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平成14年2月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002501 更新日:2019年1月17日更新

平成14年2月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

2月18日説明要旨

 平成14年2月定例県議会の開会に当たり、所信の一端と提案の概要を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 新しい世紀の幕開けとなった昨年、人々の明るい年への期待にも拘わらず、景気の一段の悪化に始まり、4月に発足した小泉内閣のもと「聖域なき構造改革」が始動し、民需主導の経済再生に向け、不良債権処理の促進や、公共投資の削減、特殊法人等の民営化など、大胆な改革の方向が打ち出され、その対応に迫られた年となりました。
 また、世界を震撼させた昨年9月の米国における同時多発テロの発生、更にそれに続く世界経済の同時不況の懸念の強まり、そして追い打ちをかけるように牛海綿状脳症の国内での感染例の発見など、憂慮すべき事態が相次ぎました。こうした事態を経験し改めて、グローバル化の急速な進展により、世界の出来事が国境を越えて私たちの身近な生活に直接影響することを痛感させられた次第であります。
 そうした中、昨年末には、皇太子ご夫妻に待望の敬宮愛子内親王殿下ご誕生という、誠に喜ばしいニュースがありました。雅子妃殿下とはゆかりの深い新潟県民にとりましては、その喜びはひとしおのものであります。このほか明るい話題として、ビッグスワンの完成、そして『にいがた「緑」の百年物語』県民運動のスタートなどがあり、一歩ずつではありますが県政の着実な歩みがみられたところです。
 明けて本年は、いよいよ6月にワールドカップサッカー大会が開催されます。世界の方々を温かく迎え、県民の皆様に大きな感動と夢を与える素晴らしい大会となるよう、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。そして、この絶好の機会に「新潟」を世界に広くPRするとともに、本県が未来に向けて力強く発展する「躍動のスタートの年」となるよう、全力で県政運営に取り組んでまいる決意であります。
 また、「構造改革」の本格化に伴い、それが地域経済や雇用に及ぼす痛みに加えて、地方財政にも多大な影響が生ずることが強く懸念されます。私としては、改革は基本的には必要であり、やらなければならない重要なテーマと考えておりますが、デフレスパイラルの危機に直面している経済情勢下では、不良債権処理、財政再建などいずれの課題をとっても、その手法如何によっては大きな痛みが生ずる惧れがあります。
 私は、「構造改革」が地域経済や雇用に及ぼす影響をできる限り最小限に止めるよう、民間需要刺激のためのあらゆる対策を講ずることなど、政府に対して積極的に提言・要請するとともに、県としても、改革に伴う様々な困難に勇気をもって立ち向かっていく決意であります。また、テロ事件などを教訓に、県民の皆様の安全、安心を確保するための体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
 さて、いま私たちは、地球規模での経済統合の進展や、「構造改革」という大きな変革のうねりの中にあって、自らのよって立つ価値観、あるいは真の豊かさとは何か、そのための生き方はどうあるべきかなどを問い直し、模索しております。
 私は、この混沌とした時代に必要なのは、何よりも自らの価値判断に基づいて自らの進むべき方向を決定すること、すなわち「自立」の精神を持つことであると思います。そしてそれは、地方自治のレベルにおいては、地域として自らが自立するという気構えを私たち一人ひとりが持つことであると考えております。
 地域が「自立」するということは、中央に依存するこれまでの集権型のシステムから、自己責任・自己決定の原則のもと、地域の価値、地域の宝物を活かした地域づくりを自らの知恵と力で進めていくという分権型のシステムへ転換することにほかなりません。そのためには、国から地方へ権限も財源も思い切って移譲すべきであり、そして、そのことこそが、国・地方を通じる巨額の財政赤字体質から脱出するための「構造改革」のとるべき途であると強く主張してまいりました。
また、自立分権を目指す地方行政が果たすべき最も重要な役割の一つは、自分たちの地域を切り拓いていくチャレンジ精神豊かな、国際的な視野を持った人材を育成していくことであります。私は、戦後の「欧米へのキャッチアップ」という目的を果たした今、日本人が個人としてまず自立するとともに、「ものの豊かさ」から「心の豊かさ」を重んじ、思いやりや助け合いの心を育んでいくことが大切であると強く感じております。
 そのため、私は、自立心に富み、他人への思いやりを持った人材の育成に努め、県民一人ひとりが誇りと生き甲斐をもって暮らすことができる「ふるさと・新潟県」を築き上げるために、今後とも邁進してまいる所存であります。
 そして現在、豊かで安心して暮らすことができる県づくりに何よりも緊急かつ重要な課題は、新たな産業の育成や、地場産業の再生・活性化を通じ、県民の雇用の場を確保していくことであります。
 私は、グローバルな経済競争が一層激化する中で、我が国が競争力を回復するためには、技術力の発揮などの個々の企業の努力に加え、より自由な経済活動を促すための大胆な規制緩和をはじめ、ベンチャー企業等の育成、産学官の連携による研究開発の促進など、今までにないダイナミックな改革を講じ、民間活力を誘発していく政策が重要な鍵になると考えております。併せて、優れた技術の導入、経営革新等を通ずる産業の高度化とともに、知恵や情報が付加価値の源泉となる知的産業の育成が急務となると考えております。
 具体的には、本県の誇る「ものづくり」の技術集積などを最大限に活かし、地場産業の再生・活性化に努めるとともに、IT(情報技術)革命の急速な進展に伴い、本県産業の一翼を担うことが期待されるソフト産業などの成長産業を育成することが重要であると考え、そのための支援体制づくりや高度なスキルを持った人材育成等に取り組んでまいりたいと考えております。
 一方、グローバルな経済競争は、大量生産・大量消費の急激な増大をもたらし、地球規模での環境問題や、南北間の新たな貧富の拡大といった負の問題を我々人類に突き付けています。限りのある地球環境と共生するために、大量生産・大量消費型のシステムから、次世代に負荷を残さない循環型のシステムへの転換が必要であり、更に、異なる民族、宗教の壁を乗り越え、「互恵」の精神をもって相互理解と信頼を積み重ねていくという、地球人としての価値観の共有が求められております。
 私は、こうした理念のもとに、循環型の社会づくりや、友好提携による広域経済圏の形成などに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、県政の当面する諸課題への対応について申し上げます。
 第一は、財政健全化への取り組みであります。
 平成11年の「財政健全化計画」策定以来、同計画に基づいた各般の取り組みにより、収支不足の解消に向けて、一定の成果が得られているものの、本県の財政状況は、このところの景気の一段の悪化や恒久的な減税による県税収入の落ち込みに加え、交付税総額の削減などの影響により歳入が減少する一方、公債費など義務的経費の増加が歳出を圧迫し、大幅な収支不足の状態が続いており、そのうえ、これまで歳出水準を維持してきた主要3基金が平成14年度末にはいよいよ底をつくという、かつてない危機的な状況に至っております。
 更に、今後の県財政を取り巻く情勢をみますと、政府による「構造改革」の進展に伴い、当面はデフレ下の景気低迷を前提とせざるを得ず、従って、県税収入の減少が避けられないうえ、交付税がそれをカバーし得ないといった状況が続くことが懸念され、こうした厳しい歳入の見通しに加えて、歳出面でも、過去に発行した県債の償還が今後本格化することにより、財政状況のさらなる悪化は不可避とみざるを得ません。
 こうした事態を踏まえ、去る1月に「財政健全化プログラム」を策定し、県民ニーズに今後とも的確に応えながら「健全な県財政」を回復するため、平成16年度までの基本方針と具体的対策をとりまとめたところであります。このプログラムを着実に実施するとともに、一層の効率的な予算執行体制を確立することにより、県財政の健全化を図り、併せて、時代の要請に伴う新しい行政需要にも的確に応えられるよう、努めてまいりたいと考えております。
 このプログラムでは、歳入確保及び歳出削減に向けた具体的方策を提示しておりますが、特に歳出削減に当たっては、投資的経費など政策的経費の抑制に加えて、扶助費、各種団体への補助金、他会計への繰出金などの準義務的な経費の見直しも避けられないと考えております。
 県民生活に密接に関係するこれら経費の見直しを行わざるを得ないということは、痛みを県民の皆様にお願いすることになる訳であり、これら歳出削減と併せて、自己努力として、給与等の臨時的削減を行うことが必要であると考え、私をはじめとする常勤の特別職については、給料及び期末手当の減額を実施する条例案を提出した次第であります。
 一般職の給与につきましても、こうした深刻な県財政の状況を踏まえ、緊急避難的な措置として、臨時的削減について職員団体に協力を求めているところであり、平成14年4月からの実施について理解が得られるよう、交渉を続けているところであります。
 もとより、今日に至る県財政の悪化は、バブル経済崩壊以降これまで、県内景気の下支えと雇用の安定確保を図るために、国と歩調を合わせて数次に亘って経済対策を実施してきたことが大きく影響しております。しかしながら、結果としてその効なくいまだ景気回復が図れないうえ、今まさに国は、より厳しい痛みを伴う「構造改革」に本格的に取り組み始めたところであります。現下の財政危機を克服するには、県が果たしている役割に見合う税財源の充実確保が最重要課題であり、そのための抜本的な制度改革を国に強く要請する必要がありますが、県自らの責任による自主的な努力がその前提として是非とも必要であります。
 自立した活力ある県づくりを支える「健全な県財政」の回復のための取り組みに対し、議員各位並びに県民の皆様のご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げます。
 第二は、組織機構改革についてであります。
 簡素で効率的な自立分権型の行政システムを構築するため、本年度の「本庁の改革」に続いて、いよいよ4月から出先機関の改革がスタートいたします。このたびの改革では、これまでの出先機関を「地域振興の拠点」「市町村との連携・支援の拠点」「県民サービスの拠点」として機能する「地域機関」として位置付けた上で、各分野でお互いに連絡調整しながら業務を総合的、一体的に行う機関に改組いたします。
 このための具体的な仕組みとして、地域振興の指針となる「地域振興計画」を地域振興事務所等が主体となって策定するとともに、同計画の実効性を確保するため、新たに「地域振興予算」制度を創設いたします。
 この地域振興予算は、地域振興計画の策定費、地域振興計画に基づく地域の重点事業の推進に向けて、様々な分野における既存の制度や予算を総合的に体系づける「地域振興戦略事業費」、及び地域振興局長や地域振興事務所長が一定の範囲で独自の権限で執行できる「地域振興戦略事業調整費」の3つで構成することとしております。
 このような一連の改革により、今後は、出先機関が名実ともに「地域機関」として各地域の振興に総合的に貢献し、市町村等と連携協力して地域経営の一翼を担っていく体制を作り上げていきたいと考えております。
 最後に、太郎代地域の住環境整備について申し上げます。
 太郎代集落の移転につきましては、地元からの陳情に基づき、平成4年度以降、移転についての地域の総意が得られること、跡地利用の見通しが立つことを条件に、当該地区の開発可能性の検討を行ってきたところでありますが、厳しい経済情勢もあり、集落移転後の土地利用の見通しが立たない状況にあります。
 加えて、このような状況が今後早期に好転することも期待できないことから、残念でありますが、「現時点では、集落移転を実施する見通しは立たない」と判断し、去る2月7日、地元の役員の方々に、これまでの経緯や状況をご説明するとともに、住環境の整備については、早急に検討を行いたい旨お伝えをしたところであります。
 住環境整備に当たりましては、地元のご意見やご要望を十分お聞きしながら、新潟市と十分連携し、対応してまいりたいと考えております。
 次に、平成14年度当初予算編成方針について説明申し上げます。
 平成14年度当初予算は、一段の景気悪化などの影響により、法人二税、地方消費税、県民税利子割など県税収入が大幅に減少するほか、地方財政計画の歳出の見直しによる交付税総額の削減など、主要歳入項目の減少が重なる極めて厳しい財政状況の中、「財政健全化プログラム」に基づき、財政健全化をより一層進めるとともに、緊急・重要課題に的確に対応する予算と位置付けました。
 歳出につきましては、内部経費の削減をはじめ、投資的経費の見直し、準義務的経費を含む事業総点検等を踏まえた事務事業の見直しなどにより抑制を図るとともに、民間事業機会の創出を図るための外部委託・民営化の推進、PFIの導入検討など、歳出の質的見直しを進めているところであります。
 同時に、新しい長期計画に基づく「にいがた未来戦略」の展開をはじめ、深刻な景気・雇用情勢下での緊急課題である「新たな産業の育成」、「雇用・中小企業対策」の積極的推進や、「次代を担う人材の育成」、「保健・医療・福祉を支える環境の整備」など、重要施策に財源を重点配分することにより、極めて厳しい財政状況においても、当面する課題に積極果敢に挑戦するとともに、中長期的な視点に立った施策展開が図られるよう、最大限努めたところであります。
 次に、平成14年度当初予算の具体的内容について説明申し上げます。
 まず、「雇用の場の確保と地域セーフティーネットの整備」についてであります。
 県内景気は悪化傾向を続けており、雇用環境は一段と厳しい状況にあることから、円滑な労働移動の支援や雇用の受け皿の確保が喫緊の課題となっております。このため、14年度予算編成に当たって緊急かつ重点的に取り組むべき新規戦略課題として「雇用の場の確保と地域セーフティーネットの整備」を掲げ、全力で取り組むこととしております。
 まず、雇用の場の確保対策としては、本県経済で主要な役割を果たしている地場産業の再生・活性化を目指し、県内4地域で策定されたアクションプランの着実な実施に向け、効果的な支援を盛り込んだ「地場産業振興アクションプラン総合支援事業」を実施するほか、県内中小企業の資金調達の円滑化・多様化を図るため、新たに売掛債権を担保に短期の事業資金を融資する「売掛債権活用資金」システムを設けることとしております。
 更に、中山間地域等における人、技術、観光資源などの各種地域資源を活用した起業の促進を図るため、「コミュニティビジネス起業化総合支援事業」に取り組むほか、「緊急地域雇用創出特別基金」事業による緊急的・臨時的な雇用・就業機会の創出を大幅に拡大することとしております。
 また、円滑な労働移動の支援のための取り組みとして、離職者等の就業を支援するため、介護サービスや森林環境保全に関する職業訓練を行う「緊急再就職促進等訓練事業」や、中山間地域における農業分野での就業機会の確保のための「緑の山里雇用創出緊急支援事業」、更に、企業求人情報の提供をホームページを通じて行う「地域求人情報提供事業」などを実施することとしております。
 次に、この他の重点事業等について、長期総合計画の3つの施策体系に沿って説明申し上げます
 第一は、「いきいき・ひとづくり」に係る事業であります。
 まず、全ての人に優しい生活環境をデザインすることを基本理念とする「ユニバーサルデザイン」に関する調査研究を新たに進めるほか、NPOサポートセンターの開設に向けた事前準備を進めることとしております。
 また、新潟県の将来を担う子どもたちを育てる学校づくりのため、総合的な学習の時間への取り組みを支援する「やる気!元気!総合的学習支援事業」を実施するとともに、13年度から実施し、その効果が認められている少人数学習等を更に進めるため、「にいがた学びはつらつプラン」を拡充することとしております。
 このほか、完全学校週5日制の定着に向け、週末や放課後の学習・体験活動機会を提供する「いきいきウィークエンド夢事業」を実施するほか、県立高等教育機関の一層の充実を図るため、県立新潟女子短期大学の4年制化に係る基本構想の検討を進めることとしております。
 文化・スポーツに親しめる環境づくりの面では、万代島再開発地区に、県立近代美術館の分館として、「現代の美術」を基本コンセプトとした新しい美術館を設置するほか、新しい文化施設の整備に関する検討委員会を開催することとしております。
 また、「ワールドカップサッカー大会」の成功に向け、開催経費や新潟を世界にアピールするためのPR経費等を重点措置するほか、大会開催に合わせ「新潟アジア文化祭」を一部先行開催し、アジア地域との文化交流を促進することとしております。
 更に、平成21年度に開催予定の2巡目国体に向けた競技力向上対策を強化することとしているほか、県民の健康づくり活動を支援するとともに、科学的なスポーツトレーニングを実践する拠点として、新潟スタジアム内に「新潟県健康づくり・スポーツ医科学センター」を開設することとしております。
 第二は、「ゆうゆう・くらしづくり」に係る事業であります。
 まず、「男女が共に参画できる社会づくり」のため、本定例会に「新潟県男女平等社会の形成の推進に関する条例」を提案しているほか、そのための総合相談窓口を設置し、「男女平等推進相談員」を配置することとしています。また、「配偶者暴力被害者支援体制強化事業」により、配偶者暴力防止法(DV法)に基づく一時保護委託などを行うこととしております。
 保健・医療の充実については、「医師確保対策」や「へき地医療支援」の取り組みを進めるとともに、14年4月に開学する「県立看護大学」において高度な看護人材を養成するとともに、併設される看護研究交流センターの研究成果を地域に還元し、保健医療福祉の質的向上を図ることとしております。
 また、県北地域の基幹病院である新発田病院の移転新築に係る基本設計及び実施設計に着手するほか、がんセンター新潟病院の高度医療機能の充実を図るため、高精度定位的放射線治療装置「サイバーナイフ」を導入することとしております。
 高齢者福祉の充実では、「高齢者社会活動参加奨励プラン」の実施に対する支援や、住民互助型の在宅福祉ボランティアの育成などに取り組み、「シルバー活力倍増戦略」を推進することとしております。
 また、障害者の自立と社会参加を支援するため、「障害者芸術文化祭」の開催や、「全国障害者スポーツ大会」の開催に向けた選手強化を実施するとともに、「バリアフリーまちづくり事業」についても引き続き推進するほか、老朽化が著しい県立社会福祉施設「緑風園」について、PFI方式による改築等を検討することとしております。併せて、すべての人が暮らしやすい住宅のあり方を検討する「ユニバーサルデザイン住宅調査事業」を実施することとしております。
 更に、子育て支援の分野では、特別保育や未満児保育の一層の充実や、地域における子育て支援体制の整備促進などを図り、「安心子育てサポート戦略」の着実な展開を図ることとしております。
 「個性豊かな地域づくり」では、「『ニューにいがた里創プラン』推進事業」や「一村一価値づくり推進事業」などを引き続き展開するとともに、市町村の自主的な合併を促進するため、市町村合併支援事業をより一層強力に進めることとしております。
 また、「いきいきとした中山間地づくり」に向けた取り組みとしては、「緑の山里・いきいき夢プラン事業」により、地域の資源や自然を活かした「地域ビジョン」の策定とその実現を支援していくほか、生産条件不利地で耕作放棄の懸念が大きい農地の保全活動を進めるため、「中山間限界的農地保全対策事業」や、地域の生活交通の試行実験の取り組みを支援する「中山間地域等生活交通確保支援事業」を実施することとしております。
 「地球にやさしい環境共生の社会づくり」の取り組みとしては、「にいがた『緑』の百年物語県民運動」を本格的に展開するとともに、未来戦略である「資源再生・ごみ半減戦略」の着実な展開を図るため、「『買い物でくらしを変えよう』ごみ半減県民運動」や「リサイクル関連産業育成・活性化事業」に取り組むこととしております。このほかに、環境への配慮という観点から、公共事業における県産材の使用促進などに取り組むこととしております。
 第三は、「のびのび・活力づくり」に係る事業であります。
 まず、「豊かな食と緑のくにづくり」に向けた取り組みとしては、13年度に引き続き「地域農業システムづくり推進運動」を展開するほか、全国に先駆けて開発した、いもち病に強く農薬使用量を大幅に減らすことができる省農薬型コシヒカリを全県に普及するため、「新潟コシヒカリグレードアップ事業」に取り組むこととしております。
 また、生産調整につきましては、緊急拡大分が14年度も継続されることに伴い、引き続き必要な支援を行うとともに、「ねぎ」や「生しいたけ」の高付加価値化・低コスト化による対輸入競争力強化を目指し、「やわ肌ねぎ産地競争力強化実践事業」や、「生しいたけ産地競争力強化事業」により、産地の取り組みを支援するほか、地域で生産された農林水産物を地域内で消費する「地産地消推進総合対策事業」の取り組みを強化することとしております。
 更に、14年度から地域振興局が設置される佐渡において、新鮮な地場産の農林水産物を観光客に安定的に提供するシステムづくりを進めることとし、「『食の宝島』佐渡振興プロジェクト事業」を、観光振興施策との連携のもとに実施するほか、森林の多面的機能を確保するため、市町村との協定に基づき間伐などを行う森林所有者等に対して一定額を交付する、いわゆる「林業版直接支払制度」を創設することとしております。
 併せて、県産材の住宅への利用を促進するため、一定比率以上県産材を使用した住宅に対する優遇貸付制度を創設するとともに、県産材を使用した住宅の認証等を行う「『にいがた木の家』推進事業」を実施することとしております。
 「新たな産業の創出による活力づくり」については、「ベンチャー等起業支援体制整備」の充実に取り組むとともに、新産業創出や新事業展開を総合的に支援する拠点として、「にいがた産業創造機構」の開設に向け検討を進めるほか、有望な中小企業やベンチャー企業の育成を図るため、県及び県内企業等からの出資による「にいがた産業創造ファンド」を創設することとしております。
 また、IT産業を支える高度情報技術者の養成のシステムづくりや、情報サービス企業の立地促進に対する補助制度の創設等により、IT産業クラスターの形成を促進するための総合的な支援を行うこととしております。
 更に、新たな地域資源である海洋深層水の利用分野拡大に向けて取り組むとともに、佐渡における取水・分水施設整備を支援するため、「『日本海固有水』資源開発支援事業」を実施することとしております。併せて、平成15年度の「技能五輪全国大会新潟開催」に向け、選手の育成強化やプレイベントの開催等を行うこととしております。
 また、県内への企業誘致促進を図るため、現行の県営産業団地リース制度について大幅な要件の緩和を行うほか、新たに「企業誘致専門員」を配置し、企業誘致に戦略的に取り組むこととしております。
 「世界に開かれた交流の拠点づくり」としては、新潟コンベンションセンター(朱鷺メッセ)の平成15年春の開業に向け、万代島再開発事業を着実に推進するとともに、開業記念事業の準備を進めることとしております。
 また、新潟空港の拠点性を高めるため、国際航空路の維持・活性化対策や、「国際航空貨物振興事業」を実施するほか、新潟東港の国際物流拠点整備や定期コンテナ航路の維持・拡充対策を実施することとしております。
 更に、21世紀の交通ネットワークの整備を目指し、本県の総合的な交通政策の方向を示す「交通政策大綱」を策定するほか、中山間地域等におけるデマンドバスの実現可能性に向けた試行実験を実施することとしております。
 以上、申し上げてまいりました平成14年度一般会計予算は、総額1兆3,003億2千万円となり、平成13年度当初予算に比べ3.1%の減となったところであります。
 主要財源といたしましては、

  • 県税 2,462億円
  • 地方交付税 3,272億円
  • 国庫支出金 2,573億円
  • 県債 1,765億円

などを見積もっております。
 なお、来る平成15年度予算は、これまで財源不足を補てんしてきた主要3基金が枯渇するうえに、公債費の大幅な増加が見込まれることから、更に一段と厳しい予算編成となることは必至の見通しであり、このため、財政運営に当たっては一層細心の注意を払いながら、財政健全化に向けた各種対策を講じてまいりたいと考えておりますので、関係各位のご理解とご協力を改めてお願いする次第であります。
 次に、本定例県議会に平成14年度当初予算と併せて提出いたしました平成13年度補正予算に関する議案2件について説明申し上げます。
 第54号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額266億2,194万5千円の追加補正についてお諮りいたしました。今回の補正は、去る2月1日に国の補正予算が国会で成立したこと等に伴い、所要の予算措置を講じるものであります。
 その主要なものといたしましては、
 まず、一般公共事業関係では、道路、河川、砂防、港湾事業をはじめ、農業生産基盤整備や治山事業等の前倒し実施を図るほか、直轄事業負担金に係る所要経費を計上いたしました。
 また、福祉保健関係では、特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設の前倒し整備や、介護予防拠点の整備に係る所要経費を計上いたしました。
 このほか、高等学校等のインターネット整備、交通安全施設整備に係る所要額、新世代地域ケーブルテレビ整備に係る経費等を計上いたしました。
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、補正後における平成13年度の財政規模は、1兆3,831億3,823万9千円、前年度の最終予算額との対比では0.1%減となるものであります。
 次に、第55号議案は、特別会計に係る補正予算でありまして、事業実施上必要となる予算につきまして補正を行うものであります。
 以上、新年度に対する所信の一端と施策の概要などについて申し述べましたが、なにとぞ慎重ご審議の上、上程されました議案それぞれについてご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月5日説明要旨

 ただいま上程されました議案42件について、ご説明申し上げます。
 第57号議案は、平成13年度一般会計補正予算でありまして、総額518億8,748万円の減額補正について、お諮りいたしました。
 このたびの補正予算は、中小企業金融対策を含めた事務事業の執行見込みなどに伴います過不足調整等を行うほか、県競馬の廃止及び県競馬組合の解散に伴う累積債務の処理等に係る構成団体清算金、中条中核工業団地の維持管理費等に係る負担金、ワールドカップサッカー大会の仮設施設整備に係る負担金等を計上するものであります。
 この結果、補正後の財政規模は1兆3,312億5,075万9千円となった次第であります。
 また、第58号議案から第75号議案までは、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。
 次に、その他の議案について説明申し上げます。
 第76号議案は、県の行う建設事業に対する市町村の負担を変更するものであります。
 また、第77号議案及び第78号議案は条例案件であります。
 すなわち、
 第77号議案は、保健婦助産婦看護婦法の改正に伴い、関係条例を整備するため、
 第78号議案は、法律改正に伴う公安委員会の事務に係る新たな手数料の設定について、
 それぞれ、条例の制定及び改正を行うものであります。
 次に、第79号議案は、財産の取得について、
 第80号議案から第85号議案までは、契約の締結、変更について、
 第86号議案から第88号議案までは、県競馬の廃止に伴い、県競馬組合の解散、同組合の財産処分、及び競馬組合からの公平委員会事務の受託の廃止について、
 第89号議案は、信濃川水系及び関川水系に属する一級河川の指定又は指定の変更に関する意見について、
 第90号議案は、横川ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について、
 それぞれ、お諮りするものであります。
 次に、別冊の議案書となっております、第91号議案から第98号議案は、現下の極めて厳しい財政状況等を踏まえ、一般職員等の給与の臨時的削減措置として、管理職は給料3%、管理職手当10%、更に部長級については期末勤勉手当の5%の削減を14、15年度の2年間、また、管理職以外の一般職員については、14、15年度の2年間給料の2%、16年度は給料の1%の削減を、この4月から実施することに伴う案件であります。
 すなわち、
 第91号議案は、平成14年度一般会計補正予算でありまして、一般職員等の給与の臨時的削減の実施に伴い、現在ご審議いただいております平成14年度一般会計当初予算について、37億1,728万円の減額補正をお諮りいたしました。
 この結果、補正後の財政規模は、1兆2,966億272万円となった次第であります。
 また、第92号議案から第97号議案は、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ給与の臨時的削減に係る当初予算の減額補正を行うものであります。
 最後に、第98号議案は、条例案件でありまして、一般職員等の給与の臨時的削減を実施するための所要の改正についてお諮りするものであります。
 以上、各議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

3月14日説明要旨

 ただいま上程されました第99号議案、第100号議案及び第101号議案は、平成13年度一般会計、流域下水道事業特別会計及び港湾整備事業特別会計に係る補正予算でありまして、それぞれ予算の繰越についてお諮りいたしました。
 公共事業の執行に当たりましては、早期発注に心掛け、年度内に完了するよう鋭意努めてまいりましたが、設計や計画の変更による工事遅延、用地補償協定等の遅れなどにより、一部年度内に完了できない見通しとなりました。
 このため、やむを得ず、一般会計においては600億301万円を、また、特別会計においても、それぞれ所要額を翌年度に繰り越すものであります。
 この結果、既に歳出予算と同時に議決をいただいております国の第2次補正予算等に係る繰越と併せ、一般会計の繰越明許費の合計は744億9,763万2千円となった次第であります。
 今後とも、これら繰越事業の早期完了に努める所存でありますので、よろしくご審議のうえご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

3月22日説明要旨

 ただいま上程されました第102号議案は、人事に関する案件でありまして、教育委員会委員の任命についてお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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