関等の名称を変更するため、
 第196号、第197号、第202号、第205号、第206号、第212号及び第214号の各議案は、手数料の新設、改定等を行うため、
 次に、
 第198号議案は、被災した法人に対して超過課税を適用せず、標準税率とする不均一課税を行うため、
 第199号議案は、条例等に基づく行政手続をオンライン等で行うことができるよう共通規定を定めるため、
 第200号議案は、市町村の合併の特例等に関する法律の施行に伴い所要の改正を行うため、
 第203号議案は、産業廃棄物等の適正な処理に必要な規制等を定めるため、
 第210号議案は、卸売市場法の改正に伴い所要の改正を行うため、
 第211号議案は、市町村合併に伴い事業名等を改正するため、
 第213号議案は、油濁損害賠償保障法の改正を踏まえ、係留施設の使用許可を要する船舶の総トン数の変更について改正を行うため、
 それぞれ、条例の制定及び改正を行うものであります。

 次に、
 第215号議案及び第216号議案は、財産の取得の変更及び処分について、
 第217号議案から第226号議案は、契約の締結及び変更について、
それぞれ、お諮りいたしました。
 また、
 第227号議案は、当せん金付証票の発売についてお諮りするものです。
 次に、
 第228号議案は、南蒲原郡中之島町他4町村の長岡市への編入について、
 第229号議案は、三条市、南蒲原郡栄町及び下田村を廃止し、その区域をもって三条市を置くことについて、
 第230号議案及び第231号議案は、市、町の境界変更について、それぞれお諮りいたしました。
 最後に、
 第232号議案は、市町村合併に伴い、新潟東港臨海水道企業団を組織する地方公共団体の変更について、お諮りいたしました。

 以上、各議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

その他の情報へリンク

議会情報項目一覧へ戻る